この無敗の捜査官に祝福を!   作:ちょこ0720

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どうもちょこ0720です!
今回から一応前回の???キャラを出していこうかなと思ってます。
では第13話どうぞ!


この無敗の捜査官と首無し騎士に祝福を!

「全く...!何でこのタイミングで引越しに来るのよ!幹部だかなんだか知らないけど、もしアンデットなら見てなさいよ!」

 

アクアが涙目で有馬さんに愚痴っていた。

アクアの気持ちもすげえよくわかる。

 

 

 

「つまり、国から腕利きの冒険者や騎士団がここに来るまでは、まともな仕事ができないって事か」

 

「そういう事です。...となると、クエストの無い間はしばらく私に付き合って貰う事になりそうですが...」

 

俺はめぐみんと共に、街の外へと出ていた。

めぐみんの一日一爆裂に付き合うためだ。

 

「なあめぐみん、何で俺なんだ?いつもなら有馬さんと行ってるだろ?」

 

そう。いつもクエストの無い都は有馬さんと共に爆裂魔法を放ちに行っていた。

 

「えーと、以前爆裂魔法を街の近くで放った時、守衛さんに怒られまして、それ以降は少し自重するようにと貴将に言われまして。」

 

なるほど。守衛さんだけじゃなく、有馬さんにも少し怒られたのか。

 

「もうこの辺で良くないか?適当に撃って帰ろうぜ」

 

「...?あれは何でしょうか。廃城?」

 

俺の話を全く聞いていなかっためぐみんが少し遠くを指差していた。

丸腰だが、モンスターは出ないらしいしまあいいか。

 

「アレにしましょう!あの廃城なら、盛大に破壊しても誰も文句は言わないでしょう」

 

...ん?廃城?なんか引っかかるけどまあいいか。

 

心地よい風が吹く丘の上。

のどかな雰囲気には場違いな、爆裂魔法の詠唱が風に乗った...!

 

...こうして、俺とめぐみんの新しい日課が始まった。

 

文無しのアクアは、毎日アルバイトに精を出している。

ダクネスは、しばらくは実家で筋トレをしてくると言っていた。

有馬さんは、居心地がいいのかウィズの店に通って、そこでコーヒーを飲みながら本を読んでるらしい。

 

めぐみんの傍らで、毎日魔法を見続けていた俺には、その日の魔法の出来が分かるようになっていた。

ひょっとして、有馬さんもできてたのだろうか。

 

「『エクスプロージョン』ッッッ!」

 

「おっ、今日のはいい感じだな。爆裂の衝撃波が、ズンと骨身に浸透するかの如く響き、それでいて肌を撫でるかのように空気の振動が遅れてくる。相変わらず、不思議とあの廃城は無事な様だが、それでも。ナイス爆裂!」

 

「ナイス爆裂!ふふっ、カズマもまだまだ貴将には劣りますが、だんだん爆裂道がわかってきましたね。今日の評価はなかなかに的を射ていて良かったですよ」

 

俺とめぐみんは、そんなことを言いながら笑い合う。

 

 

 

 

 

 

日課の爆裂散歩を続け、一週間が経った、その朝。

 

《緊急!緊急!全冒険者の皆さんは、直ちに武装し、戦闘態勢で街の正門に集まってくださいっっ!》

 

街中に、お馴染みの緊急アナウンスが響き渡った。

そのアナウンスを聞いて、俺達もしっかりと装備を調え、現場へ向かう。

街の正門に多くの冒険者が集まる中、そこに着いた俺達は、凄まじい威圧感を放つそのモンスターの前に、呆然と立ち尽くした。

 

「デュラハンか...」

 

近くにいた冒険者が呟いた。

 

するとそのデュラハンは、

 

「...俺は、つい先日、この近くの城に越してきた魔王軍の幹部の者だが...」

 

デュラハンの持つ首がプルプルと震えだし、ついに

 

「まままま、毎日毎日毎日毎日っっ!!お、お、俺の城に、毎日欠かさず爆裂魔法を撃ち込んでく頭のおかしい大馬鹿は、誰だああああああああー!!」

 

魔王の幹部は、それはもうお怒りだった。

 

ずっと何かに耐えていたが、とうとう我慢できずに切れてしまったというようなデュラハンの叫びに、俺の周りの冒険者達はざわついた。

 

「...爆裂魔法?」

 

「爆裂魔法と言ったら...」

 

「あいつだよな...」

 

俺の隣に立つめぐみんに視線が集まった。

 

やがてめぐみんがため息を吐き前へ出ようとした時、有馬さんがめぐみんの前に出てきて歩き出した。

それに伴って、冒険者達がデュラハンへの道を空けてくれる。

 

「お前か?毎日俺の城に爆裂魔法を撃っていたやつは」

 

デュラハンは有馬さんを怪しむような目で見ていた。

 

「お前からは魔力が感じられないのだが」

 

そう言う事か。

めぐみんが手をプルプル震わせている。きっと有馬さんを心配しているのだろう。俺も心配だ。いくらカエル相手に無双できるとはいえ相手は魔王軍の幹部だ。相手が今までと違いすぎる。

 

「俺は、その爆裂魔法の娘と同じパーティーの人間だ」

 

「俺が用があるのはその爆裂魔法の娘なのだが...ん?貴様、今までにどれほど殺った?」

 

...殺った?モンスターのことか?

 

「何のことだ?」

 

「とぼけるなよ。俺は死を宣告するデュラハンだぞ。その程度のことはわかる。...そうだな、ざっと百は超えてるんじゃないか?...いや、千か?」

 

デュラハンの目付きが変わる。

まるで、強敵を相手にした時のような目付きだ。

 

「話は終わったか?俺も余計な命は摘みたくない。この街に手出しをしないなら見逃してやろう」

 

(...俺も随分と丸くなったものだな)

 

「ふん!バカな事を抜かすな!仮にも魔王軍の幹部だぞ!」

 

「...そうか」

 

そう言うと、有馬さんは持っていたアタッシュケースのスイッチを押す。すると中からいつも使っているナルカミが出てきた。

 

「名乗れ。これでも元騎士だ!俺の名はベルディア!魔王軍幹部が一人、デュラハンのベルディアだ!」

 

「...俺は、有馬貴将だ」

 

二人はそう言うと同時に、剣を振るった。

 

 

そこからは凄かった。

ベルディアは頭を空へ投げると、有馬さんの攻撃を全て見切り、多少ダメージを負っても致命傷まではいかなかった。

そんなことよりも凄いのが有馬さんだ。

相手の動きを全て知っていたのかというくらいの動き。ベルディアの攻撃をかすりもせずに避け、相手にじわりじわりとダメージを負わせている。

 

「なぜだ!なぜ当たらんのだ!」

 

ベルディアはしびれを切らし、こう言った。

 

「...」

 

当の有馬さんは何も喋らず交戦していた。

しかし、有馬さんも致命傷となる一撃を与えることができていなかった。

 

(...あと一手あれば、確実に)

 

すると唐突に、

 

「おやおや青年、珍しいじゃないか。苦戦するなんて」

 

一人の女性が声を上げ、冒険者だけではなく、ベルディアと有馬さんまで彼女に注目した。




第13話どうでしたか?
???キャラは最後の所だけでしたが、誰だかわかりましたかね?
ではまた次回お会いしましょう!

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