仮面ライダー〜アサシン〜ゴースト   作:ファルコン・Σ

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非業! 不条理な眼魔の思考!

「どういうことなの……? なんで眼魔に追われてたの?」

 

落ち着いたところで片岡が画材眼魔に問いかけた。

 

『我輩、少し前に人間の世界に行かされたんだな。そこは、青くて、綺麗で美しい世界だったんだな』

 

「………まあ確かに、この世界は正直な話不気味だよな」

 

『我輩はその世界に感動して、美しい絵を描きたいって思ったんだな。けど、その美しい世界を壊すって作戦に協力しろって言われて………』

 

「それを拒んで逃げてきたってとこか。………どう思うタケル?」

 

磯貝に問われてタケルは暫し腕を組んで考える。

 

「………私は助けたいな」

 

「倉橋?」

 

「だって、眼魔って今まで悪いことばかりしてきたけど、この子となら友達にもなれそうじゃないかな?」

 

「友達かはともかく、私も助けたいのは賛成。せっかく心がある眼魔だもん。その価値は守ってあげたい」

 

倉橋に続いて片岡も同意を示す。

 

「うーん。けど眼魔だぞ? どーにも信用できねえな」

 

「前原、この絵を見てもそえ言えるか?」

 

「前言撤回。これはスゴいな……」

 

磯貝に画材眼魔が描いた絵を見せられた前原があっさり意見を変える。

事実その絵は素晴らしかった。きれいな青空や美しい自然、まさしく芸術だった。

 

「…………こんな絵が書けるなんて、本当に絵が好きなんだな」

 

『うん………人間の世界に行って初めて絵を描くのが楽しいって思えたんだな。そんな世界を壊されたくはないんだな………』

 

「…………なあ君」

 

と、タケルが膝を立てて座り、画材眼魔に目線を合わせる。

 

「俺達もあの美しい世界を壊されたくない。だから俺達は眼魔の計画を止めに来たんだ。協力してくれないか?」

 

『………協力したら、絵がたくさん描ける?』

 

「ああ。描けるさ。俺の仲間にはお前にも負けないくらい絵が上手い奴もいるんだ。そいつも一緒に皆で絵を描こう」

 

『…………うん。分かったんだな』

 

そういうと画材眼魔は立ち上がる。

 

『計画のやってる場所に案内するんだな』

 

◎◎◎◎◎

 

「…………………」

 

十五枚のプレートが浮かぶ謎の空間。

そこに男がやって来た。

 

「またしてもゴーストが完璧な世界に立ち入ってくるか………」

 

と、紫色のプレートがゆっくりと降下してくる。

そのプレートが炎上して姿を変え、男と瓜二つの姿の人形になった。

 

「不適合要素を排除しろ」

 

その命令を受けて紫の男が再び炎となって姿を消した。

 

◎◎◎◎◎

 

『こっちなんだな!!』

 

とある建物を眼魔眼魔を戦闘に駆け上がる。

その屋上、確かに眼魔が怪しい儀式を行い、ゲートを発生させていた。

 

「ここか………ゲートを発生させるときはいつも此処か?」

 

『我輩は少なくとも此処しか見たことはないんだな』

 

「そうか……」

 

「なあ、あのイレーザーって科学者が見当たらないんだが」

 

『イレーザー様は何回も失敗を咎められて今懲罰中なんだな』

 

「「「………………」」」

 

差異こそあれど、五人の考えていることは大体共通していて、

 

「(ざまあみろ!!)」

 

である。

 

「まあそれは置いといて…………あれを潰せばゲートは作れなくなるな」

 

「注意を引いてくれるか? 俺ならその隙に壊せる」

 

前原がそう提案する。確かに忍者のゴエモンなら手早い破壊が可能だろう。

 

「なら……磯貝と…………君、協力してくれるか?」

 

『ええ……我輩、自慢じゃないけど戦う力はほとんど無いんだな………』

 

「むしろ好都合だ。違和感がなくなるからな」

 

『?』

 

 

 

「………ぬう。開いた片っ端から破壊されていく……。ならば先に障害を絶つべきか………」

 

『た、大変なんだな~! 侵入者なんだな~!』

 

「何!?」

 

大げさな身動きで知らせる画材眼魔、そんな彼を追う(芝居をする)闘魂ゴーストとリョウマ磯貝。

 

