伝記と呼ぶには、ほんの数年間の出来事で、あまりにも短いものである。しかし、それは1つの本として、物語として語り継がれていく。今から、その物語を詳しく、こと細やかに語らおう。いや、お見せしよう───
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……ん?知らねぇ天井に知らねぇ部屋。此処は何処だ?何で俺はここで寝ていたんだ?
キョロキョロ周りを見回していると、ガチャッと音を立てて扉が開いた。すると、まるで人形よりも人形のような顔立ちで、金髪にウェーブのかかった少女がお茶を持って現れた。
「あら?起きたのね。おはよう」
「お、おう…じゃなくて!此処は何処なんだ?」
「此処は、幻想郷よ。そしてこの家は私の家よ」
「げ、幻想郷?1つの国みたいなもんか?」
「まぁそんな感じよ。その反応を見た感じ外から来た人みたいだし、明日あたり霊夢のとこにでも送ってあげるわ」
…明日?そんな悠長な事は言ってらんねぇ…俺には時間がねぇんだ…もっと虚化を完璧にしねぇと…
「急に顔が険しくなったけど、何かあるのかしら?」
「…?!」
「あなたに何があるのか知らないけど、時間なんてのはどれだけ焦っても待ってはくれないのよ。今、流れている時間に逆らおうとするのはいい選択とは言えないわ」
「…あぁ、分かってる…なんかすまねぇな…えっと…」
「アリス──アリス・マーガトロイドよ」
「俺は、黒崎一護だ。明日までよろしくなアリス」
〜翌朝〜
…たった数時間だったがご飯とか風呂とか世話になったな…どうせもう帰るから、何か手伝いでもして帰るか。
そうだな…朝飯でも作るか
〜少年料理中〜
うし!結構うまく出来たと思うな。んじゃアリス起こすか。
「アリスー!起きろー!」
返事がない。部屋まで起こしに行くか?なんだかその選択肢は危険な匂いがするが部屋の前まで行ってみるか。
「おーい!アリス!朝だぞ、起きろー!」
部屋の中から声がしたから起きたようだ。良かった…部屋の中に入らずに済んだ…
「…あら?朝ごはんがある…。もしかして一護が作ったの?」
「あぁ、昨日は世話になったしな。最後に何か出来ることがねぇか考えた結果が、これだ」
「…そう…ありがとう、一護」
「お、おう…」
その時見せたアリスの微笑みはあの一護の心を揺さぶったらしい───
〜昼過ぎ〜
「なぁアリス」
「どうしたの一護」
「いつになったら霊夢?っていう人のところに連れていってくれるんだ?」
「・・・」
ん?沈黙が生まれたぞ?まさかこいつ忘れてたんじゃねぇよな…こっちは早く戻らなきゃなんねぇのに…
「そうね…そろそろ行きましょうか──『博麗神社』に」
〜博麗神社〜
「誰か来るわね…」
「霊夢、外来人を連れてきたわよ」
霊夢はとても驚いた。なぜならあの陰気で根暗なアリスが、外に出ているのだから…。
「ちょっと霊夢、なに人のことをひきこもりみたいに言ってるのよ…何処ぞのニート姫とは違うのよ」
「それは悪いわね、あそこの姫は格が違うわ…ところでそこのオレンジ色の髪の人が外来人なの?」
「えぇ、そうよ」
「黒崎一護だ。」
「一護ね。私は、楽園の素敵な巫女 博麗霊夢よ」
博麗霊夢…なんだか、高校生…いや、中学生くらいに見えるな…それになんか、すげぇガン見してくるんだけど…
「霊夢───」
「分かってるわ。早く元の世界に戻してほしいんでしょ?」
「あぁ」
「私も早く戻してあげたいんだけど、結界がおかしいのよ」
「結界?」
「この幻想郷は、博麗大結界で全てを覆っていて、外の世界との行き来を制限しているのよ。だから、あなたみたいな外来人が来た場合、その結界を通して帰すんだけどそれが昨日から調子悪くてね」
「…って事はつまり───」
「多分一護が予想しているとおりよ…結界が治るまでここに居てもらうわ」
マジかよ…よりにもよってこんな大事な時期にこんな事件と事故が起きるなんて…
「いつ治るか分かんないけど、すぐに治るようこっちも頑張るわ。それまでは…悪いわね」
「いや、霊夢が誤ることじゃねぇよ。事故ならしょうがねぇよ。」
「そう言ってもらえると気が楽だわ」
「まぁ、博麗大結界とやらが治るまで、アリス、霊夢、2人ともよろしくな!」
「えぇ、よろしく」
「こちらこそよろしく」
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???「誰だなんだぜ?あのオレンジ髪のやろーは…」
はい!第1話終了ですね!う~ん…なんか難しいっすね…なんか会話ばっかりだし、一護のキャラがちゃんと定まってない気がしますね…おいおい確立させたいと思います!
何か感想がありましたらコメントください!
では、また次回!