仮面ライダー〜アサシン〜ゴースト   作:ファルコン・Σ

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二人の幽霊

二人のライダーの助けでなんとか先に進む一行。

しかし障害は未だに多く残る。

 

『行かせんぞ!!』

 

「!! シャドウゴーストがもう一体………!」

 

「タケル。此処は私に任せろ」

 

と、竜が前に出るとスペクター眼魂をベルトに装填した。

 

「…………変身」

 

[カイガン! スペクター! レディゴー! 覚悟! ド・キ・ド・キ・ゴースト!]

 

「と、父さん?」

 

「行け!! アイギスを………倉橋さんを止められるのはタケル、お前だけだ!!」

 

「…………分かった。父さんも気を付けて」

 

そういうとタケル達は道を変えてその場を離脱して更に搭に向かう。

シャドウゴーストブルーはそれを敢えて見逃した。

 

「…………どういうつもりだ?」

 

『我が出ずともこの先にはゼロゴースト様がいる。神代タケルの相手は………あの方に任せる』

 

「………そうか。だがそれは好都合だ」

 

スペクターは絶対の自信を持ってシャドウゴーストブルーに告げた。

 

「タケルは私の息子だ。故に負けることはない。たとえ、自分の恋人が相手だろうとな」

 

◎◎◎◎◎

 

「!」

 

「倉橋さん……」

 

タケル達の前に立ちはだかる霊体倉橋。

黒いドレスを靡かせて相変わらずの不気味な顔を見せている。

 

「………やっぱり来たんだ。せっかく誘ってあげたのに、タケルは分からず屋だね」

 

「タケル…………」

 

「もう惑わされないぞ」

 

しかしタケルはそんな霊体倉橋をキッと睨み付けて叫んだ。

 

「いくら陽菜乃自身の魂で、陽菜乃の顔で、声で言ったとしても………お前の意思と言葉は陽菜乃の物じゃない!! これ以上お前を他の奴等の操り人形にされてたまるか!!!」

 

オレ眼魂を握って構えるタケル。

そんな彼を見て九人は互いに頷き合い、

 

「タケル!!」

 

「俺達も力を貸すぜ!!」

 

「一緒に倉橋さんを取り戻そう!!」

 

「皆……ああ! 行こう!」

 

九人が自らの意思で変化した英雄眼魂をしっかりと掴んだタケルはオレ眼魂のスイッチを入れる。

 

「残念だよタケル……だったら無理矢理にでも連れてくからね」

 

「やれるものならな……」

 

 

「「変身!!」」

 

 

[カイガン! オレ! レッツゴー! 覚悟! ゴ・ゴ・ゴ・ゴースト!]

 

[カイガン! ゼロ! スタート! 覚悟! 1・2・3・4・ゴースト!]

 

 

二人のゴーストはガンガンセイバーを構えてぶつかり合う。

 

「おおおおおぉぉぉぉ!!」

 

「はああああぁぁぁぁ!!」

 

最初の激突だけで凄まじい火花が散り、その後のぶつかり合いも固い金属音が響く。

 

「でやっ!!」

 

「たあっ!!」

 

ひときわ強いぶつかり合いで両者がその反動を使って距離を取る。

 

「やるね。なら……竹ちゃん」

 

[カイガン! ピタゴラス! 三角の定理! オレの言う通り!]

 

竹林から形成された英雄眼魂、ピタゴラス魂を装着するゼロゴースト。

 

「!」

 

「せやっ!!」

 

両手で三角を作るとそこから三角形のエネルギーが発射され、ゴーストに当たる。

 

「うっ、ぐっ!!」

 

「タケル君! 私を!!」

 

「愛美さん! 分かった!!」

 

[カイガン! エジソン! エレキ閃き発明王!]

 

エジソン魂を纏ったゴーストがガンガンセイバーガンモードから放つ電撃でピタゴラス魂の放つ直線形のエネルギーを打ち消す。

 

「やるね。なら菅やん」

 

[ガリレオ! 天体知りたい星イッパイ!]

