この無敗の捜査官に祝福を!   作:ちょこ0720

4 / 42
どうも、ちょこ0720です!
今回からはめぐみんを登場させていきます。次は変態クルセイダーかな?
では第4話どうぞ!


この無敗の捜査官と紅魔族の少女を!

「仲間を募集しよう!」

 

街に帰還した俺たちは、真っ先に大衆浴場に行って汚れを落とし、冒険者ギルドにてカエルもも肉の唐揚げを食い、作戦会議をしていた。

 

ここ冒険者ギルドは、討伐したモンスターの買い取りと、モンスター料理が売りの大きな酒場が併設されている。今日は俺の倒したカエル一匹と有馬さんの倒したカエル十数匹で、かなりの稼ぎになった。

 

「仲間?私と有馬がいれば十分よ。ね?有馬?」

 

有馬さんはともかくお前は囮くらいにしか役立ってなかっただろ。

 

「俺は仲間は必要だと思う。」

 

おぉ、まさかのところからの援護射撃。これにはアクアも驚いたようで

 

「なんでよ!私たちじゃそんなに戦力にならないのかしら?」

 

と、声を荒らげながら言っていたが、やがて周囲の目が気になったのか静かに席についた。

 

「確かに、この街の近くのモンスターだけなら問題はないだろう。しかし、俺たちの最終的な目標は魔王の討伐じゃないのか?」

 

あ...すっかり忘れてた。

 

「そ、そういえばそうだったわね。」

 

お前も忘れてたのかよ...

 

「けど、俺達のパーティーに入ってくれる人なんているのか?」

 

確かに有馬さんの言う通りだ。こんな駆け出しパーティーに入ってくれる奴なんかそうそういないだろう。

 

「安心なさい!この私がいるんだから、仲間なんて募集をかければすぐよ。なにせ、私は最上級職のアークプリーストよ?ちょろっと募集をかければ『お願いですから連れてってください』って輩が山ほどいるわ!」

 

だから心配なんだよ。

 

 

 

 

翌日の、冒険者ギルドにて。

 

「来ないわね...」

 

「来ないな...」

 

「...」

 

俺達3人はそれぞれこんなことを言っていた。あれ?有馬さん寝てね?

 

求人の張り紙を出した俺達は、冒険者ギルドの片隅にあるテーブルで、すでに半日以上も未来の英雄候補様を待ち続けている。

 

どうやら、張り紙が他の冒険者に見てもらえてないわけではないらしい。俺達以外にもパーティーを募集している冒険者はそこそこいる。だがその人達は次々と面接をして、何やら談笑した後どこかに連だって行った。誰も来ない理由は明白だった。

 

「なぁ、ハードルを下げないか?目的は魔王討伐だから仕方ないっちゃ仕方ないんだけど...流石に上級職のみ募集しますってのは少し無理があるだろ」

 

「うう...だってだって...」

 

「おい」

 

「そうですよね、有馬さんも言ってやってくださいよ。」

 

「一人連れて来たぞ。」

 

「そうですよね、来るわけがないですもんね...え?今なんて?」

 

「だから、一人連れて来たって」

 

有馬さんの隣には12~13歳にしか見えない、片目を眼帯で隠した小柄で細身な少女が立っていた。

 

「迷子ですか?」

 

「ち、ちがわい!」

 

そう言うと突然バサッとマントを翻し、

 

「我が名はめぐみん!アークウィザードを生業とし、最強の攻撃魔法、爆裂魔法を操る者!」

 

「有馬さん...そういうドッキリはやめて下さい。一瞬本当に来たかと思ったじゃないですか。」

 

「ドッキリじゃないぞ。彼女が俺達のパーティーの張り紙を熱心に見ていたから声をかけてみたんだ。」

 

急に消えた思ったらそんなことをしていたのか。

 

「...その赤い瞳。もしかして、あなた紅魔族?」

 

アクアの問いにその子はこくりと頷くと、アクアに自分の冒険者カードを手渡した。

 

「いかにも!我は紅魔族随一の魔法の使い手、めぐみん!我が必殺の魔法は山をも崩し、岩をも砕く...!...という訳で、優秀な魔法使いはいりませんか?...そして図々しいお願いなのですが、もう三日も何も食べていないのてす。できれば、面接の前に何か食べさせては頂けませんか...」

 

めぐみんは、そう言って悲しげな瞳でじっと見てきた。それと同時に、めぐみんの腹の辺りからキューと切ない音が鳴る。

 

スゥと有馬さんがメニューを手渡した。

 

「あ、ありがとうございます!」

 

急に元気になったな。それほど腹が減ってたのか。

 

それからめぐみんは唐揚げを頼んだ。

 

「なぁ、その眼帯はなんだ?怪我でもしているなら、こいつに治してもらったらどうだ?」

 

「...フ。これは、我が強大なる魔力を抑えるマジックアイテムであり...。もしこれが外されることがあれば...。その時は、この世に大いなる災厄がもたらされるだろう...」

 

「へえー...。封印みたいなものか」

 

「まあ嘘ですが。単に、オシャレで着けているただの眼帯...、あっあっ、ごめんなさい、止めて下さい引っ張らないでください!」

 

「...ええと。カズマと有馬に説明すると、彼女達紅魔族は、生まれつき高い知力と強い魔力を持ち、大抵は魔法使いのエキスパートになる素質を秘めているわ。紅魔族は、名前の由来となっている特徴的な紅い瞳と...。そして、それぞれが変な名前を持っているの」

 

めぐみんの眼帯を引っ張っている俺といつの間にか席についていた有馬さんにアクアが言った。

 

...なるほど。名前といい眼帯といい、有馬さんと組んで俺を驚かせようとしてるのかと思った。

 

眼帯を開放され、気を取り直しためぐみんは。

 

「変な名前とは失礼な。私から言わせれば、街の人達の方が変な名前をしていると思うのです。」

 

「...ちなみに、両親の名前を聞いてもいいか?」

 

「母はゆいゆい。父はひょいざぶろー」

 

「「...」」

 

思わず沈黙する俺とアクア。あれ?有馬さん笑ってね?

 

「...とりあえず、この子の種族は質のいい魔法使いが多いんだよな?仲間にしてもいいか?」

 

「おい、私の両親の名前について言いたい事があるなら聞こうじゃないか。それからそこ!いつまで笑ってるんですか!」

 

有馬さんまだ笑ってたのか...

 

「いーんじゃない?冒険者カードは偽造できないし、彼女は上級職の、強力な攻撃魔法を操る魔法使い、アークウィザードで間違いないわ。カードにも、高い魔力値が記されてるし、これは期待できると思うわ。もし彼女の言う通り本当に爆裂魔法が使えるなら、凄いことよ?爆裂魔法は、習得が極めて難しいと言われる爆発系の、最上級クラスの魔法だもの」

 

「おい、彼女ではなく、私のことはちゃんと名前で呼んで欲しい」

 

ちょっと変わり者だけどまあいいや

 

「俺はカズマ。こいつはアクアだ。んで、お前を連れて来た人が有馬さん。よろしく、アークウィザード」

 

めぐみんは何か言いたそうな顔をしながら、ちょうど来た料理を無言で食べ始めた。




今回はどうでしたか?なんか有馬さんのセリフが少ないような気がする...まぁ元々口数の少ない人だから仕方ないですよね?
という訳で次回からはキャラをもっと出す予定です!
ではまた次回お会いしましょう!

感想や質問など募集しております!

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。