バカとテストと召喚獣~もうバカとはいわせない~ 作:青猫ハマト
後日、僕は学校に行く気力もなくただただ家で寝そべっていた。
いつもならゲームをしているはずがやはりそういった気持ちにはなれなかった。
このまま、登校拒否してやろうか、と部屋のすみで黄昏ながら、昨日の事を思い出した。
あれ、絶対に人違いじゃないよね...。だとしたら、なんでこの学校に来たんだ?
倒れて、病院で目覚めるまでの間。僕は、ずっと一つの単語を繰り返していたらしい。
嫌だ、と。
実際、そんなことは全く覚えていないし、夢を見た記憶もない。
さて、これからどうしようかな。
登校拒否とは考えたものの、そんなことをしていたら親にも迷惑がかかってしまうし、Aクラスの皆にも申し訳がたたない。
本当にどうしよう。
そんな事を考えていると、ピンポーンとチャイムがなった。
誰だろう。
扉を開けるとそこには島田美波の姿があった。
え!?
僕が驚いたと同時に、彼女はバットを出して殴りかかってきた。
わりといい僕の動体視力のお陰で、なんとかソレをかわすことができ、とっさに玄関の外に飛び出した。
勢い余ったバットは止まることをしらないように、地面に叩きつけられた。
外した勢いをさらに上乗せしたかのように、先程よりも速く、力強く振り回してくる。
まるで、怒りを溜め込んでいるかの様に。
無言でなければ怒りが爆発してしまうかの様に。
迷いなき一本がそこにあった。
何度も避けていると、音に気づいたのかお隣さんがこちらの様子をみにきた。
お隣さんは一瞬遅れてバットを持った少女が僕を殴ろうとしていることに気付き、すぐに警察に通報しようと携帯をだす。
しかし、時すでに遅し、お隣さんが携帯を出した途端、彼女のバットは生き物のように軌道を変えて、お隣さんの頭に鈍い一発を与えた。
倒れたお隣さんの頭から血が出ている。
ヤバイ。どうしよう。これマジだ。
「AKIHISAa!!」
今まで無言だった彼女がついに言葉を発した。
爆発したようだ。
離れついても分かる異常な殺気に恐怖しながらも避け続ける。
警察にはお隣さんに彼女が向かっていった時にどうにか連絡できた。
あとは、警察がくるまで逃げるだけだ!
チラッと後ろを見る。
そして驚愕した。
先程まで10メートル程離れていた彼女が今は5メートル程の場所にいる。
そして、孤軍奮闘虚しく、捕まってしまった。
僕はバットで殴られて気絶してしまった。
再び目を覚ますと、そこは病院だった。
隣には警察の人がいた。
しばらくして僕が起きている事に気づいた警官が話し掛けてきた。
「あ、君。気がついたのかい。どうだい?なにか思いだせる?」
「あ、あの。僕は何で?」
「君、だよね。通報してくれた人。僕が現場に行くと気絶していた君とそれを引っ張る女性、あとは君の隣の住人らしき人が倒れていてね」
「あ、そうだ!お隣さんは!?あと、彼女は!?」
「まあ、少し落ち着いて。君のお隣さんは無事だ。なんとか急所は避けていたらしいから。それで、女性なんだけど、僕達が確保したよ。現行犯だ」
「...そうですか」
「...まあ、とりあえず落ち着くまで一人にしておくから。何かあったらそこのボタンを押せば近くの警官が飛んでくるから」
「はい、分かりました。ありがとうございます」
「うん。それじゃ」
ガチャンと扉の閉まる音で警官は出ていった。