仮面ライダーディケイド エクストラ   作:牢吏川波実

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プリキュアの世界chapter87 我ら……

「終わりなの、私たち……」

「いえ、もしかしたら元々始まってすらいなかったのかも……」

 

 もはや、その場には何も残されていなかった。

 仲間たちの影も、形も、自分たちの過去も、今も、すべてが偽物。作られたもの。

 一人の人間の頭の中でしか生きることのできない、その人間によって自分たちの生き死にすらも決められてしまっている。そんな自分たちにいったい何が残されているというのだろか。

 

「……パーティー」

「え?」

 

 その声は、なぎさか。つぶやかれたその言葉に瞬時に反応できたのは親友のほのかだけだった。

 それから数秒後、再び彼女が口を開いた。

 

「そうだ。今夜のクリスマスパーティー……まだ、間に合うかな?」

「なぎさ、こんな時に何言ってるメポ!」

「だって、昼間に聞いた時から楽しみにしてたんだよ。ご馳走とか、また友達と一緒に集まるのとか」

 

 それは、まるで現実逃避の言葉に聞こえた。しかし、何も残されていないはずの彼女たちに宿ったその小さな未来への希望の道が、再び開かれた瞬間でもあると言える。

 

「ご馳走があるのか。なら、俺達も参加させてもらうぜ」

「マーベラス、こんな時にも食い意地を張ってどうすんのよ?」

「フッ、いいんじゃないのか? 楽しみが何もないよりもな」

「なら、俺も料理作りますよ。吾郎さんもどうです?」

「……そうだな、ソムリエとしてなら参加してもいい」

「決まりだな。よし、さっさとハーメルンを倒してクリスマスパーティーに参加するぞ!」

「あぁ!」

 

 マーベラスが立ち上がったその瞬間である。

 

「ん?」

「なんだ?」

 

 マーベラスの身体が薄く光出した。いや、マーベラスだけではない。なぎさとほのかも、そして先ほどの会話に参加していた者たちの身体が皆光出しているのだ。特に、なぎさとほのか、そしてルカの身体からでる光は巨大で、まるで太陽の光のようにも見えた。

 

馬鹿な。この光はなんなのだ。どうして傀儡であるお前たちがその光を出すことができる。

「え?」

 

 焦っている。ハーメルンがこの場に降り立ってから初めて見る光景だ。今まで感情を外に出すことすらもなかったその神が、まるでこの世のものではない者を見たかのようにその顔がこわばっている。

 そう、顔がこわばっている。見えるのだ。ハーメルンの姿が。

 

「見える。ハーメルンの姿……」

「どうして?」

「……」

 

 士は考えていた。何故、なぎさたちの身体が光だし、ハーメルンの姿が見えるようになった。

 それに、どういうわけなのかその光を見るととても暖かく、心が安らいでいくかのようだ。まるで記憶にない母に抱かれた時のよう。あの時、あの死の間際に夏海にかけられた声のように、暖かい気持ちとなった。

 心が平穏を取り戻すと同時に、心の闇によって遮られてきたハーメルンの不可解な点が表出して来る。

 何故ハーメルンは未来の自分をこの世界に呼び寄せた。

 何故ハーメルンは変身能力だけを奪うにとどめている。

 大体の話、何故ハーメルンはこの世界ごと消滅させるという手を取らない。

 まさか……。

 

「大体分かった」

「士……」

「転生神ハーメルン。お前が敵だということがな」

何を当たり前なことを

「ただ!それだけの話だ……」

「なに?」

「ハーメルンの姿が!」

「さっきよりもはっきりと……」

「馬鹿な、これは……」

 

 ハーメルンの姿、声、そしてその存在が見え、聞こえ、そして感じることができる。

 黒い炎に包まれたような外見をしている転生神ハーメルン、先ほどまで闇雲の中にいたその姿が今、戦士たちの前に現れたのである。しかし何故なのか。

 

「それは、ハーメルンが我々の敵に過ぎないからです」

「え?」

 

 そう語ったのは、声色からして恐らく渡であるのだろう。渡はさらに言う。

 

「ハーメルン、それは名前だけを借りた神……いえ神ですらない。遠藤止と同じくこの世界の登場人物、つまり僕らの敵、ただそれだけの存在です」

「そんな、それじゃ変身能力を奪えたのって……」

「そんな能力を持っていただけのこと。それぐらいの能力、覚えがありませんか?」

 

 言われてみれば、自分たちの変身する力を奪う敵には今までにも会ってきた。かつての強敵であったブラックホールなんてそのいい例だ。

 

「元々ハーメルンはこの世界に干渉する力を持っていない。世界の在り方、その世界に住む者たちの意思や行動を自由に操ることはできない。世界そのものを壊すにも、ただの登場人物であるがゆえにこの世界に降り立たなければならない。それは、そこにいる大人の春野はるかの抹殺に失敗したことが示しています」

「え?私?」

 

 唐突の名指しで言われて若干の驚きを持つはるか。しかし、ハーメルンが自分の抹殺に失敗したとはどういうことか。いや、彼女は知っている。一度だけあった命の危機、そして大事な師を失ったあの出来事を。

 

「ハーメルンは、自らの使役するトラック型の怪物を使い、春野はるかを間接的に殺そうとした。だが、それは叶うことがなかった。それは、この世界の意思が春野はるかを救ったからだ」

