意外と踊れる
「「ユニットデビュー?」」
神崎と飛鳥の2人を事務室に呼んでユニットついて伝える。
「次の秋ライブでサプライズデビューって形でデビューしてもらう」
「サプライズデビュー………新曲とかの披露なら聞いたことあるがユニットデビューはあんまり聞いたことがないな」
「そっ、力のないアイドルがライブデビューをやったら困惑して終わっちゃうけど、2人の人気なら問題なしというのがプロデューサー達の結論だったよ」
「随分と信頼されているね」
「ククク、我らに超えられない壁などないっ!!」
このユニットに関してはプロデューサーもゴーサインも出ている。
「それに伴って飛鳥は次の神崎のラジオにゲスト出演。それと麗華さんから「ライブの全体曲は初めてだからソロと違うことを」だとさ」
「分かった」
「神崎はこのユニットもあるけど、秋ライブはソロの方もあるから、覚えることが多いけどしっかり頼むな」
「任されたっ!!」
「連絡はここまで、このあとレッスンルームでトレーナーさんとユニットの練習があるから遅れないようにな」
連絡事項を伝えて一息つけようと思ったが、神崎がジッとこっちを見る。
「我が盟友はこの後どうするのだ?」
「うーんと、麗華さんと一緒にライブの打ち合わせのサポート、そこから近くにいる美嘉さんを拾って、別のスタジオに届けてから、このユニットについて売り込みに行ってくる」
「そ、そうか」
そんなしょんぼりした顔すんなよ………良心が痛むから。
「彼にとって必要の仕事なんだ、そしてボクらも必要の仕事がある」
「………飛鳥が素直に従うのは珍しいな」
思わずらしくない飛鳥を見て、ついそう言ってしまったが、ジトッとこっちを見てくる。
「聞こえているからな………まぁ、キミはボクが素直じゃないって分かっている、だからこそキミには素直になるのさ」
反発、反抗は飛鳥の持ち味、モットーである。
………どっちかというと飛鳥みたいな厨二は多い。
「………反骨精神の塊め」
「それはボクにとって褒め言葉さ………さっ、蘭子行こうか」
「うむっ」
さてこっちもお仕事しますか。
side蘭子
「はい、それじゃあ今日はここまで」
トレーナーさんの指導は相変わらず厳しいなぁ………
呼吸を整えてから、柔軟体操っと。
「………蘭子はまだまだ余裕そうだね」
飛鳥ちゃんはまだ呼吸が整わないのか、ゆっくりと呼吸をしている。
「我が学び舎では力を試す刻でな、それで鍛えられたかもしれん」
「へー、体育祭か…そういえば彼も同じ学校なんだろ?」
「我が盟友もそうだな」
「学校では体育祭の練習、休みは事務所で仕事………彼は一体どこで休んでいるんだい」
飛鳥ちゃんは苦笑しているが、思わず確かにと考える。
授業中寝たことは見たことないし、お昼休みはいつも鬼ごっこしてるし、事務所でもいつも何かしら仕事をしている。
「もしかして休んだ所を見たことないのかい?」
「うむ、常に何かしらの働きをしている」
「………倒れなければいいけどね」
我が盟友が倒れる…か、正直全く想像出来ないなぁ。
「彼は学び舎ではどんな感じなんだい?」
「案外普通の学生をしている、常にという訳ではないが何かしらの中心にはいるが」
「へぇ、意外だな」
我が盟友とのお話で盛り上がる。
学校ではあんまり喋ってくれない話、二人三脚の時の話、仕事前にからかってくる話、この前の水着の撮影の時の話、どんどん我が盟友の話が出てくる。
「ふふっ」
「ん、なぜ笑う?」
「いや、蘭子の新たな一面を見れて面白いなって」
「新たな一面?」
「自覚は無しか…なるべく早く気づいた方がいい、ボクもなるべくフェアで戦いたいからね」
「???」
「ふふっ、キミならすぐに気づくさ」
すぐに気づく?何にだろう?
「お疲れさまです…ってやっぱり終わった後か」
「我が盟友っ!?」
「思った以上に打ち合わせが早くに終わったから、ちょっと見にきてな」
そう言い、スポーツドリンクを投げ渡される。
「良き働きだっ」
「もうちょいちゃんとお礼を言え」
「ちゃんとボクの分もあるんだな」
「当たり前だっつうの…あぁ、それと飛鳥」
我が盟友と飛鳥ちゃんは仕事の話で少し話し込む。
………なんかこの2人って仲がいいような気がする。
他のアイドルより近いっていうか…いや近いんだけど。
「それと神崎…ってなんで膨れてるんだよ」
「むぅ、なんでもない」
自分でも分からないが機嫌が悪くなる。
「たまーに理不尽だよね、らんらん」
「なっ!?」
「らんらん?…あぁ、蘭子の二つ名か、ボクもこれからはらんらんって呼んだ方がいいのか?」
「それは今度のラジオで頼むよ」
「マネージャーがそう言うなら仕方ない」
「ら、らんらん言うなっ!!」
2人して私をからかってっ!!
