仮面ライダー〜アサシン〜ゴースト   作:ファルコン・Σ

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科学! 真の理科と発明王!

「皆色々な英雄に憧れているんだな………」

 

試しにタケルはクラスの人達に好きな英雄を聞いて回った。

タケルに対しやや不信感を抱いている寺坂龍馬ら数名以外は快く答えてくれて、それをタケルはメモしたのだ。

 

「伊達政宗に諸葛亮孔明……西郷隆盛もいるな、後はエジソン……」

 

「その英雄を待っていた!!」

 

と、突如タケルを蘇らせた仙人が現れた。

 

「あっ、おっちゃん!? どうしたんだ?」

 

「何、ヒント無しじゃ厳しいだろうからな。次に現れるであろう英雄くらいは教えてやろうと思ってな」

 

「てことは………エジソン?」

 

「大正解!」

 

「(なんか初めて会った時とテンション違うな……)」

 

「じゃ、後はよろしく~」

 

というと仙人はドロンと消えた。

 

「………エジソンか……エジソンに憧れているのは……奥田愛美さんか……」

 

「タケル~。家庭科の授業始まるぞ~」

 

「あ、今行く!!」

 

◎◎◎◎◎

 

「これで、お菓子から着色料を取り出す授業は終了です。余ったお菓子は勿体ないので先生が回収します」

 

「(給料前だからって食料をなんとか稼ごうとしてる………)」

 

一瞬透明になって奪い取ろうかと考えた。

と、そこに三つ編みと眼鏡の少女、奥田愛美が殺せんせーに近づく。

 

「あ、あの………毒です!! 飲んでください!!」

 

ズルッ、と一斉にコケるクラスの面々。殺せんせー自身もなんとも言えない顔をしている。

 

「奥田さん………これはまた正直な暗殺ですねぇ」

 

「あっ……あのあの……わ、私皆みたいに不意打ちとか上手くできなくて………でもっ、化学なら得意なんで真心込めて作ったんです!!」

 

毒殺のための毒に真心とはこれ如何に。

しかし殺せんせーはあっさりと飲んだ。

 

「!! こ、これは………」

 

にゅ

 

「(なんかツノ生えたぞ)」

 

「この味は水酸化ナトリウムですね。人間が飲めば有害ですが先生には効きませんねぇ」

 

「…………そうですか」

 

言うや否や二本目も飲む。

 

「うつ、ぐぁっ、ぐぐぐ……」

 

バサッ

 

「(今度は羽生えた!!)」

 

「酢酸タリウムの味ですね。では最後の一本」

 

……………

 

「(真顔になった……)」

 

「王水ですねぇ。どれも先生の表情を変える程度です」

 

「(王水を作る愛美さんも愛美さんなんだよなぁ)」

 

「それとね奥田さん。生徒一人で毒を作るのは安全管理上見過ごせませんよ」

 

「……はい。すみませんでした」

 

「放課後時間あるのなら一緒に先生を殺す毒薬を研究しましょう」

 

「…は、はいっ!!」

 

暗殺対象と一緒に作る毒薬とは一体。

と、その時、タケルには奥田から発生する黄色い煙が見えた。

 

「!!」

 

「タケル? どうしたんだ?」

 

「………今愛美さんから黄色い煙が見えた。俺がムサシを生み出した時も同じような赤い煙が見えたんだ」

 

「じゃあ……奥田から英雄眼魂が生まれるのか?」

 

「…………まだ、分からないけど」

 

◎◎◎◎◎

 

翌日、奥田は殺せんせーから出された宿題の通りに毒薬を作ってきた。

 

「毒物の正しい保管法まで漫画にしてある。相変わらず殺せんせー手厚いなぁ……」

 

「きっと私を応援してくれてるんです。国語なんて分からなくても私の長所を伸ばせばいいって」

 

「…………………」

 

