……こんな感じのまえがき、別小説でもやってるんだが、もはやあれだ、芸風のようになってるではないか。正直の所、小学生の時に重大な決断をした同士で説得できる+なんやかんやで長くなったために向こうで一切登場人物の話にも出てきていないことに関しての言い訳をしなければならなかったためにみらいたちにこちらの世界に来てもらって、ついでに彼女にも登場してもらったわけなのですが、ちょっと余計なことをしてしまったのではないかと思います。それと、今回ここ最近同じようにやっているラスト部分の後におまけを書きました。ちょっとやりすぎたと自分でも後悔しています。
「あぁ、もうしつこい!!」
「どうする?三人とも下に降りたみたいだから、変身して一気に!」
「ショッカァァァァァ!!!」
「また来たモフ!!」
「ッ!!」
一方まだ上空でショッカーグリードとクロウロードと戦っている二人は、苦戦を強いられていた。そもそも、空中戦という物はプリキュアとしてでなら慣れてはいるものの、生身での状態、それも箒に乗ったままで戦うという事にはあまり慣れてはいないのだ。今までそのような状況に陥ったこともなかったためしょうがないことではあるのだが、そもそも相手がショッカーの化学力が産み、ある世界戦において仮面ライダー一号と仮面ライダー二号の二人を倒したことのあるショッカーグリードと、アンノウンと呼ばれ、数多の超能力者を殺してきたことがあるクロウロードという強敵なのだ。変身さえできれば何とかなるという保証はあるのだが、ショッカーグリードが定期的にメダルを放出するので変身する時間がない。このまま飛び続けていてもその内疲れが溜まってきて、つまらないミスを犯してしまうかもしれない。どうすればいい。
その時、クロウロードが猛スピードで二人に迫る。
「またッ!」
「下に!」
「うん!」
二人が下に降りて避けようとしたその時であった。鷹の鳴き声があたりに響く。
「え?」
「イーグライザー!!」
「ッ!」
みらいとリコの頭上から、剣のようなムチのような物がクロウロードに向かって伸び、その身体に巻き付いた。結果、クロウロードは羽ばたくことができず、その動きを止める。いったい何者なのか、二人は空を見上げる。そこにいたのは……。
「ライザースピニングスラッシュ!!」
「ッ!」
赤い鷲の戦士の姿であった。戦士は、クロウロードに巻きつけていたイーグライザーを勢いよく引っ張ると、巻き付けていた箇所全てが切り刻まれていき、その鞭のような刀身は、剣へと戻った。そして、クロウロードは爆発を起こしながら墜落していく。
「バードブラスター!」
「え?」
さらにもう一人、赤い戦士が現れ、ショッカーグリードへと銃を連射する。それによっているんだショッカーグリードを、赤い鷹の戦士は見逃さない。
「ブリンガーソード!ハァッ!!」
鷹の戦士は上から剣を振り下ろし、さらに横一文字に切りながらグリードの後ろに周って、グリードの羽を両方切り落とす。グリードは、それによって浮力が無くなり、地面に真っ逆さまに落ちて行った。
「すごい……」
「本物の鳥みたいモフ!!」
「うん、ワクワクもんだぁ!!」
一瞬のうちに敵を打倒した二人の戦士に、みらい、リコ、そしてモフルンの三人は目を見張った。そして、二人がみらいとリコのすぐそばにまでやってきて言う。
「大丈夫か、君達?」
「あ、はい!ありがとうございます」
「お礼なんていいよ……結局一足遅かったみたいだしさ」
遅かった。それは、子供のみらいの事を言っているのだろうか。そう思ったみらいは、でもと付け加えながら言う。
「子供の私は結局大丈夫でしたし、それに私たちのピンチを救ってくれました。やっぱり、来てくれてよかったです」
「そうモフ!」
「そう言ってくれると、嬉しいよ。あ、俺は風切大和、ジュウオウイーグル。よろしく」
「俺は天堂竜、鳥人戦隊ジェットマンのレッドホークだ。よろしく」
風切大和は、40番目のスーパー戦隊、動物戦隊ジュウオウジャーにおいてジュウオウイーグルとして地球を守り抜いた若者である。ジュウオウジャーは、6人中に人類は二人しかおらず、他の四人はジューマンというこの地球で言う動物たちのような外見を持った人間である。デスガリアンと呼ばれる宇宙の無法者たちと戦い、世界を救ったジュウオウジャーは、紆余曲折の末にジューマン達の世界、ジューランドと地球が融合した世界で共に暮らしており、今回は他の五人が別の任務を請け負い、ジュウオウイーグルのみがこの戦いに参加することになったらしい。
天堂竜は、15番目のスーパー戦隊、鳥人戦隊ジェットマンにおいて、レッドホークとして次元戦団バイラムと戦った男だ。因みに、この鳥人戦隊ジェットマンは、かなり異色な戦隊であると言われ、ゴーカイジャーの鎧曰く謎の多い戦隊であるのだとか。かなり変わった人達で組まれた戦隊であり、付いたあだ名が戦うトレンディドラマという戦隊である。今回、渡の要請を受けた竜であるが、正直今回あまり戦いに出たくなかったという事が本音であった。以前レンジャーキーをゴーカイジャー、正確に言えば鎧に貸した際に、彼からどうして自分たちの所に来なかったのか、そしてどうして来なかったというのに大いなる力が渡されたのかについて話を聞いていた。その時、彼は知ったのだ。仲間であり、恋敵の悪友でもある男の思いを。だから、彼はそれ以降、後輩たちのサポートをすることはあっても積極的に前線に出るようなことはなかった。しかし今回の戦いには、自分たちの地球だけでなく、他にも多くの地球の滅亡の危機、自分達で守ったあの青い空が奪われる危機が訪れると聞けば、黙っていられるほど腑抜けてはいなかった。それに、プリキュアの中には妊婦もいるという話も聞く。彼自身、一人の子供を持つ父親である。子供がいることの嬉しさや、成長していく姿を見る嬉しさを知っている。だから彼は他の四人には内緒にして、戦場に赴いたのだった。なお、彼の子供は男の子である。そして、その名前は……。
