FAIRYTAIL SEVEN KNIGHTS   作:マーベルチョコ

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第37話を少し変えました。ハルトのセリフと生い立ちを変更しました


第81話 白い死神、推参

ビックスローと対峙するルーシィとロキ。

ビックスローは舌を見せて2人を挑発する。

 

「ハッ!2人になったからって何も変わんねえよ!!やっちまいな、ベイビー!!」

 

人形が2人に迫る。

 

「ボクが人形の相手をする。ルーシィたちはビックスローを!!」

 

「うん、わかったわ!!行きましょう。マタムネ、ハッピー!!」

 

「ぎょい!」

 

「あいさー!」

 

人形がルーシィに狙いを定めて、襲いかかるがロキが前に出て、拳を構える。

 

「レグルスよ……我に力を……!」

 

ロキの拳に光がともり、人形を殴り壊す。

 

「ハッ!いくら人形を破壊されても魂が無事なら代わりはいくらでもいるんだよ!!行きな!ニューベイビー!!」

 

また新たに人形が現れ、ロキを襲う。

しかし、ロキは人形が放つビームも防ぎ、人形を破壊する。

 

「ならこっちもいくつでも壊そう!ルーシィのためにね!!ルーシィ!今だ!!」

 

ロキが叫ぶと、ビックスローの頭上にハッピーに抱えられたルーシィがムチを構えていた。

全ての人形をロキに回していたビックスローに防ぐすべはない。

 

「しまっ……」

 

「これで観念しなさーい!!」

 

「くっ!」

 

ビックスローは後ろに飛んでムチをかわしたが、少し焦りが見える。

 

「おおっ、危ねーな女王様」

 

「だから違うって言ってんでしょ!!それにそんな余裕かましといていいのかしら?」

 

「なに……?って!!」

 

「覚悟ー!!」

 

ビックスローは背後に気配を感じて横に転がるように避けるとマタムネが背後からビックスローの肛門を突き刺すように突きを放ち、ビックスローは冷や汗をかいた。

 

「ちっ!惜しかったでごじゃる!!」

 

「あぶねーなマタムネ!!肛門が血だらけになるだろうが!!」

 

「敵に情けなんて無用でごじゃる」

 

「ヒデーな!」

 

「ビックスロー本人はそんなに強くない!!頑張れ!!!」

 

「なんだとテメー!!」

 

ルーシィは間髪入れずビックスローをムチで攻撃する。

 

「えい!」

 

「ちっ!」

 

「とりゃー!!」

 

「邪魔だ!!」

 

「ジャマダー」

 

「にぎゃー!!」

 

ビックスローはルーシィの攻撃をかわし、マタムネも攻撃するが人形に攻撃される。

 

「なら、これならどう!!開け!金牛宮の扉タウロス!!」

 

「MOーーーー!!!」

 

ルーシィはタウロスを召喚し、一気に決めるつもりだ。

 

「チッ!もう一体出やがったか!アレをやるしかねえかっ!!」

 

ビックスローは自身の目を隠している仮面に手をかける。

 

「タウロス!お願い!!」

 

「お任せMOーーー!!!」

 

タウロスは斧を構えビックスローに迫る。

ビックスローは仮面を外しタウロスを見るとタウロスは振り下ろそうとしていた斧を止めた。

 

「タウロスどうしたの!?」

 

ルーシィは突然動きを止めたタウロスに呼びかけるがピクリとも動かない。

するとタウロスはルーシィに振り返り、突然斧を振り下ろした。

 

「キャアッ!!何すんのよ!!」

 

「タウロス!?どうしたんだ!!何故ルーシィを攻撃する!!?」

 

下から見ていたロキもタウロスの突然の奇行に驚くがタウロスは反応しない。

 

「造形眼(フィギュアアイズ)」

 

ビックスローの目は緑色に怪しく輝き、ルーシィたちを見る。

 

「2人ともビックスローの目を見ちゃいけないよ!!」

 

「え!?」

 

ハッピーの突然の言葉に全員が眼を閉じてそらす

 

