※敵の重複があったため一部変更
ここは、地球とは全く違う別の惑星。未開の惑星であり、生き物などは当然住んでいなかった。ついこの間までは。ある日、地球から異形の生物と森、そして二人の男女が現れ、その星に住み着いたのだ。しかし、生き物が住んでいないという事が幸運だった。おかげで原住民との対立もなく、ここに移り住んだ生き物たちだけでなく他にも多種多様な生物が生まれた。荒れ果てていた荒野も緑いっぱいの豊かな地域となり、透き通った水で満たされた湖もあった。まさに理想郷。天国であると言っても過言ではないほどに綺麗な土地があった。
そして、彼はまたブラブラと見回りをしている。住み着いた者たちで喧嘩はしていないか、何者かが侵略に来ていないか。以前にもこの惑星に侵略者の間の手が迫った時があった。その時は、その惑星だけでなく男の故郷である惑星にまで侵略者が襲来する要因まで自分が作ってしまい、仲間や後輩と共に何とか退けることができた物の、それ以来時たまの見回りは欠かさなかった。しかし、彼にとって見回りという物は不必要なことなのかもしれない。何故なら、彼はそんなことをしなくともその惑星に何が来たのか、何がいるのか、何が生まれたのか、全てわかるのだから。そう、何故ならば彼は……。
「ん?」
その時だ、男は感じ取った。この星に来たいくつかの命を。
「うわぁ!」
「クッ!」
「ぎゃッ!!」
「フッ!」
6人の男女と一体のロボットは、それぞれに着地をしたり、頭からスライディングしたり、格好良く降り立ったりしながらその星の大地に立った。
「檀黎斗……一体何をした?」
「分からない、だがさっきとはまるで場所が違っているのは確かだ」
と、飛彩とナーガは冷静に分析を始める。恐らくだが、あの檀黎斗が何かをしでかしたのは容易に想像できる。周りの様子が先ほどと全然違うのだ。どこかに飛ばされてきてしまったのだろうが、一体自分たちはどこに来たというのだろう。
「ここ……どこかしら?」
「見慣れない場所だけれど……」
「でも、綺麗な場所……地球じゃない事は確かね」
せつなが、天高くに浮かんでいる島を見ながらそう言った。他に飛ばされてきたのは桃園ラブを始めとした山吹祈里以外のフレッシュプリキュアの三人、そしてバランスとパラドだけの様子。他の面々の姿は見えない。
「ラッキーたちは、はぐれちゃったみたいだね!」
「永夢もいないか……ん?」
その時だ、パラドたちの目に止まったのは仮面ライダー鎧武、仮面ライダー龍玄、仮面ライダーバロン、仮面ライダー斬月、仮面ライダーヂューク、仮面ライダーブレイブ、仮面ライダーパラド、ジャッカー電撃隊の五人、未来戦隊タイムレンジャーの五人、爆竜戦隊アバレンジャーの六人。そして……。
「イソギンチャック!」
「蜘蛛男!」
「コブラ男!」
「ショッカーの怪人もいるのか!」
懇切丁寧に自己紹介をしてくれたショッカーが生み出した改造人間たち、そしてショッカー戦闘員の数々。皆それぞれ仮面ライダー一号や二号に一度倒された者たち、しかしそれでも凶悪な敵であることには変わりはない。
「面白い!心が躍るなッ!」
「行こう、皆!」
「えぇ!」
そのラブの言葉を皮切りに、彼彼女たちは走り出し、それぞれ敵との戦いが始まった。
「はぁッ!ハッ!!」
ラブは、ショッカー戦闘員に囲まれながらも前蹴り、そしてバックスピンキックによって次々と蹴散らしていく。その動きを見るに、どうやら懸念していた足のケガも完治しており、後遺症などという物もなく、闘うには問題はないようだ。恐らく、PC細胞の力がちゃんと働きだしたのだろう。師と、仲間と、そして友達と再会したことによって、ラブの心が安定した結果であろう。
「ッ!」
その時、仮面ライダーバロンがショッカー戦闘員の間をかき分けて迫る。ラブは、バロンのバナナスピアによる突きを寸での所で横に避けると、そのままその腕を右脇で挟むようにがっちりと固定した。
「ッ!ハァ!!」
そしてラブは、バロンの身体を一端持ち上げ浮かび上がらせ、勢いよく地面にたたきつけた。その瞬間、バロンの身体は光に包まれ、一枚のカードへと変化した。
「ハァァァ!!ハァッ!」
美希は、敵目掛けて走りながら回転し、敵の頭に回し蹴りを決める。それを隙であると考えたかさらにショッカー戦闘員は後ろから二人攻撃しようと刀を持った腕を振り上げるが、美希はそれに対して振り返りもせずに両拳を挙げてショッカー戦闘員の顔を殴る。それだけで十分であった。
「フフッ……私、完璧ってね。ッ!」
そう言った瞬間、何かを感じた美希は側転をしてその場から離れる。その瞬間である。タイムレッドのダブルベクターが先ほどまで彼女がいた場所の地面へと突き刺さったのは。
