仮面ライダー〜アサシン〜ゴースト   作:ファルコン・Σ

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感謝の時間

明くる日、イレーザーとネクロムゴーストは街中に繰り出した。

 

「さあ、計画を進めましょう。ゴースト、人間共の魂を奪いなさい」

 

「…………………」

 

ゆっくりと頷き、手を構えるネクロムゴースト。

 

と、その時、

 

「たあっ!!」

 

「おりゃ!!」

 

「!!」

 

岡野と木村が飛び出し、ネクロムゴーストに飛び蹴りをかました。

 

「……また貴方達ですか。無駄だと何度言えば分かるんですか?」

 

「無駄かなんてやってみなきゃ分からないでしょ!!」

 

「何かをしようってんなら俺達を倒してからにするんだな!!」

 

そういうと二人はその場を離脱した。

 

「ふん。雑魚が。しかし計画を邪魔されると面倒です。ゴースト。追って始末しなさい」

 

「…………………」

 

駆け出すネクロムゴースト。

しかしE組最速の二人はなんとか捕まらずに空き地まで連れてきた。

 

「杉野! 後は頼む!」

 

「任せろ!」

 

「…………………」

 

[ムサシ!]

 

待ち構えていた杉野がムサシ魂を纏う。

その手には二刀流モードのガンガンセイバーが握られていた。

 

「タケル……本当は野球で勝負したかったけどな……。今はコイツで勝負だ!!」

 

「……………!」

 

ネクロムゴーストの薙刀とムサシ杉野の二刀がぶつかり合う。

両者ともに譲らぬ攻防、そこにイレーザーがやってくる。

 

「英雄の真価を引き出しましたか。多少はやるようですがゴーストは解放されませんよ」

 

「たあっ、おりゃあ!!」

 

「……………!」

 

激しいぶつかり合いが続く。

と、ムサシ杉野は徐々に身を引いた。

 

「……………」

 

「(そうだ。もっと来い!)」

 

ムサシ杉野を切り裂こうとネクロムゴーストが一歩踏み出す。

と、その時、

 

ビュン! バァン!

 

「!?」

 

矢と弾丸がネクロムゴーストにヒット。

樹上で待ち構えていたロビン千葉とビリー速水がそれぞれのガンガンセイバーアローモードとライフルモードで撃ち抜いたのだ。

 

「修学旅行に比べたら成長しただろ? もう頼ってばかりじゃない」

 

「あんたは簡単にくたばる男じゃないでしょ。早く目を覚ましなさい」

 

と、ネクロムゴーストの背後にエジソン奥田とノブナガイトナが降り立つ。

そしてガンモードとガンガンハンド銃モードで射撃する。

 

「今の私があるのはタケル君のお陰だから……助けます!」

 

「お前には借りがある。だから今、返させてもらう」

 

「…………!」

 

「今だ! 矢田!」

 

三人が離れた隙にニュートン矢田が斥力で木にネクロムゴーストを叩きつける。

 

「いつも心配ばかりさせて……少しはお灸据えなきゃね!」

 

「!………」

 

身動きが取れないネクロムゴーストにベンケイ寺坂のハンマーとツタンカーメン渚の鎌が追撃する。

 

「お前は強い男だろォが!! あんな奴の操り人形になってんじゃねぇ!!」

 

「僕は、タケル君の言葉があったから今の僕があるんだ! タケル君も負けちゃ駄目だ!」

 

「……………!」

 

ナギナタを振って反撃を試みるネクロムゴースト。

が、それをベートーベン中村とサンゾウ神崎が拳で封じる。

 

「しゃんとしな! 私を助けてくれたあんたは何処にいっちゃったのさ!!」

 

「私もタケル君に助けてもらった……。だから、その思いを私が繋ぐ!!」

 

吹き飛ばされた先にはフーディーニ吉田とグリム不破がおり、鎖とニブショルダーで動きを封じる。

 

「お前の諦めない強さが俺にも勇気と力をくれたんだ!! そいつを思い出せ!!」

 

「まだタケル君と楽しい思い出を描ききってない!! だから戻ってきて!!」

 

「………………!」

 

