マテリアルズ・ストラトス   作:荒潮提督

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今回はイクス回です。




彼女の過ごす何気ない、けれど鮮烈 ー vivid ー なある日をお楽しみに。




では、どうぞ。


番外編第2話 「私の生きる毎日」

朝7時半、小鳥の鳴き声でイクスは聖王教会の自室で目覚める。

けれど彼女はまだ半分夢の中である。

朝は弱いのだ。

そのまま眠い目を擦りながら顔を洗いに行くイクス。

だが、途中でまた睡魔が襲って来たのかそのままふらりと倒れそうになる。

しかし、彼女が倒れる事はなかった。

 

 

 

 

 

 

 

「おっとと、危ないですよイクス」ぽすっ

「うにゅ・・・?おっとーですか・・・?おはようございます・・・」

「はい、おはようございますイクス。ほら、早く顔を洗いに行きましょう。朝ごはんの支度ももうすぐ終わりますよ」

「ふぁーい・・・」

「・・・こうして見てみると普通の女の子なんですがね・・・彼女には真っ当な人生を歩んでいってもらいたいものです」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

洗面所で顔を洗い水の冷たさで完全に目を覚ましたイクスは一旦着替えに自室に戻る。

寝間着から着替えスカートとシャツ、半袖のパーカーを着て朝ごはんを食べに食堂にいくイクス。

そこにはイクスにとって最高の友達がいた。

 

 

 

 

 

「おはようございます」

「おはようございますイクス様。お席にご案内いたします」

「ありがとうございますディード」

「おはよーイクス。頭に寝癖ついてるよ?」

「おはようございますヴィヴィオ。ほんとですか?」

「うん、頭のてっぺんにぴょこんっと突き出してるよ?」

「あうう・・・どうしましょう・・・」

「イクス、こっちおいで。直してあげる」

「ありがとうございます、セイン」

「〜♪っと、出来た。はい、バッチリだよ」

「ほわぁ〜」

「ついでに髪型変えてみた。どうかな?」

 

 

 

 

イクスの頭の横にはブラウンの綺麗なツインテールがあった。

髪留めには青と白のリボンが結んである。

(なおこの時この姿を想像した作者がオルガしかけた。止まるんじゃねぇぞ・・・)

 

 

 

 

 

 

「うん、上出来♪」

「ありがとうございますセイン!私、こういうの初めてです!」

「にひひ♪いつでもセイン様にお任せってね♪」

「見つけましたよシスターセイン!ここにいましたか!」

「うげっ!?シスターシャッハ!?ヤバッ!」

「今日という今日は逃がしませんよ!待ちなさーい!」

「待てと言われて待つ奴はいないよー!」

 

 

ドドドド・・・

 

 

 

「・・・(ぽかーん)」

「ハァッ・・・またですかセイン姉様は」

「これで今月は通算25回目、合計3565回目の脱走ですね。いつも最終的には捕まるのに飽きないのでしょうか姉様は」

「セインまた逃げ出したんだ・・・」

「セイン姉様は朝のお祈りは長いからキライと言っておられましたからね。今回もそれでしょう」

「しかしそれにしてはシスターシャッハの怒り方が尋常では無かったような・・・」

 

 

 

 

 

 

 

「待ちなさいセイン!私の大事に隠しておいた菓子を食べたのは貴女だと言うのは分かっているんですよ!観念なさい!」

「うぇっ!?あれシスターシャッハのだったの!?ゴメン!シャンテから貰ったからつい!」

「・・・あの子はぁ・・・!!とにかく貴女も同罪です!シャンテと一緒にお説教です!」

「嫌だー!「ディープダイバー」!」

「逃すもんですか!ヴィンデルシャフト!」

 

 

 

 

シャッハ&セイン、strikers24〜5話以来のガチバトル中

 

 

 

 

 

そんなこんなで慌ただしい朝食を済ませヴィヴィオに連れられていくイクス。

外にはバイクに乗ってタバコを吹かしているライダースーツ姿の千冬がいた。

(バイクイメージは某SAKIMORIのバイク)

 

 

 

 

 

「あれ?チフユさん?どうしたんですか?今日はイチカさんが来ると聞いていたんですが・・・」

「ああ、実はな、一夏が急に来れなくなってしまってな。代わりに私が来たというわけだ。そして道中ヴィヴィオに会い・・・」

「一緒にきたというわけです!」

「さて、そろそろ行こうか2人とも。これを使うといい」(ヒョイ

「おっとと・・・これは?」

「ヘルメットだよイクス。こう被るの」

「なんだか頭が重いです・・・」

「我慢してくれ。それを被ってないと警察に絡まれてめんどくさいことになるんだ。・・・2人ともヘルメットは被ったか?そろそろ行くぞ。掴まっていろよ?」

「ふぇ?」

「準備オッケーです!」

「うむ、では行くぞ!」

「はぇ?・・・ひぃやああああああああああああああああああああああぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ・・・・・・・・・」

 

 

 

 

 

※一夏の急な用事。

 

 

 

 

「すみません天羽さん、せっかくのオフに急な呼び出しに応じて貰えて・・・」

「いやいや、良いよ良いよこれぐらい。んじゃ、早速始めようか?」

 

 

 

 

ツヴァイウィングの初の1stアルバムのジャケット用写真の撮影中。

 

 

 

 

 

※ばっちぃ表現注意

 

 

 

 