「この世界の意思?でも、私を助けてくれたのは……」

「この世界に住み、生きた一人の人間。確かにそれは個人の考えによって起こった無意識の行動なのかもしれない。だが、まぎれもなくこの世界の意思の一つでした」

「先生……」

 

 この世界の意思が自分の命を救ってくれた。けど、そのために先生は犠牲となってしまった。もし自分がいなかったら先生は死なずに済んだのだろうか。それともそもそも先生などという存在はいなかったのだろうか。はるかの心の中にどんよりとした曇りが生まれ、渦巻き始める。

 

「加えて、私からは見えませんが、そこに未来のディケイドがいるのは、その未来のディケイドを倒さなければ世界を完全に破壊できるということにはならないからです」

「どういうことだ?」

 

 過去の自分を倒してしまえば未来など無くなるはず。そのはずなのに、渡の言葉からしてハーメルンがわざわざ未来から自分を過去に連れてきた。それは一体どういうことなのかと士は渡に尋ねようとした。だが、その間にも事態は進み続ける。士が使う世界を渡るオーロラが突如として出現したのだ。

 

「あれは?」

「おのれ、ディケイドォォォォ!!」

「!」

 

 そのオーロラから士がよく見知った男が出現した。

 

「あれ?あの人って……」

 

 プリキュアの一人、誰かは分からないがそう呟いた。だが、男はそれを目で制するようにして士に言う。

 

「久しぶりだな、ディケイド」

「鳴滝……」

「鳴滝、準備はできたのですか?」

 

 門矢士をつけ狙う男、鳴滝。彼は渡の言葉にうなづくと士に、いやそこにいる全ての戦士に向けていった。

 

「……それを答える前に、お前たちに問いたいことがある」

「?」

「二次創作とは、醜くないか?」

「なに?」

 

 そこには数多の世界が映し出される。知らない仮面ライダーと共闘している世界、いるはずのない仲間と共に戦っているスーパー戦隊のいる世界、果ては変身も何もしていない戦士と共闘している世界。

 だが、すこし目を背ければ直視したくないような世界もある。恐らく、敵に敗北して世界が悪の組織に支配された世界。恋人をとられたであろう男子が泣いている姿。恐らく転生者であろう人物によって心を汚され、拐かされて自分を失ったプリキュア、敵になって元仲間たちと殺し合いをしているプリキュアの姿も。

 

「私は、ディケイドを倒すために多くの世界を見てきた。中には他人の創造物を勝手に使った挙句好き勝手に改変し、改悪し、自らが望んだ世界にしようとする。そこにはその世界に住む人間の心も人生も関係ない。言葉も、行動も、人間性も、生死をも自由にできてしまう。そこには幸せなど存在しない。創造主のみが自己満足するために作られたこの世界に意味などあるのか?」

 

 沈黙。その男の言葉を聞いた瞬間周りに訪れたのはただその時間のみ。

 だが、それは何も言い返せなかったからじゃない。

 

(何?この違和感……)

(確かにあの人の言うことも一理はある。でも……)

(違う……何かがおかしい)

 

 胸に去来したこの違和感。言葉にはできないがしかし全員が鳴滝の言葉の不協和音に気が付いていた。

 誰も言葉にすることはできない。誰もその違和感の正体に気が付いていない。

 だが、それでも口を開いた男がいた。

 

「だからって何もせずにやられるわけにはいかない」

「士……」

 

 士は、その違和感の正体を全くつかめないでいた。しかし、それでも言ってやりたいことがあった。言いたい放題言っているその独裁者のような男に対して、これだけは言っておきたかった。

 

「例え俺たちの人生が他人に決められていたとしても、例え幸せになる権利がなかったとしても、それでも今俺達が生きているという事実には変わりない。今生きているこの時間を放棄することは、遠藤止たち転生者と同じだ」

「……」

 

 今ある現実から逃避し、次の人生に夢を持ってしまえば、もはやそれは人間として終わっている。それは今を生きている門矢士だからこそ出る言葉。

 続けて士は言う。

 

「確かに二次創作は醜いことなのかもしれない。だが……それでも一つの世界だ。その世界で笑って、泣いて、怒って、楽しんで、そして死んで……生きている。たくさんの人間の住む世界だ」

「だが、それもすべて創造主によって支配されている。それでもかまわないのか?」

「だったらそれでいい……気に食わない世界だったら俺がその世界を……創造主とやらを破壊する。俺は、世界の破壊者だからな」

 

 瞬間、士の身体もまた光り輝いた。なぎさやほのかほどではないにしてもかなり大きな光である。

 

「また、何なのこの光?」

「それは、可能性の光。この世界の言葉でいうのならば、PC細胞の真の輝きだ」

「え?」

 

 PC細胞の真の輝きとはどういうことなのだ。その研究をしているほのかを含めてすべての人間がその男のその後の言葉を固唾をのんで見守る。

 

「生きとし生きる者には、未来につながっている数多くの可能性が存在する。最低最悪の魔王となる未来。最高最善の魔王となる未来。魔王でなく、ただ人であり続ける未来。そんなものもあるらしい。この世界もそうだ。確かにこの世界は一人の人間が作り出した世界、だが……作り出せたのはそこに可能性があったからだ」