もがくネクロムゴーストだががんじがらめに囚われた体は全く動かない。

そんな彼にサングラスラッシャーを構えたゴエモン前原、リョウマ磯貝、ヒミコ片岡が立つ。

 

「いつまでも彼女を泣かしてんじゃねえぞタケル! 早く目覚めてやれ!」

 

「俺は信じる……お前はそんなに弱くない! 皆の夢を守れる強い男だと!」

 

「私達が貴方を支える! 絶対に貴方を一人にはしない! 未来は私達で守る!」

 

リョウマ磯貝が放った火炎弾とゴエモン前原、ヒミコ片岡の斬撃がネクロムゴーストにヒット。

と、ネクロムパーカーがスパークを始めた。

 

「なにぃ!? ゴーストでもないただの人間が……こんなことはあり得ない!!」

 

その様子を見て、三村と岡島が叫んだ。

 

「よし! バリアが弱まった!」

 

「仕上げだ! 倉橋! タケルを助けろ!」

 

「うん!!」

 

茅野と原に連れられた倉橋がゆっくりとネクロムゴーストに近づく。

 

「………………!」

 

「タケル…………」

 

ギュッ、とタケルを抱き締める倉橋。

静かに、しかし力強く。

 

 

 

「………大丈夫だよ。もう大丈夫。だから………笑顔を見せて……?」

 

 

 

「ッ!! グッ、ウグッ、グウッ、ガ、ア、ガアアアアアアアアアアアッ!!!」

 

突如、ネクロムゴーストが吠える。

と、ゴーストドライバーのカバーが開いた。

 

「今だ、カルマ!!」

 

「あいよ」

 

その隙に眼魂をカルマが取り上げ、握り潰す。

と、同時に変身が解除され、タケルが元に戻った。

 

「はあ………はあ………」

 

「「「「タケル!!!」」」」

 

「………皆……ありがとう………陽菜乃……心配かけたね」

 

「タケル………」

 

優しく倉橋の頭を撫でるタケル。

ごしごしと涙を拭った倉橋は満面の笑みを見せて答えた。

 

 

「おかえりなさい!」

 

「ああ、ただいま」

 

 

「虫酸が走る!」

 

と、イレーザーが吐き捨てる。

 

「私の計算は完璧だったのに!! こんな非科学的なことはあり得ない! ジャギア!」

 

「はっ!!」

 

[ウルティマ!]

 

と、ジャギアが現れて眼魔ウルティマに変身する。

 

「「「!!」」」

 

「………殺せんせー。あの大きな眼魂は持ってますか」

 

「ええ。これですね」

 

殺せんせーが服から取り出した大型眼魂を受けとるタケル。

 

「皆は俺の為に努力して、協力して、戦ってくれた………今度は俺が、その魂に答える番だ!!」

 

振り返るタケル。

後ろには十五人の英雄の力を受け継いだ仲間達がいる。

 

「皆……俺に魂を預けてくれないか」

 

「「「勿論!」」」

 

「………ありがとう……はっ!!」

 

大型眼魂を空に投げるタケル。

 

「皆、俺に力を貸してくれ!!!」

 

それに合わせて十五人が眼魂を投げる。

それが空中でパーカーゴーストに変化、大型眼魂に入り込んでいき、全てが入ると大型眼魂は真の姿、[アイコンドライバーG]になった。

 

「皆の魂を……俺が繋ぐ!」

 

[グレイトフル!]

 

[ガッチリミーナー! コッチニキナー!]

 

 

「変身!」

 

 

[ゼンカイガン! 剣豪・発見・巨匠に王様・侍・坊主にスナイパー! 大変化~!]

 

 

アイコンドライバーから飛び出したパーカーゴーストが金色のボディに次々と合体。

最後にムサシが胸部に合体すると頭部も変化。

 

十五人全ての英雄の力を得た黄金のゴースト。[グレイトフル魂]

 

「うおお!! すげぇぞタケル!!」

 

「十五人の英雄がタケルに力を!!」

 

 

それを見ていた仙人も満足そうに頷く。

 

「やりおるの……タケルの奴」

 

 

「その姿は……!?」

 

殴りかかるジャギアの拳を受け止め、押し返す。

 

「俺が倒れても、俺の意思は皆が繋いでくれる! そうやって人の思いは繋がっていくんだ! 魂は永遠に不滅だ!!」

 

「ぐおあっ!?」

 

「小賢しい………」

 

イレーザーが眼魔スペリオルを召喚する。

と、グレイトフルもドライバーを操作した。

 

[デルデルデルゾ~]

 

[ムサシ! ラッシャイ!]

