マテリアルズ・ストラトス   作:荒潮提督

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後編デース


無限欲×マテストコラボバトル 一夏vs一夏後編

「まあ、適当に座れ。何か茶でも出そう」

「たっく・・・自分で呼んどいてあの格好はねーぞ千冬姉」

「・・・忘れろ、良いな?」

「へいへい」

「・・・どの世界でも変わらないな千冬姉」

「ん?私は私だ。世界が変わったとしても私自身は変わらんよ」

「それより向こうの兄さんの部屋の事なんだけど」

「ああ、それなんだがこっちにいる間は一夏、お前とレヴィの部屋で構わんか?新学期になって急に各国のISパイロット養成所から留学要請があってな・・・部屋の空きが無いんだ」

「なるほど。レヴィ、良いよな?」

「もっちろーん!」

「そういう訳だから宜しくな、俺」

「ああ、よろしく」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「意外と片付いてるんだな」

「まあな。あ、俺は報告書書いてるからレヴィ、あと頼んだ」

「まっかせろー!」

「ご主人たまー、おかえりー」

「ああ、ただいまリヒト」

「・・・」

「ん?どした、俺」

「もしもし警察ですか?」

「うわぁぁぁぁぁぁ!待て待て待て!誤解だ!」

「リヒたんは一夏がある世界に行った時に生まれたマテリアルだよ!決してゆーかいとかじゃないから!」

「生まれた・・・?(スッ」

「「ヤメロォ!?」」

「ご主人たま、お腹すいた」

「イチカ、レヴィ、少し話したい事が・・・お邪魔しました」

「シュテル!見捨てないで助けてくれ!」

「誤解解くの手伝ってよー!」

 

 

 

 

30分後

 

 

 

 

「成る程、つまりこの世界の俺が平行世界のミッドに行った時に誕生してその世界の知り合いの魔導士が元になっていると」

「ああ、そうだよ。今は俺の融合騎になってるんだ」

『きゅる?(一夏の胸元in)』

「・・・リヒト、せめて人前では頭の上に乗ってくれ。胸元だと恥ずかしいから」

『きゅっ!(やだー!)』

「ハアッ・・・すまんな俺。リヒトが」

「いや、気にすんな。それより写真で見たが元の姿に戻らないのか?」

「いや、戻ったら戻ったでどっちがどっちなのか分からなくなるし・・・しばらくはこっちで過ごすよ。ん?通信?ゴメンちょっと失礼。はい、こちら一夏です」

『やっほー一夏君』

「あ、なのはさん。どうしたんですか?こんな時間に」

『実はね・・・あっ、こらヴィヴィオ!』

『一夏お兄さん、お久しぶりです!』

「ああ、久しぶりヴィヴィオ」

 

 

 

 

 

無限欲側の一夏はマテスト側の一夏がなのはと会話しているのを見て内心複雑だった。

向こうでは敵対しているのでこの世界のなのはがどうしても向こうのなのはと重なってしまう。

 

 

 

 

 

「・・・はい、分かりました、それじゃ。・・・ごめん長引いてな」

「それは良いが・・・要件は何だったんだ?」

「明日ヴィヴィオとヴィヴィオの友達が社会科見学でこっちくるらしい」

「・・・はっ?」

 

 

 

 

 

どうやら色々面倒な事に巻き込まれそうな予感がプンプンする。

そんな気分になった無限欲側の一夏であった。

しかしレヴィが食事を運んで来たのでそれは頭の隅に放っておいた。

並べられた料理は肉じゃがや野菜炒めなど家庭的な料理ばかりだった。

手を合わせて頂きますと言った無限欲側の一夏は一口食べて目を見開いた。

自分が作ったものと遜色ないのだ。

 

 

 

 

 

「美味いな」

「にゃはは、張り切っちゃった」

「これ、お前が作ったのか?」

「むー、まるでボクが料理出来ないみたいな言い方ー」

「すまん、人は見た目では分からないとはいうがこんなに美味いとは思わなかった」

「レヴィには俺が料理教えてるんだ。前まではダークマター錬成してたのに今じゃこんな風に料理が作れる様になったんだ」

「だろうな。こっちじゃクアットロがリンディ茶作って飲んでるし」

「あの糖尿病一直線コース飲む奴いるのかよ・・・てかクアットロだと?」

「あー・・・実はだな、俺スカリエッティのとこいるんだ。俺と鈴の命の恩人だし。それに、ドクターはそんなに悪い奴じゃない。むしろ優しい人だよ」

「世界が違うとまるで親バカだなスカリエッティ・・・こっちじゃテロリストだぞアイツ」

「マジかよおい」

 

