仮面ライダー〜アサシン〜ゴースト   作:ファルコン・Σ

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推理の時間

竹林孝太郎と奥田が看病のために残り、出撃したのはタケル、渚、カルマ、千葉、速水、寺坂、吉田、菅谷、茅野、不破、磯貝、片岡、岡野、矢田、木村、烏間、イリーナの17人。

 

ホテル裏の崖を登り、裏口から侵入する一同。

一階のロビーをイリーナがピアノの演奏で見張りの気を引くことで全員突破。

その腕前に思わずベートーベン眼魂が反応するほどだった。

 

二階廊下。

 

「! 眼魔がいる………」

 

「だけどコマンドだな……どうする?」

 

「任せてくれ……ニュートン!」

 

[カイガン! ニュートン! リンゴが落下! 引き寄せまっか~!]

 

ニュートンゴーストに変身したタケルが引力で全ての眼魔コマンドを引き寄せて斥力で吹き飛ばす。

 

「眼魔も配置しているのか………やっかいだな」

 

「タケル。眼魔の相手は任せたよ」

 

「ああ。分かっている。………そうだ」

 

と、タケルは磯貝、片岡、千葉、速水、寺坂、矢田にそれぞれが産み出した眼魂を渡した。

 

「念のため持っておいた方がいい。最低でもイトナのノブナガと同等の力は使える筈だから」

 

「分かった。借りるよ」

 

◎◎◎◎◎

 

三階中広間。ここまでは順調だった。

 

「ヘッ、楽勝じゃねーか。時間ねーんだからさっさと進もうぜ」

 

と、烏間の前に出る寺坂と吉田。

そんな彼らの前から少し恰幅のよい男がやってくる。

 

「……! 寺坂君!! そいつ危ない!!」

 

不破が叫ぶ。

と、男がガスを放つ。

間一髪二人は烏間に庇われて無事だったが烏間は真っ向から食らってしまう。

 

「!」

 

「ちっ」

 

烏間の攻撃を身を引いてかわす男。

 

「………なぜ分かった? 殺気を見せずすれ違い様殺る。俺の十八番だったんだがな」

 

「………だっておじさん。ホテルで最初にサービスドリンク配った人でしょ?」

 

「………あ!!」

 

「断定するには証拠が弱いぜ。ドリンクじゃなくても……ウィルスを盛る機会は沢山あるだろ」

 

男ースモッグの反論を不破は論破し始める。

 

「皆が感染したのは飲食物に入ったウィルスから。そう竹林君言ってた。クラス全員が同じものを口にしたのは……あのドリンクと船上でのディナーの時だけ。けどディナーを食べずに映像編集をしてた三村君と岡島君も感染した事から感染源は昼間のドリンクに絞られる。………従って犯人は貴方よ。おじさん君!!」

 

「くっ………」

 

「スゴいよ不破さん!! なんか探偵みたい!!」

 

不破曰く、普段から少年漫画読んでいると普通じゃない状況が来ても素早く適応できるらしい。

 

「特に探偵物はマガジン・サンデー共にメガヒット揃い!」

 

「ジャンプは!?」

 

「優月さん。探偵は漫画だけじゃないぞ。……さあ、お前の罪を数えろ」

 

「タケル君は何をいってるの!?」

 

と、烏間が膝を着いた。

 

「俺特製の室内用麻酔ガスだ。一瞬吸えば象すら気絶するし、外気に触れればすぐ分解して証拠も残らん」

 

「ウィルスの開発者も貴方ですね。無駄に観戦を広げない。取引向きでこれまた実用的だ」

 

「さあね。ただお前達に取引の意思がないことはよく分かった」

 

スモッグは報告のために来た道を戻ろうとするが……。

 

 

[リョウマ!][ヒミコ!][ロビンフット!][ビリー・ザ・キッド!][ベンケイ!][ニュートン!]

 

眼魂を使用した生徒達が武器を構えて出口を塞ぐ。

敵と遭遇した場合即座に退路を塞ぐように指示をされていた。

 

「お前は……我々を見た瞬間に攻撃せずに報告に帰るべきだったな」

 

「………フン。だが所詮はガキの集まり。お前が死ねば統制が取れずに逃げ出すだろうさ」

 

襲いかかるスモッグ。しかしそれより早く烏間が側頭部を蹴り抜いた。

しかし、それで限界だったのか烏間は倒れ付した。

 

 

「「「烏間先生!!」」」

 

急いで駆け寄る生徒達。

と、

 

「! 危ない!」

 

[闘魂カイガン! ブースト! 俺がブースト! 奮い立つゴースト!]

