ー四葉財閥本社 プリキュア対策室 02:03 p.m.ー
薄暗い場所。そこに、士達は来ていた。
「では、これよりプリキュア特別会議を開始します」
「はい」
「まず、現在の状況について報告を、また知っている情報の共有を行います」
と、アリスが言うと初老の男性が資料を配る。ありすの執事で、セバスチャンというらしい。セバスチャンはそれを配り終えるとすぐさまありすの隣に来て、パワーポイントを入れ、ありすが報告を始める。
「現在、いちかさん達を含めて、世界中のプリキュアが行方不明となっております。私達四葉財閥も、その行方を追っていましたがしかし、今も消息は分かっておりません」
「質問いいか?」
と士が手を上げた。ありすは、それを見て顔色一つ変えずに聞く。
「何でしょう?」
「先頃からお前らが言っているいちかってのは何者だ?」
「あっ、それ私達も気になってた」
「話からすると、プリキュアみたいだけど……」
と、めぐみたちが言う。どうやら、彼女たちもいちかという少女の事を知らないようだ。ありすは、その言葉を待っていたようにセバスチャンにアイコントを行うと、セバスチャンはパソコンを操作する。すると、一枚の画像。六人の少女が映っているが、彼女たちが先ほどから話の出ているプリキュアだろうか。
「彼女たちが、真ん中の女の子が宇佐美いちかさんです。左から順番に、剣城あきらさん、キュアショコラ。立神あおい、キュラジェラート。キラ星シエルさん、キュアパルフェ。宇佐美いちかさん、キュアホイップ。有栖川ひまりさん、キュアカスタード。琴爪ゆかりさん、キュアマカロン。彼女達六人合わせて、キラキラプリキュアアラモードです」
「へぇ……」
「私たちの知らないプリキュアだわ……」
「はい、彼女たちは私たちが引退した後に日本で活動している一番新しいプリキュアの子たち。キラキラパティスリーというスイーツショップも経営しているのですよ」
「スイーツ!いま、スイーツって言いました!?」
「はい」
と、みらいを含めて子供陣営がわちゃわちゃしだす。やはり、激戦をくぐり抜ているとはいえ子供、しかも女子。甘い物には目がないようだ。
「はーちゃん!後で行ってみよう!」
「はー!」
「だから、今そのいちか達が行方不明になってるんでしょ!」
「あっ……そうだった」
という事実を突きつけられて意気消沈してしまう少女達。
「では、話を戻します。現在、わたくしたちが把握している中で、世界中に五十六組、百三一人が確認されています。それが現在、二十七組がいなくなり、特に日本人のプリキュアは全員がいなくなっております」
「そんなに……というか、そんなにプリキュアはいるのか」
「まぁね」
「覚えるのが大変そうだ」
「今のところ何人覚えたことか……ほのか、ゆり……」
と士は指を折って数えていくが、途中で匙を投げて話を続けるようにありすに言う。因みに、今のところ彼が出会ったプリキュアは、未来のほうで十二人、過去の方も合わせると十九人である。そこにキラキラプリキュアアラモードも含めて二十五人。すでに戦隊五組分だ。
「では、この件に関して、四葉財閥は世界中の支部、警察と連絡を密に行い、監視カメラの映像も送っていただきました。そして、私たちはある人物をマークしています」
そして、写真が変わる。それは、あの男遠藤止であった
「彼の名前は『遠藤止』、出生地は神奈川県。幼稚園、小学校、中学校、高校とごくごく普通の公立の学校に通っていて、当時の同級生の話によるとそれほど変わったところのないいたってまともな人間だったそうです」
「つまり、変わったことなんてない人間だったと?」
「はい、それが大学に入ったころから突然周りの人間との接触を断ち切って、彼もまた一年前から消息不明となっていました。しかし……」
セバスチャンがパワーポイントの画像を変える。どうやら監視カメラの映像のようだ。