「覚悟しろ眼魔!! お前を倒してやる!」

 

「ついでにお前らも一緒に倒す!」

 

「何を生意気な! 始末してやる!」

 

眼魔スペリオルやアサルトが向かってくる。

と、闘魂ゴーストとリョウマ磯貝はその相手をし、画材眼魔は逃げる振りをして倉橋達の元へ逃げ込んだ。

 

『こ、これで大丈夫なんだな?』

 

「うん。お手柄だよ♪」

 

「前原君、頼むわね」

 

「任せとけ」

 

既にゴエモン魂を纏った前原はサングラスラッシャーを構える。

そして闘魂ゴーストとリョウマ磯貝の二人がその場の全ての眼魔を引き付け…………、

 

「今よ!!」

 

「よっしゃ!!」

 

片岡の合図で前原が飛び出す。

そして颯爽と駆け抜け、サングラスラッシャーで瞬く間に装置を破壊した。

 

「なっ!?」

 

「よっし!」

 

「でかした前原!!」

 

同時に上空に浮かんでいたゲートも消滅した。

 

「ぁ前原陽斗! ここにぃ、推参!」

 

「なんだかんだ前原もノリノリだな」

 

「だな。さて、本気で行くか!!」

 

演技を捨てて本気で反撃に出る二人。

 

「倉橋さん。この子をお願いね」

 

「うん! メグちゃんも気を付けてね」

 

「ええ。じゃあ、私もちょっと行ってくるわ」

 

[ヒミコ!]

 

ヒミコ魂を纏った片岡が参戦する。

サングラスラッシャーではなくガンガンセイバーナギナタモードを持って華麗な動きで次々に切り伏せる。

 

「いよっ! あらよっと!」

 

「ほたえなや!!」

 

ゴエモン前原が身軽な動きで眼魔を翻弄しつつ、リョウマ磯貝がガンガンセイバーとサングラスラッシャーブラスターモードで豪快に倒していく。

 

「おのれ! こんな者共に!」

 

[闘魂ダイカイガン! メガオメガフラッシュ!]

 

「っ、ぐぉあああああああああ!!」

 

闘魂ゴーストが放った灼熱のレーザーが纏めて一掃。

 

「よし、こんなものか」

 

「案外呆気なかったね」

 

「流石に奇襲は想定してなかったんだろ」

 

「まあこれで目的は果たした。現実世界に戻ろうぜ」

 

「うん、君も来るよね?」

 

倉橋が差し出した手に戸惑う画材眼魔。

 

『ほ、本当にいいの?』

 

「言ったじゃん。友達になれそうって。皆も君が友達になってくれたら嬉しいな」

 

『……………なら』

 

 

その時、

 

 

ズドドドドドン!!!

 

「「キャアアッ!?」」

 

「うおっ!?」

 

「な、なんだ?」

 

突如、火炎がタケル達を襲った。

攻撃してきたのは、紫のラインが入った白いスーツの男。

 

『不適合要素を確認、排除開始』

 

その男の体が燃え上がり、姿が変わっていく。

 

 

 

現実世界、仙人がハッと顔を上げた。

 

「不味い………ついに"ガンマイザー"が発動しおったか!!」

 

 

 

現れたのは、明らかに眼魔とは異なる怪人だった。

 

「な、なんだこいつは!?」

 

『排除』

 

「やべえ!! ゴエモン力を貸してくれ!!」

 

前原が前に出てサングラスラッシャーで斬りかかるが、炎の怪人は容易にかわす。

 

「くっそ! こいつ!」

 

『消去』

 

「っぐおああああ!!」

 

「前原!!」

 

怪人のパンチを食らって大きく吹き飛ぶゴエモン前原。

それを咄嗟にタケルが受け止めた。

 

「なら俺達が相手だ!」

 

「行こう、磯貝君!!」

 

「ぐ……気を付けろ二人とも!! そいつかなり強い!!」

 

リョウマ磯貝とヒミコ片岡が飛び出した。

サングラスラッシャーを持ち、次々と斬撃を放つが、怪人はそれをいなすか受け止める。

 

「てやっ!!」

 

「そりゃ!!」

 

『排除、消去』

 

「うあっ!?」

 

「きゃあ!!」

 

火炎を食らった二人は膝をつく。

タケルと違い生身の二人にとっては炎のような属性系の攻撃のダメージは大きい。

 

[闘魂ダイカイガン! メガオメガシャイン!]

