せっかくの平行世界の設定なので、その部分を大きく出してみる事にしました。
ユウがオメガフォームへと変わる少し前。
ユウとブラックと戦っている場所から少し離れた地点の上空で、 ルインとリニス、リインフォースは互いに魔法を放ちながら戦っていた。
「フォトンランサー……ファイヤッ!!」
「直線的な魔法は、私には無意味ですね」
ルインはリニスが放ったフォトンランサーを魔力で強化していた両手を素早く振るい、フォトンランサーを全て受け止めた。
その常識外れの現象にリニスは目を見開くが、ルインからすれば当然の事であり、不敵な笑みを浮かべながら驚愕に動きが止まってしまっているリニスに投げ返す。
「はい、返しますね!」
「クッ!?」
一斉にルインはフォトンランサーをリニスに放った。
すぐさまリニスは回避する。だが、フォトンランサーの中に紛れ込んでいたルインが放った誘導弾に気が付けず、その身に食らってしまう。
「ッ!? キャアッ!?」
まともにリニスは誘導弾を食らい、地上に落下し始める。
すぐさまルインは追撃を駆けようとするが、その直前にルインの背後にリインフォースが姿を現し、そのままルインに向かって魔力で強化した蹴りをルインに向かって放つ。
「ハアッ!!」
「……気づいてましたよ」
リインフォースの蹴りをルインは振り返る事も無く右手で受け止め、リインフォースは目を見開きながらルインの姿を見つめた。
「……ムカつきますけど、私は貴女の半身。しかも、私は誰よりも近くで貴女の戦いを見ていたんです。だから……簡単に動きが読めるんですよ」
「クッ!?」
何とかルインの手から逃れようと足をリインフォースは動かすが、ピクリとも足は動かなかった。
「……まぁ、今はそんな事はどうでも良いんですよ。それよりも……質問ですが、〝何で貴女達はデジモンの技を魔法で再現しているんです゛?」
「……デジモン? 何だソレは?」
「…………ハァッ?」
リインフォースの言葉に、ルインは思わず唖然として掴んでいたリインフォースの足を手放してしまう。
すぐさまリインフォースはルインから離れるが、ルインは追撃する事無く両腕を組んでリインフォースに向き合う。
「可笑しな事を言いますね? 貴女達が使っている魔法は、威力や効果の違いは在っても、確かにデジモンの技を模倣した魔法。なら、デジモンの事を知らないと模倣なんて出来る筈が無い。でも、その割にデジモンの事に関して無知すぎる。知っているなら、ブラック様に喧嘩を売るなんて真似をする筈が無いですからね」
「……何を言っているのか、分からない。私達の魔法は、ユウと桜が教えてくれた魔法だ。お前の言うデジモンなどの存在は聞いた事も無い」
「……可笑しい。可笑し過ぎる。異常ですね」
ルインにはリインフォース達が、デジモンの技を魔法として使っている事が異常だとしか思えなかった。
デジモンの存在を知っているならば使えても可笑しくは無い。だが、デジモンの存在を知らないのに魔法として再現するなど出来る筈が無い。似ているだけならば、可笑しくは無いが、彼らが放つ時に叫んでいる魔法名は確かにデジモンの技の名称。
なのにデジモンの存在をリインフォース達は知らない。
(変ですね。この生真面目の言葉だと、あのブラック様と戦っている少年と、高町なのはに良く似た少女から教えて貰ったようですが……どうやってデジモンの存在を知ったんですか? もしや彼らはこの世界の〝選ばれし者゛なのでしょうか。……いえ、それならばデジモンが援軍に来ても可笑しくない筈……一体如何なっているんでしょう?)
