神崎蘭子のマネージャーは通訳?   作:スレ主

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13話

「なるほどホラーは苦手だと」

「そうなんです、イメージ的には悪魔のような格好の方がいいみたいで」

「分かりました」

 

神崎と武内さんの3人でPV制作の概要について話し合いをしているのだが、いかんせん神崎が絶好調に厨二発言はする。

 

「悪魔のような………すいません、どうにもイメージが出来なくて」

「僕も言葉じゃ伝わらない部分もあるので………神崎に衣装の絵のイメージ図、歌詞のイメージを後で作ってもらい武内さんにお渡しします」

「分かりました」

 

今まで絶好調に厨二発言をしていた神崎はピタリと固まる。

 

「ん、なんか持ってるの?」

「………確かに存在は確認できる」

「うんじゃ、それを」

「しかしっ!!………ぅう、しばし待たれよ」

 

………あるみたいだけどあまり人に見せたくないみたいだ。

 

「では今回の会議と神崎さんのイメージした絵や歌詞の内容を踏まえて企画を考えさせてもらいます」

「ありがとうございます」

「また力を蓄えるがいい」

 

そう言って今回の会議は終了した。

 

「………闇とか終焉とかを連呼してるからダークの要素が強いからホラー要素の企画を用意してくるの想定外だったな」

「我が眷属の瞳の力が曇ったが、我が盟友の力によって雲は晴れたようだ」

「まぁそれが仕事なんだけどさ………うーん?」

「新たなる試練か?」

「いや、ちょっと心配事が増えただけ………うんじゃさっき言った衣装のイメージ図とか歌詞の内容とか持ってんの?」

「うっ、………我が一部となっているグリモワールは確かに存在している」

「駄目なの?」

「うぅぅ、禁忌なのだっ!!」

 

………上目遣いにこっち見んなよ。

とは言っても無理にお願いして意固地になって見せたがらないほうが面倒だしな

 

「うーん見せた方が神崎が考えた衣装により近くなると思うんだけどなー」

「うっ!!」

「神崎の考えた歌詞がもしかしたら反映されると思うんだけどなー」

「うぅぅっ!!」

 

こんな感じの言葉をかけまくったら途中から「うー、うー」としか言わなくてこっちを睨んできたので流石に止める。

 

「まぁ、見せた方がいいメリットは散々言ったから決心ついたら俺かプロデューサーになるべく早めに見せなよ」

「うー………承認した」

 

 

それから次の日

 

 

 

「わ、我が盟友よ」

「ん、どうした?」

「そ、 そのぉ、えーと」

 

そう今あなたが持っているスケッチブックを俺に渡せば俺の仕事も半分は終わりと言っても過言ではない。

だからそのスケッチブックを俺に渡してみようか………

 

「………我に魔力を供給する盟約の誓いを今果たす刻っ!!」

「………あー、うん、そうだね、お昼にラーメン奢るって約束したしな」

 

そっちかーそっちなのかー

 

「さぁ、同じ魔力を得る者が来る前に早くっ!!」

 

というかこの子普通にラーメン楽しみにしてませんか?

 

 

 

それから

 

「我が盟友っ!!」

 

「我が盟友よっ!!」

 

「わ、我が盟友〜」

 

 

と呼び出しをされて行ってみれば厨二発言をして高笑いをしてどこかに去っていくの連続。

 

「なんか今日疲れた」

「お疲れ様です、お昼からずっと蘭子ちゃんに呼ばれていますよね」

「そうなんです、多分スケッチブックを渡したいと思うんですけど」

「中々決心がつかないと」

「そうなんですよ、なんか良い方法ないですかね?」

「うーん………やっぱり待ってあげるのが一番ですかね、一番駄目なのは強引に持っていってしまうことですけど、時間も迫ってますしね今日中には………」

「ですよねー………もう最後の手段をやるしかねぇかな」

「最後の手段?」

 

 

 

 

 

蘭子side

 

どうしよう………スケッチブックが渡せない。

 

あんまり待たせると企画が遅れるからなるべく早めにって言われたけど………

 

「らーんらん」

「ふぇっ!?」

 

スケッチブックを開いてので急いで閉じる。

 

「な、なにようか」

「いやー、今日ずっとそれ持ってマネージャー呼んでいるから渡したいのかなーって思って」

「それは………そうなのだが」

「それ何が書いてあるんですか?」

「き、禁忌に触れるなっ!!」

「あはは、見ちゃいけないみたいだね」

 

うぅー、こんなに恥ずかしいとは思わなかった………

 

「ん?誰か着信?」

「………我が盟友?」

 

 

 

 

 

 

 

 

「我が盟友の術式によって今ここに降臨するっ!!………って誰もいない?」

 

ここの部屋に来るように呼ばれたのに………もしかして部屋間違えちゃった?

