巨大なビルが幾重にも連なるこの街の風景。それは、人の生活が良い物であるのと同時に、人間という生き物があまりにも非力であるという事を顕著に表しているのかもしれない。
人間という生物は、この地球上の生物の中でも随一の知性と個性を持つ生き物だ。
だが、それだけである。
それぞれのビルの中には何があるのか。
椅子がある。机がある。パソコンがある。数々の資料、仕事に使う判子、ゴルフクラブ、その他たくさんの人間の仕事場の象徴が置かれている。
人類という小さな者たちの産物。しかし、それは人間自身が他の動物たちが持っていない力を持とうとした結果であるともいえる。
牙を持っていなかったが故の剣と銃。翼を持ち合わせていないが故の飛行機やヘリコプター。
持つことができないから、持っていないから、それに憧れ、欲し、そして人類は作り上げた。
では、この街のビル群に、人間は動物たちの何を重ねたというのだろう。人間が生み出したこの産物は、一体動物の何に憧れて作り出されたものなのだろう。
その答えはきっと、傍観者たる動物だけが知っている。そして思う事であろう。
人間は何とも欲深い生き物であろうかと。
「すっごいねぇ~、流石異世界ってところかな?」
果たして、その兎はどこにいたのであろうか。
ビルの屋上から見下げている彼女は、その真下で戦いを続けている者たちの事を見てニヤリと笑った。
すでにこのビルの所有者や、会社員たちは全員逃げ出したというのに、彼女だけが残っているのはなぜか。
そう、それは彼女が待っているからだ。何を、誰を。そんなこと、彼女とごくわずかな人間しか分からない事だった。
「もしもし?うん……そう、分かった。それじゃ後はあの場所だけだね」
兎はどこかに電話をする。どうやら、複数人で何かを探している様子だ。
「残るはあの場所だけ、アレの事だから必ずアレは現れるはず……」
兎は、そう言いながらポケットから何かを取り出した。そして……。
「待っててね、いっくん」
そのスイッチを、篠ノ之束は押した。
「フッ!ハァッ!!」
「オラァ!ハァッ!!」
次から次へと襲ってくるショッカー戦闘員。
もうどのくらい戦いを続けているのか分からないがしかし、それでも収まるところを知らない敵の波。
だが、それでも彼らは戦うことを止めなかった。
「よっとぉおっとと!!」
「ラッキー!!」
宇宙戦隊キュウレンジャーのラッキーは、リュウレンジャー、シシレンジャーのダイレンロッドを後ろに飛んで避けた。
だが、着地した瞬間にバランスを崩して倒れてしまう。普通であれば大ピンチであるこの状況だが、その数秒後にはそれが幸運だと分かる。
ラッキーが転んだその瞬間に、目の前をファイブマンのアースカノンが通り過ぎ、ラッキーを追撃しよう落としていたダイレンジャーの五人に当たった。
もしも、ラッキーがバランスを崩して倒れていなければ、その攻撃に倒れていたのはラッキーだったであろう。
「おぉ、よっしゃラッキー!!」
ラッキーは立ち上がると、レンジャーキーに戻ったダイレンジャーに向けてそう言った。
そう、ラッキーはその名前の通り幸運、いや強運の持ち主だ。今までもどんな危機的状況にあってもラッキーはその持ち前の強運で生き残ることができた。それはまさしく、宇宙全ての運勢が彼を後押しするかのようである。
「今日もラッキーの運は、絶好調みたいガル!」
駆け寄ってきた青い毛を持つ獣人ガルは、ラッキーに駆け寄って彼の胸を叩いてそう言った。
「あぁ!お前らの運!試してやるぜ!!」
「ガルゥ!」
ラッキーは残ったファイブマンに向けてそう言うと、ガルと共にそれぞれに武器を取り出し、走り出した。今日もラッキー、そしてラッキーの仲間たちは幸運とともに戦場を駆け抜けるのである。
一方別場所では、ポッピーピポパポと檀黎斗、いや檀黎斗神がショッカー戦闘員、そしてキバレンジャーと戦っていた。
「もう!!敵が多すぎてピプペポパニックだよぉ!!」
戦いが長引けば長引くほどに、敵の数は増え続けている。
中でもショッカー戦闘員の数は空から見れば黒の波であると評されるがごとくに多く、少し気を抜いたらすぐにその波に飲まれてしまう。
その骨の委託をしたスーツを着た彼らは、戦闘員というジャンルで見ればかなり知名度があり、また仮面ライダーのやられ役として、初代の頃からも有名な存在だ。
だが、彼らもまたショッカーが産みだした産物。仮面ライダーを相手にしたら簡単に敗北してしまう彼らではあるが、侮っていてはならない。
一般人、それも子供であるならばなおさらである。
「きゃぁ!!」
その声は過去のあゆみの声だった。
PC細胞による力も、魔法少女の力もない彼女は、変身していなければただの女の子。その弱点を突かれてしまった。
ショッカー戦闘員の波状攻撃があゆみを襲い、ついにその身体が見えなくなってしまった。