「……今度は此方から質問だ、半身」
「……まぁ、疑問に答えてくれたから構いませんよ、生真面目。何でしょうか?」
「……お前は確かにユウによって【初期化】された筈だ。なのに、何故存在している。いや、それよりも、〝その姿は一体どう言う事だ゛!? お前にはそんな姿は無い筈だ!」
「……あぁ。なるほど、なるほど。やっぱり私の仮説は間違っていなかったんですね」
リインフォースの質問にルインは、納得したかのように何度も頷く。
以前に行った平行世界の時から、ルインは在る仮説を立てていた。それは向かう先の平行世界では、〝ルインフォースとして夜天の魔導書が改変されていない゛可能性だった。
同じ人物、同じような世界の流れとは言え、確実に同じ平行世界は存在しない。つまり、この世界では〝ルインフォースとは違う形で、夜天の魔導書は改変された゛という事に成る。
(どんな形で改変されたんでしょうね、この世界の私は? まぁ、生真面目の様子から見ても、改変よりも改悪に近いでしょう。しかし、さっきから気になっていますが、【初期化】ですか。どうもあの少年にはまだ切り札が在りそうですね)
「答えろ!? 存在しない筈のお前が何故存在し、あの竜人を主と仰いでいる!?」
「……決まっているでしょう、この身を唯一支配出来るのがブラック様。あの方こそ、長い間、私が探し求めた主」
「在り得ない! お前はただの〝自動防衛運用システム゛だった筈だ、【ナハトヴァール】ッ!?」
リインフォースは、目の前に居るルインに向かって嘗ての名を思わず叫んでしまった。
【ナハトヴァール】。それこそが、ルインフォースと言う名をブラックに与えられる前に、【夜天の魔導書】として組み込まれていた時のルインの名。忌々しく、ルインにとって思い出したくも無い禁忌の名前。
その名を知らないとは言え、リインフォースは叫んでしまった。次の瞬間、無表情に近かったルインの顔は、一瞬にして憎悪に満ち溢れた顔に染まる。
「……その名を……その忌々しく……思い出すだけで腸が煮えくり返り……煉獄の地獄に居た時の……名を、言うなぁぁぁぁぁぁぁぁぁっ!!!!」
「ッ!?」
次々とルインの周囲に出現するミッド式とベルカ式の魔法陣に、リインフォースは目を見開く。
【夜天の魔導書】であるリインフォースには、その魔法陣の意味が理解出来た。同時に在り得ないと心中で叫びたくもなっていた。
何故ならば魔法陣の中には、リインフォースが使用出来ない魔法までも組み込まれている。正確に言えば、【夜天の魔導書】に記載されているが、資質のせいで使用出来ない魔法が。
だが、その魔法をルインは憎悪に満ち溢れた顔を使用する。
「私の名は【
「不味い!」
詠唱を終えると同時に周囲にブリザードが発生したのを目にしたリインフォースは、慌てて背の翼を羽ばたかせて回避する。
しかし、ブリザードはルインを中心に意思を持っているかのように吹き荒れ、リインフォースを追い駆ける。
【コキューエンド】。広域攻撃魔法に分類される魔法で、効果は【エターナルコフィン】に近いが、凍結させた相手を無慈悲に氷雪で傷つけ、非殺傷設定でも確実に後遺症を残すほどの傷を残す魔法。
その威力を知っているリインフォースは全速力で回避するが、その回避を嘲笑うかのように周囲に赤黒い血を思わせる鋼の短剣が二十五本取り囲むように出現する。
「ッ!?」
「闇に、沈め、ブラッディダガーー!!」
(馬鹿な!?)
背後から迫るブリザードと、一気に周囲から襲い掛かるブラッディダガーをプロテクションや魔力で強化した拳でいなしながらリインフォースは胸中で叫んだ。
【コキューエンド】は強力な魔法な分、魔力消費が激しい。少ない数の射撃魔法と併用してならリインフォースも使用出来るが、二十五本ものブラッディダガーを制御しながら使用する事は出来ない。一体どういう事なのかとリインフォースが疑問に思いながら、迫るブラッディダガーの一本を右手で弾いた瞬間、ブラッディダガーは形を変えて赤黒い拘束輪へと変貌してリインフォースを捕らえる。
「ッ!?」
「言い忘れていました。私には〝【夜天の魔導書】に記載されている魔法を、書き換えて使用出来る能力が備わっているんですよ゛」
「ッ!? あ、在り得ない!? 資質を無視して魔法を使用する事は出来る筈が!?」
「それをやった馬鹿どもが居たんですよ。死になさい、管制人格!」
動きが止まったリインフォースにブリザードが襲い掛かる。
だが、ブリザードがリインフォースに襲い掛かる直前、空から雷光が降り注ぎブリザードと激突する。
「サンダーレイジ!!」
「リニス!」
頭上に浮かび、【コキューエンド】を相殺したリニスにリインフォースは喜びの声を上げた。
