仮面ライダー〜アサシン〜ゴースト   作:ファルコン・Σ

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闘魂の時間

E組が得たのは成績優秀クラスに与えられる特典。

夏休みの椚ヶ丘中学校特別夏期講習。沖縄離島リゾート二泊三日。

四方が水に囲まれたこの島を使って万全の状況下で暗殺を結構するつもりだ。

 

「正直に認めましょう。君達は侮れない生徒になった」

 

その評価はE組の皆にとってなによりも嬉しい評価だった。

 

「夏休みもたくさん遊び、たくさん学び、たくさん殺しましょう! 暗殺教室、基礎の一学期、これにて………」

 

 

「大変だぁ~~~~!!」

 

 

殺せんせーの言葉を遮ってユルセンが飛び込んできた。

 

「な、なんですか!?」

 

「どうしたユルセン?」

 

「終業している場合じゃないぞ!! 大量の眼魔が押し寄せて来てるんだよ~!」

 

「「「なんだって!?」」」

 

外を見ると確かに眼魔コマンドが大量に押し寄せて来ていた。

 

「……コマンドがなんでこんなに………いや、今はそれどころじゃないな」

 

「タケル!!」

 

飛び出したタケルを追ってクラスの皆が外に出る。

 

「どれだけいようと全部倒してやる! 変身!」

 

イトナから奪ったノブナガ眼魂をセットし、変身するタケル。

 

[カイガン! ノブナガ! 我の生き様!桶狭間!]

 

マントのような武将風のパーカーゴーストがタケルに被さり、ノブナガゴーストに変身した。

 

「うおお!! かっけえ!!」

 

ガンガンセイバーとは異なる武器、ガンガンハンドを召喚したノブナガゴーストはそれを太刀のように扱って眼魔に叩きつける。

 

「はっ!! うおおっ!!」

 

『ヌウウウン……!』

 

「おお、やっぱり強いなタケルは!」

 

「ッ!! 皆!! 後ろ!」

 

眼魔コマンドが生徒達に襲い掛かる。

 

「「「ッ キャアアアア!!」」」

 

「嘗めた真似しないでくれるかな?」

 

「うおらっ!!」

 

しかしそれを喧嘩に強いカルマと前原が撃退する。

 

「こいつら弱いな!」

 

「なら俺達も!!」

 

腕に覚えのある男子達や、岡野や中村など一部の女子が眼魔コマンドの相手をする。

 

「タケル! 俺達も手伝う!」

 

「この数は一人じゃ大変でしょ!」

 

「ああ! ありがとう!」

 

ガンガンハンドを銃モードに変形させたノブナガゴーストは眼魔を次々と射ち倒す。

 

「おらあ!!」

 

「てやっ!!」

 

「やあっ!!」

 

烏間と殺せんせーも生徒を守るために眼魔を倒していく。

 

「ヌルフフフ。生徒達も大分強くなりましたねぇ」

 

「護身術はある程度身に付けさせている。この程度の相手なら十分に相手をできる」

 

そうして眼魔コマンドを倒していくと大分数が減ってきた。

 

「よし。後は俺が決める!」

 

[ダイカイガン!]

 

と、ガンガンハンドが分身、ノブナガゴーストの回りに浮かぶ。

さながら織田信長の逸話である、長篠の戦いの鉄砲三段撃ちの如く。

 

[オメガスパーク!]

 

全てのガンガンハンドから放たれた閃光を纏う弾丸が眼魔コマンドにヒット。

全ての眼魔コマンドを倒した。

 

「…………ふう。これで一段落かな」

 

「けどなんでいきなり大量の眼魔が襲ってきたんだろう………」

 

「大方、タケルの眼魂を狙ってきたんだろ?」

 

「けどあんな雑魚だけで襲いに来るなんておかしいと思うけどね」

 

 

「その通りだ」

 

 

「「「!?」」」

 

突然の声に思わず全員が振り向く。

そこに居たのは屈強な体格の男だった。

 

「今の眼魔コマンドは貴様のノブナガ眼魂の力を図るため。本命はこの私だ」

 

「………お前は…?」

 

今までの眼魔と比べても明らかに格が違うのが一目瞭然だった。

タケルだけではなく、他の生徒達や烏間もその強さを感じ取っていた。

 

「眼魔幹部、ジャック。貴様の眼魂を頂き、これまでの借りを返させてもらおう!」

 

[スペリオル!]

