仮面ライダー〜アサシン〜ゴースト   作:ファルコン・Σ

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終幕

エネルギーの着弾によって弾ける爆炎。

その業火に怯まずに二人のゴーストは駆ける。

 

「陽菜乃!! 攻撃は俺が全部弾くから切り込め!」

 

「分かった!」

 

ゴーストのガンガンセイバーのガンモードから放つ弾丸が光弾を弾き、出来た隙間にゼロゴーストが入り、エクストリーマーの懐に入り込む。

 

「やああああっ!!」

 

ブレードモードでひたすらに斬りつける。

 

「ぐっ……」

 

「ん!?」

 

と、これまで一切攻撃を受けても動じなかったエクストリーマーが微妙にダメージを受けたのを確かに見た。

 

「今のは」

 

「小賢しい!!」

 

「きゃああああ!!」

 

吹き飛ばされたゼロゴーストをしっかりと受け止める。

 

「あ、ありがとうタケル」

 

「陽菜乃。分かった。彼奴を倒す方法!」

 

「本当!?」

 

竜が渾身の力を込めたライダーパンチ。

それがヒットした所が微妙に弱っているのだ。

 

「まずはそこを突く! 行くぞ!!」

 

「うん!!」

 

[ダイカイガン! オレ! オメガドライブ!]

 

[ダイカイガン! ゼロ! オメガドライブ!]

 

背後に発生した橙色と黄緑色の目の紋様から溢れ出るエネルギーがそれぞれの右足に収束。

そして同時に跳躍してエネルギーを収束した足を突き出して同時に蹴り込む。

 

「ぬぐううっ!!?」

 

見事に急所に直撃。

エクストリーマーはかなりのダメージを受け、大きく体が仰け反った。

 

「小癪な………」

 

「ううっ!?」

 

「ああっ!?」

 

翼から放たれたロープ状の触手が二人に絡み付き、縛り上げる。

そのまま触手が締め付け、ダメージを与える。

 

「う、ぐ、ぐ、ぐぅ……」

 

「く、苦しい……!」

 

「たった二人で神である私に敵うとでも思うのか? はあ!」

 

「ぐああああっ!!!」

 

「うああああっ!!!」

 

触手を通して電流が二人に流れ込む。

強烈な電撃を食らった二人は苦しみもがくが絡み付いた触手は中々ほどけない。

 

「あ、あぐ……」

 

「うう……」

 

「諦めろ。そして大人しく神が創り出す世界を受け入れよ」

 

勝ち誇った声で二人に告げるエクストリーマー。

だが、ゴーストは触手を握って抵抗した。

 

「誰が諦めるか………俺は、絶対に諦めない!」

 

「ぬう…………」

 

「それに………お前なんか神じゃない! お前はただの化け物だ!!」

 

ブチッ!!

触手を引きちぎったゴーストはガンガンセイバーでゼロゴーストを捉えていた触手を切り裂いて救出する。

 

[オメガトルネイド!]

 

「ぬぐっ!?」

 

ゼロゴーストのナギナタによる旋回切りで触手を切り飛ばす。

 

「ふふ。タケルらしいよ」

 

「そうだろうな。それが俺の覚悟だ」

 

「おのれ…………!」

 

と、タケルはディープ眼魂を倉橋に渡す。

 

「?」

 

「彼奴を倒す為には融合している眼魂を引き離すこととアイギス自身を倒さないといけない」

 

「………分かった。皆を取り戻すのは私がやるから」

 

「ああ」

 

[無限進化!]

 

[チョーカイガン! ムゲン! keep in going! ゴ・ゴ・ゴ・ゴ・ゴ・ゴ・ゴ・ゴ・ゴッド・ゴースト!]

 

[dive to deep!]

 

[ゲンカイガン! ディープゴースト! ゲットゴー! 覚悟! ギ・ザ・ギ・ザ・ゴースト!]

 

ゴーストムゲン魂とディープゼロゴーストに強化変身。

 

「何故だ! 何故貴様らはそこまで抗う! ゴーストの世界ならば死の恐怖に怯えることなく永遠に生きられるというのに!」

 

「貴方勘違いしてるよ……ゴーストじゃあ生きているとは言えない!」

 

「そうだ! 命はいつか必ず尽きる。けど、だからこそ皆、生きているんだ! ただただ存在しているだけなんて、そんなの、死んでるのと変わらない!」

 

「黙れぇ!!」

 

エクストリーマーが放つ光弾を掻い潜って走るムゲンゴーストとディープゼロ。

ディープゼロが専用武器のディープスラッシャーを召喚し、そのブラスターモードをエクストリーマーに向ける。

 

[オメガダマ!]

 

「行けっ!!」

 

「ぐっ、ぐうう!?」

 

更にアローモードを構えたムゲン魂が連続で射出。

 

[タノシーストライク!]

 

「ぬっ!!」

 

「いけ、陽菜乃!!」

 

「やああああああああ!!」

 

[オメガギリ!]

 

竜の攻撃から始まり、集中してダメージを与え続けていたエクストリーマーの胸部がひび割れた。

 

「うぐぅおおおおおおおおおおおおお!?」

 

その傷口から制御できなくなったエネルギーが放出される。

その飛び出したエネルギーは眼魂になり、その眼魂はタケルに集まっていく。

 

「皆………! 想いが伝わってくる………皆だって、命のある人間として生きたいよな……!」

 

「行こうタケル! 皆の命を守る為に!!」

 

[ゲンカイダイカイガン! ゲキコウゴースト! 激怒! 覚悟! ギリギリゴースト! 闘争! 暴走! 怒りのソウル!]

