仮面ライダーファイズ、尾上タクミは再びアークオルフェノクに向かう。しかし、今度は一人だけじゃない。
「行きましょう三原さん、キバさん!」
「あぁ!」
「えぇ!」
「キバって!いくぜ!!」
仮面ライダーファイズ、デルタ、キバはアークオルフェノクに向けて走り出した。
♪広がる宇宙の中 Can you feel 小さな地球の話をしよう♪
「ハァッ!」
「フッ!」
ファイズは、ファイズショットナックルモードでアークオルフェノクに殴り掛かった。だが、それは簡単に払いのけられ、さらにその後に続いたデルタのパンチも同じようにいなされてしまう。
「ガルル!セイバー!!」
≪ワオォォォーン!!≫
「フッ!ハァッ!!」
しかし、そのアークオルフェノクの一瞬の隙を狙ったキバのガルルセイバーによる斬撃が襲った。だが、それだけで倒れるような並みの怪人ではない。アークオルフェノクは、さも何事もなかったかのようにガルルセイバーの刃をつかんだ。だが、これはまだ反撃の始まりに過ぎない。
「渡!!」
「ッ!」
≪マグネット ガトリング ランチャー オン≫
「ライダー超電磁ボンバー、一斉掃射ァァァ!!!」
《リミットブレイク》
♪Tell me the truth 信じてた未来が崩れ去ろうとしてる♪
後ろからその声が届いた瞬間、渡はガルルセイバーから手を放して右側に飛んで避ける。その刹那、フォーゼの右足と左足に出現したランチャーモジュール、ガトリングモジュールによる同時攻撃がアークオルフェノクを襲う。それは、もはや爆撃と形容してもよく、それから生まれた爆風に襲われたアークオルフェノクはガルルセイバーから手を放した。
「はぁぁぁ!!!」
さらに畳みかけるように爆風の間からミルキィローズがアークオルフェノクの懐に飛び込みその腹部に一発、さらに回し蹴り、空中二段蹴りで追撃する。
「ッ!」
「クッ!!」
だが、それでまだ倒れるアークオルフェノクではない。ミルキィローズが着地した瞬間、アークオルフェノクの手から光弾が飛ぶ。ミルキィローズはなんとか腕で光弾を防ぐが、後ろに大きく吹き飛ばされた。アークオルフェノクは、さらに追撃を加えるために触手を伸ばした。だが、その前に立ちふさがったのは金と銀の戦士であった。
♪悲しみを繰り返し 僕らは何処へ行くのだろう♪
「J!行くぞ!」
「了解!」
「「ハァッ!!」」
シルバースタッグ、ゴールドビートルが、同時にイチガンバスターを放つ。それ自体は大した攻撃力はなく、けん制にしか使えなかったが、ミルキィローズへの攻撃を防ぐことには成功した。
「行け!明!!」
≪オーライ!オーライ!≫
「ここが!今日の俺の生きる場所だぁぁぁ!!!」
♪今1人1人の胸の中 呼び覚ませ The way you go♪
二人の肩を借りて大きくジャンプしたトッキュウ6号、虹野明はユウドウブレイカーにドリルレッシャーを装填し、烈車のエネルギーを纏って相手を突き貫くトルネードビームを放った。アークオルフェノクの腹に刺さりはしたが貫くことができないと判明した瞬間にトッキュウ6号はユウドウブレイカーをアークオルフェノクから放して横に飛んで溶けた。
「Fire!」
≪Burst Mode≫
≪≪It's time for buster!≫≫
≪リミットブレイク≫
「バッシャーバイト!」
「ハァッ!」
「フッ!」
「ハァァ!」
「ライダー爆熱シュート!!」
トッキュウ6号が避けたその後ろからデルタの濃縮フォトンブラッド光弾、シルバースタッグとゴールドビートルはイチガンバスターによるダブルシュート、フォーゼファイヤーステイツのライダー爆熱シュート、そしてキババッシャーフォームのバッシャー・アクアトルネードの連続攻撃が襲った。
戦士たちのその連続攻撃にさすがのアークオルフェノクも後退りしてしまう。そして……。
♪強くあるために♪
≪Blade Mode≫
「はぁぁぁぁぁ!!!」
闇の中から赤い光と共に現れた仮面ライダーファイズブラスターフォームは、ファイズブラスターをフォトンブレイカーモードにして袈裟切りにしたのち、横真一文字に切る。
♪また護ることと戦うこと Dilemma は終わらない♪
≪Blaster Mode≫
「ハァッ!」
タクミはフォトンバスターモードに切り替え、光弾を零距離で三発放つと、さらにファイズブラスターに数字を打ち込む。
≪faiz Blaster Discharge≫
すると、背部ユニットが肩にせり出して、左右二門、合計四門の小さな砲台が展開される。
「ハァァッ!!!」
♪end justiφ's the mean♪
