仮面ライダー〜アサシン〜ゴースト   作:ファルコン・Σ

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演劇! 楽と憎悪の仮面!

演劇発表会。

例によってE組はが予算少ない、他の生徒達が昼御飯を取ってる時にやるというハンデがある。が、浅野曰く、

 

「どうせ君達だ。何とかするだろ」

 

とのことだった。

 

折角なので、英雄達にも出演してもらうことに。

 

「ちょっと待ていいのか!?」

 

『案ずるなタケル。拙者達だって劇をやってみたい!』

 

『『『そーだそーだ!』』』

 

「え、ええ~………」

 

そして、当日がやってくる。

 

◎◎◎◎◎

 

[E組演目・英雄憚]

 

(ナレーション・三村)

 

昔々のあるところに、宮本武蔵という名の大剣豪がおりました。

 

(宮本武蔵・杉野)

 

「拙者はあらゆる剣士との勝負に勝ち、最強となった。だがまだ何かが足りぬ………」

 

最強の筈の宮本武蔵は悩んでいました。

と、そこに神様が現れました。

 

(神様・ムゲン風タケル)

 

「宮本武蔵よ。貴方が極めた力は"剣士"という一つの道に過ぎない。本当の強さを得たければあらゆる偉人の強さを学ぶのだ」

 

「あらゆる偉人の強さ?」

 

神様の力で連れていかれた先には発明王、エジソンがいました。

 

(エジソン・奥田)

 

「私は色々な発明をしました。その結果科学力を身に付けました」

 

そこに数学者のニュートンもやってきました。

 

(ニュートン・矢田)

 

「私は万有引力や光のプリズム効果を発見しました。その為に必要だったのは数学の力です」

 

神様は次にロビンフットがいる場所へ宮本武蔵を連れていきました。

 

(ロビンフット・千葉)

 

「俺は戦いを続けていくうちに弓が何よりも得意なことに気づいた。だからそれを高めた」

 

更に西部の世界ではビリー・ザ・キッドに会いました。

 

(ビリー・ザ・キッド・速水)

 

「私が生きた国では争いが耐えなかった。だから私は銃の腕を極めるしかなかった」

 

音楽の巨匠と呼ばれるベートーベンにも会いました。

 

(ベートーベン・中村)

 

「純粋に音楽が好きだったからこそ、たとえ聴覚を失ってもやり続けられたのだよ」

 

エジプトに飛び、そこを治める少年王にも会いました。

 

(ツタンカーメン・渚)

 

「僕はまだ幼いながらも国を治めることになった。後から得た力に相応しくあれるように努力したよ」

 

世界一のマジシャン、フーディーニにも会いに行きました。

 

(フーディーニ・吉田)

 

「我輩は多くの挫折を経験した代わりにそれを活かして新たな能力を身に付けることができた」

 

童話作家のグリムにも会い、話を聞きにいきました。

 

(グリム・不破)

 

「私は発想力を活かすことを望みました。それをするためには童話を作ることが一番だったのです」

 

中国に渡り、旅の途中の三蔵法師に出会いました。

 

(三蔵法師・神崎)

 

「私が目指すのは遥か先の遠い天竺。其処に至るためにあらゆる障害を乗り越える術を身に付けたのです」

 

 

 

こうして、世界中の様々な英雄に出会った宮本武蔵は力の本当の意味を知りました。

 

「そうか。力というのは一つではない。様々な在り方が存在し、それに合わせて多種多様な力が存在するのだ」

 

その言葉を聞いて神様は宮本武蔵を日本に連れて帰りました。

日本に戻ると、謎の怪物が暴れていました。

 

(怪物・殺せんせーの演出で再現)

 

日本の英雄、弁慶や石川五衛門、坂本龍馬、卑弥呼、織田信長がそれを相手に戦っていました。

 

(弁慶・寺坂。石川五衛門・前原。坂本龍馬・磯貝。卑弥呼・片岡。織田信長・イトナ)

 

「拙者も戦うぞ!」

 

宮本武蔵も参戦しますが力の権化のような怪物には敵いません。

 

「くそ! どうすれば……」

 

と、そこにこれまで宮本武蔵が出会った英雄達がやってきました。

 

「ただ一つの力では太刀打ち出来ません。なら、あらゆる全ての力を合わせれば!」

 

十五人の英雄が勢揃い。

そして、それぞれの力を結集して怪物を倒しました。

こうして、日本の平和は守られたのでした。

めでたしめでたし

 

◎◎◎◎◎

 

「いやー、楽しかったな!!」

 

「劇も大成功だったね!!」

 

暗殺や戦闘で鍛えられた腕を使った殺陣はかなり迫力があり、本校舎の生徒達もかなり盛り上がっていた。

最初英雄や殺せんせーを使うということに不安だったタケルも何事も無く終われた事で安心していた。

 

「(それに………皆楽しそうだ)」

 

皆で一つの物を作り上げる楽しさ。

その皆の笑顔を見てタケルも思わず微笑んだ。

そんなタケルの体がオレンジに光る。

 

「………? タケル?」

 

「ん? どうした?」

 

倉橋が声をかけるとオレンジの光は収まる。

 

「あ……ううん。なんでもない」

 

「そっか」

 

「! おい、あれ!」

 

と、菅谷が窓の外を指差し、上空に浮かんでいる黄金の紋様を指差した。

 

「あれは……ガンマイザーが現れる時の前兆!」

 

「行ってくる!」

 

直ぐ様タケルが走っていった。

それを追って倉橋も走る。

 

「おい倉橋!?」

 

「タケルはしょっちゅう無茶するもん。私が見ててあげないと!!」

 

◎◎◎◎◎

 

タケルがその場に駆けつけると、既に二体のガンマイザーがいた。

水の力を操るウォーターと倒した筈のファイアーだった。

 

『排除開始』

 

「皆の楽しさは……お前達の好きにはさせない……変身!」

 

[チョーカイガン! ムゲン! keep in going! ゴ・ゴ・ゴ・ゴ・ゴ・ゴ・ゴ・ゴ・ゴット・ゴースト!]