「可能性?」

「そうだ。可能性があったからこそこの世界ができ、この世界で生きる者たちが現れ、そして命が育まれる。そこにある命も、今あるこの生活も、すべてが他人から与えられたものなのか?今の自分は本当に自分が望まなかった人生であるのか?」

「違う……違うよ」

 

 そういいながら立ち上がったのはめぐみだ。次第に、光が増しながらめぐみはさらに言った。

 

「私が誠司を好きになったのは私自身の意思。私自身が決めたこと。他の誰かなんて関係ない!」

「そうだ、俺が先生やってんのだって、誰かの都合や思惑とかそんなんじゃねぇ!俺自身がやりたいって思ったことだ!」

「たくさん悩んで、たくさん挫折して、これからもその人生は続いていく……そのたびに後悔するかもしれないけれど、その後悔もまた僕たち自身の人生だから」

「だから……」

 

 その言葉に呼応した弦太朗が、ほかの誰かが、たくさんの者たちが、今の人生を歩いている者たちが思い思いの言葉を放つ。

 誰かにもたらされた?誰かに敷かれたレール?違う。自分たちが歩いてきた、歩いていく道は自分自身で見つけたものだ。例えそれを違うと言われてもやまびこのように違うと言ってやる。決めたんだ。見つけたんだ。やってみたいと思ったんだ。その気持ちは本当の事なのだから。

 確かに誰かの言葉がきっかけなのかもしれない。誰かの人生が引き金だったのかもしれない。誰かがやったほうがいいと誘ってくれたのかもしれない。でも、それを鵜呑みにしてばかりの自分たちじゃ無かったはずだ。

 たくさんの人生があった、たくさんの人たちと出会った、たくさんの道を示された。でも、選んだのだ、この道を。選ぶのだ、これからの道を。誰かのためじゃない、自分自身のための道を。

 人間の持つたくさんの可能性それは決して目に見える物ではない。感じられる物でもない。でも、確かにそれはそこにある。誰にだって存在する。

 どこにもなくても、ここにはある。

 ここになくても、そこにある。

 だから我々は可能性と呼ぶ。

 

「翔太郎。彼が言いたいことは分かったよ」

「フィリップ、お前……」

 

 刹那、変身が解けたことによって意識が自身の体に戻ったフィリップが戦場に現れた。フィリップは翔太郎の横にたどり着くと本を開いて言う。

 

「彼の言葉……『二次創作』『創造主』そして『可能性』。これらの言葉で検索した結果、ある言葉が残った」

「それは?」

「……≪キャラの一人歩き≫」

「なんだそれ?」

「小説などの登場人物が、作者の手を離れて独自に行動することを指す言葉さ」

 

 独自に動く。勝手に動く。そんなものがあるのか。

 作られた存在であるキャラクターが、創造主が動かさなければ動かないはずのキャラクターが、自分勝手な動きをするなど、本当にあることなのだろうか。

 

「え?でも、物語の人間って、作った人の思い通りに動かせることができるんじゃないの?」

「確かにそうだ。だが、それはキャラの設定を捻じ曲げた結果の事。特に、キャラの性格から大切な物を取り除いた結果生まれる……いや、そうしなければ生まれなかったというだけだ」

「その通りだ。お前たちはプリキュアとして、仮面ライダーとして、スーパー戦隊として、そして人間として創造主が大事な物を取り除かなかった。だから、ハーメルンがこの世界を危険として排除しようと動いたのだ」

「大事な物って?」

「それは、すでに知っているはずだ」

「……」

 

 何なのだろう。創造主が自分たちから奪わなかった物は、自分たちに残された物は。

 戦う意思、仲間、悪を許さないという思い。いや、それだけじゃない。きっとそれはあまりにも当たり前すぎて浮かばなかった物。自分たちにとっては、単純で、当然のことすぎて特別に思わなかった日常。絶望と表裏一体となってすぐそばにある希望と同じように、いつも自分たちの心の中に持っていた物。それは……。

 

「明日……ね」

「そうか、明日の予定。それもまた可能性の一部、生きるという指標」

「どんな理不尽にも、心を折られることがあってもどうしようもなくても明日になったらどうにかなるかも、明後日になったら何かが変わるかもしれない。その希望が生きる意味になって、今を変える」

「そっか、私たちみんな……明日の予定が、すぐそばの予定があった……」

「クリスマスパーティー……皆で集まれて、皆で笑顔になれる時……」

「ううん、それだけじゃない」

「え?」

 

 舞が言う。

 

「彼氏の絵画展の予定があるの。たくさん苦労して、挫折しそうになって、それでもようやくつかんだ夢への第一歩、それを見届けないといけないの」

「え?舞さんの彼氏?あれ、それじゃ咲さんは……」

「え?えっと……愛人?彼氏公認の、ね」

「えッ、そんなのありなの!?」

「というか、それって遠藤止と同じじゃないか?」

「それはない。だって、私たちはあんな変態とは違う……本当に純粋な愛だもん、ね舞」

「そうね。それに、私たちはそれが間違っているって分かってるから」

 

 絵画展。何だろう、どこか引っかかる。もしかして、そううららが思ってポケットの中にあった一枚のチケットを取り出す。まさか……。

 

