仮面ライダー〜アサシン〜ゴースト   作:ファルコン・Σ

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先見! 英雄の見る目とは!

「………………父さん」

 

闘魂ブースト眼魂を握るタケル。

 

~15人の英雄の心を未来に繋ぐんだ~

 

新たな目的も出来てしまったが、しかしタケルはそれほど大変そうな顔はしていない。

既に三回の前例があるのだから、できるという確信があった。

 

「……………その為には、早く残りの七つの英雄を見つけないとな………」

 

「ならば耳寄りな情報を教えてやろう」

 

「あ、おっちゃ………んんん!?」

 

仙人は異様な身なりをしていた。

右半身が志士、左半身が女王の服装になっている。

某ロボットアニメの阿修〇男爵のようだ。

 

「…………何してんの」

 

「一気に二人の英雄が目覚めたのだからとりあえず二人分だ!!」

 

「あ、そういう………で、誰なの?」

 

「二つの意味で先を見通す力を持った英雄ぜよ!」

 

「ぜよ……女王……ということは……坂本龍馬と卑弥呼!?」

 

「その通り! さて、この二人は手強いぞ?」

 

「手強い?」

 

と、タケルの携帯(コブラケータイ)に着信が入った。

 

「はいもしもし?」

 

「タケルか? 磯貝だ」

 

「うん。どうした?」

 

「いや釣りに出掛けるんだけどタケルも来るか? 片岡と倉橋も来るけど」

 

「行く!」

 

「倉橋が関わると声が変わるよなお前……」

 

待ち合わせ場所などを決めてすぐに出かけるタケル。

それを仙人は生暖かい目で見ていた。

 

「青春じゃのう……それにしても竜の奴め、勝手なことをしよって………」

 

◎◎◎◎◎

 

「まさか磯貝の家の夕飯の為とはな……」

 

「ははは……ごめんなタケル。でも助かったよ」

 

「いや気にしてないから大丈夫。むしろ助けになれるなら良かったよ」

 

「何だかんだでタケルは優しいよね~~」

 

「そうね。そんな神代君だから皆力を貸してくれてるんだと思う」

 

と、タケルが一匹魚を釣り上げた。

 

「お、取ったどー」

 

「………なあタケル」

 

「ん、なんだ?」

 

「実は………俺、英雄に会った」

 

「「え!?」」

 

「あ、実は私も」

 

「「ええっ!?」」

 

◎◎◎◎◎

 

昨夜、磯貝が寝ていた時のことである。

 

「……………」

 

『いつまで寝とるんじゃ? 日本の夜明けぜよ!』

 

「ん、んぅ………?」

 

ゆっくりと目を開ける磯貝。

と、そこは家の布団…………ではなく洋上の船の上だった。

 

「…………何処だ此処!!?」

 

『お! 起きよったか!』

 

「誰だ!!?」

 

『ワシか? ワシは坂本龍馬ぜよ!』

 

「坂本龍馬!?」

 

船と袴を掛け合わせたような姿のパーカーゴースト。

ただ普通とは違うのはパーカーのみならず肉体を持って立っていることだった。

 

『ワシはのぅ。おんしをずっと見ておった。おんしは中々大きな夢を持っちょるようじゃ。ワシは大きな夢を持った者が好きなんじゃ!』

 

「は、はあ………」

 

『おんしは見所のある奴じゃ。ワシはその夢を応援するぜよ!』

 

「あ、あの!」

 

豪快なリョウマに少し気圧されていた磯貝だが意を決して声をかけた。

 

「俺を応援してくれるのなら……タケルに力を貸してあげてくれませんか?」

 

『タケル? ああ、神代タケルのことか。………その男はどんな夢があるんじゃ?』

 

「タケルの夢………?」

 

確かに磯貝はタケルの夢を知らない。いや、クラスには知ってる者がいないだろう。

 

『もしそいつがでっかい夢を持っているのならワシも力を貸してやらんこともない。とりあえず今はおんしにワシの力を貸してやるぜよ』

 

「……俺に、貴方の力を……?」

 

◎◎◎◎◎

 

同時刻。

 

「………何処ここ?」

 

片岡が目覚めたのは弥生時代の集落だった。

 

『ぬしは人を導く力有り』

 

「!? えっと……どちら様?」

 

『妾は邪馬台国を統べる女王、卑弥呼なり』

 

「ええっ!?」

 

鮮やかなピンク色をしたパーカーゴーストは此方も体を持っている。

 

