この無敗の捜査官に祝福を!   作:ちょこ0720

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読者さんに言われて初めて気づいたんですが、この小説もうすぐ40話を迎えるのにまだ原作でいうと2巻の前半~中盤あたりなんですよね...

そんなことよりも、ピエロやばいですね...


この無敗の捜査官とドラゴンを!

雲一つない綺麗な青色をした空。

そして、風に揺れる艶やかな草木。

絶好のピクニック日和である。

だが、ピクニックをしている人は一人もいなかった。それどころか人が全くいない。

ただ一人を除いては。

 

有馬貴将は一匹のドラゴンと草原で向き合っていた。

ギルドでクエストを受注してから二日経ち再びドラゴンが現れたとギルドの受付嬢、ルナに呼び出されて今に至る。

 

現在有馬はナルカミとIXAを両手で持ち、油断なく構えていた。

対するドラゴンは肌の色が黒くもしここにカズマがいれば黒レイヤだ、といいそうなものである。

ドラゴンは威嚇でか雄叫びを上げる。

が、有馬は全くといってもいい程動じない。

有馬が逃げるどころか動じもしないのを見たドラゴンは再び咆哮を上げると火の玉を吐いた。

しかし、有馬は避けるどころかその火の玉に向かって走り出した。

 

はたから見れば自殺行為だろう。

火の玉は控えめに見ても防御力の高いクルセイダーや高位の冒険者ですら大ダメージを負うようなものであった。

故に、普通の冒険者であれば必ずしも避けるものである。

なぜならば絶対に回避する自信のある者はいくら高位の冒険者とはいえほとんどいないからだ。

ましてや、ここはアクセルの街、つまるところ駆け出し冒険者の街である。

この街でその行為は正しく自殺行為である。

まぁ、この場に見てる者はいないのだが...。

 

有馬は火の玉をめがけて走る。

そして、火の玉が当たる瞬間、身を少し左に傾けることで、最小限の動きで回避する。

その動きは洗練されたもので、何回もこのような無茶な回避方法をしてきたということがわかる。

 

そして、そのままの勢いでドラゴンの腹の下に滑り込み腹を切り裂いていく。

が、ドラゴンもバカではない。腹の下に滑り込まれるとすぐさま翼をはためかせ空中へと浮上する。その咄嗟の判断もあってか、腹の下の傷は深いものではなかった。

 

有馬はそのことに落胆や舌打ちをするどころか、表情一つ変えないままであった。呼吸や脈拍はいつも通りであり、少しでも息を切らした様子はない。

 

突然だがドラゴンは空中の覇者と呼ばれることもある。それは、ドラゴンが空中戦において、最も優れているからであり、人間も、ウィザードやアーチャーのように空中を攻撃できる者がいなければ、倒すことが難しいからだ。

 

故にドラゴンは慢心していた。

見た感じあの人間は近距離で攻めてくるタイプであり、空中に対する攻撃手段を持ち合わせていないかもし、持ち合わせていたとしても大したものではないだろうと。

 

だから地上からの電撃のような攻撃を回避するのが遅れた。

ドラゴンも身を翻し回避を試みるが避けきれず翼に被弾してしまう。

翼は飛行する上において最も大切な部位であると言っても過言ではないだろう。そこに、雷が走ったような感覚に襲われればどうなるかは察しがつくだろう。

ドラゴンはそのまま地面へと落下していった。

その隙を見逃すほど有馬はバカではない。

すぐさま地面を蹴り落下するであろう地点に回り込み構える。

そして、ドラゴンが落下した瞬間、ほんの一瞬だった。全長十メートルはあるであろうドラゴンの体が真っ二つに裂けた。

...いや、切り裂かれたと言った方が正しいだろう。

ドラゴンの頭部が落下してくるであろう地点にいた有馬はドラゴンが落下した瞬間にドラゴンの尻尾付近の場所にいた。

つまり、ほんの一瞬の間に十メートルを走り抜け、さらにドラゴンを綺麗に真っ二つに切り裂いた。

 

そんな有馬だが、返り血は一滴も浴びておらず、正しくその姿は白き死神であった。

 

 




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白スーツもどうするんだろう...

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