「あの、舞さん。絵画展ってもしかして四葉財閥がスポンサーの……」

「え?そうだけど……」

「やっぱり……私、その絵画展のチケットを貰ったんです。その人のお母さんに」

「え?」

「その人、子役時代の私を見て、もう一度夢を叶える為に頑張ったって……だから、私……こんな私のことを知って幻滅しちゃったかもしれないけど、その人に会って言いたいんです。もう一度、一からやり直すって……あなたが憧れた私にもう一度なるために努力しなおすって……だからッ」

 

 こんなところで、負けられない。

 

「そうね……私にも、予定があるんだから!」

「らんこさん」

 

 次に立ち上がったのはまさしくこの世界における可能性の化身たる一条らんこだった。

 

「私だって、もう一度トップアイドルになるために……アイドルグループを作ってデビューするって予定がね」

「え?」

「それは……願望?」

「違う!ちゃんと裏で話が通ってるやつ!真琴と美希ときららとそしてうららと!ユニットを組むって話がちゃんとあるの!」

「え?」

「なにそれ、初耳なんですけど……」

「ありすが提案してくれた……まぁもちろん、バッシングを受けるかもしれないうららが一緒だから自分たちの人気が落ちることもかまわなかったらって事だけどね……」

「そうなの……」

「どうするの?」

「……ちょっと考えさせてくれないかしら?」

「そうね、人気が落ちるってのは慣れてるけど、モデルの私たちが歌うってのはね……」

「というわけで、答えを出すのは後回しにさせてもらっていいかしら、そうね……この戦いが終わった頃まで」

「後回しって、今の状況が分かってるの君たち?」

 

 スパーダが笑いながらそう言った。いや、笑いながらそう指摘してる自分も同類なのかもしれないと思いながら。

 つい数分前までは勝つことなど誰も思っていなかった状況からはあまりにもかけ離れている。まるで、それまでの絶望が茶番であるかのように誰もが笑顔で自分たちの明日の、未来の予定について話している。

 ある人は……。

 

「私も、ミユキさんやせつなと一緒にもう一度踊りたい。みんなに幸せを届けられるようなダンスを……」

「一度だけじゃないわ、ラブ」

「これからも、何度も、何回も、生きている限りそのチャンスがあるわ」

「うん……」

 

 ある人は……。

 

「私も……いや、ボクもまだ、熊本の返事を聴けてない……それまで、死ぬわけにはいかない」

「熊本? あいつ、生きてるのか?」

「はい。シンジや、光太郎さんたちに……絶対に助けられないと思っていた人間だって、助けることができるんだ。なら、たとえ神様であっても勝つことができるはず」

「はい!私も、宇宙飛行士になる夢を諦めたわけじゃありません……いつか来るその日のためにも、私はここでくじけたくない。そんな明日を奪おうとするなんて……私、堪忍袋の尾が切れました!」

「出た!久々の堪忍袋!」

 

 ある人は……。

 

「私も、奏と一緒にこの子を育てるって決めた。きっと、辛いことや悲しいことがあるかも知れない。でも……」

「二人となら、みんなとならどんなに険しい坂も上っていける。いつもそうだった。そして、これからも!」

「だから、私達は繋いでいく。音楽を響かせて奏でるように……」

「命の繋がりを、広げていく。それを止めるって言うんなら!」

「「絶対に許さない!!」」

 

 ある人は……。

 

「私も、れいかの話を聞きたい。れいかの経験した冒険や、話をした人達のこと、見てきた世界のことも……」

「なお……」

「あ、れいかちゃん。私の絵本、出版が決まったの!でも、それ以上に嬉しかったのは、やよいちゃんの漫画の読み切りが決まったことだったな……」

「みゆきちゃん……」

「てか、今更かい」

「私、誰かが笑顔になるのが好きだから。絵本や、漫画を見て、世界中の人が笑顔になるのを見たい。時間はかかるかも知れないけど、でも、それでも……笑顔の魔法がかかる瞬間を見れたら、私もウルトラハッピーになれるから……」

 

 ある人は……。

 

「私だって、転生者と同じ……欲望に負けて、絶望して、自分勝手にこの子を作って……」

「マナちゃん……」

「でも、きっと……きっと、それぐらいしなくちゃ、それぐらい弱くしなくちゃ私を絶望させることができないんだって、そう考えた誰かがいる。だったら、私はもう欲望を恐れたりしない。ただの欲望を正しい欲望にするために、その欲望で誰かを助けられるように、自分勝手に欲望を使わないように……この愛を世界中に振りまいていく。その罪と、愛を背負ってこれからも生きていく。愛を忘れた私を救ってくれたみんなのために……」

「マナ……」

「……愛を無くした悲しい神様……このキュアハートがあなたのドキドキ、取り戻して見せる」

 

 

 ある人は……。

 

「あっ!そういえば私まだゆうゆうのお弁当食べてない!」

「そういえば、お昼ご飯食べる間なんてなかったね」

「帰ったらいくらでも作ってあげるから、安心して」

「本当!?よぅし、なら……」

「それとリボンからの説教もね」

「エッ!?」

「勝手に大使館から抜け出したんだから当たり前でしょ?」

「……なんか私扱い悪くない?あっそうか!これはこの世界を作り出した人が私のキャラをつかみ切れて……」

「国際問題スレスレの事やってるんだから当然だと思うんだけど」

「……ぐうの音も出ません」

 