リニスは目配せをリインフォースに行ない、リインフォースは頷く。そのままリニスは高速移動魔法を使用してルインに接近して殴りかかる。
ルインはその拳を平然とした顔をしながらあっさりと受け止める。
「クッ!!」
「この程度で、私を倒せると思っていたんですか?」
「……いいえ、思っていませんよ、テスタメントッ!!!」
「ッ!! アアァァァァァァッ!!!」
リニスは叫ぶと同時に全身から電撃が放出され、リニスの右手を握っていたルインは直に電撃を食らった。
ルインは襲って来る電撃に耐えながら、リニスから離れようと握っていた手を離そうと動かそうとするが、今度は逆にリニスがルインの手を逃がさないと言うようにしっかりと握り締める。
「ッ!!」
「逃がしませんよ! このチャンスを逃す訳にはいきませんからね!!」
「クゥッ!! 離しなさい!!」
「グゥッ!!」
ルインの膝蹴りを鳩尾に食らったリニスは苦痛の声を上げるが、握り締めているルインの手は離さずに更に電流の威力を上げる。
「クッ!! このッ!!」
「絶対に離しませんよ!! 準備が終わるまではね!!」
「クゥゥゥゥゥゥゥッ!! ……準備ですって? ……まさか!?」
「天神の導きの元……」
リニスの言葉に意味に気がついたルインは、襲って来る電流の威力に声を上げながらも何とか頭上を振り向いてみると、無数の魔力スフィアを発生させているリインフォースが存在していた。
その姿にルインは僅かに目を見開くが、すぐに冷静に立ち返りリニスの手から逃れようと暴れるが、リニスはその攻撃に耐え続け、更にリインフォースの詠唱は続く。
「星よ集え……集いし星よ、月となれ……」
「……なるほど、幾つかの魔法を合成した魔法が切り札ですか」
「ッ!?」
突然苦痛で苦しんでいた顔から、平然とした顔になったルインにリニスは目を見開く。
それに対してルインはやはり平然とした顔をしながら、リニスに説明する。
「古代ベルカには【雷帝】と呼ばれる王が居ましてね。その王家は雷の資質変化を得意としていました。その王家を打倒する為に研鑽を積んだ騎士達は、雷の資質変化に対抗する魔法を編み出した。ソレが、コレです」
叫ぶと同時にルインの全身に流れていた電撃が、右手の先に出現した古代ベルカ式魔法陣に集束して行く。
「……【滅雷】」
低い声と共に至近距離からリニスに向かって、膨大な雷が一気にルインの右手から撃ち出された。
【滅雷】。古代ベルカ時代に存在していた【雷帝ダールグリュン家】に対抗する為に編み出された魔法。相手が放った雷の資質変化によって変化した魔法を受け止め、その魔法を自身の攻撃魔法や防御魔法、補助魔法にと幅広く応用する事が可能となる魔法。
編み出す為には長い研究と多くの犠牲を出した。最終的には完成に漕ぎ着けたのだが、当時既に闇の書となってしまった守護騎士に襲われ、奪われてしまった魔法。その魔法をルインは使用し、リニスは声を上げる事も出来ずに膨大な雷に巻き込まれながら吹き飛んだ。
すぐさまルインはリインフォースが使用する魔法に対抗する為に詠唱を開始する。
そうはさせないとチャージを終えリインフォースは、三十を超える集束砲をルインに向かって放つ。
「終わりだ、半身ッ!!
「我が脅威を、弾き返せ!! リフレクトフィールドッ!!!」
「ッ!!」
ルインが叫ぶと同時にルインの周りに発生した障壁にリインフォ ースは目を見開き、慌ててその場から逃げようとするが、その前に幾つかの集束砲がルインの張った障壁に直撃し、そのまま放った本人のリインフォースの下へと跳ね返った。
しかし、急な詠唱で充分に魔力を送れなかったのか、ルインの張っていた障壁も消滅し、二人はほぼ同時に集束砲の中へと飲み込まれ、大音量の爆発音が上空に響く。
そして少し経つと煙の中から互いに肌が見えるほどにボロボロになったバリアジャケットを着たルインとリインフォースが姿を現し、ルインは忌々しげにリインフォースの姿を睨む。
「ハァ、ハァ、ハァ……随分と、とんでもない魔法を使ってくれましたね……本来資質の影響で拡散型に成る筈のものに、複数の魔法を合わせて集束砲にするなんて」
「はぁ、はぁ、はぁ、それは此方のセリフだ……【リフレクトフィールド】……本来ならば儀式魔法に分類される魔法……それを不完全な形で発動させるばかりか……【滅雷】までも使用出来るなど…………誰がお前をそんな形で復活させたッ!?」
【夜天の魔導書】には記載されていても、所有者が使用出来ない魔法が幾つか存在している。
【滅雷】と【リフレクトフィールド】は、その魔法に分類されており、リインフォースもまた、完全な形では二つの魔法は使用出来ない。だが、ルインには使用出来る。