 

ムゲン魂に変身したタケルはゆっくりと歩く。

ファイアーが放つ火炎弾を次々と平手で弾き飛ばし、ファイアーに打ち返す。

 

『排除』

 

液状化したウォーターがそんなムゲンゴーストに絡み付いて動きを封じた。

 

『急激なレベル上昇を確認、排除、排除』

 

「タケル!」

 

「……………はっ!」

 

しかし、ムゲンは自らの体を光の粒子に変えてその場を離脱。

そのまま光になってファイアーに近づき、実体化したムゲンは光を拳に籠める。

 

「はあ………はっ!!」

 

[チョーダイカイガン! ムゲン! ゴッドオメガドライブ!]

 

『ぐっ、うっ、が、ああぁぁぁぁぁぁ!!』

 

輝く拳をファイアーに叩き込むと、その正体、ウォーターの特殊能力によって姿を変えていた眼魔スペリオルの姿を明かし、そのまま爆発四散する。

 

「きゃっ………」

 

スペリオルを包んでいた水の幕が弾け、周囲に大量の水が撒き散らされる。

 

「…………後はお前だけだ」

 

『標的の更なるレベルの上昇を確認、抹殺』

 

水圧弾を次々に飛ばすウォーターだがそれを食らっても多少仰け反る程度で全く気にしない。

そのままガンガンセイバーのアローモードを構え、ウォーターに向ける。

 

「人間の可能性は、無限大だ!!」

 

[命! ダイカイガン!]

 

[タノシーストライク!]

 

オレンジの矢が次々と放たれ、水圧弾を打ち消し、ウォーターを貫く。

そのままプレートに戻ったウォーターは水風船が弾けるようにして消え去った。

 

「………ふう」

 

「やった! 強いねタケル!」

 

「ああ………」

 

変身を解除したタケルの手にはムゲン眼魂がある。

グレイトフルですら苦戦したガンマイザーを容易く圧倒し、プレートごと消滅させるほどの強さを誇る力。

 

「(……………この力、間違った使い方は出来ない)」

 

自分に与えられた圧倒的な力に覚悟を決め直すタケルだった。

 

「ターケールー? 聞いてるー?」

 

「ん、ああ、ごめ……んんっ!?」

 

ウォーターを撃破した際に飛び散った水は近くにいた倉橋ももろに被ってしまっていた。

そのせいで彼女は色々と服が透け、中が見えてしまっている。

冬着だったお陰でそこまでは見えなかったのが救いだったが、何色の下着を着けているかは分かってしまった。

 

「……あ、もしかして見たでしょ」

 

「すみませんでした」

 

「もう、でもいいよ、事故だしタケルなら見られても困らないし」

 

「そういうこと言うのやめなさいっての」

 

体育倉庫から爆発音が聞こえたのはその時である。

 

「!」

 

「またガンマイザーか眼魔が!?」

 

「行こう! タケル!!」

 

「ああ!!」

 

 

 

結果としては、ガンマイザーも眼魔も襲撃に来たわけでは無かった。

 

しかし、もっと予想だにしない光景を目にすることとなる。

 

「殺せんせー! それに………茅野……?」

 

息が乱れた殺せんせーと体育倉庫の屋根の上に立つ茅野カエデ。

その首筋には、かつてイトナがその身に埋め込んでいたものがあった。

 

「触手………!?」

 

「ああ、タケル君も来たんだ。じゃあ好都合だね」

 

髪を下ろした茅野の顔は、非常に険しくなっていた。

まるで、演技をやめた別人のように。

 

「早速だけどさ……眼魂を渡してくれないかな?」

 

「何………!? まさか、君のお姉さんを甦らせるつもりか!?」

 

「………ああそうか、記憶が読めるんだったね。タケル君」

 

「………茅野さん。君は一体……?」

 

タケルと茅野の会話に混乱する殺せんせーに茅野は告げる。

 

 

「ごめんね。茅野カエデは本名じゃないの。………雪村あぐりの妹。そう言ったら分かるでしょ? 人殺し」

 

 

「雪…………えっ…?」

 

茅野が告げた名前は、E組の彼らには馴染みのある名前だった。

 

何故ならそれは、殺せんせーの前任のE組の担任の名前だったからだ。

 

「それでタケル君。眼魂は渡してくれるの? もうムゲンの力があるなら不要でしょ?」

 

「ふざけるな……俺にはまだ皆が必要なんだよ!」

 

「………そう。だったら力ずくで奪うよ。明日殺せんせーをやる前にね。………必ず殺れる、今の私なら」

 

触手で木の枝を掴み、茅野は離脱する。

その激しく、底の見えない怒りを感じてタケルはムゲン眼魂を握りしめる。

 

その眼魂がタケルに反応して赤く光った。

 

 

 

神代タケルが得た感情

[喜][?][?][楽][?][?][?]




演劇シーンはあえて単調な感じにしました。
あれを本気で書いたら二話くらい消費する。

タノシーストライク。名前のわりに容赦のない攻撃ですよね。ヨロコビストリームも然り。

触手茅野。あのシーンは度肝を抜かれました。

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