「調べてみると、監視カメラに彼の姿が映っていました。続いて……」
そう言うと、また画面が切り替わる。これまた監視カメラの映像。しかし、どう見ても日本に思えない。外国だろうか。
「半年前にはパリ、五か月前にはアラスカ、三か月前には、ウィーン……ほか、色々なところで映っています」
確かに、いや待てウィーンの映像だけおかしくないだろうか。
「あの、なんでウィーンの映像だけモザイクがかかってるんですか?」
たしかに子供のゆうこの言う通りこれだけモザイクがかかって、そもそも本人の顔どころか、その全身像もぼやけている。夜道にいるのは分かるが……いや、他に誰かいるような気も……。
「これは……あなたたちに見せるべきものではないからです……」
「え?」
「……次に行きましょう。彼がこれらの都市に現れたのは確実。しかし、彼はパスポートを持っていません」
「なに?だったらどうやって……」
「分かりません。ただ、一つ言えることがあります」
「言えること?」
「はい、彼が立ち寄った形跡の有る国には……」
瞬間、複数の顔写真が画面に映った。どれもこれも少女である。
「ウィーン以外には、現役のプリキュアがいて、しかも誰もが行方不明になっているのです」
「なっ……」
「それじゃ……やっぱり……」
「はい、皆捕らえられたと考えるのが普通でしょう」
「酷いことしやがる……」
士は、腕を握りしめて怒りを抑えるのに専念する。もしも、本当にあの男がプリキュアを誘拐したとするならば、その目的は……。
「今奴はどこにいる?」
「分かりません。ただ一つ確実に言えることは、このままこの男を野放しにすることはできないということです」
「えぇ、何とかして止めないと……」
「では、次の画像を出します」
と、セバスチャンが言うと、続いて緑色の仮面ライダーの画像が現れる。しかし、それはどこか不鮮明である。
「これは、シャルルさんに持たせた携帯で録画していた映像を切り取った物です。しかし時間にして約一分程、それの中から取り出した物で一番よかったのがこれです」
「ということは、次は俺だな」
と、士と海東がカードを取り出しながら。
「まず、この仮面ライダーは、クロノスというらしい」
「士さん、らしいっていうのは?」
「あぁ……俺たちも、こんな仮面ライダーは知らない」
「え?」
瞬間、画面が切り替わる。そして、変わった先には何もない真っ白な土台のような場所。そこに、士の手が現れ、カードを何枚か置く。
「俺たちは数々の仮面ライダー、スーパー戦隊というやつらにも出会ってきた。その合計は、優に二百は超えている」
「だが、その仮面ライダーの中に仮面ライダークロノスというライダーはいない」
「それって……どういうこと?」
「おそらく、僕たちのまだ知らない仮面ライダー……としか言いようのない」
「問題は、その能力だ」
士はカードを回収し、また何枚かのカードを出しながら言う。
「奴は、突然俺たちに攻撃を仕掛けてきた。考えられるのは高速移動だ。俺の知っているライダーの中で高速移動ができるのはこのファイズ、ブレイドそしてカブト……」
「だが、一つだけおかしなことがある」
「おかしなこと?」
「いくら速かったとしても、流石にあそこまで時間のロスがないのが気になる。高速移動だってワープじゃない。ほんの0コンマ一秒単位で移動が行われてもいいはず。しかし、この仮面ライダーは、僕が変身しようとしたときにほぼノータイムで攻撃し、このディエンドライバーを持っていった」
「それって……あまりにも速かったってことじゃ……」
そう。例えば仮面ライダーファイズのアクセルフォームは約マッハ50。100mを0.0058秒で動く。これだと確かに目視できないほどの速さ。目視したとしても、人間の眼が認識できるのは0.013秒とされている。脳の処理速度が追い付かない間に動いて攻撃して、ディエンドライバーを持っていたとも考えられる。