「あゆみちゃん!」
「私が行きます!!」
ポッピーは、ショッカー戦闘員の群れをかき分けて進もうとした。だが、その上を未来のあゆみが、ショッカー戦闘員の頭を次々と踏み台にして進んでいった。
未来のあゆみが、過去のあゆみの消えた位置にまでたどり着き、まるで水泳の飛び込みのようにその身体を戦闘員の中に隠した。
その瞬間、黒々とした波から光があふれ出した。そして……。
「ハァッ!!」
瞬間、周囲のショッカー戦闘員たちが吹き飛び、消えた。
「「思いよ届け!キュアエコー!!」」
その中心にいたのは金髪で、白い衣装を着た同じプリキュア。
その二人こそ、坂上あゆみが変身したプリキュア、キュアエコーなのだ。
同じプリキュアが二人いるという少々見た目的にもややこしいように思えるが、その体格の違いから、どちらが未来のエコーで、どちらが過去のエコーであるのかが一目瞭然であることは幸いであろう。
「行くわよ、エコー!」
「はい!ハァ……ッ」
未来の自分に促された過去のエコーはしかし、ショッカー戦闘員を殴ろうとしたその拳を止めてしまう。
殴れなかった。戦闘員の顔を殴ろうとしたその瞬間に、あの子の顔が浮かんだから。
未来のエコーがフォローをすることで大事に至ることはなかったが、それが非常に大きな隙であることは誰が見ても明らかであった。だが、彼女は過去の自分をとがめることはできなかった。
「エコー……」
知っていたから。彼女がその拳を止めた理由を。分かっていたから。もしも自分も子供であったならば、その拳を止めていただろうから。
「フッ!ヤァッ!!ちょっと、何で戦わないの!」
戦闘員たちをなぎ倒してやって来たポッピーの言い分はもっともだ。
自分たちはこの場に戦いに来たのだ。戦う覚悟を持ってこの場所に来たはずなのだ。それなのに、敵を目の前にして拳を下すなんてどういうことなのか。
とはいえ、音ゲーのバグスターである自分が、まるで格闘ゲームか無双ゲームかのようなことを言うのはおかしいかもしれないが、と心の中でポッピーはつぶやいた。
「分かっています。でも……」
ポッピーの言葉を受けたエコーは、自分の手を見ながら言った。
「いざ戦おうとしたとき、フーちゃんの顔が浮かんだんです」
「フーちゃん?」
「フーちゃんは私の、いいえ私たちの友達です」
未来のエコーはそう言った。
フーちゃんとは、坂上あゆみが助けた不思議な生き物の事だ。
助けたと言ってもそんな大層な話ではなく、葉っぱが自分の身体の上に乗っていたために動けなかったのを、あゆみが助けたというなんとも小さな救助劇からの出会いであった。
それから、フーちゃんはあゆみの家に住みはじめ一緒に住んでいた横浜の街を探索したり、ゲーム機で遊んだりとほのぼのに暮らしていた。まさか、その正体が横浜どころか世界をも一度滅ぼそうとした存在であるフュージョンの一部であったなど、思いもよらなかった。
地球の全てを飲み込み、ひとつとなろうとした悪意の塊であるフュージョン。その計略はプリキュアたちに二度に渡って防がれたが、二度目に倒された際に自分の身体を無数に分散させることによって生き延びていた。その欠片の一つがフーちゃんだったのだ。
その後数多くの出来事の後に、フーちゃんは全てをリセットするという目的の元に他の全ての欠片を操ってあゆみの住んでいた横浜を消そうとした。
その時、フーちゃんを説得した存在がキュアエコーである。
それは、あゆみがフーちゃんを止めたいと心の底から願ったことによって生まれたプリキュアだった。
なぎさやほのかなど、プリキュアのほとんどが妖精の力を借りてプリキュアに変身していた。そうではない者も、関係者から変身アイテムを貰うなどしてプリキュアになっていた。愛乃めぐみがその典型的な例なのかもしれない。
だが、坂上あゆみだけはそのプリキュアたちとは違い、自らの力でプリキュアとなった。プリキュアになることを選ばれた存在ではなく、プリキュアになることを選んだのだ。
しかし……。
「私は、フーちゃんを救うためにプリキュアになりました。フーちゃんを説得するために……だったら、私は戦ったらダメなんじゃないかって、そう思ったんです」
「……」
エコーは、今まで戦ったことがなかった。それは、自分の手に入れた力は戦って、敵を倒すための力じゃないと考えていたから。
友達を助けたい。友達と話がしたい。その一心が産んだ奇跡、それがキュアエコーの始まりだった。
だから、もしその力を戦いに使ってしまったら、それはキュアエコーとなった時の自分を裏切ってしまうことになるのではないか。彼女はそう考えていた。
戦う覚悟はあった。しかし、その力を間違った方向で使うのに彼女自身の中で抵抗があったことに、今この時初めて気がついたのだ。
「そっか、だったらそれでいいんじゃないか?」
