土曜日
「今日は新しく入ってくるアイドルの顔合わせっと」
予定表を見ながら声出し確認をする。
今回の顔合わせはアイドル同士だけではなく346のプロデューサー全員も集まる。
「ちょい早めに着いたけど誰かいるかな?」
9時に来るように言われたが新人は1時間前にいるみたいな社会的な空気を汲み取って早めに来た。
しかし事務室に入ると普段どこか空いてる机が全部埋まっているのが見える。
「おっ、噂の中学生マネージャーかな?」
「……みたいですね」
「ちひろさん曰く武内さんが珍しく我儘を言ったらしいからな」
「というか初めてですよっ!」
「………高梨くんおはようございます」
なんでこの人達1時間前にいるんですか?
「すいません遅れました」
「いえ遅刻ではないですよ、むしろ早くに来たというか………」
「そうですか………えっと、自己紹介した方がいいですよね?」
「はい、今日は皆さん揃っていますから」
武内プロデューサーに促され、プロデューサー達の前に出る。
「えーと、この度346プロダクションのマネージャーという名目でお手伝いになります高梨和也です、よろしくお願いします」
「こちらこそよろしく」
「………こちらもしますか」
「ですねー」
「じゃあ俺から行きますか」
そう言って立ったのはメガネをかけた新人教師という印象が強い人が自己紹介をする。
「俺は赤羽根健二、主に赤羽根プロデューサーと呼ばれることが多いな、得意な事は、仕事で番組系の出演を貰う事が多いこと、趣味はなんだかんだ喋ることかな?まぁ、この中のプロデューサーでは一番経験浅いからあんまり先輩面は出来ないけど、これからよろしくっ!!」
「はい、よろしくお願いします」
簡単に挨拶をすると次に立ったのはプロデューサーで唯一の女性の方だ。
「それじゃあ次は私ね、東豪寺麗華、麗華さんって呼びなさい。特技ねぇ………一応ライブの仕事担当だからライブの仕事を貰うことかしら?趣味は特に無いわね、それと中学生だろうがこの業界に入ったからにはしっかり働いて貰うからその辺は容赦しないわよ」
「はい、気をつけます、よろしくお願いします」
「えぇ、よろしく」
俗に言うキツめな女性という奴だけど仕事に真面目な人なんだろう。
「順番的には武内君だけど、武内君とは面識あるから僕かな、北原耕平、北原さんとか北原プロデューサーとか色々呼ばれます、他の3人と違って得意な事とかないけど、この中じゃ一番経歴は長いかな?趣味は…というか好きなことは子供に言うのもアレだけどここのみんなで飲み屋で飲むことかな、高梨君も仕事がひと段落したら一緒に行こうか」
「はい、よろしくお願いします」
なんというか弱々しい人っていうか、腰が低い人だな。
そう思ったら隣のちひろさんに肩を叩かれる。
「(あんな弱い腰なのに大丈夫とか思った?)」
「(まぁ、正直)」
「(でもね、あの人ここにいるプロデューサーを3人足しても勝てないくらい超絶有能なんだよね………私も計算得意だけどあの人には勝てないし)」
それを聞いて一瞬頭が理解できなかった。
「(えっと………ちひろさんよりお金の計算早いんですか?)」
「(なんでお金限定なのか色々言及したいけど、………私より早いわよ)」
ちひろさんは苦笑いをしながら北原プロデューサーを見ている。
他の3人も「(あの人はマジで別格だから)」と視線で言われる。
「折角揃ったんで1時間前倒しで軽い会議を始めようか」
北原さんがそう言うと、武内さんが今回のオーディションで受かったアイドルのプロフィールをみんなに配る。
「今回のオーディションでは14人のアイドルを受け入れようと考えています」
あんだけ受けてたったの14人だけか………
アイドルって厳しいなー
それからは武内さんの進行により一人一人のアイドルの特徴等をこと細かく説明を受けた。
「高梨くんそろそろアイドル達が来る時間だから私たちで迎えに行きますよ」
まだ集合の1時間前だが、気合いの入ってるアイドルは早めに来るのでちひろさんと2人で待つ。
「やっぱり超絶有能ですね」