奥田からは黄色い煙が見えない。

英雄眼魂が出てくるきっかけは様々である。現在の彼女はその条件を満たしていないということだろうか。

と、入ってきた殺せんせーに毒薬を渡し、それを飲む。

 

「………ヌルフフフ。ありがとう奥田さん。君の薬のおかげで………先生は新たなステージへ進めそうです」

 

「…………えっ、それってどういう……」

 

直後、殺せんせーの全身が輝き、そして………。

 

「ふう」

 

「「「溶けた!!」」」

 

奥田が作った薬は細胞を活性化させて流動性を増す薬だった。

その液体状態で高速で飛び回る殺せんせーに教室がパニックになる。

 

「だっ………騙したんですか殺せんせー!?」

 

「愛美さん。それは違うよ」

 

と、ここでタケルが口を出した。

 

「えっ!?」

 

「君が尊敬するトーマス・エジソンも優れた科学者だけど、彼も何かを生み出すときには理論を組み上げてその発明を完成させたんだ」

 

「その通りです。そしてその理論を組み上げる為に必要なのが国語力。今回の件も毒を馬鹿正直に渡したのではターゲットに利用されて終わりです。渚君、君が先生に毒を盛るならどうしますか?」

 

「うーん。先生の好きな甘いジュースで毒を割って……特性手作りジュースだと言って渡す……とかかな」

 

「そう。エジソンにしても世間がもっとも求めている物を発明しました。科学にも相手を理解する国語力が必要なのです。君の理科の才能は将来皆の役に立てます。それを多くの人に分かりやすく伝える為に……毒を渡す国語力も鍛えてください」

 

「は……はい!!」

 

と、その時、奥田の体から再び、今度は強く黄色い煙が上がった。

 

「!! まただ。今度は……」

 

 

 

『見つけたぞ!! 眼魂の持ち主!!』

 

 

 

「!!」

 

と、外からの声にタケルが振り向くとそこには電気のアンテナのような怪人がいた。

 

「な、なんだアイツ!!」

 

「眼魔……!」

 

「あれがか!?」

 

『エジソンの眼魂を探していたがちょうどいい。ムサシ眼魂共々それを頂く!!』

 

と、電気眼魔が奥田に向けて電撃を放った。

 

「!?」

 

「させるか!!」

 

[アーイ! バッチリミナー! バッチリミナー!]

 

タケルが呼び出したパーカーゴーストが間に割って入り、電撃を防いだ。

そして直ぐ様タケルに被さる。

 

「変身!!」

 

[カイガン! 俺! レッツゴー! 覚悟! ゴ・ゴ・ゴ・ゴースト!]

 

「この校舎から出ていけ!!」

 

『お前!! 邪魔するな!!』

 

クラスの前では初めて見せた変身。

そんな彼に驚くクラスメート達。

 

「あれが仮面ライダーゴースト………」

 

「格好いい……!」

 

「殺せんせー!! 皆を頼む!」

 

「分かりました!!」

 

連続パンチを叩き込むゴーストだがあまり効いていない様子。

 

『どうした。その程度か!?』

 

「負けるか!」

 

アッパーで電気眼魔を打ち上げたゴーストが更に追撃のジャンプ蹴りを叩き込む。

 

「うお!! 強力!!」

 

「だけどまだ倒せてない……」

 

「なら更に強い力だ!」

 

[カイガン! ムサシ! 決闘、ズバッと、超剣豪!]