「とにかく、下に降りよう。敵も倒して、空は安全なはずだ」
「はい!」
その言葉を受けて、四人は大人のことはと合流しながら地面へと降り立った。そして、みらいはその地面の状況に驚愕する。
「って、なんか人増えてる!!」
「本当、なんか……え?あれって……」
気がつかない間に膨大な数にまで膨れ上がった人口密度に驚愕しながらも、彼女たちは見つける。彼女達が見知って、そしてその所在を心配していた少女達を。
「いちかちゃん!」
「あっ、みらいさん!」
「よかった……彼女たちは無事だったのね……」
「うん、本当によかった……」
以前、第一回プリキュア特別会議の際にありすが紹介していた宇佐美いちか、剣城あきら、立神あおい、キラ星シエル、有栖川ひまり、琴爪ゆかりの六人がそこにはいた。……もう一組と一緒に。
「って増殖してる!?」
「え?なんで?」
「あぁ、じつはこっちの私たちは……」
「初めまして!私たちは、この世界のキラキラプリキュアアラモードです!」
「え?」
そう、実は彼女たちはこの世界の方のいちか達である。あれは今から数週間ほど前の事。彼女達が経営するキラパティの目の前にいきなり灰色のオーロラが現れたと思ったら、突然自分と同じ顔を持った少女たちが現れたのだ。ちょっとは驚いた物の、その後彼女たちの性格がいい方に作用して、一瞬のうちに打ち解けることができた。その後は交互にそれぞれの家に帰ったり、キラパティのキッチンに立ったり、一緒に敵と戦ったりして日常を過ごしていたそうだ。
「実は、近々こっちの世界にいる他のプリキュアの皆に会いに行こうと思っていたところだったんだ」
「え?」
「こっちでも他のプリキュアの人達の活躍は雑誌やテレビでやってるから」
「どこにいるのか分からなかったけど、向こうの私たちに他のプリキュアの人達がいる街の名前を教えてもらってね」
「そうだったんだ……」
(ということは、もしかしてこの世界が……って可能性も無きにしも非ずってことね)
「でもよかった、あなたたちまで遠藤止に……」
「遠藤止?」
「あぁ、こっちの話こっちの……」
彼女達視点での、子供の現役のプリキュアの全てが遠藤止の毒牙にかかってしまった。そう考えていたみらいたちにとって、いちかたちが無事だったという事実はとても嬉しい物だった。そして、彼女たちの存在は、彼女たちの世界において一つの大きな希望となった。もしも遠藤止を倒して、この事件を終わらせたとしても、助け出した少女たちがまた戦ってくれるとは限らない。戦ってくれても、ASD(急性ストレス障害)やPTSD(心的外傷後ストレス障害)によって満足に戦うことができない。下手をすると日常生活にすら影響が出てしまうかもしれない。そんな少女達をこれ以上戦わせたくなかった。だから、一般論での無事なプリキュアがいるという事実が、彼女たちの希望となることは必然であったのだ。
「あれ?でもそれじゃ、貴方は……」
「え?」
そう、みらいが気になったこと、それは一人だけ見覚えのない少女がいるという事実だった。ちっちゃなお団子ヘアを片方に付けている桃色の髪の少女。プリキュアで言えばピンクチームに属するであろう少女だが、誰一人として彼女に見覚えがない。そもそも、プリキュアであるのかどうかも謎である。果たして、彼女は何者なのか。
「私は……」
彼女は、自分の名前を言おうとした。だが、その言葉は晴人によって遮られる。
「そんな事よりも、この子がやばい!」
「なのはちゃん!」
その晴人の言葉に、ピンク髪の少女と、キラパティの面々が歩みよった。なのはの身体からは紫色の光があふれ出し、今にも爆発するのではないかと思えるほどだ。
「このままじゃ、ファントムを産む……」
「ファントム?」
「人間は絶望すると心のなかにファントムと呼ばれる怪物が生まれる。そのファントムが体の外に出ようとしている。あそこにいるファントムのような怪物がな」
「あれと同じような怪物が……」
「そして、ファントムが現実世界に出ればゲート……そのファントムを産んだ人間は死んでしまう……」
「そんな……」
このままだと、少女が死んでしまう。そう聞かされて平常心を保ってられるような無慈悲な人間はそこにはいなかった。魁は言う。
「何とかならないのかよ!」
「二つだけ、方法がある……一つが、彼女のアンダーワールド、つまり精神世界に入ってファントムを倒す」
「だったら!」
「だが……それをするとその人間の魔力は失われる。……そして、彼女にとっての希望とは魔法……魔法少女である彼女からファントムを取り除こうとしたら、彼女の希望は失われる。ファントムは産まれなくなるが……それが彼女の救いになるか……」
