[1]ノーゲーム・ノーライフの世界にチート転生者がきたようです   作:型破 優位

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UA5000 お気に入り150ありがとうございます!

日に日に増えていくのを見て、なんとか一日一回更新できる気力を貰っております。

それではどうぞ!


獣人種編
空間転移


空side

 

俺は今、空を飛んでいる。頭を抱えながら。

 

周りには素晴らしく広大な獣人種の土地。

 

聞くとこによると、本当に信じがたいのだが、

 

今までに合計8回挑んで敗けてとられた、元人類種の土地だそうだ。

 

しかも、その中に王宮まであるという。

 

これで頭を抱えられずにいられるのだろうか。

 

そして、隣では佑馬が

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

血を吐いていた。

 

その様子をジブリールがとても心配そうな声色で背中を擦りながら声をかけていた。

 

なんか、羨ましいな。

 

side out

 

 

 

佑馬side

 

俺は今、血を吐いている。

 

それは何故か。

 

それはここに来る前にある。

 

 

 

 

 

-----------数刻前----------

 

東部連合のゲーム内容を空が考えていた。

 

そこで、半世紀で急拡大した国が専守防衛はおかしい、という結論に至る。

 

だが、ここ十年は東部連合に対して、ある一か国を除き、国家戦を仕掛けていなかった。

 

ジブリールが直接ご覧になったほうがいいってことで、扉の後ろにいたステフも連れて空間転移した。

 

俺はそのときに写輪眼を発動し、この空間転移をコピーしようとしたのだが・・・

 

空間転移した瞬間、脳をおもいっきし殴られたような感覚に襲われた。

 

耳は一時的にだったが、聞こえなくなった。

 

そう、五感が獣人種並みで一方通行の能力でより精密に観測でき、さらに写輪眼を使ったのだ。

 

当然、空間転移の瞬間の空間に穴があいたときの"極超高周波"が襲う。

 

それにより、血を吐いたのだった。

 

 

 

------現在---------

 

「佑馬、大丈夫ですか?今すぐ図書館へ戻りましょうか?」

 

ジブリールが背中を擦りながら心配してくれる。

 

素直に嬉しいし、何よりも安心できた。

 

とりあえず、解析は終わり、使うこともできそうな感じだが、あの極超高周波は反射するように設定しないと、使用中に襲ってきたら空間転移どころじゃなくなってしまう。

 

とりあえず、極超高周波は『反射』に設定した。

 

「ありがとう、ジブリール。」

 

「なぁ、ジブリール、佑馬はなんで血を吐いたんだ?」

 

「恐らくですが、空間に穴をあけたときの極超高周波が聞こえたのではないかと。」

 

「それが聞こえないくらいの鈍感さでよかったよ...」

 

空、なんで俺をみながらひいてるんだよ。

 

「事情はわかった。とりあえず図書館に戻してくれ。頭を抱える場所が欲しい。」

 

「わかりました。今度は佑馬に聞こえないようにしますね。」

 

ジブリールのその心使いに涙出そうだ。

 

「ああ、助かる」

 

 

 

 

----------エルキア図書館-----------

 

図書館に戻ってきた。

 

反射に設定したとはいえ、その膜に反応はなかった。

 

本当に聞こえないように配慮してくれたようだ。

 

 

 

閑話休題

 

 

 

テーブルの上で空があぐらをかいて頭を抱えている。

 

「はぁぁぁぁぁぁ・・・・・」

 

先程からため息ばかりだ。

 

その膝の上という定位置で白が心配そうに覗き込んでいる。

 

「にぃ・・・だいじょう、ぶ・・・?」

 

「あぁ、ごめんな白、ちょっと絶望してるだけだ。」

 

大丈夫ではなかったようだ。

 

さて、まぁここからステフとの多少の衝突があったはずだが、それより確認したいことがある。

 

「ジブリール」

 

「どうしました?」

 

「ちょっと見てほしいものがあるから、少し席はずそう」

 

「・・・?わかりました」

 

「というわけで空、おれらは席外すな」

 