ルインの世界の最初に【夜天の魔導書】の改変を行った主と協力者達の魔法に対する狂気の結晶こそが、ルインフォースなのだ。
「……答える義理は無いですね。私は貴女達が大っ嫌いですから」
そうルインはリインフォースに嫌そうな顔をしながら答えると共に魔力を全身に巡らせ、傷ついていたバリアジャケットを修復するばかりでなく、血を流していた傷も瞬時に癒し、万全の状態に戻る。
リインフォースはその姿に顔を険しくしながらも、ルインと同じようにバリアジャケットを修復するが、傷までは癒す事が出来ずに悔しそうな顔をする。
「……無限再生能力までも残っているのか……お前を倒す為には、再生が追い付かないほどの強力な一撃を与えるしかないようだ」
「出来ると思っているんですか? アルカンシェル級の一撃でも無い限り、無理ですし……第一そんなモノの発動を感知した時点で逃げますけどね」
「クッ!! ……(確かに彼女を倒すのは私一人では不可能。しかし、此処で彼女を押さえておかなければ、彼女はユウと竜人の戦いに介入する! それだけは絶対に阻止しなければ!!)」
そうリインフォースは内心で叫ぶと共にルインに向かって構えを取り始める。
だが、リインフォースは決定的な勘違いをしていた。ルインにはユウとブラックとの戦いに介入するつもりはない。確かに先ほどはブラックを助ける為に飛び出したが、それはあくまでリインフォースとリニスがいたからに過ぎない。一対一の戦いではルインはブラックの許しがなければ戦いに介入する事は全く無いのだ。
その事が分かっていないリインフォースは覚悟を決めてルインへ と挑もうとし、ルインも不機嫌ながらもリインフォースと叩きのめすと言う思いを抱きながら戦いを再開するために両手の先に魔法陣を幾重にも展開し、攻撃魔法を放とうとする。
しかし、その直前に離れた所で戦っていた筈のユウのいる場所から虹色の魔力光の柱が出現する。
憶えの在り過ぎる魔力光を目撃したルインは、不機嫌そうに空に立ち上る虹色の光の柱に険しい視線を向ける。
「……あの魔力光……まさか、あの少年は“聖王の血筋”だと言うんですか……(本気であの少年は、チリも残らず殺されますね。ブラック様の唯一無二親友である【ウォーグレイモン】を模したバリアジャケットに、デジモンの技を模倣した魔法。その他にもブラック様は苛立っていたのに、更にあの子との戦いを思い出させる行動……本気で哀れに思いますね)」
「ユウが本気に!? 一体あの竜人はどれほど強いと言うのだ!?」
「……馬鹿ですか? ブラック様はまだ全力を出していませんよ? 冷静さを欠いていて実力を発揮出来ていませんでしたが、せいぜい今までの戦いは、六割から七割ぐらいの実力ですね」
「ッ!!!」
「まぁ、冷静さを取り戻した今、もう本気を出すでしょうね。本気のブラック様の恐怖は今までとは比べものにならないですよ」
「ッ!! ユウッ!!!!!」
突如としてリインフォースの叫びを打ち消すほど衝撃波が巻き起こり、ルインとリインフォースが衝撃波の中心地点を見てみると、ユウとブラックが凄まじい応酬を繰り広げていた。
沢山の岩山や崖に覆われていた場所。
だが、その場所は今や二つ の存在-聖なる騎士【オメガモン】を思わせるバリアジャケットを身に纏ったユウと、別の平行世界の人々に恐怖の象徴として恐れられている漆黒の竜人-ブラックウォーグレイモンこと、ブラックとの戦いによって跡形も無いほどに岩山や崖は砕け散っていた。
そしてその二人のぶつかり合っている地点では、凄まじい衝撃波が撒き散らされていた。
「オォォォォォォッ!! ドラモンキラーー!!!」
「くぅっ!! グレイソーードッ!!」
ブラックが振り下ろして来た右腕のドラモンキラーを、ユウは左腕から出現させていた大剣-グレイソードで受け止め、激しい火花が辺りに散る。
ブラックはそのユウの姿に怒りを忘れて戦いを楽しみたいと内心で思った。確かにユウはブラックが認めることがどうしても出来ない人間。だが、それでもブラックの本質が戦闘狂には変わりない。
ユウの実力は人間でありながらも究極体に近い。ブラックが楽しんで戦える相手だと、本当は認めたくはないが認めざる得ない存在だった。
しかし、それでもブラックはユウとの戦いでは喜びよりも怒りの方が増さっていた。
「(このガキとあの娘だけは絶対に認められん!! 必ず殺してやる !! この胸の内から湧き上がって来る不愉快な気持ちを晴らす為にな!!)……オオォォォォォォォォッ!!」
「このッ!! ハアァァァァァァァァァァッ!!!!」
ブラックとユウの戦いは更に激しさを増し、互いにそれぞれの武器を相手に向かって振るい続け、甲高い金属音が辺りに木霊し続ける。