その砲門から、圧縮されたフォトンブラッドの光弾、ブラッディ・キャノンが放たれる。その攻撃はファイズの変身アイテムであるファイズフォンを変形させた武器であるフォンブラスターの光弾300発分が一発一発に込められたもの、つまり並みのオルフェノクでは一度当たるだけでひとたまりもないほどの破壊力を秘めている武器であるのだ。そんな光弾が一発、一発とアークオルフェノクに当たりそのからだからは火花が散り、そのたびに一歩、また一歩とその姿が遠ざかっていく。それまでには与えられなかったほどのダメージを与えているという証拠だった。フォトンブラッドは、そんなアークオルフェノクの状況にかまわずにその光を増し、あたり一面を真っ赤に染め上げる。
そのうち、一発がその場にあった鏡に当たり、そして砕け散った。
「フッ!ハァッ!」
「よっと!そうら!!」
マンティストロフィーと戦う星獣戦隊ギンガマンの黒騎士、そして仮面ライダーレーザーターボ。黒騎士は、上空からブルライアットのセイバーモードを振り下ろし、着地して袈裟切りにする。レーザーターボは軽い足技でマンティストロフィーを壁際まで追い詰めていた。しかし……。
「!」
「消えた!?」
「いや、またミラーワールドに逃げられちまった」
再びミラーワールドへと逃げたマンティストロフィー、その姿を外から視認することなどできない。見れば、その場所は鏡に囲まれている場所。果たしてどこから仕掛けてくるのだろか。黒騎士、レーザーターボは互いに背中合わせになることしか死角を消すことができなかった。果たして、どこから仕掛けてくるのかわからない。そして、マンティストロフィーが出現したのは……。
♪朝焼けに包まれて 走り出した 行くべき道を♪
「!」
二人とは全く違う場所であった。鏡から現れたマンティストロフィーは一心不乱に彼らのいる場所には向かわずにあるところに向かっていた。そして、そこにいた人物は……。
「待っていたぜ!」≪ガシャット!キメワザ!ゲキトツ!クリティカルストライク!!≫
ゲキトツロボッツによりレベル3へとパワーアップしてた仮面ライダーエグゼイドであった。彼がいる場所には彼の真正面に鏡が一枚しかない。つまり、マンティストロフィーはエグゼイドの真正面に出現したのだ。ならば、話が早いこと。
♪情熱のベクトルが 僕の胸を貫いてゆく♪
「ハァァッ!!!」
ゲキトツロボッツガシャットをキメワザスロットに装填した瞬間、エグゼイドの腕からロケットパンチが飛び出し、目の前にいるマンティストロフィーへと当たった。どこから仕掛けてくるのかわからないのであればともかく、目の前にいるのであれば当てるのは簡単であった。攻撃は、それだけで終わらずにさらに背後からも戻ってきたパンチが当たり、マンティストロフィーがエクゼイドに向かっていく中、ロケットパンチを装着しその腹に重い一撃を与える。これでかなりのダメージを与えた様子で、マンティストロフィーは、まるで悶えているかのように地面に這いつくばる。
だが、どうしてマンティストロフィーが永夢の方へと飛んで行ったのか。それは挑発。ゲーマドライバーを使用して変身する仮面ライダーに能力を与えるエナジーアイテムの一つだ。それは敵の注意を使用者に向けさせるもので。永夢はそれを使用することによって縦横無尽にミラーワールドの中を動きまわるマンティストロフィーの出現場所を限定させて狙い撃ちにしたのだ。
元のレベル2に戻ったエグゼイドのもとに、サバイブとなった龍騎、そしてほかの戦士たが合流する。そして……。
「相手が強力なら、こっちは」
「協力だろ?シンジ」
♪どんな危険に 傷つく ことがあっても♪
「あぁ!」
「刮目せよ!今……」
「ノーコンテニューで!」
「伝説が始まる!」
♪夢よ踊れ この地球のもとで♪
「はぁぁぁぁ!!!」≪爆走バイク!≫
レーザーターボは、仮面ライダーレーザーのバイクゲーマーレベル2の姿、つまりバイクの姿となりそれにエグゼイドが乗車する形となり、ようやく起き上がったマンティストロフィーへと向かう。
エグゼイドは、ガシャコンブレイカーをブレードモードにし、マンティストロフィーの周りを周回しながら切り刻んでいき、さらにダメ押しのようにバイクの前輪を支点として回転し、後輪で吹き飛ばした。そこにいたのは黒騎士とキュアラブリーの二人。
♪憎しみを 映し出す 鏡なんて壊すほど♪
「黒の一撃!」
「ハァッ!!」
吹き飛ばされた勢いのまま空中にいるマンティストロフィーに対してすれ違いざまに黒の一撃とラブリーライジングソードがさく裂する。マンティストロフィーはその衝撃もあって受け身もとることができずに地面に激突した。
「はぁぁぁぁ!!」
「!」
マンティストロフィーが起き上がったすぐそばからキュアベリーが接近する。そして、龍騎と単独で戦っていた時のようにその手についた鎌を飛ばそうとする。だが、その直前であった。
「引っかかった!」
♪夢に向かえ まだ不器用でも♪
「はぁぁ!」
「ハッ!」