「あぁ......はぁ...」

 

どんだけ絶望してんだよ。

 

まぁいいや、とにかく早く使ってみたいし。

 

side out

 

 

---------エルキア図書館前-------

 

三人称side

 

ということで、外に出てきた佑馬とジブリール。

 

「それで、一体何をするのでしょう?」

 

「まぁ、見とけって。」

 

佑馬はとりあえずジブリールの手を繋いだ。

 

・・・・・・・・・。

 

ジブリールが少し微笑んだように見えたのは気のせいだろうか。

 

気を取り直して、写輪眼と一方通行を発動。

 

さっきの脳を精霊回廊の代役として使い、先程の精霊の動きを真似る。

 

その瞬間、空間に穴が空き、そこには・・・・

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

さっきまでいた上空へと転移してた。

 

「・・・っ!これは、まさかっ!」

 

ジブリールから驚愕の声が上がる。

 

「そう、さっき見て真似てみた。」

 

「いや、どうやって・・・まず、人類種には精霊回廊はないはず・・・。それに、佑馬やマスター達には精霊すら感知できなかったのに・・・。」

 

「ああ、それはまずこの眼で空間転移の瞬間の精霊の動きを観察して、解析、その推論から精霊回廊の代役、つまり、脳を精霊回廊の代用品として使ったってわけ。俺の脳は特別製だしな。そのおかげでひどい目にあったけど・・・。」

 

「・・・。」

 

驚愕で言葉も出ないジブリール。

 

人類種には魔法が使えないという既知をあっという間に覆してしまった。

 

しかも、それを出来て当たり前のように話している。

 

まさしく未知を体現している存在。

 

「まぁ、見せたかったのは、これだが、どうだ?ジブリール。成功でいいか?」

 

「は、はい。成功どころか、全く同じでございました。まさかですが、一度見れば全ての魔法が使えるようになったりするのでございますか?」

 

「うん?そうだけど?」

 

その答えにまた驚愕するジブリール。

 

つまりは、一度見れば全て使えるようになるということ。

 

(人類種とはかけはなれた力を持っているとはいえ、これほどまでとは思ってもいませんでした。確かに佑馬にマスター達が加われば、あるいは神すら・・・)

 

「よし、じゃあ戻るか」

 

そう言った瞬間、景色がガラッと変わり、エルキア図書館前にいた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

------エルキア図書館--------

 

部屋に戻ってみると、そこには本を読み耽っている空と白がいた。

 

「あれ、ステフは?」

 

だが、ステフはここからいなくなってった。

 

「にぃ・・・怒らせた・・・」

 

「あ、そういうこと。」

 

「それでよく納得したな!?間違いではないけども!」

 

いつの間にか元通りの空。

 

「いや、だって、ねぇ?ジブリール」

 

「はい、マスターなら納得できます。」

 

二人から辛口の評価を受ける空。

 

「俺って、どのように思われてるんだ?」

 

「「鬼畜」」

 

「まさかのどストレート!?てかまて!佑馬にだけは言われたくないぞ!」

 

「ん?俺は鬼畜だけど?」

 

「あ、もういいです。すみませんでした。」

 

そういって再び本に視線を戻す空。

 

「ジブリール、俺はちょっと行くところがあるから、二人から要望があったら聞いてやってくれ。」

 

コクン、と頷くジブリール。

 

そうして、佑馬は虚空へと消えた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「なぁ、ジブリール。」

 

いきなり空が声をあげる。

 

「なんでございましょうか、マスター?」

 

「佑馬とジブリールってさ、どういう関係なの?」

 

空が気にするのも無理はない。

 

先程、一緒にお風呂から出てきたり、そのときに手を繋いでいたり、まるで恋人みたいだったのだ。

 

「あ、私と佑馬は恋人関係にあります。」

 

「ああ、そうか。・・・ごめん、もう一回言ってくれないか。」

 

思わず耳を疑う空。

 

え?本当に付き合ってたの??

