仮面ライダー〜アサシン〜ゴースト   作:ファルコン・Σ

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究極の眼魂

「はあ、はあ、はあ……!」

 

倉橋との戦いのダメージも残っている中、タケルは搭内の螺旋階段を駆け上がる。

そして最上階にたどり着き、扉をこじ開ける。

 

「アイギス!!」

 

「来たのか。だがもう遅い」

 

アイギスの背後には大きな台座があり、そこに百個の眼魂が収められている。

その中心部に倉橋の体が眠らされていた。

 

「陽菜乃!!」

 

「ダーウィンの眼魂を発生させたこの女の体を元に究極の眼魂を作る。世界を私の思うがままにできる究極の眼魂を!!」

 

「させるか………うぐ!?」

 

止めようとしたタケルだがアイギスの念動力によって動きを封じられる。

 

「貴様は黙って見ていろ。さあ……ダーウィンよ、眼魂の進化を促せ!!」

 

橙色に光ったダーウィン眼魂を倉橋の体に投入すると他の眼魂も次々と投入される。

そしてその輝きがより一層激しくなり、その光の輪郭が変わり、アイコンドライバーのような形になる。

 

「ああっ……!」

 

「これが………究極の眼魂……! 私は、これで、神となる……!」

 

究極の眼魂を手にしたアイギスはそれを腰に装着。

そのまま両腕を広げ、高らかに告げる。

 

「変身………!」

 

搭が揺らぎ、巨大なパーカーゴーストがアイギスに被さる。

そして自動的にフードが展開。

ムゲン魂とは対色となる黒と金の姿。

 

"仮面ライダー エクストリーマー"

 

「凄まじい力だ……はあ!」

 

「! うぐぅあああああ!!」

 

エクストリーマーが放った光弾がタケルを襲う。

その桁外れのパワーに倒れそうになるタケルを念動力で持ち上げて空中に固定する。

 

「う、ぐう…………」

 

「さようならだ。仮面ライダーゴースト………」

 

エクストリーマーの手に禍々しいエネルギーが凝縮されていく。これを食らってはタケルは完全に消滅してしまう。

 

「させん!」

 

[ダイカイガン! スペクター! オメガドライブ!]

 

と、そこにスペクターが割り込み、ライダーキックを叩き込んだ。

 

「神代竜か。小賢しい真似を………」

 

「うぐっ」

 

「大丈夫かタケル!」

 

「父さん……うん。俺は……」

 

「此処は任せろ!!」

 

「父さん!!」

 

スペクターがエクストリーマーに挑む。パンチやキックを連続で叩き込む。

 

「ふん!! はっ!!」

 

「軽い。こんなものか!!」

 

「ぐっ!?」

 

一切身動ぎしないエクストリーマーはスペクターの腕を掴んで持ち上げる。

 

「く…………」

 

「貴様の監視は鬱陶しかったよ。此処で消してやろう」

 

「父さん! 危ない!!」

 

「!!」

 

[オメガスマッシュ!]

 

ガンガンハンドを召喚したスペクターが青いオーラを腕に叩きつけ、窮地を脱した。

 

「うぐおっ」

 

「父さん!!」

 

「タケル。これを………」

 

と、竜がタケルに一つの眼魂を手渡す。

闘魂ブースト眼魂同様に通常の眼魂とは異なり、特異な形をしていた。

瞳部分は狂暴に睨み付け、角や爪のような意匠が存在する。

 

「エクストリーマーに対抗できる手段だ……眼魂を使用者から強制的に引き剥がすことができる」

 

「これを……俺に……?」

 

「私には使えない。が、お前ならできる。お前には………無限の可能性があるんだから」

 

「………………」

 

「私が突破口を開く! そこを突け!」

 

「父さん!!」

 

[ダイカイガン! スペクター! オメガドライブ!]

 

「おおぉぉぉぉ!!!」

 

「ふん!」

 

スペクターとエクストリーマーの拳が交錯。

スペクターの拳は相手の胸部に直撃したが、エクストリーマーによってドライバーが破壊されてしまった。

 

「!」

 

「ふふふ……はあっ!!」

 

「ぐああああっ!!」

 

エクストリーマーに投げ飛ばされた竜はそのまま壁に叩きつけられる。

倒れ伏した彼の体が段々と粒子化を始めた。

 

「父さん! 父さん!!」

 

「案ずるなタケル!! ドライバーを破壊された私はこの世界には留まれない。私は人間世界に戻るが………お前の勝利を信じているぞ!!」

 

「……………!」

 

「勝て! タケル! お前の仲間を、人間を、命を守るんだ!!」

 

そう言い残して竜は消えた。

 

「小蝿が一匹消えた。後は貴様だけだ」

 

「………………」

 

タケルは竜から託された眼魂を強く握りしめる。

そしてスイッチを起動した。

 

「分かってるさ父さん。俺が全部救ってやる。この命を使ってでも!!!」

 

[dive to deep]

 

「………変身ッ!!」

 

[ゲンカイガン! ディープゴースト! ゲットゴー! 覚悟! ギ・ザ・ギ・ザ・ゴースト!]