「この子も、魔法少女?」
「でも、ソウルジェムは見当たらないけど……」
≪Perhaps it's the magic of another system(恐らく別系統の魔法なのでしょう)≫
「え!?なに今の声!?」
≪Haruto, tell me one more way. It's the only way to save the master(晴人、もう一つの方法を教えてください。マスターを救うにはそれしかありません)≫
レイジングハートは自身の声によって驚く面々を無視して話を進める。そうしなければ時間がない、そう感じていたからだ。晴人は、その言葉を受けて少しだけ考えてから言う。
「……彼女が助かるにはもう一つだけ……彼女自身がファントムを抑え込むことだ」
「ファントムを、抑え込む?」
「そんなことができるの?」
「あぁ、現に俺はファントムを抑え込むことができた。だからこうして……」
「でも、ファントムを抑え込むなんてどうしたら……」
「ファントムとはつまり絶望……絶望を抑え込むほどの心があれば……」
「そんな事不可能だ!」
「ッ!」
その言葉に、ケツァルコアトルがそう叫んで、さらに言う。
「たった一人で絶望を抑え込むことのできる人間などいない!」
「そうだ。だからこそ、俺たちがいる」
「貴様たちに何ができる?その少女の事を何も知らないお前たちが?」
「クッ!」
悔しいがファントムの言う通りだ。自分たちは高町なのはという少女の事をほとんど知らない。唯一分かることと言ったら、彼女が魔法少女らしいという事。そして、魔法が希望であるという事ぐらいだ。そんな人間たちがと矢かく言ったところで、彼女が絶望を押さえられるとは思えなかった。
「いや、知っていたとしても人一人の絶望を無理やり抑え込もうなどできはしない。あの女のように、高町なのはもファントムを産むのだ!」
「あの女?」
「そうだ。俺はこことは別の世界から来た。その世界ではお前たちのように邪魔をするような魔法使いはおらず、サバトによってすべての人間がファントムを産んで死んだ」
「……」
晴人は、その言葉に一瞬だけ頬が動く。ファントムは続ける。
「そして退屈になった俺は平行世界の橋を渡り、別の世界の人間をファントムにしようとした。まぁ、最初の世界で手痛い一撃を貰ったがな」
「手痛い一撃?」
「その女も魔法に触れたことのある女でな、使い魔を七匹も飼っていた。ファントムを産ますのは簡単なことだったよ。元々すべてに絶望した女だったんだからな」
魔法に触れたことのある女性……七匹の使い魔……絶望した女性……。このワードを聞いたその時であった。
―現在 ハルケギニア―
「まさか……」
忘れている者もいるかもしれないが、元々このプリキュアの世界での話は全て過去の物。それを未来の士たちが改めてミラクルライトを通してみているのだ。そのファントムがまるで武勇伝かのように語ったその話に、その場にいた麻帆良学園の面々の顔が曇った。その様子を見て、ルイズが不思議そうに聞いた。
「どうしたのよ?」
「……あのファントムの語った女性……もしかしたら私たちは知っているかもしれません」
「え?」
「ううん、知ってるなんてだけじゃ片づけられないよ」
「はい、その人は私たちの……」
「大事な友達、クラスメイトです」
「そんな……まさかあの子なのか?」
「……」
―???の世界―
「そう、俺がその女に出くわしたその時、女は全てを失っていた。人生、友、家族、そして未来を。そんな女を絶望させるなど簡単なことだったよ。だが、何故かその女は完全に自分の心を失わなくてな、痛いしっぺ返しを喰らった挙句、その世界から逃げ、俺はこの世界に来た。確か、ちうと言っていたか?あの使い魔共にも手を焼いたものだ」
間違いなかった。あの怪人がファントムにした人間、それは麻帆良学園元3-Aだった長谷川千雨、厳密にいえば未来の千雨だ。自分たちが戦い、そして倒すことになってしまったあの千雨。彼女を絶望させ、ファントムにしたのがこのファントムだったのだ。このファントムのせいで、千雨が怪物にされてしまった。その事を知った麻帆良学園、そして士たちは怒りを覚えたのは間違いない。
「そうか、すでに一人ファントムに……」
「そうだ。お前の手の届かないところで、今もどこかで誰かが絶望し、ファントムとなっているのだ。操真晴人、お前の希望など無駄なこと」
それは、いわば正論。自分の知らないところで誰かが生きている。誰かが立ち上がれないでいる。誰かが絶望している。前に進めない人間がいる。目の前にいる人間しか救えないのが人間なのだ。それですべての人間を救える気になっている物はただの偽善者なのだ。だから、彼は違う。
「……それは違う」
「何?」
「確かに……俺はたった一人の女の子も救えない。たくさんの人間を救ってきたけど、一番近くにいた女の子すらも救えなかった。だが、救えない命があるように、救える命、希望だってたくさんある。だから、俺はその希望を守るために戦う。当たり前のように絶望がこの世界にあるように、当たり前にある希望を守り続けるために」