 

「遅かったではないか我が盟友よ」

「ッ!?何者だ!!」

 

ドアの後ろから声が聞こえ、振り返ってみると黒いマントにフルフェイスの仮面の男が立っている。

 

「ふっ、真の姿を見せるのは初めてだが、声で分からないとは盟友の名が恥じるぞ」

「ま、まさか………我が盟友?」

「如何にもっ!!高梨和也の中に存在するもう1人の人格、ジ・エンドだ」

 

かっ、かっ、かっこいいっ!!

じゃ、じゃなくて、こっちもちゃんと挨拶しなきゃ。

 

「ふっ、ではこちらも名乗らせていただこうか、我が名は神崎蘭子っ!! 運命の扉は再び開かれたっ!!」

「ふっ、悪いが我が盟友ブリュンヒルデよ、この身でいられる時間は少ない、手短かにいかせて貰おう」

 

どうやらジ・エンドさんには時間が少ないみたいだ。

 

「して、何故私を呼んだ」

「貴殿の力の解放についてだ」

「力の解放?」

「貴殿の力はグリモワールと同調しているのだろう」

「な、何故それをっ!?」

「この身の中から見ていてもそれは明白だ………しかし貴殿は力の解放を拒んでいるな」

「………このグリモワールが我の禁忌で」

「笑止っ!!」

「なっ!?」

 

ジ・エンドさんはツカツカとこちらに来たので、グリモワールを盾にして構えるとトントンとグリモワールを叩く。

 

「貴殿の力を試す場が決まった刻、貴殿は何と申した?」

 

えっと………これから頑張りますって言ったけど。

 

「闇の力を解放せんと言ったのにこの体たらく、貴殿の力を見に来る下僕達は残念がるだろうな」

「っ!?」

「貴殿は何のために堕天使の世界に降りた?力を隠すためか?否っ!!力を見せつけるために降りてきたのだろう」

 

………何のためにアイドルの世界にきたのか

 

「当然、恥辱な場面や屈辱の刻が来るだろう、しかしそれを乗り越えぬ者に明日はあるだろうか?」

 

 

 

「再び問おう?貴殿は何をしにこの世界に降りた?」

 

 

 

「私は………」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「うんじゃ、翻訳して武内さんに渡しとくから、これは後で返しとくからな」

「それこそが我が盟友の力」

「なんで神崎がドヤ顔なんだ………よっと」

 

結構強めデコピンをすると、おでこを抑えながらこっちをうーと唸りながら見るが、さっさと椅子に座るように促す。

 

「我も必要なのか?」

「当たり前だっつうの。神崎の要望なんだからなるべく正確に伝えられた方がいいに決まってるだろ?」

 

机に座って神崎のスケッチブックを広げ、衣装のページを見る。

 

………なんというか絶望的に絵のセンスがないな。

字が達筆のせいか絵が余計に酷く見える。

 

「うんで、この衣装の背中にあるやつは」

「翼だっ!!」

「………分かった、でコレは左右非対称の方がいいの?」

「より強力な力になるっ!!」

「色合いはどうする?神崎が好きなは黒はちょっと重たい感じだと思うけど?」

「なるほど、……ならば紫はどうだろうか?」

「うん、それならなんとかなるでしょ、うんで対になる天使の方の衣装は………」

 

 

それから衣装のコンセプト、歌詞の内容等の希望を一通り翻訳とイメージ図をひたすら書き出し………

 

 

「と、元は聖なる天使だったけど今は堕天使に堕ちた様子がコンセプトです、で希望の衣装イメージはこんな感じです」

「なるほど、……………ならこのような名前はいかがでしょうか?」

「ローゼンブルクエンゲル?」

「ドイツ語で天使って意味でしたよね?」

「おぉ」

 

どうやら神崎の琴線に触れたみたいだ。

チラッと武内さんはこちらを見るので、頷く。

 

「では、この資料を元にPV映像を作っていきますがよろしいでしょうか?」

「是非もないっ!!」

「大丈夫です」

 

こうして無事にPV映像は進行して行った。

 

 

 

 

学校にて

 

「蘭子ちゃんCDデビューおめでとう」

「あ、ありがとう」

「そしてドドンっとサインお願いしていいかな?」

「サ、サイン?」

 

CDが発売して次の日、藤井さんは教室に来て直ぐに神崎の所に来てサインを求めている。

 

「そーだよ、デビューCDに直筆サイン付きなんてプレミア中のプレミアだよ、もちろん売らないけど」

 

[そ、それなら俺も貰っていいかな?]

[お、俺も欲しいんだけど]

[おれもっ!!]

[私もっ!!]

 

あれよあれよとしている内に神崎の周りには人だらけになる。

 

「わ、我が盟友よー」

「はいはい、押さないでちゃんと並んでくださいねー。

えっ?一緒に写真を撮りたい?そういうのは事務所通してからお願いします。

………冗談だよ、ここにいるの神崎蘭子はアイドル神崎蘭子じゃなくて2年A組の神崎蘭子だからな、本人の許可が取れればいいんじゃねえの?