キュアベリーに気を取られていたマンティストロフィーは、左右から近づいていたキュアパイン、そしてキュアソードの二人に気が付いておらず、鎌を飛ばす前にその腕に絡みつかれて仰向けに倒され両腕を腕拉十字固でつかまれる。
「私は囮よ!!ハァッ!」
♪生きている 激しさを 体中で確かめたい♪
それを見たキュアベリーは、飛び蹴りを繰り出した。瞬間、マンティストロフィーの胸から火花が散る。それだけでは終わらない。キュアソードはマンティストロフィーから離れて自分の周囲に無数の光の剣を出現させる。それを見たキュアパインは、マンティストロフィーを開放すると、すぐにその場から退散する。
「ハァッ!」
その瞬間、空中からキュアソードの出現させた剣が次々とマンティストロフィーに飛来する。流れるような連携、そして強力な攻撃を前にして、土煙の中に消えるマンティストロフィー。
「やったの?」
だが、油断はしない。そもそもこのような攻撃で倒れるような敵ではないというのは先ほどまでの戦いで判明していること。きっと何かを仕掛けてくる。そう思い臨戦態勢を崩さない三人。果たして、土煙を切って現れたのは二つの鎌であった。
「ッ!」
「フッ!」
三人はそれぞれにバク中や宙返りをすることによって避ける。死角から現れるのであればともかく、真正面からであるのであれば一瞬だけ見えただけでも簡単に避けることは可能なのだ。そして、その三人の真ん中をつっきて現れたのはあの男。
「ハッ!」
「!」
男は、剣に炎を纏って、その懐に剣を這わしながら言う。
♪夢よ踊れ この地球のもとで 憎しみを映し出す鏡なんて壊すほど♪
「お前は武器を手放した。すなわち!今は無防備ということだ!!」
その手に持った鎌、それがマンティストロフィーの唯一の武器。これは、それを見抜いたホウオウソルジャー、鳳ツルギの作戦。ここまでがキュアベリーたちと立てていた作戦であったのだ。
「ハァツ!はぁぁ!!はぁぁぁ!!」
ホウオウソルジャーは、食い込ませていた剣、ホウオウブレードで改めてマンティストロフィーを真一文字に斬ると、右斜め上、さらに左斜め下からと斬っていく。そして最後に脳天から上から下に真一文字に斬る。
「!!」
だが、後退りしながらもマンティストロフィーは倒れなかった。これほどの攻撃を受けてもまだ倒れない。であるのなら、この怪物を倒す方法があるのだろうか。
いや、いくら苦難な道が目の前にあろうとも、それを乗り越えてでもつかみ取らなければならないものがある。それを知っている龍の力を纏った男が、改めてマンティストロフィーの前に立った。
「ハァッ!」
龍騎サバイブは、ドラグブレードを手にしマンティストロフィーへと向かう。だが、マンティストロフィーは傷ついた状態で真正面で戦うことを避けたのか、先ほど龍騎を倒した時のように大きく羽を広げて龍騎サバイブへと向かった。
「ッ!」
♪愛よ照らせ この空の果ても♪
龍騎サバイブは、かろうじて後ろに倒れるようにしてその攻撃を避ける。だが、それだけでは終わらずにその腹にドラグブレードを振るった。先ほどホウオウソルジャーの攻撃が当たった場所である。マンティストロフィーは苦しむような声をあげながらそのすぐそばにあった鏡からミラーワールドへと逃げる。
「くっそ……」
♪真実を惑わせる鏡なんて割ればいい♪
立ち上がった龍騎サバイブは、カードデッキから一枚のカードを引いた。そこに書いていたのはまるでDNAの二重螺旋のような絵と≪STRANGE VENT≫という文字。それをドラグバイザーツバイに装填した。
≪STRANGE VENT≫
いつもカードを使う時と同じような声、しかし少しだけエコーが追加されたような音声が流れた。しかし何も起こらない。ただ、装填したカードの絵柄が変わり、そのカードが排出されただけであった。いや、それでいいのだ。≪STRANGE VENT≫とは、その時の状況に応じてカードがランダムで選ばれる能力を持ったカード。それにより、龍騎が持っていないカードの能力も使用することができるのだ。龍騎は、再びそのカードを装填する。その瞬間、マンティストロフィーがミラーワールドから出現した。
≪NASTY VENT≫
♪愛を抱いて いま君のために♪
その音声が響いた瞬間、龍騎サバイブの周囲を超音波が襲う。高周波の音波によって、マンティストロフィーは怯み、墜落。さらに周囲にあった鏡もまた超音波によってかけらも残さないほどに粉々になる。これが意味すること、それはミラーワールドに逃げるという手段は使えなくなったということだ。
♪進化する タマシイが 願っていた未来を呼ぶ♪
「よし、ハァッ!!」
マンティストロフィーと向き合った龍騎サバイブ。そして、その刃がマンティストロフィーを貫く時が来た。