 

ディープゼロゴーストがゲキコウモードになり、ムゲンゴーストも背部から虹色で∞型の翼が展開する。

 

「たあああっ!!」

 

「りゃああっ!!」

 

「ふざけるな………私は……私はぁ!!」

 

飛翔する二人と怒りで我を失ったエクストリーマーが激突する。

交錯の後、砕かれたのはエクストリーマーの異形の翼だった。

 

「てやああああ!!」

 

「うおらあああ!!」

 

「がはああっ!!」

 

墜落していくエクストリーマーを掴んでムゲンゴーストとディープゼロが地面に急降下し、叩きつける。

 

「ぐは……貴様ら……!」

 

「決めるぞ」

 

「うん!!」

 

[チョーダイカイガン! ムゲン! ゴッドオメガドライブ!]

 

[キョクゲンダイカイガン! ディープゴースト! ギガオメガドライブ!]

 

「「てやああああああっ!!」」

 

「ぐはああっ!?」

 

ダブルライダーキックがエクストリーマーに直撃。

その強大な力によってエクストリーマーのボディに亀裂が走り始める。

 

「バカな……神である私が………こんな……バカなァァァァァァ!!!!」

 

亀裂が全身に行き渡るとエクストリーマーは爆発。アイギスごとその体は爆炎に飲まれて消え去った。

 

「……はあ……はあ…」

 

「やった………ってうわわわ!?」

 

「じ、地震か!?」

 

と、突如大地が大きく揺れた。

 

「タケル~!」

 

「あ、ユルセンひさしぶり! どうした!?」

 

「不味いぞ~! この星を制御していた奴を倒しちまったから地球に分解落下を始めてる!」

 

「「!?」」

 

そもそもこの世界は正確には宇宙に浮かぶ眼魂型の惑星なのだ。

アイギスを倒したことで惑星が分解を始め、その残骸が地球に落下を始めているのだと言う。

 

「そんな………このままじゃ大量の巨大隕石が地球に降り注いで大災害になる!!」

 

「ユルちゃん! 止める方法は無いの!?」

 

「無理だって!! 大量の巨大な隕石を全部止めるか、消すなんてどんな英雄でも無理だ!!」

 

「それこそ奇跡でも起きない限り……奇跡……?」

 

タケルの脳裏に一つの策が浮かんだ。成功できるかどうかは分からないが何もしないでいる訳にはいかない。

 

「ユルセン!! 今何月の何日だ!? 地球の時間で!!」

 

「え、まだ12月の25日だぜ? あと五分くらいで日付変わるけど」

 

「十分だ!! カエデさん!!」

 

と、タケルから一つの眼魂が飛び出す。

 

「橙色の眼魂………私がカエデちゃんを変えた眼魂……?」

 

「あ、いや雪村あかりさん?」

 

「今そんなこと気にしてる場合かよ!!」

 

「そりゃそうか……カエデさん。まだこの眼魂はギリギリ使える。力を………貸してくれ!!」

 

「勿論。演技とかじゃない本心で………私も命を守りたい!」

 

「ありがとう………変身!」

 

 

 

[カイガン! サンタクロース! ジングルベル! 星降る聖なる夜!]

 

 

 

サンタクロース魂。

クリスマスの時だけ変身できる特別な眼魂。

その力は、一度だけ奇跡を起こす!

 

[ダイカイガン! サンタクロース! オメガドライブ!]

 

◎◎◎◎◎

 

「!! 皆さん!!」

 

地球にいた殺せんせーの前に天空からの光が降り注ぎ、そこに生徒達が降り立つ。

 

「………ただいま、先生」

 

「ご心配をお掛けしましたー」

 

「…………お話は伺っています。皆さんよく頑張りましたね」

 

と、殺せんせーの隣には竜が立っている。

エクストリーマーから受けたダメージも特に深いものでは無かったようだ。

 

「………タケル。皆、本当によくやってくれた」

 

「父さん………」

 

「あ! 流れ星!」

 

 

 

サンタクロース魂が起こした奇跡は、全ての英雄眼魂を元の人の姿に戻し、惑星を地球の大気中で燃え尽きる程に小さく分解した。

 

その惑星の無数の欠片が今、地球に降り注ぐ大量の流星群となっていた。

 

「…………こんな綺麗な景色を見れるのも、生きているってことなんだな」

 

「そうだね。だからタケルもちゃんと自分の命を取り戻してね」

 

「ああ。勿論だ」

 

 

 

こうして、聖なる夜に起きた一連の大事件は幕を下ろしたのだった。

 

 

 

東京、浮世絵町。

 

「おいハルト」

 

「ああ、リクオか……ていうか夜かよ」

 

屋敷の縁側に座って指輪を眺めてる青年に長い後ろ髪を携えた青年が声をかけた。

 

「何処行ってたんだよ。コウタ共々、いきなり居なくなったから烏天狗達が大騒ぎだったぞ」

 

「まあまあ、総大将が消えるよりは可愛いもんだろ?」

 

「ジジイはそういう妖怪だから仕方ねえだろ。で、質問に答えろよ」

 

「ん? 別に、ただ希望を守る為に戦いに行っただけだよ」

 

「…………そうか」

 

それきり、髪の長い青年は何も言わずに去っていった。

 

「……神代タケルか……あいつも俺と同じ、最後の希望なのかもな」

 




これにて劇場版シナリオは終了。

次回からは本編に戻ります。

ライダーの魂編などはとりあえず本編を完結させてからですね。


「主人公に魅力がない」という評価を重ねて食らいました。
むう……次回作の課題ですねコレは。

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