「雷神衆はみんな“眼”にセカンド魔法を持っているでごじゃる!!ビックスロー殿の目を見たら人形化して魂を操られちゃうでごじゃる!」

 

「じゃあタウロスも……」

 

ルーシィがそう呟くなかタウロスが斧をルーシィに向かって振りかざす。

 

「ルーシィ殿!危ないでごじゃる!!」

 

「キャッ!!」

 

それに気づいたマタムネは間一髪でルーシィを抱き抱え上空に逃げた。

 

「タウロス殿は造形眼に操られているでごじゃる!」

 

「じゃあ強制閉門して……タウロス!強制閉門!!」

 

ルーシィは鍵をタウロスに向け、強制閉門したがタウロスは応じない。

 

「なんで強制閉門しないの!?」

 

「今その牛はオレの支配下さ!!そんな魔力じゃ操作なんて無駄だよ!!行きな!ベイビーたち!!」

 

タウロスは斧を構えてロキに攻撃し、人形たちはルーシィたちを狙う。

 

「きゃあっ!!」

 

「くっ!タウロスやめるんだ!!君のオーナーはルーシィだ!!しっかりしろ!!」

 

「MOーーー!!!」

 

ロキは少し目を開いて、なんとかタウロスの攻撃をかわすがいくつかくらってしまう。

ルーシィも目を閉じて耐えるしかできない。

 

「あうっ!!」

 

「くそ……!こんな魔法が……!!」

 

「ヒャーハッハッハッ!!!この[人形憑](ひとつき)と造形眼のコンボに勝てる奴なんかいねえぇんだヨ!!!」

 

「ルーシィ!!ホロロギウムだ!!僕を一旦、閉門してホロロギウムで守りを固めるんだ!!!」

 

「そんなことできるわけないでしょ!!タウロスが操られてるのに!!それに……あんたを信じてるんだからなんとかしなさい!!!」

 

ロキはルーシィの叫びに笑みを浮かべる。

 

「うん」

 

ロキはタウロスから離れてルーシィを抱きかかえて後ろに退がる。

 

「ルーシィ。タウロスが邪魔でビックスローに近づくことができない。強制閉門ができないならアクエリアスの力を借りるしかない」

 

「でもここに水なんて無いし、それに二体同時開門なんてまだアタシできないわ……」

 

「召喚できなくても力は借りることができるだろう?」

 

「そうか!それでどうするの?」

 

「作戦は……」

 

「でもそれだと目を開けないと……」

 

「信じてくれるんだろ?」

 

「……わかった」

 

ロキはルーシィを下ろし拳を構える。

 

「作戦会議は終わったかァ!?これで終いだ!ベイビー!!」

 

「レグルスは満ちた……」

 

ロキから眩しい光が発せられる。

 

「獅子光耀!!!!」

 

その光が一気に爆発し、辺りを光で包んだ。

 

「何!!?目くらまし!!?」

 

「MO!?」

 

「今だ!!!」

 

ルーシィはアクエリアスの鍵を取り出した。

 

「力を貸して!アクエリアス!!」

 

ルーシィの体にアクエリアスの魔力が少し流れる。

 

「アクエリアスウェーブ!!」

 

ルーシィは水を出して大波を立てる。

 

「うおおぉぉぉっ!!?」

 

「MOーーー!!?」

 

ビックスローとタウロスは目も開けることができず、波に飲み込まれる。

 

「やあ!」

 

「ぬおっ!?」

 

ルーシィが流されるビックスローの首にムチを巻きつけ、引っ張り波から取り出され空中に浮き、ロキがそこに飛び込む。

 

「ロキ!!!」

 

「うん!!」

 

「お前がオレに……勝てる訳……!!」

 

「あの頃の僕とは違うんだ……」

 

ロキの拳に光が集まる。

 

「ルーシィに会って星霊本来の力が蘇った。いや……ルーシィに会って僕は強くなった。お前の操り人形とは違う!!!愛が星霊を強くする!!!!レグルスインパクト!!!!」

 

「ぐぉああぁぁぁぁっ!!!!!」

 

ロキの渾身の一撃がビックスローに決まり、ビックスローは倒れた。

 

