仮面ライダー〜アサシン〜ゴースト   作:ファルコン・Σ

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分担の時間

死神との激戦を終え、平和な日々が戻った。

そんな折りに殺せんせーが進路相談をすることになった。

地球を滅ぼすモンスターに相談するというよく分からない状況だが、教師らしさという点では一切ぶれない殺せんせーだった。

 

そんな中、タケルが決めた進路とは………。

 

「まず……未来があるかどうか分からない君には少し不謹慎かもしれませんね。先に謝らせていただきます」

 

「いいって。それは皆も同じだし、必ず生き返るからさ」

 

「そうですか。では、君の考えを聞かせてください」

 

「そうですね………記者かニュースキャスターになろうかと思ってます」

 

「ほう。何故ですか?」

 

「英雄って言ったら皆思い浮かぶのは歴史上の偉人だと思うんです。でも今の社会でも色々な方面で活躍しているヒーローはたくさんいると思うんです。だから僕はそんなヒーロー達の生き様や信念を広く皆に知らせたいと思ったので」

 

「なるほど。タケル君らしい道ですね。今後とも相談を重ねてその目標を叶えられるように頑張りましょう」

 

「はい。…………それとは別に少しやらなければならないと思ったこともありまして………」

 

「?」

 

「近いうちに、もう一度眼魔の世界に行きます」

 

◎◎◎◎◎

 

翌々日。

タケルは教壇の前に立った。

 

「俺は明日からもう一度眼魔の世界に行く」

 

「………理由は?」

 

「まず、陽菜乃が拐われた時、イレーザーが陽菜乃に何か実験をしていたらしい」

 

「「「!!?」」」

 

「あの変態科学者め……!」

 

一応体に何か変化が無いかタケルは診てみたのだが………。

 

「見たってお前、倉橋の裸体をぐはあっ!?」

 

「チョーク投げるぞ」

 

「もう投げてる投げてる」

 

…………診てみたのだが、異変は特に見られなかった。

 

「蛇の道は蛇、眼魔の世界に行けば陽菜乃の体に何が起こったのか分かるかもしれない」

 

「ってことは倉橋も行くのか!?」

 

「うん。ちょっと怖いけどね。それに前みたいにタケルが操られるのは嫌だから」

 

「ま、今のタケルにはグレイトフルがあるしな! どんな奴が相手でも負けねえよ!!」

 

「いや、グレイトフルは使わない」

 

ぎょっとするクラス。

敵地に乗り込むというのに最大の武器を封じるのか。

 

「………というより使えないんだ。眼魂を持っていけない都合で」

 

「どういうこと?」

 

「先日、また予知が出た。椚ヶ丘市に大量の眼魔のゲートが現れて眼魔が襲撃に来るって」

 

「!!!」

 

以前、眼魔のゲートは確認している。

あんなものが町中に現れたら被害が尋常でないことになる。

その日は、明日。

 

「流石に俺でもそんな大量のゲートを全部壊すなんて出来ない。だから俺は考えたんだ。ゲートが開かれるってことは眼魔の世界でも何か作業をしてる筈」

 

「そこを乗り込んでいって元栓を撃破ってことね」

 

「そう。だから開いたゲートの対応の為にもこちら側に英雄眼魂は残さないといけないんだ」

 

故にグレイトフル魂は使えない。

あの力は十五個の英雄眼魂があって初めて使えるのだ。

 

「ただ、そうなるとオレ魂と闘魂だけの俺の方が厳しくなる。だから俺達二人の他に三人、一緒に来てほしいのがいる」

 

ガタタッと立ち上がる英雄眼魂の所有者達。

眼魂を持っていなければゲートは潜れないので実際その十五人に絞られる。

そしてタケルが選んだのは………。

 

「磯貝悠馬、前原陽斗、片岡メグ、の三人だ」

 

「「「はあっ!!?」」」

 

他の十二人が少しほっとして座る中、指名された三人はタケルに詰め寄る。

 

「ちょ、待てよタケル!? なんで俺達!?」

 

「敵地に乗り込むんだからそれなりの戦力はほしいだろ。ゴエモン、リョウマ、ヒミコは英雄眼魂でも特に強力なんだ」

 