 

ジャックと名乗った男はタケルの物とは異なる眼魂を使用して姿を変えた。

 

「行くぞ!!」

 

「うわっ!? ぐっ!!」

 

ジャックの拳を一発食らっただけでその力の強さを実感した。

 

「この…………!!」

 

「させん!」

 

ガンガンハンドを向けるがそれを叩き落とされ、衝掌を喰らう。

 

「ぐはっ!! この………」

 

[カイガン! ムサシ! 決闘、ズバッと、超剣豪!]

 

[オメガスラッシュ!]

 

ムサシ魂にチェンジしたゴーストはガンガンセイバー二刀流モードで切りつけるがその刃を掴まれて止められる。

それを見てすぐさまナギナタモードに変更した。

 

[オメガストリーム!]

 

「ふん!」

 

しかしそれをもジャックは封じた。

 

[ベンケイ! 兄貴ムキムキ仁王立ち!]

 

ベンケイに変更したゴーストはガンガンセイバーハンマーモードを叩きつける。

が、ジャックはそれすら受け止めた。

 

「ベンケイのパワーも効かないだと!?」

 

「だったら遠距離戦で!!」

 

[ロビンフット! ハロー!アロー!森で会おう!]

 

[オメガストライク!]

 

「ふん!」

 

[ビリー・ザ・キッド! 百発百中ズキューン!バキューン!]

 

[オメガインパクト!]

 

「温いわ!」

 

ロビンの弓もビリーのライフルも通用しない。

 

「つ、強すぎる……!」

 

「まだまだ! だったら音波で!!」

 

[ベートーベン! 曲名! 運命! ジャジャジャジャーン!]

 

「フォルテッシモ!」

 

「でぇい!!」

 

ベートーベンの音波攻撃すらも効かない。

 

[サンゾウ! 猿・豚・河童! 天竺を突破!]

 

「頼む!!」

 

サンゾウに変更、召喚したお供に攻撃を仕掛けさせるが………。

 

「雑魚に用はない!!」

 

ジャックは容易くお供を倒してしまった。

 

[エジソン! エレキ閃き発明王!]

 

「これでどうだ!!」

 

[オメガシュート!]

 

ジャックに生まれた隙を突いて最大威力の電撃を放つエジソンゴースト。

その攻撃がついにジャックに直撃する。

 

「よし! 当たった!」

 

「これならアイツも……!」

 

 

「こんなものか……?」

 

 

しかし、ジャックには目立ったダメージが無い。

 

「嘘…………!」

 

「タケル君の攻撃が効かない………!」

 

「まだ終わってない!」

 

[オレ! レッツゴー! 覚悟! ゴ・ゴ・ゴ・ゴースト!]

 

[ダイカイガン! オレ! オメガドライブ!]

 

「はああああっ……だああああああっ!!!」

 

ゴーストの全力を込めた飛び蹴りとジャックの拳が激突する。

 

「うおおおおおお………!」

 

「いいぞ………だが! 弱い!」

 

「ッ、ぐあああああっ!!」

 

競り負けて吹き飛ばされるゴースト。

そこにジャックが襲い掛かる。

 

「!!」

 

「ぬぅん!!」

 

「ぐはああああぁぁぁあっ!!!!」

 

ジャックの拳を胸部に食らったゴーストは変身が解除されてしまう。

そしてタケルはそのまま倒れ伏した。

 

「「「タケルッ!!!!!」」」

 

すぐさまタケルに駆け寄る生徒達。

既に死んでいるタケルの安否は簡単に分かるものではない。

しかし彼らの呼び掛けに応えることはなく、その傷だらけの顔は目を開けることはなかった。

 

「タケル!! 起きろ!! 起きてくれ!!」

 

「タケル君!! 目を覚ましてよ!!」

 

「神代君! しっかりしろ!」

 

「そんな………タケルーーーッ!!!!!」

 

◎◎◎◎◎

 

「……………ここは……?」

 

タケルが目を開くと白い空間だった。

 

「………俺は……ジャックに……負けて……本当に死んだのか………?」

 

現実感のない光景を見てタケルは思わずそう呟いた。

 

「…………せっかくここまで来たのに……」

 