 

[エジソン! ラッシャイ!]

 

と、なんとドライバーからムサシとエジソンが召喚された。

 

「英雄を呼び出せるのか!?」

 

「スゴい!! 最強じゃん!!」

 

『行くぞ!』

 

『I am EGISON』

 

ムサシが一体のスペリオルに切りかかり、エジソンがガンモードで電撃を放つ。

一方でグレイトフルはジャギアに攻撃、怒濤の猛攻で反撃を許さない。

 

「はあっ、たあっ!!」

 

「ぐはぁ!? ど、何処にそんな力が……」

 

「俺は一人じゃない。沢山の仲間がいるから恐怖にも立ち向かえるんだ!!」

 

『ぬぇい!!』

 

『Die!』

 

ムサシとエジソンがスペリオルを撃破。

二人はドライバーに戻った。

 

「お前に見せてやる。俺達の力を!」

 

[ムサシ! エジソン! ロビンフット! ニュートン! ビリー・ザ・キッド! ベートーベン! ベンケイ! ゴエモン! リョウマ! ヒミコ! ツタンカーメン! ノブナガ! フーディーニ! グリム! サンゾウ!]

 

[ゼンダイカイガン! グレイトフル! オメガドライブ!]

 

「はああああああっ!!」

 

十五人分の英雄のエネルギーを集め、空中で一回転、右足で蹴り飛ばすようにしてジャギアに放つ!!!

 

「ぬっ、グッ、グオオァァァァァァァアアアアア!!」

 

盛大な爆発と共にジャギアは破れ去った。

 

「「「いよっしゃあああああああ!!!」」」

 

新たなゴーストの大勝利にクラスが沸き立つ。

 

「お、お、おのれぇ~~! ならばもう一度操って……」

 

「てい!!」

 

「ブベラァッ!?」

 

グレイトフルに接近したイレーザーに倉橋がビンタを叩き込む。

 

「うわ……いたそ……」

 

「次タケルに酷いことしたら許さないんだからね!!」

 

「ぬぅ~~~~~~!」

 

痛そうな悔しそうな顔をしながらイレーザーは去っていった。

 

[カイサーン!!]

 

変身を解除すると眼魂も分離し、タケルの服の中に入っていった。

 

「ふう………」

 

「タケル!」

 

と、彼に駆け寄るE組の皆。

 

「皆……迷惑とか心配かけて本当にごめん」

 

「気にしないで。無事に戻ってきてくれたから」

 

「ま、ほんとそれが何よりだよな」

 

「そうかな………けど……」

 

「でしたらこういうのはどうですか?」

 

と、声をかけたのは殺せんせーだった。

 

「今回はE組の皆と英雄の皆様方の全員の力での勝利です。なので此処は皆でお祝いでもしましょう!」

 

「「「賛成!!」」」

 

と、皆は校舎に向かうことにした。

その道中、タケルはそっと倉橋の手を取った。

 

「タケル?」

 

「………心配かけたお詫びに何かしようか?」

 

「じゃあ……一杯甘えさせてね」

 

「了解」

 

そんな二人をニヤニヤして見守る生徒達と殺せんせーだった。

 

 

 

神代タケルの所有眼魂

[01 ムサシ][02 エジソン][03 ロビンフット][04 ニュートン][05 ビリー・ザ・キッド]

[06 ベートーベン][07 ベンケイ][08 ゴエモン][09 リョウマ][10 ヒミコ]

[11 ツタンカーメン][12 ノブナガ][13 フーディーニ][14 グリム][15 サンゾウ]

=十五個




ついにグレイトフル魂が登場!!

ゴーストの強化フォームはどれもカッコいいですよね

最初のタケルを呼び戻すシーン含めて今回は気合いを入れまくりました。

そしてアカリじゃなくて倉橋さんがビンタをしましたねw
あれは痛い

次のムゲンが出るまではグレイトフルが大活躍ですよ

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