「やった!!!」

 

「やったでごじゃる!!!」

 

「ありがとうロキ」

 

みんなが喜ぶ中、ロキは空に向かって光を放つ。

 

「見てルーシィ……愛の光を」

 

そこには『I LOVE LUCY♡』と大きく照らされていた。

 

「えーと……」

 

「あれー?」

 

「浮気でごじゃるかー?」

 

「違うわよ!!」

 

ルーシィ&ロキVSビックスロー

勝者ルーシィ&ロキ

 

 

ルーシィとロキがビックスローを倒した知らせはギルドに閉じ込められていたハルトたちにも届いた。

 

「やったなルーシィ!!」

 

「マジか!!?あのバニーガール戦えたのかよ!!?」

 

「 ルーシィは強えぞ。きっと」

 

「ウソだろ!?だってバニーだぞ!!」

 

「ナツに一回勝ってんだ。強いに決まってる」

 

「マジでか!!サラマンダーお前負けてるのかよ!!?」

 

「負けてねえよ!!!」

 

レビィもその知らせを見て、一層気合が入る。

 

「さすがルーちゃん!!私も負けてられない!!!」

 

レビィも術式解除の大詰めだが最後の難関が解けない。

 

「あとはここさえ解ければ……」

 

「お前バニーに負けたのかよ!?」

 

「負けてねえっての!!!」

 

「負けたじゃねえか、認めろよ」

 

「術式を書き換えて……」

 

「ぐう……いや確かに負けたけどよ」

 

「マジで負けたのか……やっぱりバニーの奴強かったんだな……」

 

「だけどここが最難関………」

 

「負けたら、それを教訓にしてまた強くなっていけばだな……」

 

「それだっ!!!」

 

「「「!!!」」」

 

突然レビィが顔を上げ、ハルトたちを指差す。

 

「そうだよ!!前の文の文法に習って同じように解読して、もう一度直して文字の整数をガーラ文法に変換してさらにローグ言語化………」

 

レビィの手は止まらず次々と文字を書いていく。

 

「解けたっ!!!」

 

「「「おおっ!!」」」

 

「待ってて術式を書き換えてくる!準備はいい?バトルオブフェアリーテイル 参戦だよ」

 

「おう!!!」

 

「燃えてきたぞ!!!」

 

「ひと暴れしてやんよ」

 

三頭の竜が戦いに参戦する。

 

 

時間は少し遡り、ミラは倒れたマカロフのためにポーリュシカを呼びに向かっている途中でエバーグリーンに倒されたエルフマンを見つけ、肩をかしていた。

 

「大丈夫エルフマン?」

 

「悪りぃ姉ちゃん……もう大丈夫だ」

 

「無理しちゃダメよ……ごめんねエルフマン。ごめんね……」

 

「何で姉ちゃんが謝んだよ?」

 

「私…ファントムの時も…今回も…何もできなくて……それで……」

 

ミラの目から涙が溢れる。

 

「泣かないでくれよ……姉ちゃん。姉ちゃんは何もしなくていいんだよ。この喧嘩が終わったら笑顔でみんなを迎えてくれればいい」

 

それでもミラの涙は止まらない。

 

「うっ……うえ……ひっ……」

 

「頼むよ姉ちゃん……カミナも悲しむから泣かないでくれ……」

漸く街はずれ近くに着いた瞬間、先に見えていた橋が壊れ、雷神衆を探していたカナの悲鳴が響き渡った。

 

「アアアァァァァァァッ!!!」

 

「「カナ!!」」

 

カナは全身に酷い傷を負っており、

 

「ぐうぅぅぅ!!」

 

「しぶとい……さすがギルドの古株といったところか」

 

「フリード!!」

 

「クソ!こんな時に!!」

 

エルフマンが身構えるがダメージが大きくフラついている。

 

「取り消しなさい……ジュビアを“ファントムの女”と言った事を取り消しなさい!!!」

 