「え?」
そう言ったのはポッピーである。彼女は笑顔を見せながら言う。
「私は、バグスターって怪物なんだけれど、バグスターは元々ゲームのウイルスなの。そして、私はドレミファビートっていうゲームのバグスター……私たちの世界の音ゲーのバグスターなの」
「バグスター……?」
彼女、ポッピーピポパポはエグゼイド達の敵であるバグスターの一人であった。
バグスターは、いわゆるコンピュータウイルスであり、人間に感染することによってその人間を消滅させる病気と言っていい者であった。
彼女はそんなバグスターの中でも最初からエグゼイド、宝生永夢の味方をしていたバグスターで、音ゲーであるドレミファビートをモチーフとしたバグスター。
「そう、音ゲーから産まれたバグスター、なのに私はこうして戦ってるの。本当は、私も戦いたくない……誰も悲しませたくないし、傷つけたくない……皆で仲良く、ドレミファビートがしたい。でも、そのためには今戦わないと、その夢を叶えられないから……」
「ポッピーさん……」
以前、ポッピーは敵の罠にかかり永夢たちライダーと敵対したことがあった。その時、彼女は自分自身の夢を語っていた。
音ゲーのバグスターとして生まれたのに、人を傷つけないといけないという彼女。人間に憎まれ、ライダーに倒されなければいけないという敵キャラとしての運命の真っただ中にいた彼女が語った夢は、とても純粋な物だった。
しかし、その夢をかなえるには文字通り世界が平和にならなければならない。そのためには、敵であるバグスターの自分は消えなければならない。そんな矛盾を抱えている中での彼女の夢は、とても残酷なものであると言えよう。
だが、永夢はそんな彼女を改めて仲間として迎え入れる。皆で一緒に、ゲームを遊ぼうと言ってくれた。
嬉しかった。敵だから、倒されなくてはならないと思っていた自分にとってその優しい言葉は。敵キャラだから倒されなければならないと思っていた自分にとってその言葉は何よりもうれしかったのだ。
そして、もう一人彼女に戦ってもらいたくない者がここにいる。
「……私もあなたには戦ってもらいたくない。自分の思いと裏はなら事をすることがどれだけ辛いことなのか、私がよくわかっているから」
「未来の、私……」
未来のキュアエコー、未来の自分。
そういえば先ほど、自分が戦うことができずに立ち止まっていた時、彼女は目の前にいた戦闘員の事を殴っている姿を彼女は見ていた。
「私もずっと覚えているよ、フーちゃんの事を。でも、心が汚れちゃったのかな……私はあなたのように止まることができなかった」
「……」
「戦ったらダメだって、私も思った。でも、戦わないと守れないから、そんな綺麗事を言ってたらダメだからって、気持ちを押し通して戦って……」
「そんなことない、と思います……」
「え?」
過去のエコーは、弱々しくもそう言った。
「だって、覚えていたんじゃないですかフーちゃんの事を、最初の思いを。だったら、それは心が汚れたとか割り切ったからなんかじゃない、自分の中の思いと向き合った結果なんじゃないかって、私は思うんです」
「……」
「過去の自分の思いと違うことを取ったからって、心が汚れたとか、綺麗事なんて思ったらだめですよ。だって、私自身は、何も変わってないじゃないですか。昔みたいに、優しくて、普通の女の子で、そしてフーちゃんの事も覚えててくれた」
人は簡単に変わる生き物だ。
どれだけ気高い志を持っていたとしても、どれだけ自分自身の信念を高く持っていても、年月とともに変わり行くものだ。だが、だからこそ変わらない思いが大事なのではないだろうか。
他人という色が交わって、塗りつぶされたとしても、その色でまた自分の心を描くことができるのが人間であるならば、元々の色をもう一度取り戻すことができるのもまた人間なのではないだろうか。
たくさんの人と会って、たくさんの考えを知って。広い世界を見、狭い自分を嘆き、それでも自分が正しいと本当に思ったことは絶対に変えられない、それが人間なのではないだろうか。
もし変わったとしてもそれはそれでも構わない。それが、その代わってしまった人間の選択だから。
だが、忘れてはならない。
自分を自分としてくれた志という名前の芯は、必ずその心の中にいつまでもあり続ける。過去にこだわり続けて今を見失ってはならない。しかし、未来を見すぎて過去を捨てることは絶対にあってはならない事。
変えられない過去があったから今の自分がいたという事実は、絶対に変えられない不可逆的な真理である。だからこそ、今と未来の自分は生き続ける力を過去の自分から得ることができるのだ。
「私もいつかあなたのように変わってしまうかもしれない。でも、それまで、私は自分の思いを貫こうと思います」