「確かにそうかもしれない。だが、ここで問題になってくるのは子供のめぐみだ」
「私?」
「あぁ、奴はその後二回目に消えた時、プリキュアの変身アイテム、それとめぐみも連れ去った。めぐみ、お前気がついたときどうなってた?」
「どうって……外にいたはずなのにいきなり縛られてて……」
「そう言うことね……」
「?」
と六花は言った。どういうこと、と言ったのは誰だったか。それに答えるように言う。
「いくら速かったとしても、連れ去られて縛られてなんてことされたら、一瞬ぐらいはめぐみにも外の映像が脳裏に残るはず。つまり、めぐみはまるでワープしたかのようにあの倉庫に連れ去られて縛られていた……これは、高速移動というものだけで判断できるものではない」
「あぁ、それに摩擦熱の問題もある。これらの情報と、クロノスが能力を使う前に鳴ったベルトの音声『ポーズ』の意味を重ねると……」
「時間停止……ということになる」
「時間……」
「停止……って」
「えぇ、そんなんずっこいじゃん!」
「あぁ、俺も大概だとは思っていたが、ここまでの能力を有する仮面ライダーがいたとはな」
士は、自身の事をチートライダーの一種類だと思っている。複数の仮面ライダーに変身できるのだから、そう思うのは当たり前で、周りからの意見も同様だ。しかし、それ以上の存在、時間停止を使う仮面ライダーの存在は、驚くべきに値するものである。
「他に、仮面ライダーに時間停止をするようなのはいるんですか?」
「どうだろうな、時間に影響を与えるような奴は何人か……」
と、士の脳裏には赤い鬼やら電車やらのアホ共の映像が流れた。
「……ともかく、時間を止めることのできるライダーは何人か思い浮かぶが、確実じゃない」
「確かに……」
「けど、弱りましたね……流石に時間を止めることのできる敵は私たちも戦ったことは……」
「動きを止めるとかはあったけどね」
「いたシャルね……」
「ともかく、現状はコイツを変身させない。それが一番の対処方法だ」
「逆に言えば……変身させてしまえばそれまで」
「……そう言うことだ」
攻略法もくそもない。もしも相手がご丁寧に自分たちの目の前で変身してくれるならともかく、変身状態で現れれば手も足も出ないということだ。もしかすると、今回の敵はかなりやばい奴なのではないか、そんな雰囲気が充満する。その時、マナが言う。
「ありす。残っている現役のプリキュアは日本にはいないっていたよね?」
「はい……」
「なら、私達が立ち上がろう」
この言葉にすぐに異を唱えた者がいる。士だ。
「私達って、お前は妊娠中だろ」
「さっきも言ったでしょ。PC細胞のおかげで子宮は守られてるから妊娠中でも闘うことができるって」
「だがな……」
「士、マナは言い出したら聞かないわ。PC細胞のデータはないから見たことがないから何とも言えないけど、今度海外の有名な研究所へ行くことが決まっているほのかさんなら、信用できるわ」
「……」
「大丈夫。無茶しようとしたら私たちが首に縄を結んででも止めるわ」
「……止めても、無駄か……分かった。ただし、やばくなったら俺も止めに入る」
「うん!」
そしてマナは座る。そして、子宮がある位置を撫でながら小さな声で言ったらしい。
「……私なんかがママだから、産まれる前なのにあなたを危険にさらすかもしれない……でも、貴方の生きる未来を私も守りたいの……ごめんね」
その小声を聞いたのは数名のみ。その数名の中の二人、レジーナとめぐみはその言葉に同調するように下腹部を撫でた。そして、その様子をみた誠司がありすに言う。
「ありす、今こそPC計画を発動するときじゃないか?」
「PC計画?」
「……そうですね、分かりました。セバスチャン!」
「はい」
その言葉に、セバスチャンはパソコンを恐るべき速さで叩く。途中いくつものパスワード入力画面を経てたどり着いたのは、またも顔写真が並ぶ場所だった。先ほどまでは全員子供、しかも女の子だけだったが、今度は大人の女性、男の顔写真、熊本や誠司の写真も見える。