その時、晴人はある女の子の事を思い出していた。それは、絶望しかけた自分の心を救った女の子。自分が魔法使いになったきっかけを作った女の子。しかし、その少女はもういない。彼女を救うことができなかったどころか、敵として戦った。だが、彼女は今も自分の心の中で生き続けている。彼が生き続けている限り、その少女の心はいまも彼の中に居続けるのである。
「俺もかつて……悪の道に落ちた友人を助けることができなかった。だからこそ俺も、俺の仲間も同じ悲劇を繰り返さないために今も戦っている」
天宮勇介もまた、悪の道に落ちた友人二人を助けることができなかった。必死に取り戻そうと努力した。救えるのだったら救いたかった。だが、結局助けることができなかったのだ。それから年月が経ち、いくら季節が回ろうとも彼らはその友人たちの事を忘れてはいない。そして、また同じ悲劇が起こらないようにと彼も、彼の仲間達も今でももがいているのだ。自分たちの悲劇を繰り返さないために、それを友人たちもまた望んでいると信じて。
「俺だって、仲間が死んでいくときに見ていることしかできなかった。ただ叫んで……アツシの名前を叫ぶことしかできなかった。だが、アツシの思いを無駄にしないために……アツシに託された思いと一緒に俺たちも戦っている」
動物戦隊ゴーバスターズには、もう一人の仲間がいた。グリーンヒポポタマスであった道明寺アツシだ。ヒロムにとっては恋敵として仲間割れしたこともあった。一時はゴーバスターズ解散の危機に陥ったこともあった。しかし、それでも互いを信頼して共に、最後まで戦い抜くはずであった。しかし、アツシは敵の攻撃に倒れ、自分達の目の前で死んでいった。その傷は決して小さなものではなく、精神的支柱だった彼が抜けたことによってそれからの戦いでピンチに陥ることが少なくなかった。だが、それでも彼らは戦い続けた。それは、誰もが知っていること。最後まで、彼らはアツシの思いと一緒に戦い抜いたのだ。
「確かに守れなかった人たちがいるかもしれない。取り返しのつかないことをしてしまって、それを取り戻そうとしてもその人たちの命が戻るわけじゃない。でも、だからって何もしないでいいわけがない」
「人は確かに死ぬ。だが、それでその誰かの思いも死ぬわけじゃない。例え肉体が死んだとしても、心は誰かの事を思い生き続ける。そして……俺たちを守り続けてくれる」
「例え不可能と言われようとも、偽善だと言われようとしても、何もせずに終わって言い訳はない!」
思いは連鎖する。例え、どこかで途切れようとしても、誰かがその思いを受け継ぐ。例え肉体が滅びようとも、心は、魂は、思いは永遠に多くの人間たちの中で回り続けるのだ。
なのはは思う。自分は確かに友達の母親を救えなかったのかもしれない。親友の大事な人を救えなかったのかもしれない。だが、自分はそれを仕方がないと思ったか。本当に、何も救うことができなかったのか。違う。悔しかった。例え犯罪者であったとしても、そうするしかなかったとしても、心の中から本当に悔しかったのだ。だから、もう同じことを繰り返すまいと努力した。本格的に魔導師として戦うことになる以前から魔力を上手く扱えるように訓練をした。もう、誰も悲しませることがないように。だが、思えば自分は焦ってばかりだった。人生も、努力の方向性も。少しくらいの休息を入れなければ、人は壊れてしまうとこの前の事件でようやく分かった。焦っていたのだ。もしも自分がさぼっている間に、誰かが泣いていたらどうしよう。自分の力が足りないばかりに、また誰かを悲しませてしまったらどうしよう。そんな事ばかりを考えていたのだ。だが違う。自分には仲間が、友達がいるではないか。一緒に戦ってくれる友達が、志を一緒にして自分の理想を形にしてくれる友達が。それもまたいばらの道なのかもしれない。何年かかるのか分からない。けど、いつかは絶対にその目標にたどり着ける。そう信じているからこそ、自分は今戦えるのではないか。確かに自分が救えなかった人達。でも、その人たちは自分に目標を作ってくれた。いつか絶対に叶えるべき理想を形作ってくれた。どれだけ大きくても、いつかは届く。たくさんの努力をして、友達の力も借りて、でも少し位休んで、高町なのはは一人の大人に成長していくのだ。けど……。
「でも……すずかちゃんやアリサちゃんは……?」
「え?」
「私、すずかちゃんやアリサちゃんを置いてけぼりにしようとしている。親友なのに……フェイトちゃんやユーノ君よりずっと前からの親友なのに……私……」
自分の理想に加われない友達はどうなるのだろう。これから、自分は拠点を地球ではなくミッドチルダという魔導師の本拠地のような所へと移していくだろう。いずれ離ればなれになる運命なのだから、それが少しだけ早まるだけだ。そう考える人間もいるだろうが、それは違う。そう考えることのできる人間は、学校生活が嫌で嫌でしょうがないような人間だ。だからそう考えることができるのだ。しかし、自分が通っている学校は何の不満もないできた学校だ。クラスメイト達も、先生もいい人ばかりだ。元々、そんな人ばかりの自分の住む町を守りたいと願って、自分は魔法使いになったのだから。ここ最近は魔導師としての仕事に追われ続けてあまり学校には行けていないが、それでも暇を見つけては学校に行こうとする努力はしている。何故なら、そこに行けばすずかとアリサに会えるのだから。だが、普通の人間の高町なのはにとって二人は親友だが、魔法使いである高町なのはにとっての二人は何になるのだろうか。単なるパーツであるのだろうか。だから、自分の理想のために切り捨ててしまうのだろうか。そんなことはしたくない。けど、自分の理想を叶えるためには二人を切り捨てなければならない。これが、いわゆる板挟みである。人間高町なのはと、魔導師高町なのはとの間で起こる最上級の問題であった。