 

『抹殺』

 

「!? ぐあああああ!!!」

 

闘魂ゴーストが打ち出した業火の斬撃を飲み込んでさらに強い炎として返される。

 

「くそ……なんなんだコイツは……眼魔じゃないな!?」

 

『排除!!』

 

「「「「っあああああああ!!!」」」」

 

怪人の火炎弾を食らって吹き飛ばされる四人。

 

「タケル!! 皆!!」

 

「が……くう………」

 

「つ、強い………」

 

「か、体が…………」

 

『最優先事項の排除を優先。消去』

 

巨大な火炎を生成する怪人。

それを掲げ、放つ用意をする。

標的は―――神代タケル。

 

「!! タケル!! 避けて!!」

 

「ッ………ダメだ……間に合わない……!」

 

なんとか起き上がろうとするタケルだが、ダメージが深く思うように体が動かせない。

 

『削除!』

 

「「「タケル!!」」」

 

「くっ………」

 

咄嗟に目を閉じるタケル………その時!

 

 

『うおおおおおおお! っあああああああ!』

 

 

画材眼魔が飛び出して炎の食らい、タケルを庇った。

 

「!? おい!!」

 

「そ、そんな!!」

 

慌てて駆け寄るタケル達。

タケルが抱き起こすが既に虫の息だった。

 

「なんで………なんでこんなことをしたんだよ!!」

 

「せっかく……友達になれそうだったのに……!」

 

『もう………友達なんだな』

 

「えっ………」

 

『初めての……友達だから………守りたかった……んだな……だから………』

 

「だからって………! こんな……一緒に絵を描くんじゃなかったの!?」

 

『………………』

 

画材眼魔はスケッチブックを倉橋に手渡すと………そのまま力なく手を落とした。

 

「! ねえ、ねえってば!!」

 

倉橋が呼び掛けるが、反応はない。

 

「「「「ッ、うおおおおぉぉぉぉ!!!」」」」

 

怒りのままにタケル達四人が駆け出した。

 

[闘魂ダイカイガン! ブースト! オメガドライブ!]

 

四人一斉のライダーキック。

四発の蹴りがクリーンヒットした怪人は大きく後退して地面を転がった。

 

「どうだ!! 見たか!!」

 

 

「…………ガンマイザーを一時的とは言え退けるとは、なかなかやる」

 

 

「!? 誰だ!!」

 

現れたのは、タケル達は知らないが先程赤い怪人に指示を出していた男だった。

 

「我が名はアビス。この世界を統べるもの」

 

 

「………つまり眼魔達の王ってことか……」

 

「……答えろ! なんでコイツを殺した!」

 

磯貝が怒声を浴びせるがアビスは平然と答えた。

 

「心を持ったからだ。私は完璧で理想の世界を作る」

 

その言葉にタケルが反発する。

 

「完璧で理想の世界……? 嘘だ!! 俺は人が消えるのをこの目でみた!」

 

「そうだ。この世界は未だ不完全。故に不完全な存在は消去しなくてはならない。その出来損ないの眼魔も、私の父親であろうと」

 

「「「「!?」」」」

 

「お前………! 自分の父親も殺したのか!!」

 

怒るタケルには目もくれず、アビスはガンマイザーという怪人に指示を出した。

 

「やれ」

 

『排除』

 

「!! 不味い!!」

 

タケルは咄嗟にゲートを開き、攻撃をサングラスラッシャーで撃退する。

 

「退くぞ!! このままじゃじり貧だ!!」

 

「この子も……連れていく…!!」

 

「倉橋!? けどそいつは……」

 

「迷ってる時間はねぇぞ!!」

 

とタケル達はなんとか眼魔の世界から撤退するのだった。




映画ゴースト見てきました!
いやー面白かった!!

序盤の英雄の村は中々楽しそうでした。
歴史が好きな人は楽しめるかと。

そしてダーウィン魂カッコいいです。
次回ライダーのエグゼイドも出てて、そちらも楽しみになりました。

それはともかく、ガンマイザーが起動しました。
原作と同じくファイアーから。

画材眼魔は………どうなったんでしょう。



いずれこの作品でも劇場版的なストーリーをやりますのでお楽しみに

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