仮面ライダーディケイド エクストラ   作:牢吏川波実

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これで、ネギまの世界前編は終了です。後編は…書けているのですが、文章校正が…。因みに最後に出てきた人たちはかなり設定をいじっくった…というか、オリジナルキャラ?なぜかというと、自分が原作を読んで設定の理解ができなかったから…。


ネギまの世界1-9

「ハァ!」

「!ユウスケも変身した!」

「てやっ!ハァ!」

 

クウガに変身したユウスケはグールの大群に上からパンチを繰り出す。

 

「ユウスケ、変身するの久しぶりじゃないか?」

「今まで出番がなかっただけだ。そりゃ!」

 

ここ最近ライダー大戦の世界やらシンケンジャーの世界では変身していたが、ほとんどの世界で、ユウスケ戦わずに士に任せることが多かった。仮面ライダーとして戦える、というアドバンテージがなかなか生かせなかったのだ。なので途中で彼が仮面ライダーだということを自分で忘れているのではないか、出番動向というならユウスケもいろんな世界で戦えばよかったじゃないかと夏海は思っていたのだが、それを彼女は言わないでおいてあげた。彼女の精いっぱいの思いやりである。

 

「フ、じゃあこっちは!」

[KAMENRIDE AGITO]

 

士はまた一枚のカードをベルトに投入し、変身した。そのライダーの名前はアギト。クウガの世界と近い世界のライダーであり、原典の世界では、クウガの次の世界に現れたライダーでもある。

 

「す…すごい」

 

アギトに変身した士とユウスケはフォームチェンジを活用しながらグールを倒していく。

 

「やはり一筋縄ではいかないか…いいだろう、出てこい!わがしもべたちよ!」

「「「「「「「はっ!」」」」」」」

 

ラミアがそういうとどこからか七人の怪物が目の前に現れた。白を基調とし、その手には、剣、槍、鈍器を二人ずつが所持し、そして真ん中の1人は、奇妙な形の斧、ハルバートを持っていた。

 

「新手か!」

「いけ!」

 

その七体の攻撃に、士もユウスケも徐々に押されていく。グール一体一体の力はそれほど強くなかったが、新たに表れた七体の怪物は別物の力を持っていた。

 

「私にもキバーラがいれば…。ネギ君たちも戦えるんでしょ!?なぜ戦わないんですか!?」

「ッ!…そ、それは」

 

夏海もキバーラがいれば仮面ライダーになれるのだが今は彼女がいないのでそれは無理なのである。そこで先ほど魔法球内でその力を見せた、ネギたちにも力を貸してくれるように頼んだが…

 

「魔法は一般人に秘匿しなければならない」

「え?」

 

高畑のその言葉に夏海は高畑の方を振り向いた。そしてそれに続くように桜咲が言う。

 

「魔法使いが守らなければいけない鉄壁の掟です。見てください」

 

そういわれ夏海は周りを見る。

 

「うわ!なんだすげぇ!」

「これもまたCG!?」

「こんなすごいの見られるなんて!ラッキー…なんて喜んじゃいけないよね」

「確かに、これじゃ魔法は使えないかも…」

「報道のヘリも確認できます。もしここで魔法を使ったら、全世界に広まってしまいます」

 

周りはギャラリーがたくさんでき、まるで特撮ヒーローもののショーのようであった。朝倉や茶々丸の言う通りもうすでに穏便には済まない状況になっている。そして上にはヘリコプターがうるさい音を掻き立て飛んでいた。いつもならマスコミも認識阻害を受けて、このような騒ぎには飛んでこないのだが、前述のとおり結界がなくなったためそれも期待できない。今魔法使いたちがその力を使うと、すぐに世界中にその様子が伝えられるであろう。

 

「!だからって…」

「すまない…これは掟なんだ」

 

掟、その言葉にどんな意味があるのか。今掟という言葉に力があるのだろうか。夏海には全く分からなかった。改めて戦闘中の士たちの方を見ると士がラミアと対峙していた。アギトはフレイムフォームという形態になり、その武器フレイムセイバーでラミアと殺陣を繰り広げていた。しかしその様子から見ると士の方が押されていた。

 

「フン!ハァ!」

「フフフ。その程度ですか?ディケイド。それならこちらから行きますよ。ッハ!」

 

そういうとラミアは手から光弾を発射し、もろに士に当たった。そして士はアギトから元のディケイドへと姿が戻った。

 

「!ぐあっ」

「士君!」

「士っ、この!」

「ハァ!」

「ぐあ、…ぅう」

 

パンチを繰り出したユウスケだがラミアに軽くそらされ、カウンターで喰らった斬撃によりユウスケは倒れ、変身が解けてしまった。

 