その者が作り出すのはとこしえの闇。深く、深くまで続くような闇。それは、まるで人間の心の負の面を映し出しているかのようにも見える。だが、そんな闇の中にも太陽のように輝くものがいた。その身に炎を宿し、すべての物を明るく照らし出す。その力を、男はどのようにして手に入れたか。それは最強の力、それを手に入れるための方法は並大抵の方法ではない。今や時代錯誤と言われてしまってもしょうがない。しかし、彼はそんな時代錯誤な方法でその力を手に入れたのだ。転生者や、自堕落に過ごしている者たちでは絶対になしえない方法。それは、修行。
「はぁぁぁぁ……響鬼、紅!」
響鬼たち鬼が戦う魔化魍。妖怪の類ともいえるその者たちは、夏になるとなぜか大量に発生する。響鬼は、修行をすることによって自らの肉体を鬼とすることを可能にした戦士だ。だが、そんな彼が、大量の魔化魍と戦うために毎年夏の時期になるとさらに修行を積むことよって変わる。それが、響鬼紅。普段は紫を基調としているその体も名前の通りに紅に染まり、その能力を大きく向上させ、ふつうであれば 音撃鼓がなければ放つことのできる清めの音を音撃鼓なしで放つことができるようになった姿だ。
かくして、ジョーカーの前に響鬼紅、マジマザー、そしてオオカミブルーの三人がそろった。
♪心に剣 かがやく勇気 確かに閉じ込めて♪
「赤鬼に魔女に狼男ですか……なんとも虫唾が走りますね」
「ん?」
赤鬼は響鬼紅、魔女はマジマザー、狼男はオオカミブルーのことを言っているのであろうが、なぜ三人をみてジョーカーはそんなことを口走ったのであろうか。その答えを知っている少女が、そこにはいた。
♪奇跡 切り札は自分だけ♪
「かつて私たちが戦ったバッドエンド王国の幹部、そのモチーフが赤鬼と魔女、そして狼男なのです」
♪風が教えている♪
「なるほど、彼にとってはかつての仲間ということになるのね」
バッドエンド王国、かつてジョーカーが幹部として所属していた組織ではあるが、その幹部アカオーニ、マジョリーナ、そしてウルフルンはキュアビューティが言った通りの三人のおとぎ話の悪役がモチーフとなった敵だった。今その場にいるのはそのモチーフと関わりを持つ三人であるため、それを見てジョーカーも懐かしみを覚えたか。だが、そう考えた彼らはとても甘かった。
♪強さは自分の中に 恐れさえ乗りこなせるなら 進化してく♪
「仲間?ヒャァッハッハッハ!あんな者たち、ピエーロ様を復活させるためのただの駒にすぎません。まぁもっとも……何の役にも立ちませんでしたがね」
そう。彼にとっては仲間などではない。アカオーニたちは、主である皇帝ピエーロを蘇らせるためのただの駒にすぎなかったのだ。そのため、彼らのことを酷使し、しまいには命を奪いかねないようなアイテムを使ってでも戦うことを強要したりしていた。そんな三人は最終的にはジョーカーにそそのかされた妖精であったことが判明しプリキュアと和解、元の姿に戻り現在でもメルヘンランドで仲良く暮らしている。それこそ、おとぎ話の最後のように末永く。
♪風を切って走る 戸惑いも迷いも捨て♪
「なんていいぐさガル!」
「仲間がいれば楽しさは無限に広がるんだ!それを駒だなんて……お前を絶対に許さない!」
♪どこまでも遠くへ行けると 信じてみたい♪
「ジョーカー……今度こそあなたを倒します!」
「みんな、行くわよ!」
♪ジレンマに叫ぶ声は 不可能を壊してく♪
「はい!それが、運命だとしたら、その運命と戦う!」
「戦えないみんなのために、命!燃やすぜ!!」
そして戦士たちは走り出した。だが、そんな彼らの決意をあざ笑うかのようにジョーカーは、再び自らの姿を闇の煙とする。
「ふん!」
♪心に剣 かがやく勇気♪
そして、あたりはまたも闇に閉ざされた。だが……。
「なに!?」
その中に現れた強い光は、その闇をも消し去るほどに大きなものだった。
「どんな闇の中でも、光は必ず届く」
♪確かに閉じこめて 見えない力 導くよ BLADE 眠り目覚めるとき♪
「私たちの役目は戦うことじゃない。私たちの想いを、誰かの想いを光に乗せて届かせること!」
「キュアエコー!あなた方ですか!?」
それは、二人のキュアエコーの想いが生んだ光。戦うことを強要させてはならない、そして望まない、人の想いや心は、戦わなくても届けることができるのだから。そんな彼女たちのもたらした光が、邪悪な闇の力を振りほどき、そして彼彼女たちに道を開いた。
♪未来 悲しみが終わる場所♪
「プリキュア!フローズンリップル!!」
「ジー・マジーネ!」
≪ジー・マジーネ≫
ジョーカーの周りに氷の柱が出現し、その逃げ道を防ぐ。これは、キュアマーメイドの技の一つで、浄化技ではなく巨大な氷柱や雪の結晶を作り出し、相手にダメージを与える以外にも様々なことで応用の効く技。これにより、ジョーカーは自らの逃げ道をふさがれ、そこにマジマザーの氷の刃が突き刺さる。むろんの事、それで倒れるジョーカーではないことは誰もが知っていた。