 

闘魂ゴーストに変身したタケルが空間を蹴り飛ばす

 

『くうっ!?』

 

「! 眼魔!!」

 

そこに居たのはインセクト眼魔。

 

『ふん………役に立たない男ね。おかげで私が動かないといけないじゃない』

 

「眼魔にも女性がいるのか………」

 

「それどころじゃないだろ……」

 

どうやらスモッグとE組の戦いの隙をついて眼魂を奪うつもりだったらしい。

 

『まあいいわ。なら直接奪うだけよ!』

 

「ッ!!」

 

「うわ!? なんだこいつ!?」

 

インセクト眼魔は無数の蜂に分裂。

E組に襲いかかった。

 

「うあああああっ!?」

 

「や、やめろ!!」

 

「こいつ!!」

 

サングラスラッシャーをブラスターモードに変形させて撃ちまくるが無数の蜂には対処しきれない。

 

「うわっ!?」

 

「タケル君!!」

 

「くそ…………!」

 

『オホホホホホホホ!!』

 

「ダメだ! キリがない!」

 

「どうすれば…………」

 

と、その時、不破の体からパーカーゴーストが飛び出した。

 

「な、これは!?」

 

「! グリム兄弟か!?」

 

「え、漫画家じゃないんだ………」

 

「落ち込んでる場合!?」

 

と、グリムゴーストはペン型の武器、ニブショルダーを振るって蜂を追い払うとゴーストの手に収まる。

 

「試してみるか………グリム!」

 

[カイガン! グリム! 心のドア! 開く童話!]

 

グリムゴーストに変身。

肩のニブショルダーからインクを発射し、インセクト眼魔を固めた。

 

『っああ!? そんな!!』

 

「もうあの厄介な技は使わせないぞ!!」

 

ニブショルダーを鞭のように振るって追い詰めていくグリムゴースト。

 

『うああああっ!!』

 

「止めだ………命、燃やすぜ!」

 

[ダイカイガン! グリム! オメガドライブ!]

 

ニブショルダーがインセクト眼魔を縛り付けて捕らえる。

そしてそれをゆっくりと引き寄せて全力のパンチを叩き込む!!

 

「はあっ!!」

 

『キャアアアアアア!!』

 

インセクト眼魔は爆発して破れた。

 

[オヤスミー]

 

「…………皆、無事か?」

 

「な、なんとか………」

 

「そうか……優月さん。はいグリム眼魂」

 

「うん。ありがとう。少し借りるね」

 

しかし、烏間は体が麻痺し、思うように動けずにいる。

戦闘ができる状態まで30分で戻るかという状況だ。

 

と、

 

「いやぁ、いよいよ夏休みって感じですねぇ」

 

「「「………………」」」

 

ブチッ

 

「何をお気楽な!!」

 

「一人だけ絶対安全な形態のくせに!!」

 

「渚、振り回して酔わせろ!!」

 

「ニュヤーーッ!!」

 

「よし寺坂、これねじこむからパンツ下ろしてケツ開いて」

 

「死ぬわ!!」

 

一斉に怒りのブーイング、若干一名違う人もいるが………。

 

「殺せんせー。なんでこれが夏休み?」

 

「先生と生徒は馴れ合いではありません。そして夏休みとは先生の保護が及ばないところで自立性を養う場でもあります」

 

「………………」

 

「大丈夫。普段の体育で学んだことをしっかりやればそうそう怖れる敵はいない。君達ならクリアできます。この暗殺夏休みを」

 

残る階層は七階。

彼らは進むしかないのだ。

 

 

 

神代タケルの所有眼魂

[01 ムサシ(対話済)][02 エジソン(対話済)][06 ベートーベン(対話済)]

[12 ノブナガ][15 サンゾウ]

=五個/十二個(うち七個は貸し出し中)




サンゾウ同様に突然現れるグリム魂。
なんかネクロム関係のゴーストは主思いな気が。

本繋がりで不破優月。
狭間綺羅々と迷いましたがシェイクスピアを出す機会があればそちらに回します。

グリムゴーストのデザインはすごく好きです。

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