[1]ノーゲーム・ノーライフの世界にチート転生者がきたようです   作:型破 優位

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9巻発売おめでとうございます!

それと告知ですが、
そろそろHUNTER×HUNTERと劣等生を書き始めようかと思っています。

それと、先に謝っておきます。

すみませんでした。

それでは本編へどうぞ!


ラブ・オア・ラベッド2 後編

三人称side

 

「くそ!俺が不甲斐ないばかりに・・・!」

 

正直言って、なめていた。

 

原作知識、この特典さえあれば余裕だと。

 

使えば、既に終わっていたゲーム。

 

なのに使わず、この中で最も自分が勝てる確率の少ない白を敵にまわしてしまった。

 

しかも、今回は偽装など出来てないだろう。

 

確かに白は動揺していなかった。

 

しかしそれは、弾が見えなかっただけだろう。

 

(ここは、白は空とジブリールに任せて、俺がいづなと一対一で早く決めるべきだな。)

 

そう考えて、足を早めた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「空、俺が不甲斐ないばかりに申し訳ない。」

 

開口一番、そう言った。

 

「なんのことだ?」

 

だが、空は頭に?マークを浮かべている。

 

わからない。

 

なんで余裕なのか。

 

「白を守れず、相手に渡してしまったことだ。」

 

「ああ、なら気にするな。すぐ取り返せばいい。」

 

「いや、だからすぐ終わらせる。俺がいづなと一対一でやるからその間に「その必要はない」でも、血壊を相手に出来るのはここだと俺だけだと・・・」

 

ここまで言いかけたところで、口が閉じてしまった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「お前、俺らをなめてるのか?」

 

空のゲーマーとしての顔に。

 

「私は今なら貴方のことが好きです、と言えます。しかし、今の貴方は好きになれるどころか、軽蔑に値します。」

 

そして、ジブリールの見下すような顔に。

 

「お前さ、俺たちの作戦、知らないだろ?」

 

その声のトーンはとても低く、目は鋭く光り、

 

「・・・あぁ。でも理解は」

 

「出来てないな。」

 

その言葉はさらに理解出来なくなる。

 

「・・・ッ!?」

 

いや、理解ならしている。

 

原作なら、さっきのところは決めるつもりで全力でいき、失敗したらそこからは完璧なアドリブが入るが、最終的にステフで決めるという作戦だったはずだ。

 

今回は自分もいるから、確実に行けると踏んでいた。

 

そう結論付けたと同時に空。

 

「まさか、あそこで終わらせようと思っていた、なんて思ってないよな?」

 

「・・・ッ!?」

 

読まれている。

 

「なぁ、佑馬。」

 

「・・・なんだ。」

 

今、確かに自分は恐怖している。

 

空の言葉に。

 

そのしぐさ一つ一つに。

 

「俺たちな、確かにお前は[ ]が相手するに足る存在だと思っていたよ。でも、少し違和感があったんだ。それが今、確信に変わった。」

 

さらに眼光を鋭く光らせ。

 

「お前さ、ある程度の未来、予測出来てるつもりだっただろう。」

 

「・・・あ、ああ。」

 

原作知識という完璧とも言える未来予知がある。

 

「じゃあ聞くが、その未来にお前は実際にいるのか?」

 

「・・・っ!!」

 

そう、原作知識は原作知識でしかない。

 

それは、佑馬が存在していない世界。

 

つまりそれは、

 

「俺が存在している未来とは違ってくる・・・」

 

「当然そうなるよな。」

 

「恐らく今回は、白が敵になることを予測出来なかったんだろうな。でも、お前以外、ステフですらこうなることは知っていたぞ?」

 

ステフすら知っている?

 

どういうことだ。

 

自分が知らず、それ以外は知っている。

 

つまり、自分がいなくて、他の皆がいたときに話合われたこと。

 

いつだ。

 

基本的にジブリールは俺といる。

 

それが一人になるタイミング・・・!

 

「そう、お前が寝ているときだよ。」

 

「ここまで読まれているのかよ・・・」

 

思わず口にしてしまった。

 

そしてさらに恐怖した。

 

「今回のこの作戦な、二つ意味があるんだよ。」

 

一つ目はわかる。

 

「一つ目は、いづなを倒しにいくため。」

 

そして二つ目を聞いて、目を見開いた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「二つ目は、お前が本当に俺らの敵に値するかどうかを確かめるため。」

 

つまり、こういうことだ。

 

お前の今までの行動は不自然な点が多すぎるから試させてもらった。

 

そして結果は当然、

 

「今のお前は足元にも及ばない。」

 

そう言われ、思い返す。

 

今まで、俺は何をしていたのか。

 

ジブリール戦

原作知識で星を砕く力を使い、勝利。

 

存在記憶争奪オセロ

これも原作知識で答えを導きだして、勝利。

 

そして今日まで何をしていたのか。

 

写輪眼の強化をしていた。

 

つまり、今まで使っていたのは頭ではなく、記憶。

 

強化していたのはただの目。

 

何が人類の可能性だよ。

 

何をそんな強気になっていたんだよ。

 