「ッ!」
≪ゼンカイガン!ケンゴウハッケンキョウニオウサマサムライボウズニスナイパー!ダ~イ~ヘ~ンゲ~!!≫「グリム!ロビンフッド!!力を貸してくれ!」≪グリム!ラッシャイ!≫≪ロビンフッド!ラッシャイ!≫
「もちろんだ!」
「兄さんが集めた童話の登場人物を悪用するなんて!「行くぞタケル!弟よ!」」
ゴーストは、グレイトフル魂へと変身し、二人の偉人を呼び出した。一人は、弓の名手として伝説となっている偉人、ロビンフッド。もう一人、いやもう一組は『白雪姫』『赤ずきん』といった有名なおとぎ話を収集し、それを本にまとめたグリム童話で有名なグリム兄弟である。ちなみにグリム兄弟はその名前の通り二人で一人の偉人の魂となって眼魂に宿っており、これは通常の眼魂としてはかなり珍しいものとなっている。さらにもう一つ余談ではあるが、グリム兄弟はグリム童話を『書いたのではなく』『収集した』のである。そのため、グリム兄弟がグリム童話の作者であるとは必ずしも言えない。そしてロビンフッド、彼は伝説上の人物として吟遊詩人と呼ばれる職業の人間たちによって作られた物語に登場する人物。あたかも実在していたかのような書き方ではあるが、つまるところ実在していたという確かな証拠などは存在せず、何人かの人物による伝説が集まってできた、つまり創作上の人物という可能性もある偉人だ。いうなれば、童話の登場人物。タケルがこの二組を呼び出したのは、今回の敵が童話の悪役を悪用し、そして使い捨てにしようとしたジョーカーに対しての適任者であると考えたからだ。
「フン!」
「「ハァッ!!」」
ロビンフッドは、ガンガンセイバー・アローモードによる精密射撃を行い、グリムは肩にあるペン先型の武器であるニブショルダーによってジョーカーの身体を刺していく。そして、その間を縫うようにゴーストは迫り、ガンガンセイバーとサングラスラッシャーの二刀流によってジョーカーを右上から左下に斬る。そして右手のガンガンセイバーで左から右に水平斬りし、左手のサングラスラッシャーをジョーカーに振り下ろした。そして、一度後ろに下がったタケルは、グリム、ロビンと並び立ちベルトの左にある赤いボタンを押した。
♪心に剣 かがやく勇気 確かに閉じ込めて♪
≪ゾクゾクイク~ゾ~!レッツゴー!アロー!読書!オメガフォーメーション!!≫
「行くぞ!」
そしてもう一度赤いボタンを押す。それが、そのグレイトフル魂の必殺技の発動方法であるのだ。
♪見えない力 導くよblade 眠り目覚めとき♪
「「「「はぁぁぁぁぁ!!」」」」
気合を入れるような声。それと同時にタケルの二振りの剣、ロビンのガンガンセイバー・アローモード、グリムのニブショルダーにエネルギーが集中する。グレイトフル魂の必殺技。その一つに自らが召喚した偉人達と同時に必殺技を放つオメガフォーメーションというものがある。これがそのオメガフォーメーションだ。
♪未来悲しみが終わる場所 奇跡切り札は自分だけ♪
「「「「ハァッ!」」」」
「ッ!」
その声と共に三組の戦士の攻撃がそれぞれにフォーカーに向かう。だがジョーカーもただそれを受けるわけではない。出現させた鏡の盾がその攻撃を受け止め、吸収した。
「なに!」
「この攻撃、そのまま返させていただきます!」
その声と共に、鏡の盾からゴーストたちが放った技がそのまま返される。このままではやられる。そう思ったその時、彼らの目の前に一人の女性が舞い降りる。
「プリキュア!ビューティーブリザード!!」
女性の手から放たれた氷、さらにキュアマーメイド、マジマザーの二人もまた先ほどのように氷の技を放つことによってその攻撃と真っ向からぶつかり合い、分散する。結果、攻撃はゴーストたちに当たることなくその後ろへと爆発と共に落ちる。その刹那、上がった爆炎もまた凍り付き、その場には大きな形の悪い氷像のような物体が出現する。まさに、芸術的ともいってもよかった。果たして、そのようなことを成した女性の顔を見たジョーカーは、まるで怒りを爆発させたかのように叫んだ。
「また私の前に立ちふさがりますか!」
「……」
「キュアビューティ!!」
瞬間、彼女の後ろにあった氷の物体が砕け散り、あたりをダイヤモンドダストのような幻想的な物体が舞い散った。そして、キュアビューティは、自らが出現させた氷の剣を持ち構える。
「まいります……」
「俺たちもいるガル!」
「ハァッ!」
ビューティーと共に飛び出した響鬼紅、オオカミブルー、そしてブレイド。ジョーカーは、その手に持った槍を構えて4人が来るのを待ち構える。
♪美しいものそれはあなたの心をうつしている♪
「ハァッ!」
「そうりゃ!」
「うおぉ!」
ジョーカーは、ビューティの氷の刃による突きを払いのけた。だが、その陰に隠れて接近していたオオカミブルーの攻撃を避けることができない。