苛烈なる激闘に大気が悲鳴を上げるが、徐々にでは在るがブラックのドラモンキラーを振り抜くスピードが増しって行き、ユウは防戦一歩に追い込まれ始めて行く。
「クソッ!! (まだスピードが上がるのかよ!? こっちはもう限界なんだぞ!! 分かっていた事だけど、本気で化け物だな!?)」
「考え事をしている暇など無いぞ!!」
「ガフッ!!!」
ユウの隙を衝いたブラックの渾身の蹴りを鳩尾に食らったユウは苦痛の声を上げ、後方へと吹き飛ぶが、事前に自分でも背後に飛んでいたのかダメージは少なく、流れるような動きで回転する事で衝撃を殺し、そのまま右手を振るい、狼の頭部部分から砲身を展開する。
その動きに対してブラックも瞬時に両手をユウの方へと突き出すと共に、赤いエネルギー弾を連続でユウに発射し、ユウも圧縮魔力弾を砲身からブラックに向かって撃ち出す。
「ウォーブラスターー!!!!」
「ガルルキャノン!!!!」
ブラックのウォーブラスターとユウのガルルキャノンは激突し合った。
しかし、ユウのガルルキャノンはブラックが放つ連続のエネルギー弾によって徐々にユウの方へと押しやられ始める。
「なっ!? クソッ!! ガルルキャノン!!!」
一発目のガルルキャノンが撃ち破られそうな事に気がついたユウは、瞬時に二発目のガルルキャノンを発射し、ウォーブラスターを押し返していく。
二発目のガルルキャノンまでは押し返しきれないとブラックは判断し、ウォーブラスターを放つを止めると、両手を先に突き出しながら高速回転を行い始め、漆黒の竜巻に変わりながら威力が減衰しているガルルキャノンに向かって突撃する。
「ブラックトルネーードッ!!!」
「嘘だろうッ!!!」
漆黒の竜巻に貫かれて四散するガルルキャノンの姿を目にしたユウは目を見開きながら声を上げるが、漆黒の竜巻は威力が衰える事無くユウに向かって来る。
ユウはすぐさま驚愕を胸の内に治め、高速で迫って来る漆黒の竜巻に対して見極めるような視線を向けながらグレイソードを構え、漆黒の竜巻に向かって剣先を突き出す。
「其処だッ!!」
「ほう」
グレイソードが漆黒の竜巻に激突した瞬間に、漆黒の竜巻の回転は完全に止まり、ブラックは僅かに感心した声を上げてユウを見つめる。
ユウが今行ったのは簡単に言えば、激しい回転を行っている扇風機を止める原理と同じく、高速回転して漆黒の竜巻と化していたブ ラックの回転の中心を正確に剣先で貫き、回転を止めたのだ。
だが、これは並大抵の者が出来る行いではない。失敗すればその時点で体がズタズタになっていただろう。それを行ったユウに、ブラックは僅かに感心を覚えて動きが止まってしまう。
ユウはその隙を逃さずに再び右手に砲身を展開し、そのままブラックの方へと突きつけ冷気を纏った圧縮魔力弾を撃ち込む。
「ガルルキャノン!!!」
「グォッ!!!」
流石に至近距離でガルルキャノンを食らった事にはダメージを受けたのか、僅かに苦痛の声を上げ、ブラックは地面の方へと吹き飛んで行った。
そのままユウはブラックが吹き飛んで行った地上の方にガルルキャノンの砲身を向け、体勢が整っていないブラックに向かって連続で魔力弾を撃ち込んで行く。
その様子を離れてた所から見ていた桜達はユウが、勝てる可能性が出て来た事に喜びながら戦いを見つめ、ユウに向かって応援の叫びを上げる。
「そのままよ!! ユウ!!!」
「頑張ってや!!」
「勝てるぞ!!」
「ユウ君!! 頑張って!!」
「頑張って!!! ユウ!!!」
桜、はやて、シグナム、なのは、フェイトはそれぞれ喜びの声を上げながらブラックに向かって容赦の無い砲撃を放ち続けているユウに向かって応援を送るが、その応援はすぐに途切れた。
何故ならばユウが連続で砲撃を放っている地点から、突然に赤い巨大なエネルギー球が出現し、そのまま上空にいるユウに向かって高速で放たれたからだ。
「ガイアフォーーーースッ!!!」
「クッ!! ガルルキャノン!!!」
地上からブラックが放って来たガイアフォースに向かってユウはガルルキャノンを連続で撃ち込むが、ガイアフォースの威力は衰える事無くユウに向かって突き進む。
その事実にユウは先ほどのブラックが放ったガイアフォースは手加減されていたものだと気がつき、慌ててマントを翻しながらその場を飛び退き、ガイアフォースをギリギリの所で避ける。
しかし、ユウが避けた先に鎧に罅が入っているブラックが一瞬の内に姿を現し、そのままユウに向かって右腕のドラモンキラーを振り抜き、ユウを吹き飛ばす。
「ドラモンキラーーー!!!!」
「ガハッ!!!!」
『ユウッ!!!』
「ユウ君ッ!!」
鎧の破片を撒き散らしながら吹き飛んでいくユウを目撃した 桜達は悲鳴のような声を上げるが、ブラックは構わずにユウの吹き飛んで行く方へと瞬時に移動を行い、そのまま身動きが取れずにいるユウに向かって連続でドラモンキラーを振るい続ける。