悔しさを滲ませた悲壮な声。

奥田や千葉、速水、中村、神崎、寺坂。

タケルの復活を願い、彼のために自分達の眼魂を預けてくれた彼らに申し訳なかった。

そして、まだE組の皆と過ごしたかった。

 

~タケル~

 

と、そこで声をかけられた。

そこに居たのは…。

 

「………父さん……?」

 

タケルの父親、神代竜だった。

 

~タケル……よく頑張った。お前の事を誇りに思う~

 

「父さん………え、此処にいるってことは……父さんは死んで……」

 

~此処はあの世ではない。私はお前の心に語りかけている。………私がお前に伝えたいことを届けるために~

 

「伝えたいこと……?」

 

~タケル……いい友を得たな。………皆と共に、15人の英雄の心を未来に繋ぐんだ~

 

竜は力強くタケルを抱き締め、光を彼に送った―――――。

 

◎◎◎◎◎

 

「貴様らはどうやら他の眼魂も所有しているようだな………全て頂こう!」

 

ジャックが生徒達に近付く。

と、倉橋がその前に立ちはだかった。

 

「………なんのつもりだ小娘」

 

「あなたの好きにはさせない! タケルの想いは……私が繋ぐ!」

 

「陽菜乃ちゃん駄目!!」

 

「やめろ倉橋!!」

 

「嫌だ!! 絶対に退かない!!」

 

「なら…………消えろ!」

 

ジャックが倉橋に襲い掛かる!

 

 

その時!

 

 

「ッ!! なんだ!?」

 

タケルの体が燃え上がり、その炎がジャックを弾いた。

 

「!?」

 

そして炎が収まると、そこには復活したタケルが立っていた。

 

「「「タケル!!」」」

 

「………心配かけてごめん。……ありがとう陽菜乃」

 

「………タケル……!」

 

「待ってろ。すぐにアイツを倒してやる」

 

タケルの手には燃え上がる新たな眼魂が握られていた。

 

[一発闘魂!]

 

「変身!」

 

[闘魂カイガン! ブースト! 俺がブースト! 奮い立つゴースト!]

 

真っ赤に燃え上がるパーカーと深紅のボディ。

角や目も燃えるような形に変化している。

 

新たなゴースト。[闘魂ブースト魂]だ。

 

「姿が変わろうと同じだ!!」

 

と、ジャックが殴りかかる。

が、闘魂ゴーストはそれを片手で止めた。

 

「何!?」

 

「はあっ!!」

 

そして炎のパンチを叩き込む。

 

「ぐはっ!!」

 

「おお!! 効いてるぜ!!」

 

「強い!! やったれタケル!!」

 

ジャックは光弾を放つが闘魂ゴーストは新たな武器、[サングラスラッシャー]でそれを切り裂いた。

そのまま光弾を弾きながら接近、ジャックを切り裂く。

 

「ぐはあっ!!?」

 

「終わりだ………燃え上がれ、俺の命!!」

 

[闘魂ダイカイガン! ブースト! オメガドライブ!]

 

「だああああああっ!!!」

 

業火を纏った強力なライダーキックがジャックの拳を弾き飛ばして炸裂した!!

 

 

「グゥアアァァァァァ!!?」

 

ジャックは爆発。この強敵を倒した!!

 

「「「やったあぁぁぁ!!!」」」

 

「ジャックを倒したぞぉぉぉ!!」

 

「タケル~~!!!」

 

駆け寄ってくる皆、特に倉橋は抱き付いた。

 

「タケル………良かった! 良かったよぉ!」

 

「………ただいま」

 

闘魂眼魂を握るタケル。

 

「………ありがとう。父さん」

 

 

 

神代タケルの所有眼魂

[01 ムサシ(対話済)][02 エジソン(対話済)][03 ロビンフット][05 ビリー・ザ・キッド]

[06 ベートーベン(対話済)][07 ベンケイ][12 ノブナガ][15 サンゾウ]

=八個




闘魂ブースト魂登場!
強い! 説明不要!

あ、こちらのタケルのお父さんは本編と区別するために"竜"になってます。
生死はまだ不明。

ジャックは本編で言うジャベルの立ち位置。多分眼魔の幹部って"ジャ"で始まるような気がします。

次回から夏休み、闘魂を駆使しつつ英雄を最低四人は出したいです。

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