♪素直なその鏡 傷つけないでください すばらしいものそれはあなたの心がうつしている♪
「大勢で来るとは卑怯な、あの時のように一対一で戦ったらどうなのですか!?」
「卑怯だなんて、お前にだけは言われたくないな!ふッ!」
♪きれいなその瞳♪
ジョーカーは、槍によってビューティーを一突きにしようとする。だが、その攻撃は響鬼紅の音撃棒によって防がれ、その口から放たれた鬼火によって、ジョーカーはその身体に傷を負う。
♪曇らせないでください ♪
「クッ!自らが歩む道を説いていたあなたが、このような卑怯な手を使うなどとは思いませんでしたよ!」
♪もっと希望の光♪
≪slash≫
「ハァッ!」
「クッ!」
≪beat≫
「ハァァ!」
ジョーカーは、まるで人をおちょくるかのようにさらに言葉を紡ぐ。しかし、その言葉に耳を貸さないキュアビューティー、むしろそのようなことを言うために思考能力を持っていかれているのかブレイドが目の前に来ていたことにも気が付かずに、その身に初めてとなるブレイドの攻撃が当たった。
♪そっと輝かせ♪
「あの時、大人しく留学していれば道を見失わずに済んだものを!」
♪ぎゅっと手と手つないで ひとつになる優しくなる心を♪
「そうとは限りません!」
「なに!?」
「フッ!はぁっ!確かにあの出来事で、私の中の道が狭まったのも事実!しかし!私の道が広まったのもまた事実!」
♪強さにして♪
ビューティは、そういいながら剣を振るう。ジョーカーは、それを防ぎ、氷でできた剣は柄の部分を残して砕け散る。ビューティは、一度後ろに飛んで逃げながらも手に持った氷剣の柄を投げる。それ自体は鏡の盾で防がれるが、これはただのけん制に過ぎない。ビューティは後ろに刺してある二振りの氷剣を持つ。
♪世界中に笑顔の花咲かせ鳥や蝶や虹が 空をかけるように♪
「何が広まったというのです!籠の中の鳥のように、狭い場所に留まり。一体何を見つけたというのですか!」
「見つけたのでありません!育んできたのです!友情という何よりも大きな道を!」
「クッ!」
♪一人ひとり違う音色たちを♪
キュアマーメイド、そしてゴーストと共に攻撃を仕掛ける。その波状攻撃によってジョーカーは次第に追い詰められていく。一対一であれば、互角にしか持ち込めない。しかし大勢の力を合わせて戦えば、例え人間の悪意であっても乗り越えることができる。仲間と共にいれば怖い物はない。まるでビューティの言葉を体現するかのように、彼女たちの攻撃は続き、そのさなかでもビューティは言う。
♪心合わせながら 明日へと奏でていきましょう♪
「あの時あの道を選んでいたらなんて、わかるはずがありません。しかし、遠回りでも、今の私は今の私の道を選んでよかったと思っています。今の私に、後悔などみじんもありません。同じ道を歩くことは叶わなくても、その道を励まし合え、そしてその成功を喜べる場所にいることができましたから」
かつて、ビューティはある中学校の生徒会長であった。そして、その優秀さからイギリス留学の話が彼女のもとに来たことがあった。しかし、その期間は一年。当時中学二年生の冬、中学三年生の時期を丸々イギリスで過ごすということはすなわち、プリキュアとしての活動ができなくなってしまうということ、なによりみゆきたちと離れ離れになるということ。仲間たちは表面上は喜び、家族は心の底から喜び、しかし友達と離れたくないという気持ちが奥底にあった。けど、留学しないということは、喜んでくれたすべての人たちを裏切るということ。彼女は悩み、苦しみ、そして答えを出した。留学しないという道、自分だけが歩く自分だけの道を、自分の意志ではっきりと出した。あの時、イギリスに留学していたら、自分にはどんな道が待っていたのだろうか。そんな事を考えない時はないと言えば嘘となる。でも、それはすでに通り過ぎた分岐点。振り返らない、戻らないだから彼女は前を向いて歩く。いばらの道なのかもしれない。それでも、歩いていく。
♪世界中に 笑顔の花咲かせ 鳥や蝶や虹が空をかけるように ひとりひとり 違う音色たちを 心合わせながら 明日へと奏でていきましょう♪
「後悔などしない!?馬鹿なことを!?所詮人間は後悔をする生き物!それを後悔などないという詭弁で消し去ろうとしているだけです!」
「確かにお前のいう通りだ!人は後悔をする。それは人生が一度きりしかないから!」
「一度死に、生き返った者が何を言いますか!?」
「……確かに俺も思ったさ、俺の本質はあの遠藤止と一緒だって、一度は思った!でも、俺は転生者とは違う!」
「何が違いますか!あなたも我々と同じ!外道に入っているというのに」
「少年の人生は少年のもの、それを応援しないで大人とは言えないでしょ」
「死んでも一度きりの人生なのは変わらないガル!」