「ん?あぁ、武内プロデューサーの特徴説明だけでいきなり企画書(仮)を書き始める有能プロデューサー達?」
「あそこに居ると本当にあの4人で回せそうと感じてしまいますよ」
ちひろさんと軽く談笑していると一番早くに来たのは島村卯月さんだった。
30分前になると大体のアイドルは揃い、15分前に双葉杏さんが来て全員集合した。
途中で神崎が来た時、お互い目が合ったがそれ以上のことは特になかった。
「一応神崎さんのマネージャーは決定していますが、初めから特別扱いは流石に………」
ちひろさんに一言釘を刺されていたので、神崎にも最初は学校のノリで話さないけど気にすんなと言ってある。
………言ってあるが、
「(待っている間、本を見るフリをしてこちらをちらちらと見るのは止めなさい)」
隣のちひろさんも肩を震わせながら、高梨くんものすごく見られてますよと笑いをこらえながら言われた。
なんだか前途多難だな、こりゃ。
この後プロデューサー全員がこちらに来て挨拶と激励を送った。
その時俺は話すことはないかなと思って聞いていただけだが、武内さんに一言挨拶をするようにいわれた。
「えっと、マネージャーの高梨和也です、まだ担当アイドルは決まってはいませんがこの中から担当が決まると他のプロデューサーから言われています、………えっ、激励も?」
武内さんに頷かれる。
色々考えたが俺がアイドルに必要だと思うこと話してみる。
「………皆さんはアイドルになって何がしたいですか?
歌なのかダンスなのかタレント活動なのか?何も考えずに頑張っても上手く行きません。明確にやりたいことを考えて、プロデューサーに伝えて、それが実現できる技術と努力が必要です。
当然これから辛いことや上手くいかないこともありますが、それを乗り越えて来た人達が皆さんの知ってるアイドルです。
………とまぁ、偉そうにここまで語りましたが、自分も新人なので失敗や上手くいかないこともありますので一緒に乗り越えて行きたいと考えてます」
そう言って俺の挨拶は終わった。
挨拶終了後アイドル達はレッスンをするのだが、俺は雑務に追われている。
「本当に中学生らしくないわね」
後ろから東豪寺さんから紙を渡されつつそう言われた。
「良く言われますけど、そんなにらしくないですか?」
「えぇ、正直まだアイドル達の方がまだ中学生らしいわよ」
「まだ仕事を貰ってないから実感がないんですよ」
「そういう返しが出来る所もそうよ、さっきの激励も中学生らしくないし」
「まぁでもただの中学生ですから」
「ただの中学生だったら私は仕事なんて回さないわよ」
「………これからも精進するんでよろしくお願いします」
「………なるべく早くここの戦力になりなさい」
「頑張ります」
そう言って彼女は仕事に戻った。
「うちの事務所一位二位を争うぶっきらぼうな性格なんだよ」
近くにいた赤羽根さんに声をかけられる。
「一位二位って武内さんと東郷寺さんですね」
「あの二人、性格のせいで色々怖がられるけど面倒見がいいからね、例え君が仕事が出来なくても出来るまでちゃんと教えるから」
「実体験ですか?」
「実体験だね、さっきのも気になって来ただけだと思うよ」
なんというかツンデレ気質な人だな。
「あぁ、ついでにツンデレって言うと本気で怒るから言わないようにね、それと実はあれ胸パッ………がはっ!?」
「貴方はさっきから何を言ってるのかしら?」
赤羽根さんの頭をアイアンクローをしてそのまま持ち上げる
「ちょちょ、東豪寺さんマジでシャレにならない」
「お喋りする暇があるならさっさと仕事の一つや二つ貰って来て来なさい」
「分かりましたから、手を離してぇーー」
なんだか賑やかな職場だが、みんないい人達ばかりです。
FGOやる→執筆が遅れる→書き終わる→投稿途中で寝落ちする→朝気づく→投稿する
事務所の説明とか、プロデューサーの設定とかマジで適当なノリなんで気にしないでください。
でも、作者は正直プロデューサーの説明よりも蘭子との絡みが書きたいでござる。
話に必ず蘭子可愛いを入れたい作者。