もうっ!!
「で、本当は急いできたんだろう?」
着替え終わった飛鳥がこっちを見上げてそう言ってくる。
「何が?」
「ほんの少し清涼剤の香りがする、それとスーツの背中の部分が汗で沈んでる」
「………だから妙に近いなとおもったよ」
マネージャーになってから女性との距離を大事にしている。
近すぎると噂や誤解を招くような写真を撮られる。
当然マネージャーだからアイドル達との信頼関係も必要だから遠すぎるのもよくない。
まぁ、過剰にスキンシップするアイドルもいるけどさ。
年少組や小学生組ならともかくなぁ………
特にライブ終わりのアイドルはテンションが上がり過ぎて非常に刺激が強い。
………わざわざ手を挙げてハイタッチの準備してるのに問答無用でハグするし。
それでも今日の飛鳥はほんの少し近いなとは思ったけど。
「学校だと独り身でね、自然と観察癖がついたよ」
独り身……ねぇ。
思わず飛鳥のエクステを見る。
エクステを付けてる理由は尋ねたことはないがなんとなく察する。
俺も去年までは飛鳥と同じように抗っていたのだ。
普通だとか、当たり前だとか、世界とか。
「………まぁ、アイドルだと色々関わりづらいのが普通だろ」
「もしかして慰めてくれてるのかい?」
「これでもマネージャーだからな」
肩をすくめるとジトッと見られる。
不機嫌な時の神崎と同じ雰囲気を感じる。
「つまり仕事の一環な訳か」
………ひどい受け取り方をされたんだが。
「全部が私情って訳じゃないけど、私情も当然含まれてるよ」
「………随分と捻くれた言い方だね」
「誰かさんが素直だからね」
軽口を叩くとようやく不機嫌な雰囲気は無くなる。
「待たせたなっ!!」
神崎が決めポーズしながらこっちに来る。
「ちゃんと汗拭いたか?」
「生命の雫は我が身から離れたぞ」
「………「ちゃんと拭いたよ」って普通に言えよ」
「そのツッコミ今更じゃないか?」
飛鳥が珍しいものを見たと言わんばかりにこっちを見る。
訳ありなんですよ。
「最近通訳しないで会話してるせいか周りの人が困ってるみたいでね」
「周り?」
「スタッフさんとかカメラマンさん、視聴者などなど」
「あぁ、ラジオでもリスナーが通訳が欲しいとか言っていたね」
「そ、ツイッターに関してはたまーに通訳するし」
ネットとはいえ、ファンとの交流で事務所側の人間が当然のように出てくるとファンも冷めちゃうしね。
たまーに通訳して盛り上がるくらいがちょうどいい…………って麗華さんも言ってたし。
「………今ものすごく悪い顔をしてたぞ」
コクコクと神崎まで頷かれた。
「さっ、あとは軽い確認事項だけだから」
何事もなかったように笑顔で振る舞うと。
うわぁーと言わんばかりに引かれた。
………軽く笑ったつもりなんだけどなぁ。
麗華「和也、神崎がツイッタ○でイベントの告知らしい呟きしてるから翻訳しといて」
和也「はーい………あっ、やべ、通知切るの忘れてた」
ちひろ「おー、本当にこんなにいいねとリツイートが来るんですね」
和也「偶にやってからこそですよ………って麗華さんが言ってました」
麗華「販売と同じよ、アイドルっていう貴重で夢があるものが当然のように出てくると人は貴重だと思わなくなる」
ちひろ「わー、流石麗華さんですね」
和也「(あれ?結構お金のエグイ話だと思ったから引くのかなって思ったんだけど………)あっ………ちひろさんだからか」
ちひろ「なーんか、悪いこと考えてる顔ですね」
和也「いえ、なんでもないです」
ちひろ「………こんな所にスタドリ1ケースが」
和也「偶然欲しいなと思ったんですよ、あはは」
なんてことがあったりなかったり
そして皆様おまたせしました。
まぁ、とりあえず今回は仕方ないですよね?
だって、fgoのクリスマス復刻からクリスマスから第7章の休みなしと言わんばかりのイベント量。
そしてデレステのあいくるしいからライブパレードまで様々なイベント消化が終わったと思ったらいつの間にこんな時間に………
だから仕方ないんですっ!!
し か た な い ん で すっ!!(大事だから2回
とまぁ、作者の仕方ない理由をあげます。
ここまで読んでくださり本当にありがとうございますっ!!
感想評価等、よろしくお願いしますっ!!