♪世界中がステキな夢を見て 犬や猫や人が幸せになるように♪
「生き返るのであれば、自分の人生を生き返る!自分の人生の後悔を消すためにね」
「そう、後悔を消す方法、それは仲間!」
「またそれですか!?何度も何度も能がない!」
「仲間のいないお前にはわかるわけがない!仲間がいることの頼もしさも、うれしさも、楽しさも!そして、共に進化していくことの喜びも!」
♪微笑んだら一緒に♪
「仲間と一緒に食べるご飯の美味しさも!」
♪明日へと歩いていきましょう 世界中が ステキな夢を見て♪
「仲間は、私にとって帰る場所への道しるべとなって待っていてくれる。仲間がいるから、私は帰りたいとそう思えるようになりました!そして帰ってきました!仲間のいる場所に!」
彼女にはたくさんの道があった。けど、その中でもなぜ冒険家という道を彼女が選んだのか。
♪犬や猫や人が 幸せになるように♪
「プリキュア!ビューティブリザードアロー!!」
「ハッ!!」
《mach》
「はぁっ!」
「グォッ!?」
それは、仲間がいたから。大勢の仲間が待ってくれるそう信じていたから。だから、彼女はたくさんの景色を、色を、人の温かさを感じ、見て、聞いて、笑って、出会い、そして進化していくために。
♪流れていく♪
「「「寄り道!」」」
♪白い雲を見上げ♪
「「わき道!」」
♪微笑んだら♪
「「回り道!!」」
♪一緒に♪
「「しかし、それらも全て道!!」」
♪明日へと歩いていきましょう♪
「その考えは、大人となっても変わりません!」
マジマザー、オオカミブルー、響鬼紅が、仮面ライダーゴースト、キュアマーメイドが、そして仮面ライダーブレイド、キュアビューティが叫んだ。
そして、まるでその声に答えるかのように、それぞれの戦いにも決着の時が訪れようとしていた。
「まさか、仲間などという不確かなものに、まがい物などにこの私が……」
「ハァッ!」
「む!?」
その時、ジョーカーのすぐ近くに天井を突き破ってアークオルフェノクが落ちてきた。それから少しして、ファイズが天井を破壊し、ブレイドの横に現れ言う。
「一人でダメならみんなで!支えあいながら、かばいあいながら、時にぶつかって、傷つくこともあるけど、みんなで助け合ってそれぞれの夢を守る!それが僕たちの役目だ!!」
「そして!」
「ッ!?」
さらにもう一体、ミラーワールドからマンティストロフィーが吹き飛ばされ、とっさのことに避けることのできなかったジョーカーは、その飛ばされてきた身体と正面衝突を起こした。そして、ブレイドとファイズの横に立ったのは、赤の騎士龍騎。
「他の誰かを傷つけても、それでも叶えたいものがある。確かに、それは人間のエゴだ。けど、それが真実とは限らない!俺は探し続ける。この世界に仮面ライダーが生まれた理由を、真実を、そしてその先にあるはずの答えを!」
二人の後ろに、その時まで共に戦っていた仲間たちが全員集合する。ブレイドは、一度振り返ると仮面の下で笑みをこぼしながら言った。
「誰も、人の運命を操作する権限なんて持ち合わせてない。でもそれでも誰かの幸せを奪うなら、俺はその運命とも戦う。それが罪だったとしても、自分勝手でも、それが俺が与えられた切り札の使い方だ!」
彼らはもう迷わない。まがい物でも、代理などでもない。それぞれの戦う理由の思いのたけを叫んだ彼ら、今ここにいる三人もまた、本物の龍騎、ファイズ、そしてブレイドであるのだ。彼らはこれからも戦い続ける。その道はかなり険しいものになるのは間違いない。しかし、それでも彼らは戦い続けるだろう。くじけないだろう。彼らには、仲間がいるのだから。応援してくれるともがいてくれるのだから、もう倒れ伏したまま動けないということは無いだろう。まがい物のあふれるこの世界で、唯一見つけることのできた希望の証。人は、それをかなえるために戦い、やがてその運命とも戦い、そして、誰かのためにも戦うことができるようになる。どれほどの強敵に出くわそうとも、どれだけ離れていたとしても、自分と同じく誰かのためにその力を使う仲間がいるという事実は、勇気を与えてくれる。今、この三人はその力強さをその身に感じていた。もう止まらない。譲らない。絶対に勝つ。勝って見せる。いや勝たなければならないのだ。こんなところで、こんなやつらに負けてるぐらいじゃ自分たちが大切にしたいと思っている物を守ることができないのだから。
「まさか、この私が負けたというのですか。人間というちっぽけな存在に!」
その言葉に、タクミはあることを思い出す。それは彼の、門矢士の言葉。自分を、誠の仮面ライダーに導いてくれたあの言葉だ。
「ちっぽけだから!」
「傷つけることもあるけど、相手の手を握ることもできる手を取り!」
「共に進化していく!」
「「「それが、人間だ!!」」」