「私だって……アリサちゃん達とずっとずっと友達でいたい。ずっと一緒にいたい……でも、私のしたい事のためには……二人から離れなくちゃならなくて……子供としての私は今しかないのに……二人と一緒にいる時間がどんどんと無くなって……私、二人と親友のままでいいのかな?」
もう自分は小学6年生である。これから自分は小学校を卒業して、義務教育だからと中学校に在籍することになって、でもやっぱり魔導師の仕事を優先するだろうから幽霊生徒のようなものになってほとんど学校に行かなくて、それで義務教育が終わったら高校にも大学にも行かずにすぐにミッドチルダに行くことになる。もう、自分が二人と親友でいられる時間は限られてしまっている。高町なのはは、その事実にうっすらと気がついていた。しかし、それに見向きしないようにしていたのだ。それを考えると、二度と飛べないような気がして。二度と二人と逢うことができないような気がして。高町なのはは何も考えずに飛んでいたのだった。
断片的ではあるが、彼女の悩みを聞けた彼彼女達。その言葉を聞いて言葉をかけようと我先にと口を開こうとしたその時だった。一人の女の子がなのはの身体を抱いたのである。
「ぁ……」
「……」
名も知らず、どこの誰かも分からないお団子頭の女の子だ。彼女はなのはの身体を抱きしめながら、翼で包み込むかのように言う。
「離れても……友達なんだよ?」
「え?」
「……私も悩んだことがあったなぁ……小学校の卒業式の日にね。友達や幼馴染……それと恩人?の人とも別れなくちゃならなくなって……その中には、二度と会えないかもって人もいた……。だから、卒業式にでるのを嫌がって……私たちがバイトをしているお店が雑貨屋さんだったころに立てこもったことがあった」
「……」
「あの時は、本当に嫌だった……離ればなれになるのが辛くて。でも、みんなが説得してくれた。クラスメイトや先生たち、皆が私の事を呼んでくれて、私は……一番最悪な道を選ばずに済んだ。そして気がついた。離れていても、私たちは友達なんだって」
もしも、あの時卒業式に出なかったら。それこそ、一番最悪な道だったのだろうなと、彼女は思う。クラスメイトたちはそんな自分を引き留めてくれた。元来、彼女はプレッシャーや嫌なことが嫌いな人間だった。だから、もしもそのような場面に出くわしたら逃げ出す人間であった。その集大成が卒業式のボイコット。そして、6年間彼女が学校中に与え続けていたその友情の種が花開いた瞬間、それもまたボイコット事件だった。卒業式を一時中断してまで駆けつけて、自分の事を説得してくれた友達の顔は、名前は、いつまでも忘れることはない大切な人達の思い出。
「それから四年たって、ようやく一番仲のよかった友達皆で集まれて、皆でまたあのお店でバイトをして……多分、あの時後悔をしなかったからそうできたんだと思う。なのはちゃん。後悔するって自分で思うんだったら、絶対に後悔しない方を選ぶべきだと思う」
「後悔……」
「……ねぇなのはちゃん。そのお友達って、魔法があったから出会えたの?」
「え?」
「どうなの?なのはちゃん」
「……」
違う。二人は魔法とは関係なく出会えた大切な友達だ。確かに、フェイトやはやてやユーノと言った面々はもしもじぶんが魔法に出会えていなかったら友達どころか、合う事すらもなかった。しかし、アリサやすずかは違う。なのはは思い出す。二人と初めてともだちになれた日の事を。確かあの時は、アリサがすずかのカチューシャを取って嫌がらせをしていた時、自分がそれを止めに入って大事な物を取られた人はもっと痛いと言って……。大事な物。
「違う。私は、魔法がなくても友達を作れた……魔法がなくてもアリサちゃんやすずかちゃんと友達になれて、お兄ちゃんやお姉ちゃん……お父さん、お母さんと一緒に暮らせて……そう魔法は確かに私の世界を広げてくれたけど……本当に大切な物は……もっと大きな物だった」
「本当に大切だって思う物は、自分じゃ気がつかないような場所にある。それを友達から教えてもらって初めて気がつくときがあるんだよ」
「魔法がなくても、私は生きることができる……」
「自分自身の力で、例え大きな壁にぶつかったとしても、それを乗り越えることができる。それが、人の持つかけがえのない力だから」
「友達は替えが効かない……失うと取り戻すこともできないし、それ抜きで生きても心の中にぽっかりと穴が開くだけ……」
「失ったら二度と取り戻すことができない。その時の悲しみを抱えて生きて行かなくちゃならない。だから、思い出は大切なんだよ」
「友達との大切な思い出、私はそれを作るチャンスがあったのにそれを逃そうとしていた。小学生の時の、思い出だけで充分だと思っていた」
「でもまだ間にあう。なのはちゃんの友達は、思い出の中の人間じゃないから。まだたくさんの思い出を作るチャンスがある」
「私には魔法しかないから、時空管理局の仕事しかないって思ってた。当たり前だよ。私はまだ何も知らないんだから……この世界の事も、仕事も、夢を追う楽しさも、何も知らなかったから」