「……だったら、私はあなたの思いを守るために戦う。戦えない人の分まで戦う。それが、今の私が戦う理由だから」
「私も頑張るから。いつか、皆で笑い合ってゲームができるその時まで」
「……はい!」
戦うという選択、戦わないという選択、そのどちらが正しいなどと他人が判断することなどできない。
しかしそれでも彼女たちは選んだ。戦う事、そして戦わないことを。
選ばない人間よりも、選んだ人間の人生の方がより一層たくましく見える。だから、誰かの目標となることができるのだ。
「そう!愚民共などもはや必要なし!私こそ、唯一神だからだぁぁ!!フォーーー!!」
一方、完全に孤立している檀黎斗神は、ブレードモードのガシャコンブレイカーを振り回し戦闘中だった。だが、それでも横耳で彼女たちの話を聞くくらいの余裕はあった様子。
何故そのハイテンションを保ったままで戦闘を継続できるのだろうか。と未来のエコーは彼にツッコミを入れようとしたが、恐らく答えは帰ってこないだろうと考えて喉元でその言葉は止まった。
ともかく、話し合いも済んだところでそろそろ戦闘に復帰せねばなるまい。
「行こうポッピー、私!」
「うん!」
「私は二人をサポートします!だから……全力で戦ってください!」
「分かった!」
戦いとは、ただ殴る蹴るという事だけではない。それを、彼女は、いや彼女たちはこの戦いで教えてくれることだろう。
そして、その教えが後に繋がっていくことを信じて。
そして、もう一組のグループへと目を移す。門矢士と海東大樹の二人だ。
「フッ!ハァッ!!」
「フッ!」
門矢士は仮面ライダーカイザと、海東大樹は仮面ライダーデルタと戦っていた。
ライドブッカーとカイザブレイガンがぶつかり合う。二人、厳密にいえば門矢士がカイザと戦うのはこれが初めてではない。
士が旅を続けている途中、キバの世界に立ち寄った時の事。そこで士は鳴滝に呼ばれて出現したカイザと戦ったことがあった。
その時は、結局カイザを退ける事には成功したが、決着がつくことはなかった。
その決着の時が今訪れることとなる。
「ッ!ハァッ!!」
つばぜり合いの中、先に動いたのは士だった。
カイザの腹を蹴り退かせるとほぼ同時に、士はライドブッカーをソードモードからガンモードへと変化させてカイザに向けて二、三発を撃ち込む。
カイザはその攻撃から身体を守るように右腕を上げた。しかし、士の攻撃はカイザに当たることなく、地面に当たり火花が散った。
その銃撃はおとり。本命はその後だった。銃弾が地面に当たったか当たっていないかが確認されるよりも前に、士は素早くカイザの元に接近し、腕が上がってがら空きとなった左わき腹から斜めに切りかかった。
「ハァァァッ!!」
そして、トドメとばかりにライドブッカーを上から下に一直線に振り下ろして、真一文字に斬る。
カイザはその攻撃で耐えきれなくなり、光と共にカードへとその姿を変えた。
「ッ!やるね、ハアッ!!」
海東は、同じ銃を扱うライダーである仮面ライダーデルタと、サニーとマーチが地面を陥没させた際に吹き飛んで偶然できたアスファルトの壁を挟んで銃撃戦を繰り広げていた。
二人ともが、タイミングを見計らってもう一方へと攻撃を行う。その時に出て来た相手に向かってもう一方が銃撃を行う。その繰り返しである。
「フッ!」
このまま持久戦を続けるのも悪くはない。しかしいつかは決着をつけなければならないのだからと、海東は早期に決着をつけに行く。
盾としていた壁から離れた海東に対して、当然のようにデルタは銃を撃つ。
「ハァッ!!」
その弾が自身に当たる寸前に、海東は右に跳ぶ。そして、空中でデルタに狙いを定めてディエンドライバーの引き金を引いた。
その銃弾がデルタに当たったことを確認しながら、海東は肩から着地して、一回転してから立ち上がりさらに追撃しながらデルタに近づいていく。
「ハァッ!」
デルタもまた飛び上がった海東に向けてその銃口を向けたが一歩遅く、海東が放った銃弾が先にデルタの身体を襲った
それらの追撃に耐えきれなくなったデルタは倒れ、その姿をカードに変えた。
「よし……」
「無事か、海東?」
「君こそ……とりあえずこれで残ったのはファイズとオーガ、ゴーゴーファイブ、ファイブマン、キバレンジャーとショッカーの戦闘員たちか」
「キバレンジャーとファイブマンはラッキーたちが倒していた。残ったのはそれ以外だ」
「なるほど」
「ん?」
その時、士の後ろに灰色のオーロラが現れた。
士は海東に出したのはお前かと聞いたが、しかし海東は違うという。ならば一体誰が出したというのだろう。
その時だ、一匹のコウモリがオーロラから飛び出した。
「おっと!久しぶりだなディケイド」
「お前は確か……」
「キバットバットⅢ世か」
「という事はワタル……いや」