 

ガリレオ魂に変更したゼロゴーストが指を降り下ろすと遥か空高くから流星群が降ってくる。

 

「嘘だろ!?」

 

「タケル!! 私に交換して!!」

 

「そうか! 力を借りるぞ桃花さん!!」

 

[ニュートン! リンゴが落下! 引き寄せまっか~!]

 

「斥力発生! おらぁ!!」

 

右手を高く掲げ、斥力を発生させるニュートンゴースト。

間一髪で流星群を押し返し、宇宙の彼方へ送り返すことに成功した。

 

「それくらいはやってくれるよね。ならこれはどう? 岡ちん」

 

[イッキュウ! 迫るピンチ! 冴えるトンチ!]

 

「うおっ!? くっ!!」

 

座禅を組んでフワフワと飛び上がるイッキュウゼロゴースト。

 

「軌道が読めない! ぐっ!」

 

「タケル! んな小細工なんざ一気に蹴散らしちまえ!」

 

「そうだな寺坂! お前の力を借りるぞ!!」

 

[ベンケイ! 兄貴ムキムキ仁王立ち!]

 

「うおらぁ!!」

 

ガンガンセイバーハンマーモードを全力で地面に叩きつけるベンケイゴースト。

その衝撃波によってイッキュウゼロゴーストが吹き飛ばされた。

 

「うわああっ!?」

 

「まだだ!!」

 

倒れたイッキュウゼロゴーストにハンマーを降り下ろす。

それを転がるようにかわしたゼロゴーストは、

 

「なら今度はこっち!! 綺羅々ちゃん!」

 

[シェイクスピア! きっとロミオとジュリエット!]

 

シェイクスピアゼロゴーストが両手を翳すとゴーストの動きが止まった。

 

「な、なんだこれ!?」

 

「ふふ。なんだろうね」

 

ゼロゴーストがそのまま指を動かすと操り人形のようにゴーストが操作される。

 

「や、ヤバイ……」

 

「好きにさせるかぁ!!」

 

と、グリムゴーストが飛び出してドライバーに収まる。

 

「不破!! 助かる!!」

 

[カイガン! グリム! 心のドア! 開く童話!]

 

グリムゴーストがニブショルダーを射出、シェイクスピアゼロゴーストを攻撃した。

 

「うあっ!?」

 

「よし、操作が解けた!!」

 

「じゃあこっち。寿美鈴ちゃん!!」

 

[ナイチンゲール! 白衣の天使! 救うは兵士!]

 

「ん………」

 

ナイチンゲール魂の腕から伸びている包帯を自らに巻き付ける。

 

「………まさか自己治癒か!?」

 

「ふふ。そういうこと。どうする?」

 

「タケル君! 此処は私が!!」

 

「分かった。メグさん!!」

 

[ヒミコ! 未来を予告! 邪馬台国!]

 

「はあっ!!」

 

「せいや!!」

 

ナイチンゲールゼロゴーストが放った包帯をサングラスラッシャーで切り裂くヒミコゴースト。

そのまま切りかかるが、その斬撃は片腕で止められた。

 

「だったら此方はどうかな。ひなたちゃん!」

 

[コロンブス! 最高かい? 大航海!]

 

「うおあっ!? 波!?」

 

コロンブス魂が波を発生、それに吹き飛ばされたゴーストを狙って波乗りで接近してくる。

 

「船乗りには船乗りだ! 磯貝!」

 

「ああ! 任せろ!」

 

[リョウマ! 目覚めよ日本! 夜明けぜよ!]

 

リョウマ魂になったゴーストがコロンブスゼロゴーストが発生させた波に乗る。

そのまま両者のサングラスラッシャーが激しくぶつかり合い、火花を散らす。

 

「今度は……木村ちゃん!」

 

「大王には大王! 行くぞ渚!」

 

「うん! 準備は出来てるよ!!」

 

[カメハメハ! ハワイワイワイ治めたい!]

 

[ツタンカーメン! ピラミッドは三角! 王家の資格!]

 

カメハメハ魂とツタンカーメン魂の凄まじいスピードでの応酬。

ガンガンハンド同士の打ち合いが何度も交錯する。

 

「うぐっ!」

 

「ぐあっ!」

 

両者の攻撃がヒットし、吹き飛ばされる。

 

「強いねタケル……なら、カルマ!」

 

[ナポレオン! 起こせ革命! それが宿命!]