「自分の将来を決める時間はまだあるんだから。もっとよく考えてみようよ。私なんかができたことなんだから、きっとなのはちゃんもできるはずだよ」
「私、希望を絶望に変えられたんじゃない。気がついていなかっただけ……」
「なのはちゃんが持つ」
「私が持つ」
「「友達っていう本当の希望に……」」
二人の少女が同時にその言葉を放った瞬間であった。なのはの身体に現れたヒビが塞がり、なのはの皮膚が再生していく。そのうち、なのはの身体に現れていた紫色の光も消失し、完全にその痕跡もなくなってしまった。
「はぁ、はぁ、はぁ……」
「馬鹿な!ファントムを押さえ込んだと言うのか!」
「なるほど、彼女にとって魔法は確かに希望だった。だが、それ以上の希望があった……それを思い出したのか」
晴人は今目の前で起こった事象に関してそう推理をした。人のもつ希望は一つではない。いや、正確に言うとほとんどの人間は気がついていないだけなのだ。自分が持っている本当の希望に。自分が希望であると思っているソレの向こう側にある真の希望にまでたどり着いていないだけなのだ。確かになのはにとって、魔法は自分の人生を大きく代え、人生において初めてと言ってもいい目標を与えてくれたものだった。しかし、彼女は忘れていた。もっと前から自分の人生を代えてくれた存在がいたことを。彼女は気がついていなかった。自分が守ってきたからこそ取り戻すことのできない大切な友達がいたことを。その事に気がついたとき、魔法は彼女に絶望を与えるための道具にはできなかった。例え魔法がなくても、例えソレで自分の夢が潰えたとしても、それでも本当に守りたかった友達や、家族は残ってくれるのだから。魔法を手に入れるその前から自分自身の手で勝ち取った人達への思いがあるかぎり、高町なのはは絶望しない。希望を忘れたりしない。もう二度と、大切な人たちを悲しませるようなことはしない。だから高町なのはは打ち勝ったのだ。自分自身の中にいるファントムと言う強大な敵に。
「大丈夫?なのはちゃん」
「うん……でも、少し疲れちゃった……このまま、眠ってもいいかな?」
「大丈夫……私がちゃんと翠屋まで送るから」
「ありがとう……どれみさん」
その言葉を最後にして、なのはの目は閉じられていく。元々運動神経が悪かったことに加えて、ここ最近は安静状態でいることが多くなっていたために体力が落ち込んでいたために疲れてしまったのだ。そもそも、彼女はまだ小学生。そんな年齢の子が自分の中にある希望と絶望との間で戦っていたのだ。疲れはててしまうのもしょうがないだろう。
「どれみ?」
「?どうしたのリコ?」
「え?いえ、ちょっと……」
子供のリコは、なのはが最後に放ったどれみということばが気になった。その名前、確かにどこかで聞いたことがある。なかなかない名前であるからして同じ名前の別人であると言う可能性はないだろうがしかし、いったいどこで聞いた名前だっただろうか。喉元まででかかっているのにそこから先が全然出てこないのである。いったいどこで……。
「おのれ!よくもお邪魔な真似をしてくれたものだ!」
「おじゃま?そうだ、確か教科書の……」
「あの日重症を負わせ絶望させる準備は整っていたと言うのに」
「重症を負わせた?まさか、なのはちゃんが怪我をした事故って……」
「あなたが仕組んだの……ひどい」
キラパティの面々がそう反応した。なのはと話をしていた際、数ヵ月前に事故によって生死をさ迷うような重症を負ったと言う話を聞いていた。もちろん魔法の事を抜きとしての話だ。その事故もすべてこのファントムの手のひらの上での出来事だった。なんとも腹立たしき事だ。
「大体お前はなんなのだ!」
「え?私?」
と、ファントムらどれみの事を指差す。
「そうだ!いきなりあらわれ、プリキュアでも仮面ライダーでもないような人間が、何故でしゃばってくると言うのだ!」
「……」
どれみは、自分に寄りかかるなのはのことをいちかに任せると、ゆっくりと立ち上がり、ファントムに背を向けながら言った。
「私は今までいろんな人達を見てきた……自分の夢に悩んでいる人。両親の離婚に悩んでいる人。自分の存在意義に悩んだ人とか、未来が見えなくて、立ち止まって、そしてそれを誰にも相談できない人も。それから、周囲と違うからって、それが自分の事を育ててくれた人でも怖くなって、本当は、心の底から尊敬して、好きだったのにそれを伝えられないまま後悔しちゃった人や、勘違いで、自分の悲しみを繰り返したくないからってやったことが、結局はたくさんの人たちを悲しませることになった人……。私は、今までたくさんの人たちを見てきた。皆、それぞれに悩みを持ってて、その答えは皆全然違ってて、自分だけじゃ答えを出し切れないで……」
どれみは、一度言葉を切ると面と向かってファントムの顔を見る。そして言う。
「そんな人達ばかりがいる世界……魔女にならずに、この世界にいることを決めたのが私だから。魔法に頼らずに生きていくって決めたから……。魔法に頼らなくても、救える人が沢山いる。だったら、救わないなんて道を選んだら、あの時魔女見習いだった私に怒られるじゃん」
「魔女見習い?……え、まさかあなた!」
「リコ?」