士は、一度自分がキバの世界に行ったときに出会ったワタルが来たと考えた。だがすぐに違うと分かった。
オーロラの向こう、そこには子供であるワタルとは明らかに違う人間が立っていた。
自分が使っているオーロラ、キバットバットⅢ世、そして大人。この3つに関係する人間は一人しかいない。
士がそう考えていたその時、その士の予想していた人間が姿を現した。
「久しぶりです。ディケイド」
「紅渡か」
紅渡。仮面ライダーキバに変身する男であり、門矢士を旅へといざなった人物である。
魔族の一つであるファンガイアと人間との間に生まれた紅渡は、ファンガイアたちとの一連の戦いを終えた後、どういう経緯かは不明だが様々な力を手に入れ、士のようにオーロラを自由に出して多くの人間を別の世界に移動させたり、不可思議な現象を起こせるようになった。
今回の事態に際してもその力を使い、敵である鳴滝と一時休戦をしてスーパー戦隊、仮面ライダー、そしてその関係者たちの手助けを得るために奔走し、大体の者たちを連れてき終えたためにこうして士の前に現れたのである。
「最後の助っ人を連れてきました」
「最後だと?」
「えぇ、多くのライダー、戦隊は別世界に飛ばさたプリキュアたちの助っ人に行きましたから」
「なるほど、大体わかった。それで、こっちに来る助っ人ってのは誰だ?」
「それは……」
「俺たちだ」
「僕達さ」
渡が話そうとしたその瞬間、オーロラから3人の男が現れた。
白い帽子に白いタキシードを着た男。
しましまの服を着て本を持った男。
そして、赤いレザージャケットを着た男。
その内、一人の男の顔を士は知っていた。
「左翔太郎」
「こうして顔を合わせるのは、あの時以来か、士」
「どろ焼きの事については全部調べ終わった。僕達も参戦しよう」
「どろ焼き?」
「フィリップがどろ焼きの事に興味を持って調べちまってて、時間を食った。おかげで遅れちまった」
「だが、何とか間に合った。俺の名は照井竜。それ以上聞くな」
「……大体わかった」
左翔太郎、そしてフィリップは、二人で一人の仮面ライダーであるWに変身するライダーだ。
風都で探偵をしていた鳴海壮吉の下で探偵見習をしていた翔太郎は、ある事件でおやっさんと慕っていた壮吉を失った。
その事件で知り合ったフィリップに同じくその事件で手に入れたガイアメモリとダブルドライバーを使って戦うことを促され、二人は仮面ライダーWとなり、風都で蔓延するガイアメモリによる犯罪から風都の人々を守る戦士として日夜戦いを続けている。
また壮吉の後を継いで探偵としても活動しており、左翔太郎が現場や聞き込みから情報を集めたりの調査を行っており、フィリップがその情報から地球の本棚という自身の脳内にあるデータベースを用いて事件の真相を暴くという、切っても切れないコンビであるのだ。
特筆すべき特徴は、二人で一人の仮面ライダーWはそのキャッチフレーズの通り、二人で変身し、二人で戦う仮面ライダーであるという事だ。
変身する際には、一方の身体を用い、もう一方の身体は精神だけが抜けて憑依しているという状態になるのだ。
一方が欠けては力が半減するどころか変身することもできない。故に様々なデメリットを抱えてはいるがしかし、だからこそ強いのが仮面ライダーWなのである。
また、照井竜もWと同じくガイアメモリを使用して変身し、風都を守っているライダーで、警察官である。
士は照井やフィリップとは変身を解いての面識はなかった物の、翔太郎とはある戦いにおいて一応の面識があった。
「行くぜ、フィリップ、照井」
「あぁ、翔太郎」
「いや待て」
「はぁ?なんでだよ?」
ガイアメモリを取り出し、歩き出した二人を照井は制した。そして言う。
「まだここに来る男がいる」
「何ですって?」
そう驚いたのは渡だ。そんな渡の言葉を代弁するかのようにキバットバットⅢ世は言う。
「おいおい、こっちに来るのはこれで全員じゃなかったのかよ?」
「あぁ、別動隊からこちらに来ると連絡があった」
「別動隊?」
「はい。捉えらえている現役のプリキュアの少女達。彼女達を救うための別動隊を編成し、向かって貰っています」
「なるほどな」
「しかし、一体誰が来ると?」
「それは……」
その時だ。遠くから車のエンジン音を響かせて一台の赤い車が現れた。
赤い車、トライドロンは士たちの横に停車すると、そのドアを開け、二人の男性を降ろした。
「渡!」
「泊進ノ介?それに……」
『紅渡、仮面ライダーキバ。未来の君の息子から話は聞いているよ』
「クリム・スタインベルト……」
泊進ノ介は、仮面ライダードライブに変身し、108体のロイミュードと戦った現役の警察官だ。