「オオオォォォォォォォッ!!!!」
「ガアァァァァァァァァァァッ!!!!」
ブラックの連続攻撃に対してユウは何も行う事が出来ずに苦痛の 叫びを辺りに響かせた。
それに対してもブラックは構わずにユウに向かって蹴りまでも加えて攻撃を浴びせ続ける。
ユウも防御しようとするのだが、防御される前にブラックは連続で叩き付けて行く。本来ならば聖王の血筋であるユウにも【聖王の鎧】と言う防御能力に特化したレアスキルを持っていて、大抵の攻撃ではユウにはダ メージが届かない。だが、ブラックの攻撃は全て並大抵どころの騒ぎではない威力を持っていた。Sランクオーバーに匹敵する完全体デジモンでさえも大ダメージが避けられない威力をブラックの攻撃は全て兼ね備えているのだから、幾ら【聖王の鎧】とバリアジャケ ットを纏っているユウでも防御し切れる筈がない。
それを示すように徐々にユウの手は下に下がって行き、ブラックはそのままユウにバリアジャケットにドラモンキラーの刃を引っ掛けるようにしながら攻撃を止め、バリアジャケットがボロボロになっているユウに声を掛ける。
「……所詮はこの程度か」
『ユウッ!!!!』
「ユウ君ッ!!!」
ボロボロになったユウの姿を目にした桜達は悲鳴のような声でユウの名を呼ぶが、ユウが動く事はなかった。 その姿に桜達は絶望に染まったような顔をするが、ブラックは構わずにユウを地面に叩きつけ、そのまま勢いよくユウの体を踏みつける。
「如何した? 俺をぶっ飛ばすんじゃなかったのか!?」
「ガハッ!!!」
「ユウゥゥゥゥゥッ!!!」
「もう止めて!!!」
踏みつけられて苦痛の声を上げるユウの姿に桜は悲鳴のような声を上げ、なのはは涙ながらにブラックに声を掛けた。
他のメンバーも同様に目から涙を流すが、ブラックはその様子を見ても何も感じる事は無く、ドラモンキラーの爪先に赤いエネルギー球を作り出す。
「そう言えば、もう一人残っていたな……気に入らん奴が!!!」
「ッ!! 桜!! 逃げて!?」
「遅いッ!!」
ブラックの言葉に意味に気がついたフェイトは横に立っている桜に声を掛けて逃がそうとするが、その前にブラックはエネルギー球を桜に向かって投げつけた。
「ヒィッ!!」
『桜ッ!!』
「桜ちゃん!!」
「さ、桜おねえちゃーーーん!!!」
高速で迫る赤いエネルギー球に桜は恐怖の声を上げて逃げようとするが、ダメージの為か動く事が出来ず、その間にリニスとリインフォースが張ったフィールドタイプの防御魔法はエネルギー球に撃ち破られ、桜にエネルギー球は直撃しそうになる。
なのは達はその事に気がつき、慌てて桜を助けようと動くが、エネルギー球は無慈悲に桜の目の前に迫り、桜は自身の死を確信する。
(アッ……これは駄目ね……私……しん……)
「ガルルキャノン!!!!」
『ッ!!!』
「ムッ!!」
桜の目の前に迫っていたエネルギー球は後方から超高速で追って 来た圧縮魔力弾によって消滅した。
それによって発生した衝撃波によって桜の体は僅かに後方へと吹き飛ばされるが、瞬時にシグナムが桜の体を支え、全員が圧縮魔力弾が放たれた方を見てみると、ブラックに踏みつけられながらも右手の砲身を構えているユウが存在していた。
ブラックもその事実には僅かに驚くが、すぐさま冷静に立ち返り、ユウに向かってドラモンキラーの刃を振り下ろそうと構える。
しかし、その前にユウは瞬時に左手から再びグレイソードを出現させ、踏みつけられながらもブラックに向かってグレイソードを斬りつける。
「グレイソーードッ!!!」
「ガハッ!!」
グレイソードによって胸当てを斬りつけられたブラックは声を上げながらも、瞬時にユウの傍から離れ、傷ついた胸当てを手で押さえる。
ユウも瞬時に立ち上がり、ブラックから距離を取るが、流石にダメージまで隠せないのか膝を地面についてしまう。だが、それでも戦う意志を失ってはいないのかブラックを睨みつける。
「……やはり貴様は気に入らんな……本来ならば俺に傷をつけた奴との戦いは心の底から楽しめる筈なのに、貴様とは戦っても苛立ちを増すだけだ」
「はぁ、はぁ、はぁ、何でそんなに……・俺と桜が気に入らんないんだよぉ? 俺達とアンタが会うのは初めての筈だぜ?」
「簡単だ。デジモンの技を猿真似した事だけでも気に入らなかったが、この俺が最も認めている【ウォーグレイモン】を模したバリアジャケットを纏っていた!!! 何も考えずに俺の唯一無二の親友を模したバリアジャケットを纏っていた事が認められるか!?」
『ッ!!!』
ブラックの叫びにユウと離れていた所で話を聞いていた桜は目を見開いた。