 

 

 

 

その頃平行世界のジェイル・スカリエッティのアジト。

 

 

 

 

 

「へっくしゅん!」

「どうしましたドクター?風邪ですか?」

「いや、誰かが噂しているのだろう」

 

 

 

 

 

その後食事を終えた3人と1匹は休日をどう過ごすか考えていた。

その時無限欲側の一夏がある提案をした。

 

 

 

 

「なあ、俺。少し勝負しないか?お互いデバイスでさ」

「ああ、良いけど・・・休まなくて良いのか?」

「ああ、ちょっとくらいなら大丈夫だろ」

「わかった、スコール姉に許可貰ってくる。確か明日当直だった筈だし」

「ああ、頼むよ」

「リヒたーん、おいでー」

『きゅる?(何々?)』

「よいしょっ(すっぽひ)」

『きゅっ?』

「何となく載せてみた」

「・・・何というか、和むな」

「だろ?」

 

 

 

 

 

 

 

 

次の日

 

 

 

 

 

 

「今日はよろしくお願いしまーす!」

「「「「よろしくお願いします!」」」」

「よーっす、よく来たなヴィヴィオ、リオ、コロナ、イクス、フーカ、リンネ」

「お久しぶりです。あれ?一夏お兄さんがもう1人?」

「ああ、俺は・・・」

「平行世界の俺だよ」

「おい、俺が言おうと思ったんだが」

「ほぇ〜・・・」

「一夏さんそっくり・・・」

「でも何処か違うような・・・」

「まっ、それは置いといて、疲れたろ?観客席で休んでてくれ」

「「「「はーい」」」」

「あれ?そう言えば兄さん達は何でバリアジャケットなんですか?」

「ワシも気になっとった。何でじゃ?」

「それは後でのお楽しみだ。さあ、行った行った!」

「・・・行ったか」

「ああ。んじゃ、始めるか」

「おうよ」

 

 

 

 

 

アリーナの観客席に座ったヴィヴィオ達。

何が始まるのかワクワクしている。

アリーナ中央には2人の一夏が向かい合っている。

 

 

 

 

「ルールはお互いブレイカー及びブレイカーに相当する魔法、ユニゾンは無し。ISも無しにしようぜ」

「ISも無しってお前らのデバイスはISと融合してるんじゃないのか?」

「俺以外はな。俺はISとデバイス分けて使ってるんだ。使おうと思ったら一緒に使えるけど」

「なるほどな、アイツらのが特別って事か」

「とは言っても皆のシンフォギアシステムは俺のデバイスから見つかったしなぁ。ある意味プロトタイプみたいなもんだよ、俺の相棒は」

「んじゃ、そろそろやるか」

「ああ、セット、バンカー!」

「白鈴!」

『了解』

 

 

 

 

 

<戦闘曲 戦姫絶唱シンフォギアXD UNLIMITED「機械仕掛けの奇跡」より立花響の「KNOCK OUTッ!」>

 

 

 

 

 

 

「相手の実力は未知数、一気に仕留める!」

「胸に残るあの日の衝撃・・・」

 

 

 

マテスト一夏は歌い出すと同時に飛んだ。

太ももと腰のブースターを全開にして飛び込む。

無限欲一夏もフェイトのソニックフォーム並みの速度でマテスト一夏に迫る。

足を使って強制的に方向を変えながら無限欲一夏に追いつき右腕を叩きつけるマテスト一夏。

だが無限欲一夏は掌底の突きで受け止めた。

しかしマテスト一夏はそれに動じず逆にブースターの勢いを乗せた蹴りを叩き込んだ。

 

 

 

 

「辛く刺さった数々の痛み (Let's go now!!)」

「っう!(なんて重さの拳と蹴りだ・・・鈴の言っていた事は伊達じゃないって事か!)蓮華!」

「ガッ!?んなろ!(ゴッ!)」

「ガハッ!?」

 

 

 

真下からの打ち上げの蹴りをマトモに腹部に食らい仰け反るマテスト一夏だがお返しとばかりに頭突きを思いっきり叩きつける。

おでこの皮膚が裂けて血が流れるがマテスト一夏は気にしない。

両者共に一度下がり体制を直す。

 

 

 

 