 

ムサシ魂にチェンジしたゴーストが斬りかかる。

 

「………いや待て! 電気に刀は不味い!!」

 

『食らえ!!』

 

「あ、がっ、ぐっ、アガガガガガガガガ!!!?」

 

刀から流れる高圧電流に苦しむゴースト。

既に死んでる彼は死にはしないがダメージは受ける。

 

「だから言ったのに……!」

 

「ど、どうする……?」

 

『さて、そろそろ眼魂を渡してもらおうか!!』

 

「なんで……なんでこんな事が出来るの!? 人を傷つけてまでもあんた達は願いを叶えたいの!?」

 

『………小娘、一つ教えてやる。人間はな、我々眼魔の目的の為の道具に過ぎないんだよ。道具をどう使おうが俺達の自由だろ!!』

 

「こ、こいつ……!」

 

『さあ、早く眼魂を寄越せ! それとも死ぬか?』

 

じわりじわりと近づいてくる電気眼魔。

それに対して奥田は、

 

「渡しません!!」

 

『何……?』

 

「私は、ようやく本当の理科のスタートラインに立てたんです。エジソンは………そんな私の目指す英雄。貴方なんかには渡せません!!」

 

『なら……力付くで奪うのみ!!』

 

電気眼魔の蓄電した拳が降り下ろされる。死を覚悟した奥田は強く目を閉じる。

 

が衝撃は来ない。

 

「…………?」

 

『お前ェ………!』

 

「クラスの仲間は………守る!!」

 

体に電流を受けながらも拳から手を離さず、奥田を守るゴーストがいた。

その隙に殺せんせーが触手で奥田を救出した。

 

「人が道具だって……? ふざけるな! この世には………好き勝手にしていい命なんて無いんだよ!!!」

 

『ぐはぁっ!?』

 

ムサシゴーストの渾身の拳が電気眼魔を大きく吹き飛ばす。

 

「愛美さん!! 君の想いを、俺に貸してくれ!!」

 

「はい!!」

 

ゴーストが目のような紋様を描くとそこに奥田から発生した黄色い煙が収束し、パーカーゴーストを形作る。

 

「あれが……エジソン魂!!」

 

「エジソンさん……タケル君に協力してあげてください!!」

 

黄色いゴーストは頷くとゴーストのベルトに吸い込まれて黄色い眼魂に変化した。

 

『よくも俺のエジソン眼魂を……!』

 

「お前のじゃない……俺達のだ!!」

 

[カイガン! エジソン! エレキ閃き発明王!!]

 

エジソン眼魂を装填するとパーカーを纏い、エジソンゴーストに変化した。

そして銃を構えて連射、電気眼魔の各部を次々と撃ち抜く。

 

『ぐああっ!?』

 

「燃え上がるようなムサシとは違う……冷静な戦い方が出来る………」

 

『オノレェェェ!!!』

 

最大の電力を込めた放電を放つ電気眼魔。

 

「タケル君!! 避けてください!!」

 

「大丈夫だよ。愛美さん」

 

エジソンゴーストは避けずにその電撃を全身で受けた。

 

「タケル君!?」

 

『バカめ!! まともに食らいやがった!!』

 

「それはどうかな」

 

しかし、エジソンゴーストはその強力な電撃を食らっても平然としている。

 

『何!?』

 

「なるほど。エジソンは電球を改良発明した人物。故に電気に強いのですねぇ」

 

「強いだけじゃないさ………お前の電気、利用させてもらうぜ!!」

 

[ダイカイガン!!]

 

全身のグリッターコートで浴びた電流を吸収、肩のフリッカーショルダーで電力を増幅。構えた銃に流し込み、一気に放つ!!

 

[オメガシュート!!]

 

『ガアアアアアアッ!!!』

 

電撃のレーザーが電気眼魔を撃ち抜き、爆発させた。

 

「やった!! 倒した!!」

 

「すげぇぞタケル!!」

 

[オヤスミー]

 

変身を解除したタケルはエジソン眼魂を奥田に返そうとするが、彼女は断った。

 

「私の思いは消えてませんから。それに私の思いと尊敬するエジソンがタケル君の力になってくれるなら私も嬉しいです」

 

「………分かった。愛美さんの思い。大事にするからね」

 

 

 

神代タケルの所有眼魂

[01 ムサシ][02 エジソン]

=二個




エジソンが奥田愛美なのは理科繋がり

他のキャラと英雄も出来る限り共通項がある人を選んでます

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