マテリアルズ・ストラトス   作:荒潮提督

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アニマルギア響さん、完全にラトラータ+バルバトスルプスレクスな件について。


ところでユニゾン切ちゃん強すぎませんかね?


後仮面セイバーと項羽出ました。
久々の大当たりだぜ。


「繋いだ手、離さないために」第6話 「胸に響くは永遠の愛」

セシリアはビットと鉄扇、ライフルからビームを撃ち一夏を近づけまいとしている。

だが一夏はノイズを生み出し続けそれらを盾にしながら強引に突き進む。

セシリアはスターブラスターを仕舞い新たにショートブレード「インターセプターⅡ」を取り出し接近戦に備える。

周りに展開しているビットはティアーズに操作を任せセシリアは振り上げられた左腕の爪をインターセプターⅡで受け止める。

 

 

 

 

「接近戦は・・・あまり得意では無いのですがねぇ!」

「ウガァァァァァァァァァァァァァ!!」

「・・・ですが、捕まえましたわ!」

「ナ、ナンダコレ・・・!」

「ティアーズ!」

「グァァァァァァァァァァァァァ!?」

「あつっ・・・!この程度なら・・・!」

 

 

 

セシリアは両腕の鞭で拘束し自分毎ビットで一夏を撃つ。

凄まじい衝撃と熱が襲うがセシリアは耐える。

だが一夏も左腕を少しづつ動かしセシリアを左腕の荷電粒子砲で撃つ。

爆発が起こり両腕の鞭が千切れバリアジャケットもいくらか破れたセシリアは立ち上がり一夏を探すが煙が立ち込めていて姿が見えない。

バイザーを降ろし索敵しようとした瞬間その顔を掴まれる。

セシリアは引き剥がそうともがくが凄まじい力で引き剥がせない。

バイザー越しに何かの砲口が見えたセシリアは右手に持ったままのインターセプターⅡをソレに突き立てる。

直後に発射されると同時に爆発する掴んでいた物。

衝撃で吹き飛び地面を転ぶセシリア、頭部のバイザーと角状のパーツは砕けて壊れていた。

顔を上げると左腕から煙を上げつつも再生している一夏がいた。

その顔は苦悶に満ちている。

 

 

 

 

「ウグゥゥゥゥゥッ」

「ハッ・・・ハッ・・・(少しマズイですわね、予想以上に強くなってますわ・・・。先程の攻撃は確実にこちらを仕留めようとしていた・・・しかも今現在も彼から発生している霧からあの生物が現れている・・・ラウラさんは・・・ユーリさんが抱えていますわね。一先ず彼方は一安心ですわ)さて、こちらはどうしますか・・・」

「グルルルルルルル・・・」

「一度話に聞いた暴走した一夏さんと同じ状態・・・しかし、意思疎通は出来ないとは聞いてましたがそんな事は無い・・・少し試してみますか」

 

 

 

 

セシリアはもしかしたら話せるかも知れないと思い近付く。

一夏は左腕の再生が終わり再びセシリアに襲い掛かる。

セシリアは右手に持ち直した鉄扇で一夏が振り下ろした刀を受け止める。

 

 

 

「貴方は何がしたいのですの!こんの力に溺れて、本当にしたい事は何ですの!」

「俺ノヤリタイ事ナド決マッテイル!俺ノ敵ヲ全テ倒ス!皆ヲ守ル!コノ力ナラヤレルンダ!」

「やはり勘違いをしていますね貴方は」

「ナニ?」

「確かに守る為には力も必要です。大切な人を守るのにはどうしても必要です」

「ナラ!」

「ですが!只々力を振るうだけでは守れるものも守れませんわ!それは只の暴力です!」

「黙レェェェェェェェェェ!」

 

 

 

 

 

その時、後ろから声が聞こえた。

どうやら学園の生徒が授業の為アリーナに来たようだ。

彼女達は状況が分かっておらず続々と入ってくる。

 

 

 

 

「でさー」

「入って来んな!死にてぇのか!?」

「「「「え?」」」」

「な、何ですのこれは!?」

「み、皆逃げるよ!ここは危険だ!」

「ガァァァァァァァァァァァァァ!!」

「しまっ・・・!させませんわ!」

 

 

 

 

生徒達の声に反応して一夏が向かっていってしまい追いかけるセシリア。

逃げる生徒達、その避難誘導に追われる専用機持ち達。

最後尾で誘導していた箒に目をつけその刀を振り下ろそうとする一夏。

咄嗟のことで判断が遅れた箒、そんな彼女を突き飛ばし自らの身体でその刃を受けるセシリア。

斬られて宙を舞う髪の毛と背中から血を流しながら倒れるセシリアを支える箒。

一夏は誰を斬ろうとしたのか、そして誰を斬ってしまったのか分からず呆然としていたが右手に持つ刀から垂れる血を見て全て分かった。

自分は箒を斬ろうとしてセシリアがそれを庇ったのだと。

今のセシリアはISではなくデバイスを使っている。

その為絶対防御が無くしかも背中にはバリアジャケットが無い部分がありほとんど生身だったのだ。

 

 

 

 