「これは?」
「これは、人工コミューンツヴァイの適合者リストです」
「人工コミューン?」
「ラケル」
「ケル!」
六花が、ラケルに声をかけた瞬間、ラケルは煙に包まれてスマホ型へと変身する。これは、たしかシャルルもこうなってなかっただろうか。
「これがラブリーコミューン、私達ドキドキプリキュアにとって妖精のシャルルやラケルは大事なパートナーであると同時に、変身するときにも必要な存在なの。そして、このラブリーコミューンを四葉財閥が研究に研究を重ねて、完成させたのが、人工コミューンツヴァイよ」
「……おい海東、この会社いつの日にかライダーベルトも作りそうな気がしてならないんだが……」
「あぁ、それで彼女が『ハッピーバースデイ!!』とか言うのかい?」
「……そっちもあったか」
士の頭の中に浮かんだのは仮面ライダーファイズ、海東の頭の中に浮かんだのはオーズの世界の会社らしい。それはともかく。
「私たちが戦いを終えて十年。その間にも数多くの敵がこの地球を襲ってきました。そのたびに新しいプリキュアによってこの世界の平和は保たれてきました。しかし、もしも敵だけが来て、プリキュアが誕生しなかったら……そんなときのために、用意されていた……最終手段ですわ」
「とはいえ、選定の条件があるからPC細胞よりは良心的なのが救いね」
「選定の条件?」
「はい、初代の方は誰でも変身可能なのですが、ツヴァイはより変身者をプリキュアに近くするため、また安全性も考えてプリキュアOGの近くにいた人物が、適合者として申し分がないのです」
「なるほど、だから誠司の写真もあるのか……」
「はい。PC計画とは、こうした人工コミューンを使った人工的なプリキュアたち、そしてプリキュアのOGたちが立ち上がることです」
「OG……」
「これから、ここにいる人達でそれぞれのプリキュアを回ってもらいます。セバスチャン」
「はい」
セバスチャンは、電気をつけると、どこからか持ってきた資料をありすに手渡す。
「では、はるかさんはプリンセスプリキュアの皆様を、みらいさんは、魔法使いプリキュアの皆様の所へ」
「分かりました」
「はい!」
「ちょっと待って、たしか未来の私達って……」
そう言ったのは過去のはるか。確か、未来のプリンセスプリキュアは変身アイテムを変換しているため変身できないのではないか。大人のはるかは次のように返す。
「おっしゃる通りです。だからわたくしたちは人工コミューンツヴァイで変身いたしますわ」
「そうなんだ……」
「続けて、いつきさん、熊本さんはハートキャッチプリキュアの皆様の所へと」
「分かりました」
「任せるぜよ!」
「ゆうこさん、ヒメルダ王女には、咲さんたちの元へお願いします」
「分かりました」
「オッケー!」
「最後に士さん、海東さん、マナさん、レジーナ、相楽夫妻、そして私で響さんの所へと向かいます」
「あそこか……」
「うん、分かった」
「六花さん、そして子供時代のみらいさん達には本社待機してもらいます」
「え?なんで?」
「遠藤止襲撃の可能性も考えて、並びに魔法少女という物になった人たちの検査も行わなければなりませんから」
「なるほど、それもそうか」
「その他のプリキュアの皆様にはセバスチャンの方から連絡をお願いします」
「かしこまりました」
「では、まずはこちらへ」
ありすに促されて、士達はエレベーターに乗り、地下深くまで降りていく。もうどれだけ降りたのか分からないが、かなり深い位置にあるということは確かだ。
「着きましたわ」
そうしてたどり着いたのは閉鎖的な道。いくつかの罠がありそうである。ありすは、壁に手を触れる。
『指紋認証……確認』
続いて現れたカメラに顔を近づける。
『網膜認証……確認』
「四葉アリス、キュアロゼッタ」
