まさか1期の頃では敵対しそして失われたはずの完全聖遺物が今度は彼女の力になるとは・・・やってくれたなポケラボォ!
土煙漂うIS学園第1アリーナ、そこでは黒い暴走する塊と黒い騎士が戦っていた。
アガートラームを纏った箒は左腕のガントレットに剣をセットしバルカンの様にエネルギー弾を連射しながら暴走するロランか放ってくる触手を回避していた。
触手をいくら破壊しても直ぐに再生してしまうため回避するしかない。
斬りこもうとしても触手からビームを撃ってくるため近づけない。
「(くっ、近づけない・・・!リミッターを1つ解除しているからイグナイトの限界時間まで既に半分を切っているというのに・・・!)一夏、お前から借りていたコレを使わせてもらうぞ!ストライクカノン起動!喰らえぇー!」
箒は拡張領域から一夏から借りていた予備のストライクカノンを取り出し撃った。
ロランは避けるそぶりも見せずに直撃、しかしそのまま再生しながら突っ込んできた。
箒はストライクカノンを放棄し回避、ストライクカノンは破壊されるが箒は空中で左腕に剣をセットし砲撃する。
<HORIZON†CANNON>
「これならどうだ!」
「グルルルル・・・」
「・・・あまり効いてなさそうだな」
「ウガァァァァァァァァァァァァァ!!」
「しまっ・・・キャァァァァァァァァァァァァァ!!」
箒はロランが放った極大のビームを空中にいた為回避できずそのまま食らってしまった。
ISが解除されてしまい地面に叩きつけられる箒、立ち上がろうとするが口から血を吐いて倒れてしまった。
よく見たら腹部からも血が滲んでいる。
仰向けになって見てみるとアガートラームの折れた砲身が刺さっていた。
身体に力が入らず仰向けのまま倒れる箒。
「ああ、やっぱり私はダメだな・・・ハハッ、もう、楽になってしまおうかな・・・一夏・・・ごめんなさい・・・」
<まだ死んじゃダメです!>
「(誰だ・・・?)」
???
「ここは・・・?ふっ、あの世か・・・短い人生だったな・・・」
「また貴方は死んでいません!勘違いしちゃダメです!」
「あ、ああ・・・なあ、君は誰なんだ?」
「私ですか?私はセレナ、セレナ・カデンツァヴナ・イヴです。アガートラームのコア人格・・・というよりもう死んでるんですけど」
「え?死んでるって一体・・・」
「私はある世界で死んでしまって・・・何故かこの世界でこのISのコアに宿ったんです」
「そうだったのか・・・」
「ところでマスター。貴方はどうしたいですか?」
「えっと・・・どういう事だ?」
「貴方は、ここで終わっても良いんですか?貴方は本当はまだ彼らと歩んでいきたいんじゃないんですか?」
箒はそれを聞いてハッとした。
自分はまだ生きていたい、一夏と、皆と一緒に歩んでいきたい。
箒はいつのまにか涙を流していた。
止めようと思っても止まらない。
死にたくない・・・そう思っていた。
「私は・・・死にたくない・・・まだ・・・生きて・・・いたい!」
「貴方の本音、聞けましたね。なら、私の全てを貴方に預けます」
「君の・・・全て・・・?」
「私はかつてアガートラームの装者でした。私のもつアガートラーム、そして貴方のアガートラーム。2つの銀腕の力を1つにして貴方に預けますマスター」
「・・・私で、良いのか?」
「もう、私が認めたんだから良いんです!だから行ってきなさい!一応見た目は子供ですけどこれでも大人なんですよ?」
「え?」
「これでも20超えてます。さあ、行ってきなさいマスター。この空を何処までも飛んでいきなさい」
「ああ、行ってくる!」
「あっ、ついでにオマケでXDになるようにしておきましたから」
「・・・え?ちょ、ちょっと待て!おい!」