『人を導く力を持つぬしは優れた才を持つ』

 

「あ、はあ………英雄に誉められるとなんか恥ずかしいな……」

 

余り女性らしくない性格に悩みを持っていた片岡だが卑弥呼は紛れもない憧れであり、そんな彼女の評価はかなり嬉しい。

 

『妾はぬしを評価している。かの集団をまとめあげる力を持つぬしを』

 

「はい………えっと、ヒミコさん? どういう要件でしょうか?」

 

『神代タケル。かの者が英雄の力を集めている様子』

 

「あ、はい………お見通しですか」

 

『妾はぬしを通じてかの者の人を導く力を見定めようと思う』

 

どうやらヒミコもリョウマ同様にタケルを見定めてから力を貸すかどうかを決めるらしい。

 

『当分は妾の力はぬしに与えよう』

 

「わ、私にですか!?」

 

◎◎◎◎◎

 

「と、いうことなんだ」

 

「スゴいな~! 二人とも自分の憧れの英雄と話せたなんて!!」

 

「正直急すぎてちょっと頭が着いていけなかったけどね………」

 

「("夢"……それに"導く"か………)」

 

今もリョウマとヒミコはタケルを見定めているのだろうか。

 

「!!」

 

「あれ? メグちゃんどうしたの?」

 

「…………眼魔が来る!!」

 

「何だって!?」

 

ヒミコの予知能力が働いたのだろう。

 

「案内する!! こっちに来て!!」

 

メグを先頭に彼女が見た場所に急行する一行。

そこでは、ナイフ眼魔と袴眼魔が暴れていた。

既に何人も倒れている人がいた。

 

「!! 酷いな……!」

 

『来たかゴースト!』

 

『ジャック様の仇をとらせてもらう!!』

 

「好き勝手に暴れておいて……許せない!」

 

[一発闘魂!]

 

「変身!」

 

[カイガン! ブースト! 俺がブースト! 奮い立つゴースト!]

 

闘魂ブースト魂に変身したタケル。

と、磯貝と片岡も前に立った。

 

「二人が相手はきついだろ?」

 

「イトナ君が使えたなら私達もできる筈」

 

「二人とも……ありがとう! 陽菜乃は倒れてる人達を!」

 

「分かった! 気を付けてね!」

 

[リョウマ!][ヒミコ!]

 

ゴースト同様にそれぞれのパーカーゴーストを羽織る二人。

リョウマ磯貝は刀を、ヒミコ片岡はお払い棒を持っている。

 

「行くぞ!」

 

『ちょうどいい! 貴殿達の眼魂も頂く!』

 

ナイフ眼魔を闘魂ゴーストが、袴眼魔はリョウマ磯貝とヒミコ片岡が相手をする。

 

「やあっ!!」

 

「たあっ!!」

 

『ぬっ!? 人間にしてはやりおるな!!』

 

E組でも戦闘能力は高い学級委員の二人。馴れない英雄眼魂でもかなり使いこなしていた。

 

「はっ、でりゃっ!!」

 

『ふん! おりゃあ!!』

 

ナイフとサングラスラッシャーがぶつかり合い、凌ぎを削る。

 

「街の人達に何をした?」

 

『少し魂を頂いただけだぜぇ。イレーザー様の計画に必要でなぁ!』

 

「イレーザー!? 誰だソイツは!?」

 

『教えるわきゃねーだろ!!』

 

ナイフ眼魔がその凶刃を闘魂ゴーストに降り下ろす。

 

 

「はあっ!!」

 

『ぐっ!? 体が動かん!?』

 

「食らえ!」

 

ヒミコ片岡が袴眼魂を術で動きを封じ、そこにリョウマ磯貝がピストルを連射する。

 

『中々やるではないか……』

 

「決定的なダメージが与えられない……」

 

「単純に俺達じゃあ力不足なんだ……」

 

イトナとは違い、英雄本人に認められた二人はパーカーゴーストを纏うことが出来る。

しかし、ゴーストが使う武器を使えない事が二人の力不足を示していた。

 

「けど足止めくらいは出来る! タケルが一体を倒すまでは!」

 

「私達が貴方の好きにはさせない!」

 

『良いだろう。某も本気で参る!』

 

 

「はあっ!!」

 

『なにっ!?』

 

ナイフ眼魔の刃を片手で受け止めた闘魂ゴースト。

そのままサングラスラッシャーで反撃した。

 

