今回からの話は劇場版の仮面ライダーゴーストと似たストーリー展開となりますのでネタバレの恐れがあります。。
映画を見た方、見るつもりの無い方、ネタバレを気にしない方の閲覧を推奨します。
また 本ストーリーと微妙にズレがあったりしますが、仮面ライダーの映画あるあるとして扱って貰えれば幸いです。
「「「乾杯!!」」」
12月25日。
クリスマスのこの日、E組も皆でパーティをしていた。
「気づけばもうクリスマス………早いなぁ」
タケルに残された時間は後三ヶ月。
眼魂自体は全て集まっているが肝心の復活する方法は今だ未解決のままな上に地球を破壊する殺せんせーを暗殺できなければ意味がない。
「タケル君。どうかした?」
「! 渚?」
「ちょっと思い詰めたような顔をしてたから」
「まあ……これからのことを考えるとどうしてもな」
最愛の人である倉橋も一緒に楽しんでいる皆を見ながらオレ眼魂を握りしめて話す。
「今年のクリスマスは二度とやってこない。けど、来年もこうやって皆でクリスマスパーティーが出来たらなと思って」
「やろうよ」
「え?」
「ちゃんとタケル君も生き返ってさ。皆で来年もクリスマス、やろうよ。ね?」
「………ああ。そうだな」
渚の笑みにつられてタケルも笑顔を返す。
「ありがとう、渚」
事件が起こったのはその時だった。
『ギュオアアアアア!!』
「!?」
「なんだ!?」
突如空が裂けたかと思うとそこから色違いのイグアナゴーストライカーが三体降ってくる。
「コイツら………何者だ!?」
その背には三人の真っ黒で目の色が異なるゴーストが乗っている。
謎のゴーストが操るイグアナゴーストライカーはE組の生徒や建物に襲いかかる。
「うああああっ!?」
「きゃああっ!?」
「タケル!!」
「どっちにしろコイツらは敵だな……変身!!」
[カイガン! オレ! レッツゴー! 覚悟! ゴ・ゴ・ゴ・ゴースト!]
タケルは直ぐ様変身、マシンゴーストライカーに乗り込んで迎撃する。
「うおおおっ!!」
『なるほど……貴様が神代タケルか……』
黒いゴーストのうちの赤目の1体がイグアナゴーストライカーを彼に向ける。
「ビリー・ザ・キッド!」
[カイガン! ビリー・ザ・キッド! 百発百中ズキューン!バキューン!]
ゴーストライカーを巧みに乗りこなし、ガンモードを使って撃退する。
「うおおおっ!!」
「俺達も行くぞ!」
磯貝や片岡、渚や寺坂が英雄ゴーストを纏って戦闘に加勢する。
「こいつらぁ!!」
「でやっ!!」
「たぁっ!!」
黒いゴーストと共に現れた大量の眼魔コマンドを倒していく。
「なんなんだ、こいつら!!」
「余計なこと考えるな!! 倒すのが優先だ!!」
[オメガインパクト!]
『ギャアアアッ!!』
『ぐおおっ!!』
ビリーゴーストが放ったエネルギー弾がイグアナゴーストライカーを吹き飛ばす。
「多いな……フーディーニ!」
[カイガン! フーディーニ! マジイイじゃん! スゲーマジシャン!]
ゴーストライカーをジャンプ台にして跳び、マシンフーディーを装着する。
そのまま縦横無尽に飛び回り、眼魔やイグアナゴーストライカーを弾き飛ばしていく。
『おのれ!!』
「だあっ!!」
[フーディーニ! オメガドライブ!]
青目の黒いゴーストとフーディーニゴーストのキックが交錯、僅かな競り合いの末にフーディーニゴーストが勝って黒いゴーストを蹴り飛ばした。
『ぐはあっ!! ぐっ!?』
「答えろ! お前達の目的はなんだ!!」
フーディーニの鎖で黒いゴーストを縛り、問い詰めた。
『………我々はシャドウゴースト。我々の目的は主のままに』
「なに………?」
要領を得ないシャドウゴーストと名乗る者に更に問い詰めようとしたその時。
パン! パン!