ユウと桜はブラックウォーグレイモンの知識を知っている。そして本来のブラックウォーグレイモンの結末もユウ達は知っていた。 ウォーグレイモンとブラックウォーグレイモンは確かに戦い合い、そしてウォーグレイモンはブラックウォーグレイモンを説得出来た。だが、親友とまで呼べるほどの親密さは二体には無かった。
しかし、それは彼らの知識の中にあるブラックウォーグレイモン に過ぎない。ブラックにとっては、例え勝てないと分かりながらも自分の為に挑んで来てくれた【ウォーグレイモン】は紛れも無く親友だった。
「同じ種族のデジモンならば認めてやる。だが、貴様は違う!! 貴様は何も考えずに【ウォーグレイモン】の姿を使っていたのだろう!? 更に他の連中にもデジモンの存在を知らせずに、デジモンの技を教えていただろう? ふざけるな……デジモンとはそんなに簡単な生物ではない! 特に俺は貴様とあの小娘が気に入らんのだ!! 恵まれて生まれて来たお前達には分からんだろうがな!?」
「戦いの前にもそんな事を言っていたよな? 俺と桜が恵まれて生まれてき……ッ!! まさか!? お前は!?」
「フン、漸く気がついたか? そうだ、俺も貴様とあの小娘と同類の存在だ」
『ッ!!!』
ブラックが告げた事実にユウと桜は驚愕に目を見開きながらブラ ックの姿を見つめた。
“同類の存在”。それが意味する事は一つ、ブラックもまたユウと桜と同じ転生者だと言う事だ。
しかし、確かに同じように異界の記憶を持って転生して来た存在でありながら、悲しい出来事が在っても多くのものに恵まれていたユウと桜とは違い、ブラックは無理やり戦いに巻き込まれ苦しみ、その果てに心も壊れてし まった存在。三人は同じ転生と言う経緯を辿ったが、その歩みは全く異なっていた。
だからこそ、ブラックは目の前の二人が赦せなかった。自分達がどれだけ“周りの人間に護られていた”のかを、全く分かっていない二人の姿が赦せなかった。
「無駄話をしたな。俺の中の人間として残っている部分が、どうやら貴様らを認められんらしい!! この苛立ちを晴らす為に、貴様らは必ず潰す!!」
「……なるほどな……如何して俺達が気に入らなかったのかはよく分かった……だけどな!! 俺もお前が赦せない!! 俺の大切な奴らを傷つけて、殺そうとしたお前だけは絶対に だから、俺はお前をぶっ飛ばす!!」
「フッ!! 良い答えだ!! 身勝手な同情などと言う下らんものよりも貴様の答えは数百倍な!! ……本気で惜しいぞ……貴様が俺の気に入らん存在でなければ、思う存分に戦いを楽しんでいただろうな……だからこそ、俺は俺の全てを持って、貴様らの全てを壊してやる!! ルインッ!!!!!!」
「はいですッ!! ブラック様!!」
「ま、まさか!?」
ブラックの呼び声に離れていた所でリインフォースと共に戦いの様子を観戦していたルインは即座に答え、目の前にいたリインフォースに構わずにブラックの下へと急ぎ向かい出す。
リインフォースはルインのやろうとしている事に目を見開きながら慌ててルインの後を追うが、ルインとの距離は離れて行き、ルインはブラックの下へと辿り着いてしまう。
「ユウッ!!! すぐに彼女を止めて下さい!! 彼女は!! 彼女はユニゾンする気です!! そうなったら!! あの防御プログラムの力が竜人に宿ってしまいます!!」
『なっ!?』
リインフォースの叫びを耳にした桜達は声を上げた。
あの世界を滅ぼしてしまう闇の書の闇と呼ばれた防御プログラムの力が宿る。そうなればただでさえ世界を滅ぼせるだけの力を持っているブラックの力は倍増するどころの騒ぎではない程に上がるだろう。
その事を理解したユウも慌ててブラックとルインのユニゾンを行わせない為に、右手の砲身を展開し、ブラックとルインに向かって構える。
「させるかよ!! ガルルッ!!」
「残念ですけど、タイムアップですよ。ユニゾン・イン!!!」
「オオオオオオオオオオオオオオオオッ!!! ブラックウォーグレイモン!! X進化!!!」
『ッ!!!』
ユウがガルルキャノンを撃ち出す前にルインは光の粒子に変わりながら、ブラックの体へと入り込み、その瞬間にブラックの体から凄まじいエネルギーの奔流と青いデジコードが出現し、デジコードはブラックを覆うように包み込んで行く。
その現象とブラックの叫びの意味に気がついた桜は心の底から絶望に染まった顔して、膝を地面につきながら呆然と声を出す。
「う、嘘でしょう……X進化……ゼヴォリューション……」
「さ、桜お姉ちゃん!? 何が起きてるの!?」
「桜!! あの竜人は一体如何したの!?」
絶望に染まっている桜に、状況が分かっていないなのはとフェイトは質問するが、桜は答えずに青い繭と化したデジコードを見つめながらユウに向かって悲痛な声で叫ぶ。