箒が目覚める少し前、ロランは箒が倒れたままなのを見てトドメを刺そうと触手を伸ばしたその時、箒の首から掛けられているアガートラームの待機形態が光り出し箒が目を覚ました。
服が無くなり全裸だが自らの周りを光が周わっていて大事なところは隠している。
そのまま光が箒を包み込み上空へと飛び上がった。
光が収まるとそこには生まれ変わりエクスドライブモードを発動した箒の姿があった。
「これが・・・エクスドライブ・・・力がどんどん湧いてくる!」
『さあ、行きましょう箒さん!』
「ああ!」
箒が胸から大型の剣を取り出し、2本に分裂させる。
右手に握る剣をロランへと向け、箒は叫ぶ。
「諦めない強さを、此の今を生きる儚き一瞬の願いを!お前にも聞かせてやる、ロラン!だから、お前もその手を伸ばせ!繋ぎ合えば分かり合えるんだ!」
<戦姫絶唱シンフォギアXD UNLIMITEDよりセレナ・カデンツァヴナ・イヴの「此の今を生きて」>
「命が燃やされ尽きて 灰になるまで」
「ガァァァァァァァァァァァァァ!!」
「諦めたくない!」
箒は突撃してきたロランが突き出したレイピアを右手に持つ剣で受け止める。
左手に握る剣でロランを突き飛ばす。
「絶えず唱えた 願いを込めて」
「グルァッ!?」
「運命の枝道に彷徨った魂」
一瞬でロランを斬る箒。
振り返りロランへと向き合う。
「血が通わずも分けた心は」
「ガァァァァァァァ!」
「優しさと温もりの」
「グァァァァァァァァ!?」
「守りの光と変わる!」
箒は唄う、平行世界のとある姉妹の妹が歌った歌を。
例え、世界が違っても、血が通わなくても、その心は繋がっている。
どれだけ傷ついても、身体が灰になってもミライを、家族を守りたい。
優しき愛と誇り高き正義、2人の姉妹が纏うアガートラームを、彼女達の思いを身に纏い箒は飛ぶ、唄う。
ー 君の傘に ー
「Ah…愛の盾に」
ー 捧げ祈る ー
「Ah…ずっと」
ー ずっと ー
「側にいたい」
<DESPAIR†BREAK>
箒の姿が消えロランを一閃、そのままロランを全方位から斬り刻む。
これにはロランも効いたようで悲鳴を上げていた。
さらに箒は剣を連結刃へと変形させその刃をビットとして発射しロランを取り囲み撃つ。
<ELEGANT†LUMIERE>
「ギャァァァァァァァァァァァァァ!?」
「「諦めない強さにミライは宿る」!絶望の闇でも!」
箒は左右に浮かぶエクスドライブモードにより新たに展開された非固定ユニットの羽根を大型の刃へと変えロランへと突撃する。
「絆の陽は煌めく!」
「ガァッ!?」
すれ違い様に斬り裂く箒。
「此の「今を」生き尽くしたい!儚き一瞬だから!」
「グギャァッ!?」
反転しさらに斬り裂く箒。
さらに両手に持つ剣で斬り裂きながら空へと飛ぶ。
「命は可憐に燃えて 聖なる力番う歌へと」
ロランは怒り狂いながら箒へと突撃する。
上空で浮かぶ箒の周りには羽根が舞っておりまるで天使のようだ。
「輝く夢に」
<GREMLIN†ROYALE>
非固定ユニットから放たれた光がロランを包み込み浄化していく。
レリックもどきが砕け黒く染まったISとロラン自身が元の姿へと戻っていく。
気絶し落ちていくロランを抱えゆっくり地上へと降りていく箒。
ロランの顔は穏やかで眠っていた。
遅れてようやく異変を察知した一夏たちが駆けつけようやく事態は収束した。
「ちっ失敗したか、役立たずめ。まあ、良い。まだ手はある。精々もがき続けるが良い、織斑一夏とその仲間たちよ」
次回、マテリアルズ・ストラトス
「呼ばれし天の剣と銀腕」
「なっ!?貴様らは!?」
「む?何だ君たちは」
次回、GEARS OF DESTINY編、始まります。