そして、その相棒ともいえるクリム・スタインベルトは、かつてそのロイミュードの開発に関わった過去を持った科学者である。現在の姿は、ロイミュードに殺されたスタインベルト博士の記憶や知識といった人格プログラムを埋め込まれた姿であり、進ノ介からは当初ベルトと呼び捨てにしていたが早々に失礼だという話が出て、ベルトさんと呼ばれている。
だが、渡にとってそのベルトの存在、そして彼らを乗せて来たトライドロンの存在自体が不思議でならなかった。
「まさか、貴方はロイミュードの事件が終わった後……」
『その通り、私はドライブピットの地下深くに自らを封印した』
そう、クリムはドライブやドライブの仲間たちの変身アイテム、武器、乗り物などの自らが作り出した全ての装備と一緒に、ドライブが使用していたドライブピットという秘密基地の地下深くで眠りについたのだ。
クリムは、ロイミュードの完成に協力してしまい、結果的に食い止められたものの、人類に多大なる脅威をもたらしてし、多くの犠牲や悲しみを産んでしまった。
クリムは、自らの頭脳が再び悪用される可能性を考えた結果、全てのロイミュードが殲滅された後、前述の通りに眠りについたのだ。いつの日にか、自らの技術を人類が正しく使うことができるその時まで。
とはいえ、それからちょくちょく地上に出てきたり無理やり出されたりして泊進ノ介に協力したりはしているのだが、基本的には眠りについたままである。
渡も、クリムを無理やり連れてこようと考えた事もあった。しかし、クリム自身が自らを封印することを望んだのだから、無理やり起こすこともない。そう考えた結果、彼を起こすことを断念し、その結果変身できない泊進ノ介には仲間たちと共に別動隊の方に回ってもらったのだ。
「そうです。だから今回の戦いでは泊進ノ介には別動隊を任せようと……」
「俺が連れて来たんです。未来から」
「君は……」
「俺は湊ミハル。2051年で、仮面ライダーアクアとして戦っています」
仮面ライダーアクア、湊ミハル。以前未来から現代に渡って仮面ライダーオーズと共に自らの身体を操った仮面ライダーポセイドンと戦い、自らの中にある水への恐怖心を克服し、一人の仮面ライダーとして未来で戦い続けている男だ。
「貴方が、彼を……いえ、彼らを連れて来たんですね」
「……はい」
「ミハル、ベルトさん。説明を頼んだ」
「俺たちが敵と戦っている間にな」
「あぁ、振り切るぜ」
「行きましょう福井警視」
「福井?」
「照井です」
「……照井警視」
そう言いながら泊、福……照井、翔太郎、フィリップの四人が士たちの前に立った。
と、そこでフィリップがどこかに手を向けて言う。
「翔太郎」
「ん?」
≪グオォォォォ!!≫
その時、フィリップの足元に小さな恐竜のロボットらしきものが走り寄って来た。そして、恐竜型のロボットが跳び、フィリップの手に収まると、それを慣れた手つきで変形させていく。
「フッ……いいぜ、なんだか久しぶりって感じがするな」
「あぁ、ゾクゾクするね」
フィリップの行動から何をしたいのかを理解した翔太郎もまた、ダブルドライバーを取り出して腰に装着する。その瞬間、フィリップの腰にもダブルドライバーが出現した。ダブルドライバーのバックルは、普段翔太郎が持っており、翔太郎がダブルドライバーを装着することで、フィリップと一心同体となることができる。
≪ジョーカー!≫
ジョーカーメモリを取り出した翔太郎、本来はここでフィリップは緑色のサイクロンメモリを取り出すのだが、今回は違う。
≪ファング!≫
恐竜型のロボットを変形させたファングメモリ、それをフィリップは構えた。そして……。
「「変身」」
翔太郎は、ジョーカーメモリをダブルドライバーの左側に装填する。すると、翔太郎が装填したジョーカーメモリは粒子状に変換され、フィリップの方のダブルドライバーに移った。
フィリップは、ジョーカーメモリを改めて差し込むと、右側にファングメモリを差し込む。
≪ファング!ジョーカー!≫
その電子音と共に、フィリップの周りに風が吹き、その身体を変化させていく。
それと同時に翔太郎の身体が、まるで魂が抜け落ちたかのように突然倒れる。いや、魂というよりも意識がもう一方に移ったと言ってもいいのかもしれない。
そして、出現したのは左側が黒、右側が白の戦士、仮面ライダーダブルファングジョーカーである。
これが仮面ライダーダブルの変身。本来は翔太郎の方の身体にフィリップの意識が映るのであるが、ファングメモリを使用した場合においては逆であり、これによってもしもフィリップ側で戦わなければいけない状況に陥ってもつかさず対処をすることが可能になっているのだ。
「この姿になるのは久々だけれど、どうやら暴走はしないようだ」
「俺の身体、見といてくれよ」
「「ハァッ!」」
「俺たちも行くぞ!」
「あぁ!!」
泊が、ネクタイを締め直したのを合図として、四人は敵へと向かって行った。
その様子を見た渡たちは、安心したようにミハルの持つクリムに向き直った。