「いやでもいきなり言われても………」

 

「磯貝とメグさんはもう使い慣れてるでしょ。大丈夫だって」

 

「俺は!? それに明日デートなんだけど!!」

 

「あんたはまたか馬鹿前原………」

 

「なんだと岡野誰が馬鹿だ!!」

 

「落ち着け………お前だって磯貝に並ぶ実力があるだろうが。デートは延期しろ」

 

次々ぶつけられる疑念をなんとか抑えつけさせる。

 

「………まあ、確かにその三人が適役かもな」

 

「戦闘力高いしね」

 

「街の方は私達で守ってみせるよ」

 

「だからタケルのことは頼んだぜ!」

 

「お前ら………」

 

口々に激励を送る皆に磯貝と片岡は覚悟を決めたようだ。

 

「そうだな。行ってやるか!」

 

「陽菜乃の事もちゃんと守らないとね」

 

「え、俺まだ行くって決めてな」

 

「前原?」

 

「分かりました行きます!」

 

鶴の一声ではなく、幽霊の一声だった。

 

◎◎◎◎◎

 

ということで翌日。

以前同様にゲートが開かれた。

 

「本当に大丈夫ですか倉橋さん!? 先生の用意した特別鎧が無くても……」

 

「あれは寧ろ重いよ~。超体育着もあるし大丈夫~」

 

心配性の殺せんせーは特に生身の倉橋を心配していたが彼女本人は笑って返す。

 

「そうですか……。皆さん。前回のタケル君の事例もありますからくれぐれもお気をつけて!!」

 

「「「行ってらっしゃい!!」」」

 

「「「行ってくる!!」」」

 

 

 

タケルに取っては二度目となる眼魔の世界。

しかし他の三人にとっては完全に未知の世界だ。

 

「うわ………空が赤い……」

 

「ていうか飛び回ってるのグンダリじゃね!?」

 

「実際に見ると不気味な世界ね……」

 

「なんか空気を吸い込んじゃダメとかない?」

 

「一先ずは大丈夫。行こう。彼処の塔がある場所が多分中枢だから」

 

前回の記憶を頼りに進むタケルと、それに続く四人。

その時は結構な数の眼魔が居たのだが、今回は遭遇率がかなり低かった。

 

「ゲートを開くってことは眼魔にとっても大掛かりな作業ってことだろ」

 

「見張りを置く暇もないってことだな。好都合だ」

 

と、一行は以前タケルがアイコンドライバーを見つけた研究室に着いた。

 

「前原と磯貝は見張りを頼む。メグさんは陽菜乃を診るのを手伝って」

 

「手伝ってって………」

 

「男じゃ見れないとことかあるだろ………」

 

「あーはいはいそういうことね」

 

「別にタケルには見られてもいいんだけどね~」

 

「「「「そういうこと言っちゃダメ」」」」

 

とまあ研究室にあるものを使って倉橋に異常が無いか調べるタケルと片岡だがやはり変化は見られなかった。

 

「うーん。やっぱり無いんじゃない?」

 

「かもな……二人とも、眼魔はいたか?」

 

「いや、特に無しだ」

 

「そうか……じゃあ本題行くか。もう始まってるかもしれないからな」

 

 

 

一方の現実世界。

 

「早速お出ましだな」

 

「さっさと殲滅しちゃいましょ」

 

街の北側、このエリアを担当していたロビン千葉とビリー速水がゲートを発見した。

 

「千葉、取り敢えずゲートを塞いで。私がコマンドを相手するから」

 

「ああ。任せた」

 

ガンガンセイバーガンモードとバットクロックを構えて前に出るビリー速水。

 

「蜂の巣にしてあげる……」

 

そのまま乱射、次々と眼魔コマンドを掃射する。

その間に上空のゲートに向けてロビン千葉がアローモードを構える。

 

「狙いは完璧………当たれ!」

 

[オメガストライク!]

