バカとテストと召喚獣~もうバカとはいわせない~   作:青猫ハマト

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第9話

 夜が来た。

 僕はまだ病院にいる。

 午後8時をきり、活気がある場所と活気が無い場所に分かれた。

 病院は暗かった。

 二択ならば圧倒的に活気が無い場所だろう。

 

 あの後、落ち着きを取り戻した僕は質問をされた。

 順調に答えていくと、警官の電話が鳴った。

 少し時間がたつと警官の表情が固くなり出した。

 かけ終わると焦りが顔に出ていて、どうしたんですか?と聞いた。

 警官はいや、ちょっとね。とはぐらかしつつも今日はとりあえずいいから、明日また宜しくね。と僕に言った。

 それを二つ返事で返すと、警官はすぐさま扉をあけて、念のため警備つけておくからね。と言った。

 

 僕は何の事か分からず返事をして、今に至るというわけだ。

 僕は、とりあえず寝ることにした。

 直後だった。

 

 ガッ!と何かを殴る音がした。

 その後聴こえたのは警備の人のものであろう、うめき声。

 ガチャリと鳴り、扉がゆっくりと開く。

 影で、入ってきた人物は見えなかったが、誰だか分かった。

 2人いた。

 一人はバット。もう一人は、刃物らしきものを持っている。

 刃物の方はわからないが、バットの方は分かる。

 

 「し、島田さん?」

 

 影達は無言で歩み寄ってきた。

 そこで、影が薄れて様々な色が見えてきた。

 片方は目を紅くして、今にも襲いかかってきそうな島田美波。

 もう片方は、模擬日本刀を持ち、目が死んでいるのでは無いかと思わせる程の怖さを誇る成績優秀者姫路さんだった。

 

 「AKIHISA!殺す...ッ!」

 

 「吉井クーン?どうしたんですかぁ?ふふふ、フフフフフフ。フフフフフフフフフフフフフフフフフフ!!」

 

 ダメだ!狂気の沙汰じゃない!

 島田はすでに、人の言葉のしゃべり方を忘れかけており、姫路は何かにとりつかれている。成績優秀者という肩書きを既に無くしていた。

 

 そもそもどうやって島田さんは脱け出して来たんだ!?

 

 「吉井くん。それはですねー。私が逃亡を手伝ってあげたからなんです」

 

 ダメだ!心が読まれている!これじゃ逃げようもないじゃないか。

 

 「へえ、吉井。逃げようとしてたんだぁ。じゃあたっぷりと御死汚忌してあげなくちゃね」

 

 今度は人の言葉を取り戻した島田さんまでだと!

 狂気のせいで、足が言うことをきかない。

 逃げる選択肢も闘う選択肢も無いってどんなクソゲーだよ! 

 半ば諦めていると、声がした。

 

 「警察だ!動くな!手を挙げろ!お前達は包囲されている!」

 

 銃を構えながら警官が入ってくる。

 だが、いっこうに彼女達は手を挙げない。

 

 「おい!どうした!撃つぞ!」

 

 更なる脅しが入る。

 

 「どうして、ですか?」

 

 「え?」

 

 思いもよらぬ返しに警官は一瞬唖然とする。

 

 「だって、動くなって言ってたじゃないですか。」

 

 なんて屁理屈だ!確かに正論だけども!

 

 「確かに...」

 

 「アンタはアンタで何納得してんだよ!」

 

 「すまないが入りなおしてもいいか?」

 

 「駄目だよ!状況見ろよ!そんな場合じゃないだろ!」

 

 「あ、そうだ!確保ー!確保ー!」

 

 一斉に警官が彼女達を制圧して事なきを得た。

 警察にはあまり頼らないでおこうと思った。




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