「残念、慢心なんてしないからこそ私は、完璧なのよ!」
美希は、そう言いながらダブルベクターの攻撃を、考えられる最小の動きで交わす。そして、その中でできた小さな隙を見逃さずにわき腹を、そして頭を蹴りこんでいく。さらに、その途中に攻撃を仕掛けてきたタイムブルーのツインベクターによる攻撃を受け止めると、そのまま一本背負いの要領でタイムレッドを巻き込んで投げ飛ばした。その瞬間、タイムレッド、タイムブルーは二つのレンジャーキーとなってその場に落ちる。
「ッ!アカルン!!」
ジャッカー電撃隊のビッグワンを除く四人が、協力技であるジャッカーコバックによってせつなを倒そうと彼女を囲んだ。これは、四人それぞれのエネルギーを敵の体内に注入させて爆発させる技であるが、しかしせつなはエネルギーが送られる寸前でアカルンという、フレッシュプリキュアの四人それぞれが持っている意志を持っている変身アイテムを使用して瞬間移動をし、ジャッカー電撃隊の司令官であるビッグワンの目の前に転移した。ビッグワンは、突然目の前に現れたせつなに対して、武器であるビッグバトンを振って攻撃をしかける。だが、右に左にとよけるせつなにその攻撃が当たることはなかった。
「ハァッ!」
せつなはビッグワンのみぞおちに勢いよく拳をめり込ませると、そのままアッパーカットのようにビッグワンの顔を殴る。ビッグワンは吹き飛び、レンジャーキーへと姿を変えて地面に落ちた。
「ッ!」
「うお!か、身体が!?」
ナーガと対峙したコブラ男は、彼の瞳を見た瞬間にその身が動かなくなったことを知った。ナーガは、相手を睨むことでごくわずかの間だけだが人の動きを止めたり、また操ることができるのだ。まさに、蛇に睨まれたカエルのごとし。
「ナーガごいすー!!今のうちにやっちゃうよぉ!!」
「あぁ、分かっている」
ナーガとテンビンゴールドは、息の合った連携で動けないコブラ男を相手にも容赦なく攻撃を加えていく。彼らは元々キュウレンジャーが結成される以前からコンビを組んでいたこともあり、お互いの事をよく知っているのだ。そして最後に双方ともに裏拳でコブラ男の顔を殴ると、そのまま百八十度回転してポーズを決めて言った。
「僕たち怪盗BN団!」
気のせいだろうか、その時無表情であるはずのナーガが少しだけ笑ったのは。
「フッ、ハァ!」
飛彩は、二体のショッカー戦闘員の手首をつかみ攻撃を防ぎ、勢いよく手放して隙を見せた瞬間に張り手を撃つようにショッカー戦闘員を吹き飛ばす。
「ハァ!」
その流れで横から迫る戦闘員の顎に肘打ちを食らわせのけぞらせると、回し蹴りでノックアウトする。この一連の動きは、まさに完璧であると言っても過言ではない。
「ハァッ!!ッ!」
そして、パラドがかかと落としでタイムイエローを倒した瞬間であった。突然周囲を異形の者達に囲まれたのだ。その数は、この場にいるショッカー戦闘員たちの比ではない。
「囲まれた!」
「もうそろそろ変身しちゃう?」
「そうだな、バランス」
そう言いながらナーガが変身アイテムであるキュータマを取り出した瞬間であった。
『大丈夫だ。インベスは敵じゃない』
「ッ!誰!?」
声がした。しかしどこから聞こえたのかはよく分からないこもった声だ。一体、何者であろうか。その時である。空中から金色のエネルギー体と共に一人の金髪の男が降りてきた。鎧らしきものをその身に纏い、風でたなびくマントはまさしくヒーローのようだ。男は、着地するとラブ達の方を振り返りながら言う。
「渡には聞いていたが、まさかそっちから迎えが来るとはな」
「渡?という事は、お前は……」
「あぁ……」
男がナーガの言葉に肯定した瞬間、青白い光に包まれる。そしてそれが収まった瞬間に現れたのは、顔つきは同じであるが、雰囲気の全く変わった男。金髪だった髪は黒くなり、鎧も脱いで普通の服装へとなる。先ほどまでは完全に異国の人間であるという印象の方が強かった。しかし、その恰好になると紛れもなく日本人であったことが分かる。そして、男はさらに肯定した言葉をさらに強調するように言う。
「アーマード……いや、仮面ライダーだ」
「えっと、インベス?っていうのが敵じゃないって?」
「インベスは、もう人間を襲わない。俺がそう教えたからな」
「教えたって……あなた一体……」
「俺は葛葉紘汰……まぁ簡単に言えば……」
紘汰と名乗った男は、アバレンジャーの元に歩きながら言った。
「宇宙の神様……か?」
「神様?」