 

紫の炎に包まれて紫炎を放つパーカーゴーストを纏う。

通常のゴーストとは明らかに異なる狂暴な風貌。

 

"仮面ライダーディープゴースト"

 

「なんだその姿は……」

 

「俺の生き様……見せてやる!!」

 

エクストリーマーに高速で接近し、殴り付けるディープゴースト。

その威力は通常のゴーストを遥かに上回る。

 

「うおおぉおおっ!! だああああっ!! でやあっ!!」

 

殴る、殴る、ひたすらに殴る。

 

「だあっ!! らあっ!! おりゃあっ!!」

 

拳だけではない。脚も頭突きも肘鉄も食らわせる。

 

「無駄だ。神となった私にただのパンチやキックが通じるものか!」

 

「確かにそうかもしれない。だけど! 俺の怒りはそれ以上だ!!」

 

[ゲンカイダイカイガン! ゲキコウゴースト! 激怒! 覚悟! ギリギリゴースト! 闘争! 暴走! 怒りのソウル!]

 

「ガアアアアアアアアアアアアアッ!!」

 

更に凶暴性を増したゲキコウモードに強化変身。

背後から発生した翼でエクストリーマーを掴み、搭の天井を突き破って飛翔した。

 

「何っ!?」

 

「うがあああああっ!!」

 

ディープゴーストすらも越える力。

通常のゴーストとは比較になどならない。

 

「オラァァァァァァッ!!」

 

強烈な一撃でエクストリーマーを地面に落とす。

更に追撃。

 

[キョクゲンダイカイガン! ディープゴースト! ギガオメガドライブ!]

 

「でりゃぁぁぁぁぁ!!!」

 

「ぐぉおっ!?」

 

地面に落とされたエクストリーマー。

そのベルトから倉橋が輩出された。

 

「ひゃああっ!?」

 

「陽菜乃!!」

 

彼女をしっかりと抱き締めるタケル。

 

「タケル……?」

 

「良かった陽菜乃………ようやく取り戻せた」

 

「………うん。ただいま」

 

タケルに抱き締め返した倉橋は彼に支えられて地面に立つ。

 

「少々侮っていたようだ………此処からは私も全力で行かせてもらおう!」

 

と、エクストリーマーのパーカー部分が展開、不気味な目玉が至るところに埋め込まれた翼に変化した。

 

「もはや殺してでも構わん。その女の体をもう一度頂こう!」

 

「させるか!!」

 

目玉から無数に射出される光弾を背中の翼を広げて防ぎ、倉橋を守る。

しかしその衝撃で一時変身が解除された。

 

「きゃっ……!」

 

「下がってろ陽菜乃。今度こそ守らせてくれ……!」

 

「………うん。けど私にもやらせて」

 

「!? おい!?」

 

と、タケルからゼロ眼魂を取った倉橋がゴーストドライバーを現出する。

 

「陽菜乃!?」

 

「私ね。女の子だから守られるのは嬉しいの。けどね、できることなら一緒に戦いたかった」

 

「……………」

 

「タケルと戦った記憶もある。申し訳ないっていう気持ちも勿論あるけど、でもタケルと対等に戦えたってことが嬉しかった」

 

「…………そっか。なら戦おう。今度は一緒に! 皆を取り戻すために!!」

 

「「変身!!」」

 

[カイガン! オレ! レッツゴー! 覚悟! ゴ・ゴ・ゴ・ゴースト!]

 

[カイガン! ゼロ! スタート! 覚悟! 1・2・3・4・ゴースト!]

 

タケルと倉橋が同時に眼魂をセット。

ゴーストとゼロゴースト。

かつては対立した二人のライダーが今此処に、強敵を倒すために並び立った。




スペクターはこれで終了です。
竜さん自身はまだ役目があるので生きてますが。

ということでディープスペクターならぬディープゴースト!
音声めちゃくちゃ好きです。このフォーム。

次回はダブルゴーストとエクストリーマーの最終決戦です!

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