ブラック・ブレット もう一発の銃弾   作:八咫勾玉

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プロローグ

「う~ん…綺麗な夜空だなぁ~」

「そうですね…」

 

 深い森の中の少し開けた場所で二人の男女が夜空を見上げながら話していた。

 一人は、夜空に向かって大きく伸びをしている。

 伸びをしていた男は、今年二十三歳になった。

 もう一人はその男の側で立って同じように夜空を見上げていた。身長は、男の臍より少し大きい。髪の毛の色は、黒く伸ばしそれを後ろで一つに束ねている。

 

「さぁ…そろそろ探索をやめて東京エリアに戻るか」

「そうですね…いい時間だと思います」

「じゃあ戻るか…桜香」

 

 男は、自分の側で夜空を見上げていたイニシエーターの少女雪宮 桜香《ゆきみや おうか》に声をかける。するとすぐに返事がかえってきた。

 

「はい…あなたの指示にしたがいます。黎」

 

 桜香から、黎と呼ばれた青年の名は、無久羅 黎《むくろ れい》。彼らは『民警』と呼ばれる組織属している。民警は、対ガストレアのスペシャリストでありガストレアを駆除することを生業としている。

 黎と桜花は、今未踏差領域に来ていた。目的は、特になくただ気まぐれに探索だといって歩き回りガストレアに遭遇した先から殺して回っていた。そんなこんなで未踏差領域を動き回って疲れたため何処かで休憩しようと思ってたら少し開けた場所がありそこでぼーと座っていた。それが、今に至るまでの経緯いだ。

 黎は、隣にいる桜花に手を伸ばしその手を桜花が握り返し、そのまま手を繋いで東京エリアに足を向けた。

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

 未踏差領域の探索というなの散歩をした次の日、黎と桜花が町中を歩いていると近くで銃声が聞こえてきた。何処かで、ガストレアと交戦してるのかと思いその近くまで行ってみようと走り出した。

 しばらく走ると、もう戦いが終わっており走り去っていく少年とその後ろをじゃれつく子犬のようについていく幼い少女と、それを見送る私服警官の姿があった。

 

「チッ………ちょっと遅かったか……」

「そうみたいですね…」

「戦ってるとこ見たかったなぁ」

「そうですね……それより黎、買い物にいきましょう」

 

 黎は、悔しそうに爪を噛んでいたが桜花が話しかけてきたので気を取り直して返事をした。

 

「ん……そうだな…今日の晩飯はなんだ?」

「うーん……何にしましょ……」

「まだ決めてないのか?」

「はい…スーパーに行ってから献立考えようかなぁ…」

「お前が作ってくれる飯はウマイから何でもいいぞ…とりあえずスーパー行こうぜ」

「そうですね…では行きましょうか」

「おう!!」

 

黎と桜花は、スーパーに足を向けて歩き始めた。

 

このときは、まだ自分達が天童民間警備会社の社員になるとは面湯にも思っていなかったのである。


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