葛葉紘汰、またの名を仮面ライダー鎧武、そしてまたの名を始まりの男。沢芽市を拠点としてインベスと戦っていた仮面ライダーである。彼は、数多の出会い、そして別れ、多くの憎しみや悲しみが木霊する中で戦い抜き、訳あって神に等しき力を手に入れた男である。最後の戦いが終わった直後、地球にいたたくさんのインベスたち、そして一人の女性と一緒に別の惑星へと飛び去った彼は、時々は地球に来て仲間たちと、そして後輩となる仮面ライダーたちを助けていた。今回は、渡の要請も受け、準備を整えてからプリキュアの世界に赴く予定であったが、結果的に逆となってしまったようだ。
「ハァァッ!」
紘汰は、ある距離まで行くと走り出す。そして、アバレッドの少し前で飛びあがり、空中で一回転してアバレンジャー六人の中心へと降りると、そのままブレイクダンスの要領で足払いをする。無論そのような攻撃で戦隊を倒せるはずはないと紘汰は思っていたが、しかし意外なことに一人だけ倒すことができた。アバレピンクである。理由は察してもらいたい。アバレンジャーたちはすぐに起き上がると手持ちの武器を取り出して紘汰を攻撃する。
「フッ!と、オラッ!!」
紘汰は身体をのけぞらせてその攻撃を避けると、左手で身体を支えとして、アバレブラック以外の武器を持つ手を蹴る。そして起き上がるとすぐに回し蹴りでアバレブルー、アバレッドを倒す。しかし、その間に遠ざかっていたアバレブラックがダイノスラスターを地面に突きたて、巨大な火柱を立てるファイヤーインフェルノを放つ。
「ッ!フッ!!」
紘汰はそれに対してバク転を繰り返すことにより後ろへと退き、次々とあがる火柱を避ける。
「ハァッ!」
そして、攻撃が収まった時を見計らい、紘汰は腕をアバレブラックに向けると、地面から草が伸びアバレブラックを拘束する。
「はぁぁぁぁぁ!!!セイッハァァァァァ!!!!!!」
紘汰は、アバレブラックに向けて走り、そして飛びあがって雄たけびにも似た掛け声を上げながらアバレブラックの胸を蹴る。そして、瞬間に草の拘束が解かれ、アバレブラック、紘汰それぞれ逆方向へと跳ぶ。アバレブラックはそのまま湖の方にまで吹き飛ぶと、光を放ちながらレンジャーキーへと戻る。紘汰は、空中で一、二回回転してからラブ達のすぐそばに降り立つ。
「す、すごい……」
「なんて派手な動きを……」
「さすが神様……」
「いや、運動神経は神様になる前から元々だ。それより……」
見たところ、まだ戦隊も数名、ショッカーの怪人や戦闘員もまだまだ残っている。インベスの助けもあるが、どうせならもっと手早く倒した方がいいだろう。
「ここからはチーム医療だ。変身してショッカーという病巣をこの世界から切除する」
「あぁ、心が躍るな」
「僕たちも行くよ、ナーガ!」
「あぁ、分かっている」
「行こう美希たん、せつな」
「えぇ、負けられないわね。この闘い」
「当然!良いわね、神様!」
「あぁ!行くぞ、皆!ここからは俺たちのステージだ!!」
飛彩とパラドはゲーマドライバーとライダーガシャット、ガシャットギアデュアルを、ナーガとバランスはセイザブラスターとキュータマを、ラブと美希とせつなはピックルンとリンクルンを、そして葛葉紘汰は戦極ドライバーとオレンジロックシードを手に取って並び立った。そして……。
≪タドルクエスト≫
≪デュアルガシャット!≫
≪The strongest fist! What's the next stage?≫
≪テンビンキュータマ!≫
≪ヘビツカイキュータマ!≫
≪≪セイ・ザ・チェンジ!≫≫
「変身」
「マックス大変身!」
「「スターチェンジ!」」
「「「チェインジ・プリキュア!ビートアップ!!」」」
「変身!」
≪ガッシャット!≫
≪レッツゲーム!メッチャゲーム!ムッチャゲーム!ワッチャネーム!?≫
≪アイムアカメンライダー≫
≪ガッチャーン!≫
≪レベルアップ!≫
≪タドルメグル、タドルメグル、タドルクエスト!≫
≪ガッチャーン!≫
≪マザルアップ!≫
≪赤い拳強さ!青いパズル連鎖!赤と青の交差!パーフェクトノックアウト!≫
≪オレンジ!≫
≪ロックオン!≫
≪ソイヤッ!!≫
≪オレンジアームズ!花道、オンステージ!≫
フレッシュプリキュアと仮面ライダー鎧武、同じフルーツ、そしてダンスが出てくる作品同士です。因みに一人いないのは後々であるヒーローと会わせるためです。彼がこの惑星にいるのはおかしくなるからここでは出せなかった。あと、インベスが人間を襲わないというのは解釈の違いがあるのかもしれません。あと、キュウレンジャーを始めとした前回きた救援の戦隊と仮面ライダーは一部を除いて大雑把に分けています。
次回→あれ、この俳優さんとこのキャラって……と思ったため声優ネタ複数&救援少なめ(一戦隊&仮面ライダー一人登場)。ここからは、まじめなものと色々な所からネタを引っ張ってきた結果かなりおかしなことになった物とかが混在しております。