「それで、一体どういうことなのですかクリム?」
『私は確かにドライブピットの地下深くで36年と4か月、それから3時間24分30秒の眠りについていた。だが、まさかあの男にたたき起こされることになるとは思ってもみなかったよ』
「あの男?」
「鴻上さんです」
「……」
渡は、頭を抱え、本当にあの男はトラブルを掘り起こしてくる、と心の中であきれ果てる。
ミハルの言う鴻上というのは、鴻上ファウンデーションの会長の鴻上光生の事で、平たく言えば、グリードに関する多くの事件の元凶である。
前述した、仮面ライダーポセイドンという仮面ライダーも元をただせば、彼がミハルに渡したメダルとベルトが原因で産まれたものである。
一応すべての物事で悪意はないらしいのだが、それにしてももう少し自重してもらいたいところだ。
「鴻上さんは、かつてロイミュードを産み出したというその頭脳に眼を惹かれて、かつてドライブピットがあった場所の地下深くを掘り進めたそうです。そして……」
『無論、私は彼の協力を拒んだ。私の頭脳、そして仮面ライダーの力は私利私欲のために使われたら困る物だからね』
協力を拒んだクリムは、取りあえず久々に地上に出られたのだからと、その時点で鴻上に協力していたミハルと共に年老いた泊進ノ介と会ったり、自身が眠っている間に何があったのかという事を調べたりとしていた。
そんなある日の事だった。
「ある方が鴻上さんを訪ねたそうです」
「ある方?」
『仮面ライダー剣、剣崎一真という男だ』
「おい、渡……」
「えぇ……彼も、戦ってくれていたんですね……」
クリムの話から大体の想像ができた。
恐らく、自分たちが彼の所に行った後、自分がいけない代わりに仮面ライダードライブをよみがえらせようと考えたのだろう。
しかし、彼のベルトはドライブピットの地下深く。アンデットである彼であるならば行けなくはないが、厳重なセキュリティに守られたその場所にたどり着く前にすべて終わってしまっては元も子もない。
そこで彼はクリムが目覚めるその時を待った。
仮面ライダーには時を超えることのできる電王がいるため、未来から過去に来ることは容易いし、何より現在進行形で眠っているクリムをたたき起こさなくてもいい。
「アンデットであり、不老不死である彼だからこそできる裏技ですか」
「というか、それって最初からデンライナーを使って未来にいった方が早かったんじゃないか?」
「キバット、それは言うな」
士は、キバットの元も子もないどころか、全てを台無しにするような発言を抑え込む。
話を戻そう。そののち、ミハルとクリムと出会った一真は全てを説明し、共に野上良太郎を探してデンライナーに乗せてもらおうと考えていたがそんな時、クリムがあることを思い出した。
「あること?」
『ネクストライドロンだよ』
ネクストライドロンとは、以前泊進ノ介の息子のエイジに擬態したロイミュードが現代に持ってきた、本来はエイジが乗っていた未来のトライドロンである。
その機能は進ノ介の乗っている赤いトライドロンよりも進化しており、特に特筆するべきなのは一回限りだが、過去にタイムスリップすることができるという機能である。
以前の事件でエイジに擬態したロイミュードを倒した後、そのネクストライドロンは破壊されることなく泊たちの元にあった。
一時は未来の技術の塊であるそれを現代に残していてはまた何かに使われてしまうと考え、壊してしまおうとも思ったクリムだった。だが、いつかその時を超える能力が役に立つ時が来るかもしれないと言う、進ノ介の上司の文字通り鶴の一声によってクリムが眠りについた場所のさらに地下深くに沈められた。
そのネクストライドロンであれば過去に行くことができる。さらに、以前ミハルが時を超えた時のデータを使えば、一度きりの一方通行だったタイムスリップが可能になることに気がついたクリムがネクストライドロンを改造し、ミハルと共に現代にまで来たという事だ。
「なるほど、大体わかった」
「という事は、このトライドロンは……」
『そう、元はネクストライドロンだった物だ。進ノ介が運転するのなら、この形の方が彼には合ってると思ってね』
「なるほど」
とにかく、これで平成仮面ライダーと呼ばれている者たち18人全員が参加することができた。元々集めていた者たちでも遠藤止を倒すことは容易いが、しかし戦う仲間が増えるということは心強い。あとは……。
「「トドメだ!」」
≪ファング!マキシマムドライブ!!≫
ダブルは、ファングメモリについている角のカタチのレバーを三回倒す。
「「ファングストライカー!!」」
ダブルは跳びあがり、敵を切り裂く様に足を大きく振った。
また、その近くでは照井竜がエンジンブレードを、泊は日本の警察がポピュラーに使用しているニューナンブM60を使用し、それぞれに敵を倒した。