 ある人は……。

 

「先生……名前を思い出すこともできない先生は、私を助ける。ただそのためだけに存在していたこの世界の意思……だったら、先生を殺したのはやっぱり、私だ……」

「はるはる、でも!」

「でも!それでも……先生が死んだのはこの世界の意思じゃない、先生が本当に守りたかったから……自分の意思でそうしてくれたんだって、私は信じている。だから、私は先生が託してくれた私の未来を生きる。先生の分まで生き抜くって、あの時決めたんだから!」

「はるか……」

 

 ある人は……。

 

「そういえば、わたしリコにあの子の事話してなかったっけ?」

「あの子って?」

「みらいの妹のことモフ!」

「え?」

「みらい、妹ができたの?」

「うん、義理の妹だけど……二人にも会ってもらいたいな」

「そう、なら早くあいつを倒して会いに行かなくちゃ!」

「えぇ!」

「ありがとう……」

 

 ある子供は……。

 

「私たちも早く帰らないと、なのはちゃんやどれみさんにこれ以上心配かけられないし」

「うん!私たちも、現役のプリキュア代表として、今を戦っているプリキュアとして、絶対に負けられない!」

 

 ある子供たちは……。

 

「私たちも、あの世界に、私たちの世界に帰りたい。帰って、みんなに話したい!」

「私たちの未来は、楽しいことや、うれしいこと、輝いてばかりの未来じゃない」

「辛くて、苦しくて、悲しくて、やりきれないこととか、乗り越えないといけないことがたくさんある。でも!」

「それでも、みんな元気だって、毎日会うことができなくても、今でも全員で笑って話ができる、みんな友達のままでいられる。今の私たちが頑張ればそんな未来が待っているってみんなに伝えたい!」

 

 明日の予定だけじゃない。信念が、理念が、努力と根性でつかんできたそれまでの人生が、彼女たちを守っていた。

 そしてこの男たちもまた……。 

 

「海東立て、こんなところで座ってていいのか?」

「よしてくれ、そんなものがなくても僕は立てる」

 

 海東は、士の差し出した手を払った。しかし、それでも士は手を伸ばす。

 

「確かにお前は手をつかまなくても立てる。だが、時には誰かと手をつないだほうが、自分は独りぼっちじゃないと実感できる……らしい」

「……」

 

 海東は士の手に向かって手を差し出す。何度も伸ばされてきた。しかし、何度も払ってきた。そんな慈悲深いかのような士の手をつかもうとする。それまで喧嘩ばかりをし、時には殺しあうこともあった二人が、まるで子供のころからの幼馴染であったかのように手を取り合おうとしていた。

 

「ッ!海東……」

 

 と思ったが単なる気のせいだった。

 海東は、士の手を払うとゆっくりと立ち上がって士の顔に手を銃の形として向ける。

 

「もしかしたら、ここで手を取り合うのが創造主に仕組まれた物語の一部なのかもしれない。僕は僕らしく、士は士らしく……だったら、やっぱり僕たちが手を取り合うのは違う。僕は、お宝を守るために、好きにやらせてもらうよ」

「……あぁ、そうだな」

 

 どうやら、自分はかなりこの世界に染まっていたらしい。いや、正確に言えば二次創作の世界の色に飲み込まれていたのか。確かにここで手を取り合って戦うという方がよっぽどらしいことであるのかもしれない。だが、それは物語上の嘘だ。海東とは手を取り合い仲間として共に戦うよりも、それぞれの目的のために時に争い、時に共通の敵と戦う、そんな間柄がちょうどいい。

 ふと、士は思う。あの時、四葉のビルの上で海東と握手などと言うものをしなくてよかった。しなかったからこそ自分たちはこうして自分を保っていられる。自分というものを失わなかったからこそ、こうして神に抗うことができるのだと。

 

「馬鹿な、何故そのように笑ってられる。何故絶望しない。変身する力を失い、お前たちは無力であるというのに、何故?」

 

 ここで負けたら明日の予定も、未来の予定も関係なくなる。変身して戦うこともできない。本来なら絶望に屈していてもおかしくはない。なのに、何故笑ってられる。どうしてその心から希望が失われていない。自分が作り出した世界、いや自分が転生者を送り込んだ世界ではあってはならない現象、あり得なかった物。これか、これが自分の中の危機感の正体か。遠藤止をこの世界に送り込んだその時から出現した違和感の正体は、この希望だったのか。

 

「例え変身出来なくとも、我々の心から悪を許さぬ想いが消えるはずがない!」

「なに?」

「どんな困難な状況であっても、戦士としての魂が奪われたとしても。一度変身し世界のために戦うと決めたからには、変身出来なくなったからと言う理由で、抗うことを止めることはしない!」

「私達にはまだ希望って言う最高の武器がある。変身できるかできないかなんて関係ないわ!」

「そして、そんな私たちを希望と言って応援してくれる人たちが、心の支えとしてくれる人たちがいる。その人たちのためにも、挫けるわけにはいかないの!」

 