どんな面下げてステフを説教したんだよ。

 

その自己嫌悪から導きだされる答えは一つ。

 

「はは・・・くだらねぇ。」

 

そう、くだらない。

 

今回の意図はこういうことだろう。

 

俺以外の奴はあの時にいづなが血壊を使うことを知っていた。

 

あそこで白が取られる・・・いや、取られるフリをしていることも知っていた。

 

ただわからない奴、それ即ち、俺という存在をここで確かめたということ。

 

「うわ、本当にくだらねぇ。ただのガキじゃん俺・・・」

 

これは苦笑するしかない。

 

ここまで素晴らしいガキがいるのだろうか、と。

 

「はは、マジでどうしようもないとこまで行きかけたわ・・・ありがとうな、空。」

 

「気にすんな。お前は俺たちに確かに届きうる存在だからな。ここで躓いて貰っても困る。」

 

「つまりそれって・・・」

 

「いい素質を持ったやつと遊べなくなるなんてつまらないクソゲーはやりたくないんでね。」

 

「・・・こんなエール貰っといて何も感じない奴はいなよなぁ。」

 

最早ため息すら付きつつある。

 

「ジブリール、ごめん。いろいろ過信していたようだわ。迷惑かけたな。」

 

「えーと、はい?」

 

「・・・え?」

 

「なんのことでしょうか?」

 

頭に?を浮かべるジブリール。

 

「そのことはあとで。今は白のとこへ向かうぞ。いづなは血壊を少ししか使ってないからいく間も襲ってくるだろう。各自警戒は怠らないように。」

 

その言葉に頷き、白のいたビルへと向かう一同。

 

今度こそ踏み外すまいと決意しながら。

 

side out

 

 

 

いのside

 

ゲームの外。

 

いのは内心吠えていた。

 

(そんな、そんなはずはないッ!)

 

その事実に納得いかず、いのは内心で絶叫する。

 

(白やジブリールの鼓動から何かを企むような緊張感はなかったっ!白に至っては確実に撃たれたはずだっ!)

 

白の心音はいづなに撃たれたときから、そして今もなお。

 

心身ともにリラックスした、極めてフラットな鼓動を刻んでいる。

 

つまりそれは

 

(あれすらも予測していたというのかっ!!)

 

そこでビルに隠れているいづなを見てみる。

 

血壊の一時使用により、鼓動は早い。

 

しかし、少しずつだが落ち着きを戻している。

 

『いづな、相手はさっきのビルに向かっている。気を付けていけ。』

 

獣人種にしか聞こえない周波数。

 

これこそが獣人種の血壊に次ぐ二つ目のチート。

 

だが。

 

「なぁ、初瀬いの。」

 

その声はゲーム内の佑馬から。

 

そして、その言葉を聞いて身の毛がよだついの。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「次それやったらお前らの負けな?」

 

side out

 

 

佑馬side

 

さっきのビルに戻る途中、また声が聞こえた。

 

『いづな、相手はさっきのビルに向かっている。気を付けていけ。』

 

「なぁ、空、ジブリール。」

 

「どうした?」

 

「なんでございましょうか。」

 

どうしても気になることがあった。

 

「さっきから爺さんがなんか言ってるんだけど、あれは錯乱?」

 

さっきから聞こえるいのの声。

 

あれはわざと言って錯乱しているのだろうか。

 

だが返ってきた答えは

 

「「何も言ってないぞ(言ってませんよ)」」

 

「え?マジで?つまり、これはチートか?」

 

二人とも聞こえなくて、自分は聞こえる。

 

そしていづなに話しかける声。

 

つまりこれはチートの正体、それだろう。

 

「佑馬は聞こえるのか?」

 

「あぁ・・・耳障りだし、一応潰しておくか・・・」

 

「そうしてくれ。」

 

許可も出たので、少し声を張り上げる。

 

「おい、初瀬いの。」

 

たく、さっきから何するかわざと言って錯乱しているかと思ったら、全部事実なのかよ。

 

「次それやったらお前らの負けな?」

 

「なんだかんだで佑馬も大概だよな・・・。」

 

「そうでございますね・・・。」

 

今の二人の声は聞こえなかったことにする。

 

side out

 

 

 

三人称side

 

 

ビルに到着した一同。

 

白は5階に隠れていた。

 

「さて、暇だ。」

 

白は床に物凄い勢いである式を書いている。

 

襲い来るNPCに紛れ、たまにいづなが仕掛けては来るが、簡単に捌ききっている。

 

原作とは違い、防衛とはいえかなり余裕のあるゲーム展開となったきた。

 

「白、もうすぐで出来そうか?」

 

「・・・ん、もう、すぐ・・・終わる・・・。」

 

「じゃあそれまで耐えきりますかぁ。」

 

佑馬は少し思ってきてしまっている。

 

確かに大陸をかけてのゲームだが、本命はさっきのことを言いたかっただけではないのかと。

 

「・・・ん、終わった・・・佑馬・・・説明、する、ね・・・?」

 

どうやら終わったらしいが、何故ここで自分なのかわからない様子の佑馬。

 