『声紋認証……確認。すべてのロックが解除されました。トラップを解除します』
「これでいいですわ」
「随分厳重なものだな」
「この先にあるのは人工コミューンツヴァイだけでなくPC細胞を埋め込まれたマウスもいますから」
「ほう……例のアレか」
「はい、皮肉なものですよね……両極端のそれが、すぐ近くにあるだなんて」
「?どういうことだ」
「直にわかります。さ、つきましたわ」
たどり着いたのは大きな金庫。ありすは先ほどと同じような手順でキーを解除していく。そして、最後に声紋認証が解除され、パスワードを入れ込んだその時、轟音と共にその金庫は開かれた。
中は、まるで警察が銃を置いている時のように一つ一つのスマホ型のソレが置かれていた。これが人工コミューンツヴァイなのだろう。はるか達は、それを手慣れたようにひとつづつ取っていく。そして、一つのコミューンを残してすべてが無くなった。海東がそれを持って言う。
「ねぇ、これはいいのかい?」
「あぁ、実はその人は今海外に出ていて……流石にプリキュアOGでない方を無理やり呼びつけるのは……」
「ふ~ん……」
表面にはS・Hの文字。苗字、名前の順番のようだ。海東は、それを仕舞う風にして金庫から出る。
「では、六花さんと子供時代の皆様はこの先へ。六花さん、案内をお願いします」
「任せて」
「皆さん、後はお願いします」
「いざとなったら、私たちも助けに行きますから!」
「うん、その時は皆を紹介するね!」
「そして、今夜はクリスマス・イブ!全部が終わったら……みんなでパーティーをしよう!」
「はい!」
「おい、そう言うのは……」
お決まりの死ぬパターンじゃないか、と士は言おうとしたがしかしセバスチャンに止められる。
「門矢様、彼女たちにとっては、死亡フラグなどという無粋なものではないのですよ」
「?それじゃなんだ?」
「日常ですよ……彼女たちが歩むべき日常……」
「なるほど、大体わかった」
そして彼女たちはそれぞれの目的地へとふしぎ図書館で向かうため、一時解散となった。
ー城南大学 02:57 p.m.ー
「はぁ……はぁ……はぁ……」
「ほのか……」
「ごめんなさい、ミップル、メップル……」
ほのかは一人自分の研究室で金庫の中から薬品を、いやそれ自体は水、その中に入っている黄色い物質を取り出す。
「大丈夫ミポ……」
「死ぬときは、四人一緒メポ……」
「ありがとう……」
その時、ドアが破壊され、彼女が入ってくる。ほのかは、液体の中に入っていた物を研究室中に撒き、そして金庫の中にあった資料もその物質の上に置く。
「……」
女性は、無言でそれを見た。瞬間、部屋中から炎が上がる。それは、多くの白煙を上げながら、部屋中を埋め尽くした。ほのかは、胸ポケットから二つの携帯、ミップル、メップルを取り出す。
「ミポ?」
「メポ?」
「あなたたちだけでも逃げて……私の罪滅ぼしに付き合うことはないわ」
ほのかはそう言うと、窓を開けて二つの携帯を放り投げた。
「なぎさ!!」
「ほのか!!」
投げられた二人は、そう、自分のパートナーの名前を呼びながら、すぐ下のサッカーグラウンドの芝生の上へと落ちる。ほのかはすぐに窓を閉め、またなぎさの方を見て言う。
「これで二人きりね……ゴホッゴホッ!!」
苦しい。有毒性のガスが発生して、喉の奥が痛む。
「貴方が元に……戻らないなら……このまま……」
なぎさは何も言わない。もう、立っているのも辛くなってきた。ほのかは、ぐったりとその場に座る。
「一緒に……大丈夫、怖く……ない………なぎさ…………」
ほのかは、ゆっくりとその眼を閉じる。そして、口を覆っていたその手は、力なく床へと落ちるのだった。
「……」
なぎさはそれを、ただ冷ややかな目で見ているだけ。ただただ、冷酷にそれを見るだけだった。
道筋は見えている。問題は、その道を書く気力と根性が自分にあるかどうか。
しばらく投稿しないかも。燃え尽きてしまった可能性あり。