その叫びと共に重醒剣キングラウザーがブレイドの手に出現する。さらに、ブレイドの身体から五枚のカードが飛び出しつかむ。すると五枚のカードはキングラウラウザーの中にまるで引きこまれるかのように入っていった。
≪♠2 ♠3 ♠4 ♠5 ♠6≫
♪たった1人きりのキミの存在が♪
≪Straight flusyu≫
瞬間、ブレイドの二振りの剣に力が宿っていく。それと同時に他の二人の仮面ライダーもまた行動に移した。
ファイズは、ファイズブラスターに数字、5・2・4・6を打ち込む。
♪いつか世界のすべて変えるだろう ここにあるものは希望?絶望?♪
≪Faiz Blaster Take Off≫
♪Round Zero 始まってる。♪
≪Exceed Charge≫
その音声と共にファイズの背部ユニットから白い煙が噴出し、その身体が宙へと浮かび上がり、『ENTER』と書かれたボタンを押した。
そして最後に龍騎がカードデッキから一枚のカードを取り出し、ドラグバイザーツバイに装填する。
♪知らないと言う罪と 知りすぎる罠♪
≪FINALVENT≫
♪動けなくなる前に 動き出そう♪
その瞬間、龍騎の使役するモンスタードラグレッダーはその姿を変え、ドラグランザーとなる。そして、龍騎が飛び上がりその背中に乗ると、ドラグランザーは再び変形し始め、バイクの形となる。
♪風に捲られたカード 占うように笑う 迷わないハズもない それでも明日を探せ♪
こうしてそれぞれの必殺技、ストレートフラッシュ、フォトンブレイカー、そしてドラゴンファイヤーストームを放つ体制となった。
もう彼らは止まらない。止められない。ただ進むのみ。自分の道を、自分のペースで、まっすぐに。もしもそれを間違いだと、偽物だと言われてもかまわない。これが今自分たちができる最高の手段、今ここにいる自分たちが最善の自分たちだから。一人ひとりができうる最高。それを積み上げていったその先に待っている物。それはただ一つ。
♪めくるめく運命 壊れそうな時代に 切り札はキミの中…研ぎ澄まされた勇気にして♪
「「「ハァァァァァッ!!」」」
「こんな!!こんなはずではぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!」
♪BLADE BRAVE BLADE BRAVE BLADE BLADE BRAVE BLADE♪
勝利という栄光のみ。
「ん?」
「え?」
起こった地響きのような巨大な爆発。工場の天井が高いこともあったのか、その爆炎は空高くまで伸び、それが終わったその先あったのは、ジョーカーの持っていた鏡の盾のみだった。
「やった!勝った!!」
「尾上!」
「シンジ!カズマ!」
「……」
その言葉に対して、見えてはいないがしかし笑みで答えた三人のもとに、ビューティとホウオウソルジャー以外の共に戦ってくれた戦士たちが駆け寄った。
「皆さん、ありがとうございました」
「いや、お前たちが仮面ライダーだったら当然の結果だ」
「そうかもしれませんけど、皆さんが俺たちの手を取ってくれたから、勝つことができたんです」
「これからも仮面ライダー同士、一緒に戦っていこうぜ!」
「はい!」
それぞれに喜びを爆発させている面々。しかし、二人はけげんな顔をして三体の怪物がいた場所を見つめていた。
「今の見えたか、ビューティ」
「えぇ。あの爆発の時何かが……」
ビューティはそう言いながら思い返す。あの爆発の時、確かに何かが横切ったのだ。あれは何だったのだろう。彼女は、頭の中の映像を戻し、問題の場面を再生する。
そして、その頭に見えた者。それは……。
「ウサギ?」
『フフフ、亡霊である私がそう簡単に死ぬとお思いですか?再び肉体を失いましたが、また次の機会には……』
「!」
『ッ!馬鹿な!なぜあなたまで!まさか……』
「!!」
『ヒィッ!?やめなさい!!私は!絶対生き延びて!!』
「!!!」
『ギ、ギャァァァァァァァァァァァ!!!!!』
以上、歌と合わせた書き方にて演出させていただきました。ちなみに、風に捲られた~の部分が字の文に囲まれているのに関しては、バイクへの変形シーンも込みでのシーンだからです。総じて、書いてて多少苦しいような場面もありまし、間奏の表現だけはどうしてもできませんでしたので難しいのかもしれませんが、脳内で映像に変換してくれましたらおそらく当てはまっていると思います。
余談ながら、最後の爆炎の中にウサギという場面書いててドラえもんを思い出してしまったり。
なお読み方とすれば
♪♪
「」
であれば歌い始めからセリフを
「」
♪♪
であれば歌い終わりからセリフを再生していただければと考えております。
とはいえ、読む際はこんな曲が流れているんだということだけを知っていいただけるだけでもよろしいかもしれません。