 海城、ほのか、そしてなぎさ。3人の言葉は天にいるハーメルンを言葉だけで怯ませ、そして圧倒しているかのよう。そうだ、彼も言っていたではないか、自分たちの人生を希望としている世界があると言うこと、誰もが一生懸命に生きているそんな自分たちの人生が誰かの支えになっているのだと。だったら、ならば、ここで負けるわけにはいかないのだ。

 戦隊最初の男、現プリキュア世代最初の二人、そして……。

 

「そして……勝つ!変身出来なくとも俺は……仮面ライダーだ!」

 

 原初の男の言葉をきっかけに、まるで打ち合わせでもしていたかのように戦士たちは横並びになる。そして言う。名乗りあげる。宣言する。自らの名を。

 

「仮面ライダー!1号!」

「仮面ライダーBLACK!」

「俺は太陽の子!仮面ライダーBLACK!アァァルエッックス!!」

「クウガ!」

「アギト!」

「仮面ライダーデルタ!」

「響鬼!」

「仮面ライダー、カブト」

「仮面ライダー、電王!」

「仮面ライダー電王!」

「仮面ライダー、電王!」《ソードフォーム》

「仮面ライダー、電王。僕に釣られてみる?」《ロッドフォーム》

「仮面ライダー電王!俺の強さは、泣けるで!」《アックスフォーム》

「仮面ライダー電王!お前、倒すけどいいよね?答え聞いてない!」《ガンフォーム》

「仮面ライダー電王《ウィングフォーム》……もうなにも言わんぞ?」

「あぁ!お前らズリィぞ!んじゃもう一回!仮面ライダー電王!俺、参上!言っとくが俺は最初から最後まで」

「モモタロス長い」

「んなぁぉぁぁ!!!」

「仮面ライダーゼロノス!今更だが言っておく!俺はかーなーり強い!」

「その通り!」

「仮面ライダー電王!」《ストライクフォーム》

「仮面ライダーキバ」

「キバっていくぜ!」

「愛のために戦うライダー、仮面ライダーG」

「仮面ライダー龍騎!」

「仮面ライダー剣!」

「仮面ライダーファイズ!」

「「仮面ライダーW。さぁ、お前の罪を数えろ!」」

「仮面ライダー……アクセル!さぁ、振り切るぜ!」

「仮面ライダーオーズ!」

「仮面ライダーバース!」

「仮面ライダーアクア!」

「宇宙キタァァァァァァァァァァーーーーーーーーーーーーー!!!!!!!!!仮面ライダーフォーゼ!タイマンはらしてもらうぜ!」

「仮面ライダーウィザード。さぁ、ショータイムだ!」

「アーマードライダー!鎧武!!ここからは俺のステージだ!」

「行くぜベルトさん……仮面ライダー!ドライブ!!ひとっ走り付き合えよ!」

「仮面ライダーゴースト!命、燃やすぜ!!」

「仮面ライダーエグゼイド!ノーコンテニューでクリアしてやるぜ!!」

「仮面ライダーブレイブ。これより、この世界と転生神との切除術を開始する!」

「仮面ライダースナイプ。ミッション開始」

「仮面ライダーレーザーターボ!ノリノリでいっちゃうぜ!」

「仮面ライダーゲンム。死なないようにクリアする!!!!!!!」

「仮面ライダーパラドクス!心が躍るな!」

「仮面ライダー、ポッピー!」

「超絶!最強!天才!ライドプレイヤーニコ!参上!」

「アカライダー!」

「アオライダー!」

「キライダー!」

「モモライダー!」

「ミドライダー!」

「仮面戦隊!」

「「「「「ゴライダー!」」」」」

「アカレンジャー!」

「バル!イーグル!」

「輝け!太陽戦隊……サンバルカン!!」

「レッドファルコン!」

「超獣戦隊!ライブマン!!」

「レッドホーク!」

「鳥人戦隊!ジェットマン!!」

「ニンジャレッド!サスケ!!」

「ニンジャホワイト!鶴姫!!」

「人に隠れて悪を斬る。忍者戦隊!カクレンジャー見参!!」

「レッド!レーサー!!」

「戦う交通安全!激走戦隊カァァァァレンジャァァァァァ!!!」

「メガレッド!」

「電磁戦隊!メガレンジャー!」

「ギンガレッド!リョウマ!!」

「キンガグリーン!ハヤテ!」

「ギンガブルー!ゴウキ!」

「ギンガイエロー!ヒカル!!」

「ギンガピンク!サヤ!!」

「黒騎士!ヒュウガ!」

「銀河を貫く伝説の刃!星獣戦隊!」

「「「「「「ギンガマン!」」」」」」

≪ギンガマン。それは、勇気ある者のみに許された。名誉ある銀河戦士の称号である≫

「灼熱の獅子!ガオレッド!!」

「命あるところ、正義の雄叫びあり!百獣戦隊!ガオレンジャー!!」

「風が鳴き、空が怒る!空忍!ハリケンレッド!!」

「水が舞い、な~み~が踊る!水忍!ハリケンブルー!!」

「大地が震え、花が詠う!陸忍!ハリケンイエロー!!」

「人も知らず!」

「世も知らず!」

「影となりて悪を討つ!!」

「忍風戦隊!」

「「「ハリケンジャー!あ、参上!!」」」

「1つ!非道な悪事を憎み!」

「2つ!不思議な事件を追って!」

「3つ!未来の科学で捜査」

「4つ!よからぬ宇宙の悪を!」

