「シヴァの息吹に晒される前に」
「「冷めない内にどうぞ」をそんな風に言えるのは神崎だけだよ」
中々美味しい紅茶を飲み終えて、なんとなく周りを見渡す。
「家の人は?」
「ゼウスは神託の会議、ヘラは友との晩餐で遅くなるそうだ」
「へー」
うんじゃ、お茶も貰ったし帰ろうかなと思ったら。
「スマホ忘れてたわ、あら、蘭子帰って……た…?」
神崎の母親らしいが………若いわっ!?
普通にお姉さんでも通るレベルで若い、あと落ち着いてる時の神崎と雰囲気がすごく似てる。
「クラスメイトの高梨です」
こっちを見て固まっているからこちらから先に挨拶をしたら、つかつかとこちらに来て肩を掴む。
えっ?なんですか?
「君、蘭子のお友達?」
「は、はいそうですけど?」
「あの子が何言ってるかわかる?」
「えぇ、一応伝わりますけど」
というか肩をつかんでいる手が痛いです。
「もしかして今日蘭子が友達と出かけるって言ってたけど」
「はい、本当はもう一人女の子がくる予定でしたけど風邪で休んじゃって」
「………もう一人友達がいる?しかも女の子?」
「あのお母さん、我が盟友の肩が……」
「あぁ、ごめんなさい、つい興奮しちゃって」
「いえ大丈夫ですけど」
「あの蘭子にお友達が………東京に引っ越して今が一番良かったと思ったわ」
「お、お母さん今日は友達と夕食に出かけるって」
「ちょっとくらい遅れても大丈夫よ、へへぇー、それより蘭子、家に誰も居ないのに男の子を連れ込むなんて意外とやるじゃない」
「連れ込むっ!?」
顔赤くして必死に否定しているが、軽く聞き流しつつこちらを見る。
「で、本当に蘭子の言ってること分かるの?」
「まぁ、大体は分かりますが」
神崎のお母さんは少し唸ってから「んーそれじゃあ」
「………降臨の時っ!!」
「えっ?………あぁ、はじめまして」
「………闇に飲まれよっ!!」
「お疲れさまです」
「………フフッ、煩わしい太陽ね」
「おはようございます」
「………創造の時っ!!」
「これからよろしくね」
「………深淵からの呼び声?」
「呼びましたか?」
「合格っ!!」
ビシッと親指を立てつつそう言われた。
「うん、君には蘭子ちゃん初段は挙げてもいいね」
よく分からない称号をもらったんだが、しかもこれでまだ初段なの?
「で、今日は蘭子と何処に行ったの?」
「服を買いに、それと書店で本を読んで、あとお昼にラーメン食べに行きましたね」
「二人で行ったの?」
「そうですけど」
「………蘭子がついにデートかぁ、本当に東京に引っ越して良かったわー」
「で、デートじゃない!!」
「でも傍目から見たら完全にデートじゃない?ねぇ高梨くん?」
なんでこっちに振るんですかお母様、神崎さんもこっちを見て睨まないでください。
「本人が違うって言ってますので「お友達と遊んでた」って事にしといてください」
「えー、お母さんつまんないよー」
「お母さんっ!時間っ!!」
「あらやだ、流石にこれ以上はマズイわね、それじゃあ高梨くんゆっくりしていってねー」
そう言ってすぐに部屋を出ていてしまった。
………嵐みたいな人だな、うん。
神崎の方をチラッとみると物凄く疲れた顔をしている。
「中々面白いお母さんだな」
「………逢い引きではないぞ」
「知ってるって、それよかアイドルのことは神崎が言っとけよ」
スカウトされたことは伝えなかったし。
「………わかっている」
「それじゃあそろそろ御暇させてもらうわ」
「おいとま?」
「去るとか、帰るって意味、あんまりカッコいい言葉じゃないから覚えなくていいぞ」
そう言って席を立つと
「も、門まで見送ろう」
お互いマンションの前まで会話はなかったが特に息苦しいと感じることはなかった。
「今日は楽しかったよ」
「今日の輝きは、光る天馬の如し、再びこの輝きが見れることを期待する」
「あぁ、今度は藤井さんも一緒にな、うんじゃまたな」
「闇に飲まれよっ!!」
最後はらしく締めたな。
今日は学校と違ってキャラ崩壊することが多かったし。
「それよか、来週のことだよ」
マネージャーの仕事ねぇ………それよか中学生って働けるのできるのか?
「まっ、いいか」
難しいことは人間関係だけでいいってことよ。
「あー楽しかった」
ノリで書いてるから文字数は基本作者の気分です。
そしてノリで書いてるから当然のように付く低評価………
まぁ、ノリで書いてるし、しゃーないしゃーない。
そして安定のまだアニメを見てない作者!!
だけどデレステのコミュは見るスタイルですっ!!