………なんでレフ眼のカメラ持ってる奴いんだよっ!!

あーーも、うるせぇ!!面倒くせえから全員の集合写真にすっぞ、吉野先生が来るまで写真は待っとけっ!!

って、痛って、誰だ今さりげなくボディーブローかました奴は、ちょ、まっ、こんな狭いところで集団リンチしようとするなっ!?

あ?神崎の隣?普通に女子優先でいいだろ?

えっ、神崎が藤井さんと俺がいいって言ってた?

………まぁ、落ち着けお前ら、だからシャーペンやら定規を逆手で持つなよ、というか誰だハサミ持ってる奴っ!?

………あーもう、俺もいい加減イライラしてたんだ、テメェら全員まとめてかかってこいやオラァァァア!!!!!」

 

結局、吉野先生に止められるまで大乱闘をして、その後何事もなかったように写真を撮った。

しかしその後に神崎が心配して、さらに一悶着あったのは割愛しておこう。

 

 

 

 

この後放課後にも別のクラスからサインを求める声があったが、ラジオの出演などで学校には長居はできず、そのまま神崎を現場まで連れて行く。

と言っても電車とタクシーを繋いでいくだけの仕事だが。

 

「ふーふーふーふーん♪」

「ご機嫌だな?」

「そうか?」

「まぁ、クラスのみんなで写真が撮れたのが嬉しいのは分かるけどな………それとお前の分の写真」

 

昼休みに先生にお願いして一枚だけプリントして貰ったのだ。

 

「おぉー良く封印されている」

「俺だけ妙にボロボロだけどな」

「あれだけ暴虐の限りをしたからな我が盟友は………それにしてもなぜ戦闘を?」

 

可愛く首を傾げていますけど貴方の発言でこんな目にあってるんですが………

 

「気にすんな。うんじゃ、そろそろ現場に着くけどしっかり挨拶はしろよ、それとラジオだからって言って下手にキャラは変えなくていいからな、いつも通りのお前でいいから」

「くっくっ、問うまでもない」

「その調子だ、うんじゃ頼むぜ」

「我が心の行くままにっ!!」

 

 

この後神崎が言ってることが全く理解できないということでラジオ放送作家さんから出演を急遽要請され、結構な一悶着もあったがこれも割愛する。

………ラジオ業界ではマネージャーが出演するのは割とあるらしいということは分かった。




和也「………フルフェイスヘルメットとマントありがとうございます」
ちひろ「………えっと死にそう顔してますけど?」
和也「なんというか………死にたい」
ちひろ「そ、そんなに最後の手段って大変ですか?」
和也「まぁ、神崎の説得までは許容範囲内でしたけど………部屋の外にニュージェネは予想外でしたね………」
ちひろ「死んだ魚の目みたいになってますよっ!?」
和也「………あの先輩と同じは嫌だなぁ」
ちひろ「あの先輩?」
和也「死んだ魚の目とゾンビが腐った目を合わせたような知り合いがいるんです」
ちひろ「それって死人じゃないですか?」

なんてことがあったりなかったり………

とまぁ、久しぶりの深夜投稿だせっ!!
めっちゃ眠いぜっ!!
絶対に誤字があると思うんで見つけたら誤字報告お願いしますっ!!

読者に相当の誤字報告をされました作者ですが、もはや作者の誤字率は「あぁ、いつものね」のレベルで酷いのでご了承してくださいっ!!


感想欄にて「前回の話の蘭子成分が少ないっ!!」ってめっちゃで言われましたが………確かにせやな←作者に電流走る

投稿して感想に指摘された後に気づきましたね。
会話を想像して書いてるから、ぽんぽん他のキャラが出てくるんですよ、だってキャラが多いし。

確かにタイトル詐欺感ハンパないですけど、書いてて楽しいんですよっ!!ついつい「あっ、なんかこんなこと言ってそう」とか「こんなことやってそうだな」って想像しちゃうんですっ!!
だから許してくださいっ!!

と、言ってもここからは蘭子中心になるように書くのは確かですから安心してくださいっ!!


それとタグを増やしたといいましたが、オリジナル設定と独自解釈ですね。

それとかなり遅いんですが、UA40000突破して、お気に入り登録者1500人超えましたっ!!

なんというかこの数字に作者は感謝感激雨あられですっ!!

1500人くらいの人に「お前の作品楽しみやで」って思われてると作者の胃は余裕で穴が開きそうになりますね。
なので、あまり考えないようにしてますっ!!


これからものほほーんと投稿するので長い目で見てやってくださいっ!!

ここまで読んでくださりありがとうございましたっ!!
感想、評価等お待ちしておりますっ!!

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