「5つ!一気にスピード退治!」

「「「「「S,P,D!」」」」」

「デカレッド!」

「デカブルー!」

「デカグリーン!」

「デカイエロー!」

「デカピンク!」

「「「「「特捜戦隊!デカレンジャー!!」」」」」

「きらめく氷のエレメント!白の魔法使い!マジマザー!」

「吹き行く風のエレメント!桃色の魔法使い!マジピンク!!」

「走る雷のエレメント!黄色の魔法使い!マジイエロー!」

「燃える炎のエレメント!赤の魔法使い!マジレッド!!」

「「「「あふれる勇気を、魔法に変える!!魔法戦隊マジレンジャー!!」」」」

「シンケンレッド。志葉……丈瑠」

「同じくレッド、志葉薫」

「同じくイエロー、花織ことは」

「天下御免の」

「侍戦隊」

「「「シンケンジャー!」」」

「「参る!!」」

「ゴーカイレッド!」

「ゴーカイブルー!」

「ゴーカイイエロー!」

「ゴーカイグリーン!」

「ゴーカイピンク!」

「ゴ~~~~カイ!シルバ~~~!」

「海賊戦隊!」

「「「「「「ゴーカイジャー!!」」」」」」

「大地のハンター!レッドチーター!」

「林のウォーリアー!ブルーゴリラ!!」

「野原のジャンパー!イエローラビット!」

「樹木のリーダー!ゴールドビートル!」

「樹液のドランカー!シルバースタッグ!」

「レッドバスター」

「ブルーバスター」

「イエローバスター」

「ヌゥゥゥ!スタッグバスター!」

「動物戦隊!」

「「「「「ゴーバスターズ!」」」」」

「「「「特命戦隊ゴーバスターズ!」」」」

「聞いて驚けぇぇぇ!!牙の勇者!キョウリュウレッド!!」

「弾丸の勇者!キョウリュウブラック!」

「鋼の勇者!キョウリュウブルー!」

「斬撃の勇者!キョウリュウグリーン!」

「角の勇者!キョウリュウピンク!」

「雷鳴の勇者!キョウリュウゴールド!見参!」

「「「「「「地上最強のブレイブ!」」」」」」

「獣電戦隊!」

「「「「「「キョウリュウジャー!!」」」」」」

「天に怒りて悪を斬る!」

「荒~れ~る~ぜ~!止めてみなッ!!」

「「トッキュウ!1号!!」」

「「トッキュウ!2号!!」」

「「トッキュウ!3号!!」」

「「トッキュウ!4号!!」」

「「トッキュウ!5号!!せ~のは~い!!」」

「トッキュウ6号」

「トッキュウ7号!」

「「勝利のイマジネーション!!」」

「「「「「烈車戦隊!トッキュウジャー!!」」」」」

「「「「「「「烈車戦隊!トッキュウジャー!!」」」」」」」

「「「「「「「「「「「「出ぱ~つ!進行~!!」」」」」」」」」」」」

「轟け八雲!アオニンジャー!!」

「ひとひら風花!シロニンジャー!!」

「揺らめく霞!モモニンジャー!!」

「忍びなれども忍ばない!」

「「「手裏剣戦隊!ニンニンジャー!!」」」

「忍ぶどころか!」

「ときめくよ!」

「大空の王者!ジュウオウイーグル!!」

「動物戦隊!ジュウオウジャー!!」

「スーパースター!シシレッド!!」

「ポイズンスター!サソリオレンジ!!」

「ビーストスター!オオカミブルー!!」

「トリックスター!テンビン!ゴールド!!」

「リングスター!オウシブラック!!」

「サイレントスター、ヘビツカイシルバー!!」

「シノビスター!カメレオングリーン!!」

「スピードスター!ワシピンク!!」

「フードマイスター!カァジィキイエロォォォォ!!!」

「ドラゴンマスター!リュウコマンダー!」

「ビッグスター!コグマスカイブルー!!」

「スペースバスター!ホウオウソルジャー!!」

「究極の救世主!」

「「「「「「「「「「「「宇宙戦隊!キュウレンジャー!!」」」」」」」」」」」」

「お前の運!試してやるぜ!!」

「光の使者。キュアブラック!」

「光の使者。キュアホワイト!」

「「ふたりはプリキュア!!」」

「闇の力のしもべ達よ!」

「とっととお家に帰りなさい!」

「輝く命、シャイニールミナス!」

「光の心と光の意思、全てを一つにするために!」

「輝く金の花!キュアブルーム!」

「煌めく銀の翼!キュアイーグレット!」

「「ふたりはプリキュア!」」

「聖なる泉を汚す者よ!」

「アコギな真似は!お止めなさい!!」

「大いなる、希望の力!キュアドリーム!!」

「情熱の、赤い炎!キュアルージュ!」

「はじけるレモンの香り!キュアレモネード!」

「安らぎの、緑の大地。キュアミント!」

「知性の青き泉!キュアアクア!」

「「「「「希望の力と未来の光!華麗に羽ばたく5つの心!Yes!プリキュア5!」」」」」

「青いバラは秘密のしるし!ミルキィローズ!!」

「ピンクのハートは愛あるしるし!もぎたてフレッシュ!キュアピーチ!!」

「ブルーのハートは希望のしるし!つみたてフレッシュ、キュアベリー!」

「イエローハートは祈りのしるし!とれたてフレッシュ、キュアパイン!!」