カナはジュビアと行動しており、2人ともフリードの術式に捕まってしまい、その術式は『どちらかが戦闘不能になるまで術式から出ることができない』というものでジュビアはフェアリーテイルの仲間であることを認めて欲しくて神鳴殿のラクリマに自分からぶつかり、自分を犠牲にしたのだ。

カナはジュビアが犠牲になったこととこんな術式を作ったフリードに怒りをぶつけたが雷神衆筆頭のフリードに手も足も出なかった。

 

「うっ!!あぎっ……げはっ!!」

 

カナの体からバキバキと鈍い音がなり、カナは白目をむいて気絶してしまった。

 

「カナ!!!」

 

「何が起きたんだ!!!」

 

エルフマンは体が悲鳴を上げているがそれでもフリードに立ち向かう。

 

「ちくしょォッ!!」

 

「次の相手はお前かエルフマン……と言ってもお前はエバに負けている。ゲームへの復帰権はない」

 

「うるせえ!!!」

 

「いい加減にしなさいフリード!!!私たち仲間じゃない!!!」

 

ミラがそう言うがフリードは無表情で返す。

 

「かつては……しかしその構造を入れ替えようとしているこのゲーム内ではその概念は砕け散る。ラクサスの敵は俺の敵だ」

 

フリードは剣を構えて、迫ってくるエルフマンに剣を向けて、エルフマンのむねに何かを書き込むように剣をさばく。

 

「これは!!?」

 

エルフマンの胸には何かの文字が書かれており、怪しい光を帯びている。

 

「一度敗れた駒がゲームへ復帰する事は禁ずる。その掟を破りし者は死よりつらい拷問を受けよ。闇の文字〝痛み〟」

 

フリードの右眼が黒く輝き、文字が一層に輝くとエルフマンの体から鈍い音が響いてくる。

 

「ぐぅ……な、何だ……!?体中からギシギシと……」

 

「その文字は現実となりお前の感覚となる……」

 

「そんな……」

 

ミラはフリードの闇の文字の効果に戦慄する。

 

「うがぁぁああぁぁぁああああっ!!!!!」

 

「エルフマン!!」

 

エルフマンの体に激しい痛みが走り、絶叫を上げてしまう。

 

「闇の文字〝恐怖〟!!」

 

「ぐあがぁぁぁあああ!!!」

 

「やめてフリード!!エルフマンはもう戦えないの!!」

 

「闇の文字〝苦しみ〟!!!」

 

「お願いフリード!!何でもするから助けて!!!」

 

ミラがそう頼んでもフリードは容赦なく闇の文字を叩き込む。

 

「闇の文字エクリテュール……〝痛み〟〝痛み〟〝痛み〟〝痛み〟〝痛み〟〝痛み〟!!!」

 

「がふあがぁあぱぁがぁ!!!!」

 

「いやぁーーーーっ!!!」

 

エルフマンの苦しむ声にミラは涙を流して悲痛な叫びをあげる。

 

「闇の文字……」

 

フリードはトドメを刺すため剣を大振りに構えて魔力を貯める。

エルフマンは痛みで足元もおぼつかない。

 

「やめてぇーーーーっ!!!!」

 

「“死……」

 

フリードが言葉を続けようとした瞬間、白い雷とともにフリードとエルフマンの間に刀が突き刺さり、フリードとの距離を離す。

 

「これは……!!?」

 

フリードが驚愕するなか、泣くミラに優しく抱きしめる感覚が広がる。

 

「泣かないでくれミラ……お前の悲しむ姿は見たくない」

 

ミラはその声を聞くと目を見開いて、嬉しくなりその人物に抱きつく。

 

「フリード……ミラをここまで悲しませたんだ」

 

その男は抱きつくミラの頭を撫でながら殺気をフリードだけに向ける。

フリードはその殺気を浴びて全身から冷汗が流れ、喉元に刀が添えられ、喉をかき切られたかのような感覚に陥った。

喉を触るが何ともない。

男は顔をフリードに向けて、睨む。

 

「死ぬ覚悟はできているんだろうな?」

 

妖精の尻尾最強候補の1人、白い死神カミナ・ハクシロがバトルオブフェアリーテイル に参戦した。

 


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