 

放たれた矢はゲートを目掛けて一直線に進み、貫き、破壊した。

 

「よし………あとはこいつらか」

 

 

 

東側エリアを任されたムサシ杉野、ニュートン矢田、サンゾウ神崎。

ムサシ杉野が眼魔軍団の相手をしている隙に二人が破壊を試みる。

 

「意外と高いね……どうやって壊す?」

 

「矢田さん。引力も使えるよね?」

 

「うん。………あ、分かった、そういうことだね」

 

ニュートン矢田が上空に向けて引力を発生。

ゲートはどんどん地上へ引き付けられ、最終的にサンゾウ神崎の放ったゴコウリンで破壊された。

 

「流石神崎さん!」

 

「サラッと全滅させてる杉野も凄いけどね……」

 

 

 

西エリア。担当はベートーベン中村とグリム不破。

 

「さーて、一丁奏でますか! 不破ちゃん、ゲートの方は任せたよ」

 

「りょーかい!!」

 

音波の波状攻撃で巻き上げられる眼魔コマンド達。

強烈な音を食らって次々と撃破された。

グリム不破はニブショルダーを射出してゲートを捉える。

 

「よし、せりゃああああああああ!!」

 

そのまま引き寄せるのではなく、自身が上昇して接近。

パンチを叩きつけて破壊した。

 

「よし、あとのゲートは何個?」

 

「西エリアは大体二十個………まだまだ多いな…」

 

 

 

南エリア担当のベンケイ寺坂とツタンカーメン渚。

 

「敵は全滅させたけど………どうやって壊す? 僕のオメガファングは流石に届かないよ」

 

「任せとけっての。前にタケルの奴が使った戦法を使うぜ」

 

というと彼に向けてハンマーモードを構えるベンケイ寺坂。

意図を察したツタンカーメン渚は鎚部分に飛び乗り、上空に飛ばしてもらう。

 

「たあっ!!」

 

そのままゲートを破壊、落下したツタンカーメン渚はベンケイ寺坂が受け止めた。

 

「ありがとう寺坂君」

 

「おう。なら次行くぞ」

 

 

 

中央エリア及び遊撃部隊のフーディーニ吉田とノブナガイトナ。

展開したマシンフーディーの上にノブナガイトナを乗せたフーディーニ吉田は次々とゲートを破壊していく。

 

「お、下に眼魔もいやがるな。行くぞイトナ!!」

 

「うまく操縦しろよ」

 

急降下したフーディーニ吉田が突っ込む。

そしてノブナガイトナがガンガンハンドで次々と撃ち倒す。

 

「よし! この調子でいくぜ!!!」

 

◎◎◎◎◎

 

眼魔の世界。

儀式が行われている場所を探すタケル達。

と、途中で奇妙な光景を目にした。

 

「! 何か来る!!」

 

サッと身を隠す五人。

と、

 

「待て貴様! 作戦に協力しろ!!」

 

『嫌なんだな! 我輩は美しい絵を描きたいだけなんだな!』

 

「あれって……画材の眼魔?」

 

「けど、他の眼魔に追われてる………?」

 

と、転んだ画材眼魔に追い付いた眼魔達が今にも仕留めようとしている。

 

『う、うあああ………』

 

「命令に従わないと言うのなら………粛清する!」

 

「「「「!!!」」」」

 

[ゴエモン!]

 

[リョウマ!]

 

[ヒミコ!]

 

[ブースト! 俺がブースト! 奮い立つゴースト!]

 

四体のパーカーゴーストが眼魔を吹き飛ばす。

 

「ぬうっ!?」

 

「行くぞ!!」

 

闘魂ゴースト、リョウマ磯貝、ゴエモン前原、ヒミコ片岡が駆け寄った。

 

「貴方、大丈夫!?」

 

『うう………に、人間………?』

 

「だあっ!! はあっ!!」

 

「えいっ!! やっ!!」

 

「そらっ!! はあっ!!」

 

「ぬうっ!? なんだこいつらは!?」

 

「決めるぞ! 三人とも!!」

 

サングラスラッシャーを構え、力を込める。

そのまま四色の斬撃が放たれ、眼魔を全滅させた。




渚の話は原作と全く変わらないので飛ばしました。
代わりに二度目の眼魔の世界へ

ここで登場、画材眼魔(=キュビちゃん)。

E組の皆がまた英雄を使う機会が出来てよかったです。

次回はいよいよ奴等が動き始めます………!

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