「はぅぅぅ・・・まだ目の前がクラクラしますぅ・・・」

「・・・すまない、飛ばし過ぎた」

「うぷっ・・・吐きそう・・・。もう、ゴールしても良いよね・・・?」

「ゔぃ、ヴィヴィオ・・・まだダメです・・・まだゴールしてはダメです・・・」

「も、もうダメ・・・ウッ」

「ゔぃ、ヴィヴィオ!あとちょっとだけ耐えろ!せめて紙袋の中に出せ!」

「あ、ありがとうござiオロロロ・・・」

「ま、間に合ったか・・・」

「うぅ〜口の中が気持ち悪い〜」

「確かこの辺りに・・・あったあった、これでゆすぐと良い」

「あ、ありがとうございます・・・」

 

 

 

 

 

ワーワー。

 

 

 

 

 

「何だ?向こうが騒がしいな」

「結構ウプッ・・・人がいるみたいですね・・・オエッ」

「ヴィヴィオ、大丈夫ですか?まだ休んでいた方が・・・」

「だ、大丈夫!へいき、へっちゃらdオエエエ・・・」

「ダメですねコレ」

「仕方ない・・・ヴィヴィオは私がおぶっていこう。イクス、付いて来てくれ」

「はぁーい」

 

 

 

 

 

 

ドカッ、バキッ、ウワラバッ

 

 

 

 

 

「な、なんだよこの女!?強すぎるだろ!?」

「こ、こんなはずじゃなかったのに・・・」

「たっく・・・これで懲りただろ?早くこの子からカツアゲした財布返してやりな」

「な、舐めんじゃねェェェェェェェェェェェェェェェェェェ!!」

「・・・仕方ねぇなぁ・・・。よっと」

「ぐへぇあ!?」

「さて、どうする?まだやるか?」

「「す、すいませんでしたぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!」」

「もうすんじゃねぇぞ?ほいっ、盗られた財布」

「あ、ありがとうございます!あ、あの!お礼を・・・」

「良いよ良いよ。これくらい。只の趣味だし」

「しかし・・・」

「その金で友達になんか美味いもんでも買ってやりな。それじゃ、私はこれで」

「ほ、本当にありがとうございました!」

「んっー・・・人助けした後は気分が良いねぇ。さて、何処に行くかなぁ」

 

 

 

 

 

騒ぎの中心にいたのはカツアゲをされていた人を助けていた一夏だった。

最近性格が何処ぞのガングニール姉妹に近くなっているのは気のせいである。

一夏はくあぁっ、と大きな欠伸をしてその場を立ち去ろうとしたその時、一夏は背後に感じる怒気を感じ瞬時にその場からバックステップで距離を取った。

一夏が飛び退いた場所には怒りで黒く染まり目が紅く光っている千冬がいたのであった。

気のせいか背後に虎が見える。

 

 

 

 

 

「やあ、一夏・・・奇遇だなぁ?こんな所で会うとは・・・」

「ち、千冬姉・・・き、奇遇だなほんとに・・・」

「用事が出来たとか言いながら何こんな所で油を売っているんだ貴様はぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!」

「話を聞いてくれぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇ!?」

「問答無用ぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉ!!『ヴァイサーガ、SET UP』」

「なんでさぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!?」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

数分後。

 

 

 

 

 

 

 

 

「・・・つまり?ツヴァイウィングのアルバムのジャケット写真を撮って時間が余ったからこの辺りをぶらついていたらカツアゲの現場に遭遇してほっとけず助けたと」

「は、はい・・・」

「ハァッ・・・全く、そういう事なら早く言わんか馬鹿者が」

「だって言う間も無くヴァイサーガ纏って斬り込んで来たじゃん」

「ぐぅ・・・」

「まあまあ、千冬さん。それくらいで・・・」

「・・・ハァッ・・・仕方ない。昼食奢りで勘弁してやる」

「ウゲッ・・・今俺持ち合わせあんまし無いぞ」

「わーい!一夏お兄さんのおごrうぷっ・・・」

「ヴィヴィオ!しっかりしてください!」

「・・・ヴィヴィオに何があった?」

「サイドカーに乗せてバイクをぶっ飛ばして来ただけだが?」

「やり過ぎだ馬鹿姉!」ドゴォ

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

イクスside

 

 

 

 

 

喧嘩しながら一緒に歩いていく一夏さんと千冬さんのお2人を見ながら

私は立ち止まり上を見上げる。

雲一つない綺麗な空、古代ベルカの戦乱で見えなくなってしまっていたあの頃とは違い空はその吸い込まれそうな青空が広がっている。

私は冥王として、兵器として生まれたけどこうしてこの今をヒトとして生きている。

私はこの生を大事にしたい、この今を生き尽くしていたい。

私はそれだけでも幸せです、ヴィヴィオ、スバル、イチカさん。

私にとって毎日過ごすことだけでも鮮烈で大切な思い出ですから!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

???

 

 

 

 

 

 

 

「さてと、準備完了。さあ、始めようか・・・クズ転生者粛正回を!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

次回、マテリアルズ・ストラトス

 

 

 

 

 

 

 

 

 

おまたせしました、粛正回デース

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

リリカルなのはデトネイションの公開が10月だなんて聞いてないぞ瑠璃ぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃ!!by作者




いやぁ、おまたせしました。


色々リアルの事情が重なりまして・・・、申し訳ないです。



ぐだぐだ帝都聖杯奇譚やりながらのんびり製作していきます。


ではまた次回

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