 

ナポレオン魂に変更するゼロゴースト。その圧倒的な存在にタケルは気圧される。

 

「! 負けちゃ駄目だ……! イトナ!」

 

「ああ。行くぞ」

 

[ノブナガ! 我の生き様! 桶狭間!]

 

ガンガンハンドとガンガンセイバーを構えるノブナガ魂と同じくガンガンセイバーとサングラスラッシャーのブラスターモードを持つナポレオン魂。

暫く睨み合ったのちに両者がぶつかり合う。

 

「おおっ! だああっ!」

 

「たあっ!! せい!!」

 

東洋と西洋の武人。両者ともに相当なスピードで応戦する。

 

「負けてたまるかぁ!!」

 

斬り、撃ち、叩き、ねじ伏せる。

そんなゴーストの猛攻に段々とゼロゴーストが追い詰められていく。

九ヶ月もの間ゴーストとして眼魔と戦い続けていたタケルと、昨日変身能力を得たばかりの倉橋である。長期戦になればどちらが有利かははっきり分かる。

 

「くっ……なら、私の一番の英雄で決めてあげる!」

 

「だったらこっちもだ!! 杉野!」

 

「ああ! 元々ムサシ眼魂はお前の物だからな!!」

 

[ダーウィン! 議論! 結論! 進化論!]

 

[ムサシ! 決闘、ズバッと、超剣豪!]

 

最後のゴーストチェンジは自分自身が生んだ英雄。

ダーウィンゼロゴーストはすぐさま細胞状になって襲いかかってくる。

 

「やああああっ!!」

 

「陽菜乃……これで最後だ!!」

 

[ダイカイガン! ムサシ! オメガドライブ!]

 

「うおらああああああ!!」

 

無数の細胞の全てをガンガンセイバーの二刀流で切り裂く。

そして完全に細胞を切り払った時、実体化したゼロゴーストの変身が解かれた。

 

「あうっ!」

 

「はあ………はあ……」

 

「ん……あれ、私……?」

 

「陽菜乃!!」

 

どうやら正気を取り戻したらしい倉橋に駆け寄るタケル。

 

「タケル……? あれ、ここ何処?」

 

「はあ………よかった無事で……」

 

「ん? なんかよく分からないけど………ありがと………うっ!!?」

 

 

 

倉橋を謎の光の矢が貫いたのはその時だった。

 

 

 

「陽菜乃!? ぐああっ!!」

 

その光の矢はタケルにも突き刺さり、その衝撃でタケルは英雄眼魂を落としてしまう。

 

「た、タケ……ル!」

 

「くう……! 陽菜乃!!」

 

タケルの目の前で霊体の倉橋は消滅してしまい、眼魂だけが地面を転がる。

 

「誰だ………!」

 

「最低限、やるべきことはやってくれたといった所か」

 

崖の上に立っていた一人の男。

その風貌はアビスとよく似ていた。

 

「……お前がアイギスか!?」

 

「そうだ」

 

「……陽菜乃をゴーストにしたのも……」

 

「私だ。さて、貴様の相手をしている暇はない」

 

「ふざけるな…! ぐあっ!!」

 

アイギスの放った衝撃波に吹き飛ばされて地面を転がるゴースト。

そしてアイギスは手を翳して地面に落ちている全ての英雄眼魂を回収した。

 

「これで……百の眼魂が揃った……! 私の野望がようやく叶う……全ての存在をゴーストに……!」

 

「待て!」

 

消えたアイギスを追うために立ち上がって駆け出すゴースト。

残されていたゼロ眼魂を回収しながら、一人で搭に向かって走っていった。




ゴーストVSゼロゴースト!

三村と村松の眼魂は出ませんでしたが、それぞれダヴィンチとアレクサンダーです。
映画で出ましたが音声的な問題で………。

茅野の眼魂はまだ出しません。
最後まで。

後は私事ですがシンゴジラを見に行きました。
超面白かった………。

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