『ぐあっ!!』

 

「ジャックの拳に比べたら、この程度!」

 

『テメェ!! ならこれでどうだ!!』

 

ナイフ眼魔は背中から霧を放った。と、複数の女性が実体化する。

 

「!? なんだこれ!?」

 

『そいつらは俺が奪った人間の魂だ。切れるもんなら切ってみな!』

 

 

女性達は闘魂ゴーストに襲い掛かる。

 

「くっ………!」

 

『どうした。戦わないのかァ?』

 

「俺は……この人達を助ける! 絶対に………命を守る!」

 

 

『………片岡さん』

 

「! ヒミコさん?」

 

『しばし、離れても構わぬか?』

 

「………はい!」

 

と、ヒミコ片岡が解除され、眼魂が飛び出した。

 

『リョウマよ。しばし任せる』

 

『おう! 行ってくるがよいぜよ!』

 

そしてヒミコ眼魂は闘魂ゴーストの手に納まる。

 

「! ヒミコさん!!」

 

『ぬしの思いは人を救う。それ即ち人を導く事なり。此処は妾に任せよ』

 

「はい! 力をお借りします!」

 

なんとか女性達から離れたゴーストはヒミコ眼魂をセットする。

 

[カイガン! ヒミコ! 未来を予告! 邪馬台国!]

 

「邪気……浄化!」

 

ヒミコゴーストがサングラスラッシャーを振るい、浄化。女性達の魂を鎮めた。

 

「なにっ!?」

 

「お前には容赦しない」

 

[メガマブシー! メガマブシー!]

 

サングラスラッシャーに闘魂ブースト眼魂とオレ眼魂をセット。

 

[闘魂ダイカイガン! メガオメガシャイン!]

 

オーラを凝縮した斬撃を放ち、ナイフ眼魔を一刀両断。

悲鳴すら挙げさせずにナイフ眼魔を葬った。

 

『おのれ!』

 

と、袴眼魔が襲い掛かるのでサングラスラッシャー対応するヒミコゴースト。

 

『神代タケル!』

 

「リョウマさん!?」

 

『もうまどろっこしい真似はやめじゃ! おんしの夢を言え!』

 

「俺の夢…………」

 

ゴーストは袴眼魔の相手をしつつ答えた。

 

「まだ生き返れていないから将来の夢は無い………だから今の俺の望みは! 皆を助けられるだけの力! 人を守れる程に強い男になることだ!」

 

『よかろう。ワシもその夢の力となろう!』

 

磯貝から飛び出したリョウマ眼魂をしっかりと握る。

 

「力を借ります。リョウマさん!」

 

[カイガン! リョウマ! 目覚めよニッポン! 夜明けぜよ!]

 

優雅な舞のようなヒミコゴーストとは異なり、豪快かつ力強い太刀筋。

リョウマは剣の達人でもあるのだ。

 

『ぐ、ぬああ!?』

 

「はあっ!!」

 

『がっ!? 某の刀が……!』

 

[メガマブシー! メガマブシー!]

 

サングラスラッシャーをブラスターモードに変形、眼魂をセット。

 

[闘魂ダイカイガン! メガオメガフラッシュ!]

 

「はあああああっ!!」

 

『ぬおおぁぁぁぁぁ!!』

 

発射された超火力のレーザーが袴眼魔を焼き付くし、蒸発させた。

 

[オヤスミー]

 

「「「タケル!」」」

 

駆け寄ってくる磯貝と片岡、倉橋。

 

『これからも妾達にその信念を見せてみよ』

 

『それが折れぬ限りワシらは力となり続けるぜよ』

 

「二人とも………ありがとう」

 

 

 

神代タケルの所有眼魂

[01 ムサシ(対話済)][02 エジソン(対話済)][03 ロビンフット][05 ビリー・ザ・キッド]

[06 ベートーベン(対話済)][07 ベンケイ][09 リョウマ(対話済)][10 ヒミコ(対話済)]

[12 ノブナガ][15 サンゾウ]

=十個




今回はオリジナルの話でした。

リョウマが磯貝なのは人望と彼の将来の大きな夢。

ヒミコが片岡なのはE組を指揮するカリスマ性から。

リョウマとヒミコは同時に出す予定でした。
暗殺教室のカップリングでは磯メグが好きです………。

これで三分の一。次もオリジナルです。恐らく。

ヒミコが出たならあの偉人を………。

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