どうやらそれで敵の戦力は底がついたらしい。それ以上敵の増援は現れず、それを確認したダブルは変身を解いた。
「どうやら、終ったみたいガル!」
「いや、違うぜ」
「そう、戦いはこれからが本番だよ!」
「神にたてついたことを後悔させてやろう……ブアッハッハッハッハ!!!」
士は、他の場所で戦っていたラッキーやポッピーピポパポと合流した。心配はしていなかったが、味方側に損害が出ていなくて、渡は少しだけホッと胸をなでおろした。
と、ここであることに気がついた士が言う。
「ちょっと待て、ファイズやオーガ、ゴーゴーファイブは誰が倒した?」
「え?」
「ん?」
「そういえば……」
その言葉を聞いて、皆が確かにと首を傾げた。今手元にあるのはそれ以外のライダーのカードと、ファイブマン等のレンジャーキーだけ。誰も今士が言った敵側の戦士たちの行方を知らないのだ。
「どういうことだ?」
「恐らく……」
そう言いながら、渡はある方向を指さす。その瞬間、灰色のオーロラが出現した。
「先に向かってしまったのでしょう。最後の決戦の場へと」
「決戦の場だと?」
「そこに遠藤止もいるのか?」
「はい。これから散り散りとなったプリキュアや仮面ライダーたちの所にもこのオーロラを出します」
「まさに、全員集合ってことだね」
「ならばァ!話は早いッ!!」
不幸なことに、それを合図としたかのように戦士たちはオーロラと平行に並び立つ。
「神の力を前にしてェ、愚民がどこまであらがうか、見せてもらおうかぁぁぁ!!」
「もう黎斗、これが終わったらまた閉じ込めるからね!!」
「きっと、皆が待ってくれている……」
「だったら、私たちはいつだって走ることができる。それがどれだけ遠くても」
「皆とまた会えるなんて!よっしゃラッキー!!」
「この戦い、負けるわけにはいかんガル!!」
『進ノ介、エンジンの調子はどうだい?』
「あぁ、トップギアだ」
「最後の最後まで、振り切るぜ」
「風都だけじゃない、この世界全ての涙を拭う……」
「それができるのは、仮面ライダーだけだ」
「誰かが掴んでくれるのなら、俺もこの手を伸ばして見せる!」
「行くぜ!渡!!」
「えぇ、もうこの世界で不協和音を奏でさせはしません」
「この世界で見せてもらったお宝、そのために僕は戦う」
「そして、旅を続ける……俺は、通りすがりの仮面ライダーだからな」
檀黎斗神はゲーマドライバーとプロトマイティアクションXガシャットオリジンを、ポッピーピポパポはバグルドライバーⅱとときめきクライシスを、ラッキーとガルはそれぞれのキュータマとセイザブラスターを、泊進ノ介はシフトカーを、湊ミハルはアクアドライバーを、翔太郎とフィリップはそれぞれのガイアメモリを、照井竜はアクセルドライバーとガイアメモリを、紅渡はキバットバットⅢ世を、海東大樹はディエンドライバーを、門矢士はディケイドライバーを取り出した。そして……。
≪デンジャラスゾンビ!≫
≪ときめきクライシス!≫
≪シシキュータマ!≫
≪オオカミキュータマ!≫
≪≪セイ・ザ・チェンジ!≫≫
≪サイクロン!≫
≪ジョーカー!≫
≪アクセル!≫
≪ガブッ!≫
≪≪KAMENRIDE≫≫
「変身!」
「変身!」
「「スターチェンジ!」」
「変身!」
「変……身!」
「「変身!」」
「変…………身!!」
「変身!」
「変身!」
「変身!」
≪ガシャット!レッツゲーム!メッチャゲーム!ムッチャゲーム!ワッチャネーム!?アイムアカメンライダー≫
≪ガシャット!≫
≪レベルアップ!≫
≪デンジャー!デンジャー!ジェノサイド!デス・ザ・クライシス!デンジャラスゾンビ!≫
≪ガシャット!≫
≪バグルアップ!≫
≪ドリーミングガール!恋のシミュレーション!乙女はいつもときめきクライシス!≫
≪ドライブ!タイプスピード!≫
≪サイクロン!ジョーカー!≫
≪アクセル!≫
≪DECADE≫
≪DIEND≫
「どういうことだ?」
「え?どういうことって……」
「士、何かがおかしい」
「あぁ、あの戦いにドライブやアクア、はいなかった……」
「シンケンイエローやアオニンジャーもね……それに……」
「仮面ライダーJやティラノレンジャー……ゴーゴーファイブなんて五人ともいない……」
「そして、キラキラプリキュアアラモード……彼女たちはこの一連の戦いが終わるまで帰ってこなかった……」
「それって、どういうことです?」
「分からん……だが、ッ!」
「なに!?」
「ディケイドライバーが……」
「消滅して……え?」
「違う、これは俺たちの身体が……世界全体が……」
「ちょっと!何よこれ!どうなってるのよ!」
「ディケイド!」
「ルイズや才人の身体も……まさか!」
「歴史が、変わ……」
その時、未来が消滅した。
次回→全員集合