 

「ですから、私と佑馬は恋人関係にあります。」

 

聞き間違いではなかった。

 

そこで空と白は思い出す。

 

具象化しりとりのとき、佑馬が言った言葉を。

 

 

『ジブリールは俺に任せてくれないか?』

 

そして、何故かきいたとき、口ごもっていた。

 

つまりはそういうこと。

 

 

 

そしてここには、

 

(今回はなんかの作戦ではなく、自分の純粋な思いって訳か。一本とられたな。)

 

 

 

 

 

 

 

 

(佑馬・・・いいな。白、も・・・にぃに・・・素直に言える、かなぁ・・・?)

 

 

 

全く別の事を考えている兄妹と、

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

(佑馬は今頃、何しているのでしょうか)

 

 

なんだかんだで佑馬を気にしているジブリールがいた。

 

 

side out

 

 

----少し遡って----

 

ステフside

 

ステフは今、自分の寝室にあるキングサイズのベットに埋もれて、ボソボソと呟いてた。

 

「嘘つき・・お祖父様は正しかったって証明するって言ったじゃないですの・・・・っ」

 

そう、先程、ステフの祖父を"アルコール中毒者"と言ったのだ。

 

「お祖父様は愚王なんかじゃ、ないですわっ!」

 

「その通りだな。」

 

「ひゃあああぁぁぁっ!?」

 

いきなりぬっと虚空から現れ枕元を覗きこんでくる佑馬。

 

「佑馬!?一体どうやって入ってきたんですの!?」

 

「空間転移。」

 

「え、あ、はい、もうあなたが何やろうと驚きませんわ。」

 

なんでこう、いつもこんなに規格外なのだろうか。

 

「そう?実は俺ステフのパンツを持っているんだが。」

 

「なっ!?なにしてるんですのよっ!?」

 

「嘘だ。」

 

ケタケタと笑う佑馬。

 

だが、今そんなことに付き合う暇はないステフは、

 

「からかいにきたのなら、帰ってくれませんか?」

 

そう冷たく言い放つ。

 

「ああ、じゃあ、真面目な話をしよう。」

 

そういって、いきなり真面目な口調になる佑馬。

 

「まず、お前は空について誤解している」

 

「私が空について何を誤解しているというんですの。」

 

「空のあの時の様子を考えてみろ、いつもよりネガティブな思想を持っていただろ。たぶん、それが原因でそんなこと言ったんだろ。」

 

「だとしても、言っていいことと悪いことがありますわ。」

 

「それは空も知っている。今、一生懸命前国王の思惑を見つけようと頑張っているんだ。」

 

「・・・っ!?」

 

その言葉に、少なからず驚くステフ。

 

「なぁ、ステフ。空は、確かに不器用で、人類種のことなんか思ってないように見えるが、実際のとこは違うぞ。よく考えてみろ、いままで空がしてきたことを。」

 

そう言って考えてみる。

 

 

まず。イカサマで惚れさせられた。

 

森精種を破り、国王になった。

 

効率の良い、画期的な内政を行った。

 

犬にされた。

 

ジブリールを所有し、エルキア図書館を取り返した。

 

「・・・あっ。」

 

「気づいたか?」

 

そう、ステフだけが絡む出来事以外は、ちゃんとまともにやっている。

 

少なくとも、人類種を存続させられるレベルまでは。

 

「そして、今から前国王を賢王とするのは、おまえが持っているその鍵が必要だ。」

 

「な、なんでこの鍵の事を。それにこの鍵は人類を託せると思えた人じゃないと・・・」

 

「つまり、おまえの空に対する評価はそれぐらいのレベルでしかないということだな。」

 

その言葉が、ステフに深く突き刺さる。

 

「もう少し、信用してみたらどうだ。」

 

そう言って、佑馬は消えた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「やっぱり信じてみるべきですわね・・・。」

 

その言葉を聞いて、口を吊り上げて笑う人が一人いたそうな。

 




滑り込みセーフ(23時49分)

ちょっと駄文になったかもしれませんね。

そして、なかなか進みませんね。

今回取得したのは空間転移、

え、これアヴァント・ヘイム編やばいよね。

次回は乗り込みます。

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