「ぐああっ!?」
突如として背後から何者かに撃たれたフーディーニゴーストは変身が解除されて普通のゴーストに戻ってしまう。
「ぐ、うっ………」
『ゼロゴースト様!!』
「な、何……?」
直ぐ様振り替えるとそこには、
「………俺と同じ姿…?」
シャドウゴーストが単眼の頭部で明確に異なるのに対し、現れた新たなゴースト、ゼロゴーストはタケルのゴーストと殆ど同じ姿をしていた。
目がつり目になり、橙色の部分が黄緑になっている点が異なる。
「なんだ……あいつ……」
眼魔をある程度討伐した生徒達も謎のゴーストの襲来に緊張を走らせる。
「………………」
「!!」
と、ゼロゴーストはゆっくりと生徒達の方を見る。
それに警戒して構える。
直後、
「!? 速………ぐああっ!?」
「木村!?」
一瞬で木村の目の前に移動したゼロゴーストはガンガンセイバーで彼を切り裂いた。
途端、木村の体が黄色い眼魂に変化してしまう。
「そんな!? 木村ぁ!!」
「こいつ!!」
ロビン千葉とゴエモン前原が攻撃するが、ゼロゴーストはその攻撃を掻い潜って今度は岡島と竹林に迫った。
「うぐああっ!?」
「ぐはっ……」
一閃された二人は木村と同じようにそれぞれ水色と金色の眼魂に変化。それをゼロゴーストが手に取った。
「岡島!! 竹林!!」
「こいつ、一体何を……きゃああっ!?」
「ひなた!?」
更に岡野が切り裂かれて、青い眼魂に変えられてしまう。
「テメェ……よくも!!」
ゴエモン前原が怒りで攻撃を仕掛けるが、ゼロゴーストは掌から放った衝撃波で吹き飛ばした。
「ぐうっ!?」
「前原君!! っ、うああっ」
「あぐっ……!」
「原さん!! 狭間さん!!」
尚もゼロゴーストの蹂躙は続き、原が白、狭間が黄色い眼魂に変えられてしまう。
「やめろおっ!!!」
怒りのままにタケルがガンガンセイバーを構えてゼロゴーストに突撃する。
が、ゼロゴーストはそれを容易くかわし、眼中にないとばかりに他の生徒達に向かった。
「ぐはあっ!!」
「がっ………」
「うああっ!!」
「やめろ……やめろぉぉぉぉ!!」
叫びも空しく、菅谷、三村、村松と次々に眼魂に変えられてゼロゴーストの手に落ちる。
「……………」
「はっ!?」
ゼロゴーストが次に狙ったのは茅野。
「やらせない!!」
「渚!!」
彼女を守るようにツタンカーメン渚が立ちはだかる。
そしてガンガンセイバーとガンガンハンドの激しい応酬が始まった。
「う、ぐ、うぐっ……」
「渚!! 今助ける!!」
ガンガンセイバーガンモードを構えたゴーストがゼロゴーストを背後から撃つ。
が、ゼロゴーストは直ぐ様ドライバーにガンガンセイバーをかざした。
[ダイカイガン! オメガバッシュ!]
「う、うああああっ!!?」
「渚ぁ!!」
回転切りが銃撃をかき消し、ツタンカーメン渚を吹き飛ばした。
「そんな……きゃああっ!!」
「茅野ッ!! そんな……」
橙色の眼魂に変えられた茅野もゼロゴーストの手に収まる。
「…………これも違うか。なら」
と、ゼロゴーストは今度はカルマに振り向いた。
「!! ……あんたさ、いきなりやって来て好き勝手やり過ぎじゃない?」
「………………」
「だんまりかよ……はあっ!!」
「カルマ!!」
持ち前の戦闘スキルの高さで果敢にゼロゴーストに挑むカルマ。
だが、
「、え……!!」
カルマの蹴りはゼロゴーストの体をすり抜けた。
そのままゼロゴーストはカルマの顎に拳を決める。
「がっ…………」
「!! 逃げろカルマ!!」
しかし顎に直撃を食らったカルマは脳が揺さぶられてうまく動けない。
そのまま、ゼロゴーストが降り下ろした凶刃によってなすすべなく斬られた。
「そんな……カルマまで…」
紺色の眼魂を手に取ったゼロゴーストは満足げに呟いた。
「よし……見つけた。ナポレオンの英雄眼魂」
「!?」
「皆、帰っていいよ。優先目的は果たしたから」
『はっ!!』
と、シャドウゴーストや眼魔軍団達が上空に浮かぶ眼の紋様の中へ飛び込んで消えていった。
が、そんなことを気にしている場合ではない。
「………なん、で……」
カルマがナポレオン眼魂を所有していたことではない。
ゼロゴーストの声が………彼らが、特にタケルにとってはとても馴染み深い声だったから。
「………なんで……なんで………君が……」
[オヤスミー]
二人のゴーストが同時に変身を解除する。
そして同時にゼロゴーストの変身者が明らかになった。
「「「!!?」」」
ゆるふわとした金髪、少し小柄な体躯。服装は先程までとは異なり、少し扇情的なドレス姿になっていた。
「なんで君が………こんなことを…………」
「陽菜乃!!!!」
「や、驚いてくれた?」
笑顔で手を挙げた彼女はまさしく倉橋陽菜乃のものだった。
「倉橋さん……?」
「なんで……倉橋さんが変身を……?」
「それ以前になんでこんなことを………?」
何もかもがわからない。動揺が生徒達を飲み込んだ。
「倉橋さん……どういうつもりですか?」
「ごめんね殺せんせー。でも私達の目的の為には必要なことなの」
「陽菜乃…………?」
混乱の余りに動く事が出来ないタケル。そんな彼に倉橋はいつも通りの笑みを見せる。
「私の目的、教えてあげる。じゃあ殺せんせー。皆は私が連れていくからね」
「!! 待ちなさい!!」
殺せんせーが動くよりも早く倉橋が眼魂を掲げる。
その眼魂から放たれた光が生徒達を飲み込み、殺せんせーの目を眩ませる。
殺せんせーが再び目を開けた時には、
「………!! 皆さん!?」
タケル達生徒の姿は何処にも無かった。
ネクロムが登場しないのでダークネクロムではなくシャドウゴースト。
ダークゴーストは諸都合でダークじゃ無い方がいいのでゼロゴースト。
そしてまさかの変身する人は倉橋さん!!
一体彼女に何が起こったのか!?
今まで英雄眼魂がでかったE組メンバーも今回で出せました。
カルマのナポレオン以外は不明です。
次回は英雄の村へ。