「俺ハ・・・何ヲ・・・シタンダ・・・俺ハ傷ツケル為ニ力ヲ望ンダンジャナイノニ・・・!」

「お、おい!しっかりしろ!だ、誰か!先生を!」

「テメェ!よくもセシリアを!持ってけ、ダブルだ!」

 

 

 

<MEGA DETH PARTY>

 

 

 

 

<BILLION MAIDEN>

 

 

 

 

クリスがキレて某全身弾薬庫MSの如くミサイルとガトリングを撃ちまくる。

全弾一夏にヒットしそのまま追撃のガトリングを浴びせ続けるクリス。

セシリアを抱えた箒はというとすんでのところでユーリが魄翼で掴んで持ち上げていた。

 

 

 

 

「おい、大丈夫かセシリア!しっかりせんか!」

「傷はあまり深くは無いです・・・それより出血を止めないと!」

「わ、私にも何か手伝わせてくれ!」

「周りの奴らは私が相手をする。あのトリガーハッピーは周りが見えていないみたいだからな」

「無茶はするなよラウラ、傷はまだ完全に塞がっていないのだからな。あくまで応急処置だ」

「分かっているさ」

「全部纏めて・・・吹き飛べやぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!」

 

 

 

<MEGA DETH INFINITY>

 

 

 

 

 

セシリアは気がつくと謎の空間にいた。

自分は箒を庇って斬られた筈なのだが何故か周りには誰もいない。

背中を触ると斬られた筈の髪の毛も傷も無い。

周りを見渡しても何も無い。

ISもデバイスも無い。

セシリアはとりあえず進んでみることにした。

 

 

 

 

 

「何処まで進んでも何もありませんわねぇ・・・先ず裸の時点で色々と可笑しいのですが」

「マスター」

「誰ですの?」

「私です、マスター」

 

 

 

 

セシリアの目の前に光が集まりそれは段々と人の形を取っていく。

そこに居たのは自分のデバイスを纏った黒髪の少女だった。

セシリアは誰か分からなかったが何処か見覚えがあった。

 

 

 

 

「もしかして・・・ブルー・ティアーズですの?」

「はい、そうですよマスター。こうして会うのは初めてですね」

「貴方が私を呼んだのですか?」

「ええ、ブルー・ティアーズ ミラー、いいえ、神獣鏡の全てを貴方に託そうと思いまして」

「神獣鏡?」

「私、ブルー・ティアーズ ミラーのデバイスとしての名前です。マイスター達よりマスターに全てを託せると判断した時に明かす様に言われていました」

「マリエルさんと篠ノ之博士が・・・」

「神獣鏡としての私の力は浄化の力、魔を払う力です。貴方が望めば人の命ですら消滅出来ます」

「浄化・・・」

「貴方はこの力をどう使いますか?自分の為?他人の為?貴方がお決めくださいマスター」

 

 

 

 

 

セシリアは目を閉じ考えた。

確かにこの力ならばあの霧のような物を払えるかも知れない、だが一夏はどうなる?

消滅するか最悪何らかの障害が残るかも知れない。

しかしセシリアはそれでも守る為に、この胸に響く大切な人を想う永遠の愛を信じて決意する。

 

 

 

 

「私は、信じますわ。この胸の歌が、愛が!彼の未来を守ると!その為にティアーズ、いえ、神獣鏡。その力を貸してください!」

「はい、マイマスター」

「(待っていてくださいまし、必ず助けますわ。貴方が居るべきところはそこじゃない、必ず連れて帰りますわ。貴方を救う為に!)」

 

 

 

 

その頃現実世界ではセシリアの身体が光り出した。

目が開くとその目は決意に満ちている。

そして彼女は唄う、救う為の歌を。

 

 

 

「Gatrandis babel ziggurat edenal ・・・」

 

 

 

歌を紡ぐたびにセシリアのバリアジャケットが再構成されていく。

濃い紫だった色は薄くなり黒かった部分は白くなる。

砕けた頭部バイザーは爪のようになりセシリアの頬と後頭部を覆うが縛り付けるのではなく花のようにも見える。

両腕のスカーフと鞭は伸び、両肩にはアーマーが追加された。

周りに漂う膨大な魔力をセシリアは束ね自らの力と変える。

薄紫の羽が展開され右手には新たな形となったアームドギアが握られる。

本来の神獣鏡のXDとは少し違う、彼女のデバイスとしての神獣鏡のXDモード。

彼女の大切な人を想う永遠の愛が生み出した奇跡。

セカンドシフト・神獣鏡・永愛(とわ)

 

 

 

 

 

「セシリア、大丈夫なのか?」

「ええ、もう大丈夫ですわ。・・・いってきますわ」

「ああ、いってこい」

「頑張ってください!」

「頼む・・・アイツを、一夏を救ってくれ!」

「ええ、助けますわ。絶対に」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

次回、マテリアルズ・ストラトス

 

 

 

 

 

「繋いだ手、離さないために」第7話

 

 

 

 

 

「この愛を舐めないで」

 

 

 

 

「例え世界が貴方を否定したとしても!私が、貴方を慕う人達は!決して見捨てはしませんわ!」

 

 




次回、セシリアの愛が戦場に歌として響き渡る。

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