「……げて……ユウッ!!! 逃げてえぇぇぇぇぇぇぇぇぇーーーーーーーーーッ!!!!」
「クソッ!! ガルルキャノン!!! ガルルキャノン!!!」
逃げる事が不可能だと分かっているユウはデジコード内部からブラックが出て来る前に倒そうと、渾身の魔力を込めたガルルキャノンを連射し、ガルルキャノンは高速でデジコードへと向かって行く。
しかし、ガルルキャノンがデジコードに直撃しようとしたする直前に、デジコードは引き裂かれ、内部から漆黒の閃光が走り、ガルルキャノンは一瞬の抵抗も無く四散する。
「ッ!!! ……ハハハハハハハハハッ……マジかよ……嘘だろう」
自身の最大の魔法が簡単に四散された事にユウは目を見開き、ガルルキャノンを四散させた漆黒の閃光に目を向け、その姿を目にする。
その存在は全身をより機械的に成った鎧で身を包み、背中に二つのバーニアを背負い、両手に装備していたドラモンキラーもより鋭く機械的な要素を備えさせながら、目を赤く光らせてユウを見つめていた。
ブラックこと、ブラックウォーグレイモンがルインとのユニゾンによって更に進化した姿。
その姿を知っているユウと桜は体を恐怖に震わせながら、呆然としながらも更なる進化を遂げた漆黒の竜人の名を同時に叫ぶ。
『ブラックウォーグレイモンXッ!!!』
「ウオォォォォォォォォォォォォォッ!!!!!!」
ブラックウォーグレイモンXが咆哮を上げると共に地面は爆裂したように吹き飛び、ユウは背中に羽織ったマントを使い防御するが、その体は恐怖によって震えていた。
ただ咆哮を上げただけで地面が爆裂してしまうほど衝撃波が発生したのだ。その点だけでもブラックウォーグレイモンXの力がどれほどのものなのかは、直接戦うユウだけではなく、離れた所で戦いを見守っていた桜達にも充分過ぎるほどに理解した。
“目の前に立っている存在だけには触れてはいけなかった”。それをハッキリとユウ達は本能で理解するが、もはやブラックウォーグレイモンXは止まる事は無く、恐怖に体を震わせながらもグレイソードを構えているユウに向かって足を一歩進める。
「さぁ、始めるぞ。互いの信念を賭けた殺し合いをな!!」
「クソォォォォォォォォォーーッ!!」
バーニアを噴かせて突進して来るブラックウォーグレイモンXに向かって、ユウは恐怖を振り払うように叫びながらブラックウォーグレイモンX同様にグレイソードを構えながら突進するのだった。
今回の登場したオリジナル魔法に関して。
名称:【コキューエンド】
分類:【ミッドチルダ式・広域攻撃魔法】
詳細:術者を中心にブリザードを引き起こす魔法。ブリザードに捕らわれた場合、対象は凍結、停止し、更に吹き荒れるブリザードによって対象にダメージを与える。効果的には【エターナルコフィン】に近いが、【エターナルコフィン】が封印系に効果が強いのに対して、【コキューエンド】は殺傷力が強化されている。
名称:【滅雷】
分類:【古代ベルカ式・補助及び攻撃系魔法】
詳細:古代ベルカ時代の王家の一つ、【雷帝ダールグリュン】家に対抗する為に当時の【雷帝ダールグリュン】家に敵対していた魔導師及び騎士達が完成させた雷の資質変化持ちに対抗する為の魔法。雷の資質変化によって発動させた魔法を無効化及び運用する事が可能となる。しかし、【闇の書】の襲撃に寄って奪われ使用される事が無かったロストマジック。ルインは砲撃として放ったが、身体強化にも使用する事も出来る。雷の資質変化を持つ魔導師や騎士にとって天敵の魔法である。だが、専用のデバイスや騎士甲冑の使用が本来は必要であり、当時の野心に燃えていた【闇の書】の主が己の魔法にする為に、開発データなどは一切失われてしまっている。その為に【夜天の魔導書】に記載されながらも、ルインに主と認められない限り使用する事が出来なくなってしまった。
名称:【リフレクトフィールド】
分類:【ミッドチルダ式・広域防御魔法】
詳細:相手が放って来た砲撃を跳ね返すと言う、砲撃魔導師泣かせの魔法であるが、弱点が存在し、砲撃を跳ね返した後は消滅してしまう上に、詠唱時間が長く、莫大な魔力も消費してしまう。覚醒したルインと、ルインとユニゾンしたブラックでなければ戦闘 中で使用する事は不可能に近い。因みにリインフォースとユニゾンしたはやてならば使用は可能だが、 魔力の消費はかなりのものとなってしまう為に、デメリットが高い 魔法である。
今回の話では、平行世界の部分を強く出しました。
簡単に言ってしまえば、ルイン達の世界には【聖王武具】は存在せず、逆にユウ達の世界では【ルインフォース】と言う形では【夜天の魔導書】は改変されませんでした。