「なんの?」

 

「・・・この、ゲームの・・・勝利法・・・」

 

そうして地面に書かれたそれを見たとき、口を吊り上げてニヤッと笑った。

 

瞬間、そのスキを狙ったかのように血壊を使ったいづなが現れ、一斉に銃を撃った。

 

佑馬は近くにいた白を咄嗟に抱えて窓の外へ出るが、他の二人はそのまま撃ち抜かれた。

 

空中に落下する佑馬と白に、追い討ちをかけるいづな。

 

佑馬と白から放たれる二つの弾丸を捌き、そのまま頭に向かって銃を放つ。

 

佑馬はそれに反応し二発撃つが、その後ろに隠されたもう二発の銃弾に跳弾し、進路を変えずに来る銃弾に目を丸くし、着弾。

 

佑馬と白は成す術なく墜落。

 

壊れた玩具のように地に投げ捨てられる。

 

続いていづなが四足獣のような姿勢で着地し、アスファルトに巨大な亀裂をいれた。

 

「フゥゥゥゥゥゥッ・・・フゥゥゥゥゥゥッ」

 

息荒く、闘争心を剥き出しにした、暴力の化身たる獣の形相。

 

血に塗れたその威容が、空気に触れて徐々に黒くなっていく。

 

「ハァッ!・・・ハァッ!・・・フゥゥゥゥゥゥッ・・・」

 

いづなには確実に仕留めたという確信があった。

 

それは、力なく地に伏す二人の姿ではなく、「仕留めた」と断言する"勘"

 

「・・・勝った、です・・・」

 

苦しげにこぼしながら、いづなは二足で立ち上がった。

 

倒れて動かない佑馬と白に視線を落とし、何か言おうと口を開け

 

 

・・・ぱすっ、と。

 

あまりに呆気なく。

 

あまりに唐突に、いづなの腕に、弾が当たる。

 

「・・・ぇ?」

 

いづなは元より。

 

観戦していた一同、いのもクラミーも、フィーすらも。

 

マヌケな声を上げて、いづなの視線が向けられた先。

 

たった今、いづなが撃たれた方を、注視する。

 

そこには・・・

 

「ソ、ソラ、こ、これでいいんですの?もう眼を開けていいんですの?」

 

ステフがいた。

 

そして・・・

 

「おう、お疲れステフ。よくやった。」

 

ヒョイッと軽く立ち上がる佑馬。

 

「・・・いくら『第六感』なんてあろうが。」

 

ゲーム終了を知らせる『敗北』の文字が表示されるいづなの視界の中。

 

ジブリールに運ばれる空と立ち上がった白、佑馬が言う。

 

「佑馬がお前の弾を跳弾して狙ったのが、おまえですらなく。」

 

「・・・その、下・・・」

 

「NPCにしがみつき眼を閉じて運ばれる、ステフとは読めないだろ?」

 

ただ、っと。

 

「正直、あれは倒すつもりで行ったが、隠れ弾は見えなかったよ・・・。」

 

そのことを心底悔しそうにする佑馬。

 

「ステフな、白が地面に書いた命令に従え。だがその記憶は失えってな、盟約で縛った。」

 

空が苦笑して言う。

 

「エネルギー切れ状態でNPCの背中に抱きつき、『らぶパワー補給がきた十秒後撃て』としか言われていない。ステフがいづなを狙い撃てる式・・・白が苦戦するのも、当然だな。」

 

そこで、ふと思い出したように佑馬。

 

「そういえば、あのときなんでジブリールは記憶が無くなってたんだ?」

 

「ああ、それはな。あれをするにあたってジブリールの力も必要だから、佑馬が寝ている間にジャンケンでわざと負けて貰い、まぁ、後はステフとほぼ同じだ。」

 

「なるほど。」

 

確かにあの顔は効いたなぁ、と嫌な顔をする佑馬に、

 

「まぁ、いい薬になっただろ。」

 

そう苦戦する空。

 

「まぁな・・・近いうちに、しっかりと借りを返させて貰うぜ?」

 

「ああ、俺らも待ってる。」

 

「・・・かかって、くるの・・・。」

 

そう笑いながら言う空、白、佑馬。

 

この言葉が、エルキアの存亡をかけた戦いになることも知らずに・・・。




謝った理由はこれです。

感想に、脳汁垂れ流しや佑馬がガキという批評をもらいました。

それを否定しなかったのは、こういうことです。

感想の一つに

カッコ悪い

というのがありました。

そのとおりです。

カッコ悪い主人公書くために脳汁垂れ流しで書きました。

いきなりチート貰って、原作知識があって、調子に乗らない高校生はきっといませんよね?

・・・いませんよね・・・?

楽しいことが好きとかいう高校生ならなおさらですよね!!!

というわけで、これで脳汁垂れ流しはやめますが、またそう感じる部分があるかもしれません。

最初の5話ぐらいについては・・・返す言葉もありません・・・。

これからも宜しくお願いします。

また、調子にのったような言葉、申し訳ありません。

主旨が伝われば何よりです。

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