「やるな俺。その強さ、伊達じゃないな」

「お前もな。初手を受け止められるとは思わなかった。 二度と繰り返さない 誓った拳は」

「そっちが拳なら、俺も拳でやろう!おおおおお!」

「また硬くなるぅ!」

 

 

 

 

一夏と一夏は凄まじいラッシュの連続でお互い攻めている。

マテスト一夏は拳と蹴りを入り交え、無限欲一夏は中国武術メインの高速格闘を繰り出している。

 

 

 

 

 

「力には、意味がある!」

「うおおおおおおおおお!」

「ガッと蹴って、踏み 溜め込む!」

「(コイツ、まだ早くなるのか・・・!?)」

「笑顔のために、Ready!!」

 

(Ready!!)

 

「俺だって、負けられないんだよ・・・鈴の為にも!白鈴!」

『いつでもどうぞ、マスター』

「Fight now!!」

 

(Fight now!!)

 

「愛で握れ!!!」

「見せてやるよ、これが限界を超えたスピードだ!」

「(KNOCK OUTッ!)諦めないって言葉!君にも伝えたいんだ!!」

「おおおおおおおおおおおお!!」

「守り切る手が!明日を創る!」

 

 

 

これを見ていたヴィヴィオ達は見惚れていた。

拳と拳のぶつかり合い、何度地面を転がっても立ち上がり向かっていく。

紡ぐ歌は決して諦めない歌、諦めなければ何だって出来る。

握った拳で笑顔を、明日を、愛で握って守り切る。

一夏らしい歌だ。

 

 

 

 

「重なる過去を超えて!(KNOCK OUTッ!)涙の向こう側へ!」

「これで、斬り裂く!」

「あの背に見た・・・」

「くらえ!雷雪ノ片撃!」

 

(I will…You will…)

 

 

「命を懸けた姿・・・」

 

 

マテスト一夏は両腕の手甲のカートリッジをリロード、一気に魔力を爆発させて放たれた斬撃を受け止め、弾き飛ばす。

無限欲一夏はまさか受け止めて弾き飛ばすとは思わなかったのか呆然としている。

 

 

(I will… You will…)

 

 

「君の目にもぉぉぉぉぉ!!」

「まだだぁ!煉呀狂咲・兜理華武斗ぃ!」

 

 

 

お互いの最大の一撃によるクロスカウンターが決まり勝負がついた。

綺麗に顔面に決まった両者は同時に倒れ目を回していた。

マテスト一夏は痺れているのか時折身体がビクンッビクンッと動いており無限欲一夏は鼻血が出ていた。

見ていたスコールとオータムは呆れた顔をしておりプレシアはいつのまにかフーカを抱いていた。

ベッドで安静にしていた2人だったが千冬と鈴とレヴィがキレてションボリして子犬みたいになっているマテスト一夏と申し訳なさそうに頭を掻いている無限欲一夏であった。

その後・・・。

 

 

 

 

「紫電一閃、未知なる力が飛龍趙雲となる!シンクロ召喚!降臨せよ、サイバース・クアンタム・ドラゴン!」

「エヴォリューション・レザルト・バースト!グォレンダ!」

「負けるかぁ!スクラップ・フィストォ!」

「フル・ダークネス・バースト!消しとべぇ!」

 

 

 

 

デュエルで決着をつけていた。

(社長、ヘルカイザー、誕生日おめでとうございます)

 

 

 

 

「迷惑かけたな」

「もーちょいこっちにいればいいのに」

「いや、十分息抜きになったさ・・・(これ以上いると色々と悟り開きそうだ・・・)」

「そうか、いつでも遊びに来ていいんだぜ?俺たちは大歓迎だ」

「ああ、気が向いたらな。それじゃあな」

「一夏!」

「なんだ?鈴」

「がんばんなさいよ!あっちの私の為にもネ!」

「・・・当たり前だ!」

 

 

 

 

 

「行っちまったな」

「うん・・・」

「多分、向こうの俺はこれから色んな困難にぶつかるだろうけど・・・乗り越えれるさ。きっとな」

「絶対乗り超えれるわよ。だって愛する人の為に戦う奴は」

「無敵、だろ?」

「正解」

 

 

 

なお、帰ってそうそうとんでもない所に滝行に行くのを束達に止められるのはまた別の話である。




今回のコラボはこれで完全完了です!

ドロイデンさん、ありがとうございました!


因みにタカヒロオーさんとのコラボ第2弾を予定してますのでお楽しみに。

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