「魔法学校の歴史の授業と道徳の授業で聞いたの……あなた、おジャ魔女どれみさんね……」
「え?まぁ、魔女じゃなくて魔女見習いな訳なんですが……」
「やっぱり……え?てことはまさか……」
そのどれみの言葉に、リコは頭の中である仮説をたてた。だが、ソレはあまりにも証拠のないこと。いや、そういえば彼女たちは先程とある事を言っていた。もしもそうであるならば、自分達が知らなくてもなにもおかしくはない。
「ねぇ、どういうこと?貴方は一体何を知っているの」
この反応、恐らく未来の自分は知らないのだろう彼女のことを。事ここにおいてある懸念事項が決定的となった。それは、自分達と、大人の自分たちの未来が平行世界の関係にあるという事だ。元々、未来の自分たちが過去の自分達の経験した一連の出来事について知らなかったことからずっと考えていたことだ。という事は、自分達の未来において遠藤止という男が現れることも、門矢士が現れるという事もないのであろう。リコは、その場にいる者たちに向かってどれみを含め、魔女の事について説明しようとする。しかし、そのような時間を与えてくれるほどファントムは待ってくれないのだ。
「魔女見習いなどという物は知らんが、邪魔をしてくれた礼はさせてもらうぞ!」
「ショッカァァァァ!!」
「ギェーッ!」
ファントムだけではなく。みらいたちが上空で戦ったショッカーグリードたちもまた立ち上がり、ファントムの側へと付いた。それに加え、ケツァルコアトルはまたも多数のグールを出現させた。どうやら、彼女について悠長にしゃべっている時間はないらしい。
「どれみさん!なのはちゃんを連れてここから離れて!」
「え?」
「どれみさん、魔女でもないあなたじゃ戦えない……」
「ここは私たちが食い止めます!だから……なのはちゃんをお願いします!」
「……うん、分かった!」
どれみは、気絶しているなのはを背負うと、すぐにそこから駆け出そうとする。しかしその前に、何かに気がついたかのようにリコがみらいに言った。
「みらい、はーちゃん、もしかするとこの世界……私たちの元いた世界なのかもしれない」
「え……」
「どういうこと?」
「どれみさんは、魔法界でも有名な魔女見習いなの。そんなどれみさんがいるのなら、もしかしたら……」
「でも、よく似た平行世界ってことも……」
そう、それこそ自分たちの未来に自分達の世界との関係のような物なのかもしれない。確かに魔法界にはどれみの逸話が伝わっているのかもしれない。しかし、そのどれみが目の前のどれみである保証はないのだ。それに、もしもこの世界が自分たちの元いた世界であったのならば、どうして自分たちはいちかの事を知らないのだろうか。
「確かにそうかもしれない……でも、何か気がつかない?」
「え?」
「ほら、これよ」
「あっ……」
そういって、リコは自身の指にはまっている指輪を見せた。そして、その変化に気がついたみらいとことはもまた、自身の指輪を見る。その変化は誰の目に見ても明らかだった。リコ自身、そのことに気がついたのは先ほど空から落ちるときに晴人の手を掴んだその時の事だった。これが一体どういった意味をもたらすのか分からないがしかし、あの未来の世界にいた時では変わることのなかったその変化が起きているのだから、何かがこの世界にあるのではないかと考えてもいいのではないだろうか。
「それに、この世界のいちか達も自分たちの他にもプリキュアがいるって言ってるじゃない。いちか達が合いに来ていないのだったら、私達だって知っているわけない……」
「そっか……それじゃ……」
今この戦場を抜け出せば、家に帰ることができるのではないか。友達に会うことができるのではないか。そのような考えが一瞬だけみらいの頭をよぎった。彼女だってまだ中学生の子供である。親や友達が恋しくなる。それも、もしかしたら二度と逢うことができないかもしれないと一瞬でも思ったことがあるのだから、そのように考えてしまうのも理解できるかもしれない。しかし……。
「でも、たとえプリキュアじゃなかったとしても、私の心はプリキュアだから……」
そのような自己中心的な考えを持っている物がプリキュアにいるはずもなかった。みらいは、淡いピンク色の光を放っている指輪を見て言う。
「確かにこの世界には私の家族がいるのかもしれない。でも、未来の私達にも家族がいる……だったら、その笑顔も守らなくちゃ」
確か、未来の自分は言っていた。父も、母も、祖母もみんな生きて元気に暮らしているのだと。それから、少し前に母が養子にしたという義理の妹もいるらしい。そんな人達の笑顔を無視して、自分だけが幸せになどなっても仕方がない。みらいの決意は思っていた以上に大きかった。
「そうね、そうだったわね。聞くまでもなかったか」
「行こう、皆!」
「いちかちゃん達もいいの?」
「はい!皆で一緒に戦って、敵を倒して、そしてみんなで一緒に帰ってきます」
「どれみさん、そう言う事だから家族へのいいわけはお願いね」
「え?あたしが!?」
「なのはは気絶してるんだし、もともとMAHO堂にいくって事でみんな家の人達に行ってきてるんだから、貴方しかいないじゃない?」
「ガーン……やっぱり私って、世界一不幸な美少女かも~」