「真っ赤なハートは幸せの証!熟れたてフレッシュ、キュアパッション!」

「レッツ!」

「「「「プリキュア!」」」」

「大地に咲く、一輪の花!キュアブロッサム!」

「海風に揺れる一輪の花!キュアマリン!」

「陽の光浴びる一輪の花!キュアサンシャイン!」

「月光に冴える一輪の花……キュアムーーーンライト!!」

「「「「ハートキャッチプリキュア!!」」」」

「爪弾くは荒ぶる調べ!キュアメロディ!」

「爪弾くはたよなかな調べ!キュアリズム!」

「爪弾くは魂の調べ!キュアビート!!」

「爪弾くは女神の調べ!キュアミューズ!」

「「「「届け、四人の組曲!スイートプリキュア!!」」」」

「キラキラ輝く未来の光!キュアハッピー!」

「太陽サンサン熱血パワー!キュアサニー!」

「ピカピカぴかりんじゃんけんぽん♪キュアピース!」(グー)

「勇気リンリン直球勝負!キュアマーチ!」

「しんしんと降り積もる清き心!キュアビューティー!」

「「「「「5つの光が導く未来!輝け!スマイルプリキュア!!」」」」」

「「想いよ届け!キュアエコー!!」」

「みなぎる愛!キュアハート!!」

「英知の光!キュアダイヤモンド!!」

「ひだまりポカポカ!キュアロゼッタ!!」

「勇気の刃!キュアソード!!」

「愛の切り札!キュアエース!!」

「「「「「響け!愛の鼓動!ドキドキ!プリキュア!」」」」」

「「世界に広がるビッグな愛!キュアラブリー!!」」

「「天空に舞う蒼き風!キュアプリンセス!!」」

「「大地に実る命の光!キュアハニー!!」」

「「夜空にきらめく希望の星!キュアフォーチュン!!」」

「「「「ハピネス注入!」」」」

「「「「幸せチャージ!」」」」

「「「「「「「「ハピネスチャージプリキュア!!」」」」」」」」

「「咲きほこる花のプリンセス!キュアフローラ!!」」

「「澄みわたる海のプリンセス!キュアマーメイド!!」」

「「きらめく星のプリンセス!キュアトゥインクル!」」

「「深紅の炎のプリンセス!キュアスカーレット!!」」

「「強く!」」

「「優しく!!」」

「「美しく!」」

「「GO!」」

「「「「「「「「プリンセスプリキュア!!」」」」」」」」

「「ふたりの奇跡!キュアミラクル!」」

「「ふたりの魔法!キュアマジカル!!」」

「「あまねく生命に祝福を!キュアフェリーチェ!!」」

「「「「「「魔法つかい!プリキュア!!」」」」」」

「「キュアホイップ!」」

「「キュアカスタード!」」

「「キュアジェラート!!」」

「「キュアマカロン!」」

「「キュアショコラ!!」」

「「キュアパルフェ!!」」

「「「「「「「「「「「「できあがり!!キラキラ☆プリキュアアラモード!!」」」」」」」」」」」」

「仮面ライダー、ディエンド」

「仮面ライダー、ディケイド」

 

 戦士たちはヒーローではない。ヒロインでもない。正義の味方でもない。自分のことをそうだと思っている者が何人いようとも、その実態は全く違う。そしてそれを自覚している。

 もう、戦わなくていい。そんな者もいる。だが、それでも彼らは世界を滅ぼそうとする者の前に立つ。変身する力も、武器も封じられ、それでもなお並び立つ。信頼する仲間たちと共に。

 何故戦うのだ。そうハーメルンは言う。違う、戦いは永遠に続くのだ。変身できる、出来ないなんて関係なく、全ての人間に戦いという言葉が付き纏う。なら、戦わないという選択肢はとること後出来ない。戦いからは永遠に逃げられないのだ。一度武器を持ってしまった彼らは尚更。だから戦うのだ。この世の中、人間なんてゴチャマンといる。しかし、その中に実際に武器を持って人間のために戦える者が一体いくらいるだろうか。彼らは選ばされてしまった人間たちなのだ。武器を持ち、運命に争い、そして人々を守らなければいけないという使命を背に受けてしまったのだ。けど、そんな彼らのことを守神であると尊敬してくれる人たちが、支えてくれる人たちが、そしてヒーローだと言ってくれる人達がどこかで彼らのことを見ている。自分の代わりに、力もなにもない自分たちの代わりに人を傷つけ、陥れ、そして笑顔や自由を奪う悪の使者たちと戦ってくれ人達。応援することしかできない、遠くから声援を送ることしかできない。でも、繋がっている。絆や思いという言葉で繋がりあっているのだ。彼らはそれを無自覚であるが知覚している。だから守るために戦う。戦って、そして勝つ。いつだってそうしてきたのだから。

 

「人間の自由と!」

「地球の平和と!」

「みんなの明日を守るために!」

 

 何故戦うのか。答えは簡単だ。彼らは……。

 

「我ら!」

『ニチアサオールスターズ!』

 

 人々の希望を救うために生まれた命だから。


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