「ユウスケ!」

「…士さん、ユウスケさん」

 

夏海は倒れたユウスケのところへ行き、その様子を見て、ネギは自分の手の中にある魔法の杖をぎゅっと握りしめた。彼は悔しいのである。子供であっても掟が大事なのはわかる。しかし…

 

「フフフ…。ハァ!」

 

その様子を見て、ラミアは光弾をユウスケの方にでも士の方にも、またネギの方にも打たなかった。さっきよりも遅いスピードの光弾が向かった先に真っ先に気付いたのは千雨であった。

 

「!やばいあそこにいるのは!?」

「「「「「!!!」」」」」

 

そこにいたのは白い翼以外の3―Aのメンバーであった。彼女たちは魔法も知らないメンバーであるためもちろんだが自衛手段を持っていない。そこを攻撃されたら、大けがどころかへたをすれば死んでしまうのは分かりきっていた。

 

「ッみなさん!!!」

「あッネギ!」

「!」

 

それを見たネギは迷わずその体を動かした。そのさまはまるで一陣の風のようであった。そのネギを止めることができるものなどだれもいなかった。

 

「「「「「キャッ!」」」」」

「風花・風障壁!」

「え?」

「ネギ先生?」

 

ネギの前が手をかざすとそこから光が出現し、見えない壁のようなものができる。そして痛みが来ることを予想していた3-Aメンバーはその様子にいったい何が起きているのかわからない。目を開けると目の前には必死に何かに耐えるネギだけであったのだ。しかしラミアの光弾は勢いが強く、ネギは徐々に押されていった。

 

「ッ!ぐあ!」

「ネギ先生ぇぇぇ!!!!」

「ネギ!」

 

ネギは勢いに負け吹き飛ばされ、壁に激突し気絶してしまった。そのネギの姿にのどかは叫び、いそいで駆け付ける。

 

「ネギ!?」

「フフフ。これで第二段階終了」

「!」

 

士はその言葉を聞きのがさなかった。第二段階だとどういうことだ。そう問いかけようとするが、ラミアの姿が徐々に消えていくことに気が付いた。

 

「さらばだ、ディケイド」

「待ちやがれ!…っくそ」

 

ラミアの姿は完全に消え、グールの姿も後から現れた怪物も周りにはいなかった。そして士は変身を解き、ネギのもとへ向かう。ネギは外傷はあるものの、大きなけがをしておらず脳震盪を起こしているようであった。しかし深刻な顔をしたものが数人いた。

 

「…これは、まずい事態になったね」

 

高畑もその一人であった。その上を無情にも報道のヘリがけたたましい音を立てながら飛んでいた。

 

暗い部屋の中に何人かの人が見える。その人物達はある同じ画面を見ている。それは先ほど約1時間前の映像なのだが、そこにあってはあらないものが写ってあった。怪物が現れることはまだいい、謎のヒーローが現れたというのもまだいい。問題は別にある。

 

『この映像に映る少年を守っていたものはまるで魔法のようであったという証言も―――』

 

そこに映っていたのはナギの息子ネギ=スプリングフィールドが魔法を使っている姿であった。

 

「これはまずいですなぁ」

「こんなに広まってしまったら、どうにもなりませんのう」

 

インターネットなら何とかできる。人伝えの情報なら噂程度だと笑い話にできる。しかしこれはまずい、麻帆良武闘大会の時はまだ何とかインターネットだけで、転載も不可能であったため、CGというのでごまかせた。しかし今回はさすがにごまかせない。テレビという事だけならやらせであると流せば何とかなるが、目撃者が何人もいる。その目撃者全員の記憶制御も不可能であろう。つまり魔法の存在が世界中に公表されてしまったものと同じなのだ。

 

「では…」

「うむ」

 

その黒い影は立ち上がり、そして冷徹な声で子ほかの影へという。

 

「ネギ=スプリングフィールドを一般人の前で魔法を使った罪で…本国へ強制送還とする」

 

どうするかはともかく、まずは魔法をテレビの前で使ったネギ=スプリングフィールドを本国へと強制送還する。それが最初に決まったことであった。

ニュース画面は気絶したネギを映していた、果たしてこの世界はどこへ向かっていくのか、少なくとも原典と言われる世界に戻ることはもうない…

 




次回 仮面ライダーディケイド エクストラ
「どうして黙っていたんですの!」「じゃあもうせんせいとあえないの!?」「もう必要ありませんから…」「僕は自分を軽蔑するよ」「今ここにいる生徒たちはみんな今の先生を、そして自分の仲間たちを信頼している」 ノーン・スコラエ・セド・ウィータエ・ディスキムス
―全てを破壊し、全てを繋げ―

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