と思わぬところで謎の重責を担ってしまったどれみ。だが、彼女はまだ知らなかった。ある意味で世界一不幸な美少女(魔法少女)と巷でよく言われている女の子がこの世界にはいるという事を。だが、この話には一応出てこないのでここは割愛しておく。
「よしっ、お前たち……準備は良いか!」
「あぁ!」
「はい!」
「やりましょう!飛羽さん!」
「ニック、別世界のお前のデータを移して初めての戦闘だな、行けるか?」
「おうっ!……っていっても、俺は基本的に戦えないから後ろに下がってるしかねぇんだが、頑張れよ!ヒロム!」
「あぁ、生きとし生きるものすべてを守るため!お前たちには負けない!」
「さぁて、ちょっと運動して体温を上げるとしますか!」
「ダイエットにも効果的だしね」
「俺の「俺の実力、とくとみるんだな」いちいちかぶんな!」
「俺は森の番人。この森を荒らす者は何人たりとも許さん」
「よぅし、行こうぜ姉ちゃん!母さん!」
「うん、今日はスーパーで卵が特売セール中だから、ささっと終わらせて買い物に行かなくちゃ」
「そうね、私も久しぶりに孫の顔を見てこようかしら」
「誰かが魔法を希望にしてくれている。なら、その希望でたくさんの人たちの希望を守って見せる」
「行くよリコ!はーちゃん!」
「えぇ、プリキュアの魔法をスーパー戦隊や仮面ライダーにも見せとかないといけない者ね」
「行くモフ!」
「あれ?そういえば過去のモフルンはいないの?」
「え?あ、そういえば私たちのモフルンがいない……」
「もしかしてこっちの世界に来ていないってこと?」
「かもしれない……二人はプリキュアになれないからいなくても大丈夫だけど……」
「それじゃ、ファントムたちを倒して一緒に探しに行きましょう!」
「みんな、行くよ!」
飛羽はブレスレットを、天宮はツインブレスを、天堂はクロスチェンジャーを、ヤマトはジュウオウチェンジャーを、ヒロム、リュウジ、ヨーコはモーフィンブレスを、陣、Jはモーフィンブラスターを、晴人はウィザードリングを、魁と芳香はマージフォンを、深雪はシルバーマージフォンを、大人のみらいとリコはモフルンを、大人のことははリンクルスマホンを、子供のみらい、リコ、ことははソウルジェムを、二組のいちか、ひまり、あおい、ゆかり、あきら、シエルはスイーツパクトを持って(?)並び立つ。そして……。
「バル!イーグル!」
「レッド!ファルコン!」
「クロス!チェンジャー!!」
≪イーグル!≫
「本能覚醒!」
≪アーアーアァァーーーー≫
「「「「「アニマルチェンジ!!」」」」」
「「「天空聖者よ、我らに魔法の力を!魔法変身!マージ・マジ・マジーロ!」」」
≪マージ!マジ!マジーロ!≫
≪ドライバーオン!プリーズ!≫
≪シャバドゥビタッチヘンシ~ン!シャバドゥビタッチヘンシ~ン!≫
「変身!」
≪フレイム!プリーズ!≫
≪ヒー!ヒー!ヒーヒーヒー!!≫
「「「「キュアップ・ラパパ!ダイヤ!」」」」
「「「「ミラクル・マジカル・ジュエリーレ!」」」」
「「キュアップ・ラパパ!エメラルド!」」
「「フェリーチェ・ファンファン・フラワーレ!」」
「「「「「「「「「「「「キュアラモード・デコレーション!」」」」」」」」」」」」
「「ショートケーキ!」」
「「プリン!」」
「「アイス!」」
「「マカロン!」」
「「チョコレート!」」
「「パフェ!」」
「「元気と!笑顔を!」」
「「知性と!勇気を!」」
「「自由と!情熱を!」」
「「美しさと!トキメキを!」」
「「強さと!愛を!」」
「「夢と!希望を!」」
「「「「「「「「「「「「レッツ・ラ・まぜまぜ!」」」」」」」」」」」」
「久しぶりだねどれみ……と言っても、君は僕の事を知らないだろうし君も僕の事を見えないだろうけど。それにしても、暁美ほむらに続いて僕の知らない魔法少女に、それに彼女たち以外のプリキュア……そして高町なのは、魔導師か……いい逸材のようだね……あの子たちも魔法少女になってくれれば……」
≪No way, you were in this world……(まさか、あなたがこちらの世界に来ていたなんて……)≫
「やぁ、君はレイジングハートだね?」
≪Do not remember? (覚えていないのですか?)≫
「覚えていない?何の話か分からないな……」
≪No way…… listen. The Al hazard that gave you the mission is already……(そんなまさか……聞いてください。貴方に使命を授けたアルハザードはもう……)≫
「使命?何のことを言ってるんだい君は?僕のやることは何も変わらないよ。何百万年もね……」
≪Indeed, has it been remodeled to someone……Yes, I'm so sad(なるほど、何者かに改造されてしまったのですか……可哀そうに……)≫
「君も僕を憐れむかい?つぼみやのぞみのように」
≪……≫
「……また頭の中がもやもやしてきたよ。戦闘も激しくなってきたし、さよなら。レイジングハート」
≪See you again. Quest(また会いましょうクエスト)≫
感想欄でのネタバレ禁止です。どれみさんやなのはちゃんはともかくとして、それを統合してあの世界の話かというのは、たぶん気がつかれてるかたが多いと思いますが、もう少し隠したいことであるのでネタバレはしないようにお願いします。
次回→殿様