FAIRYTAIL SEVEN KNIGHTS   作:マーベルチョコ

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第57話 突撃取材!妖精の尻尾!!

ハルトとカミナの喧嘩事件の次の日。

新しく建てたのに、半壊してしまったギルドは全員で修繕し、なんとか元の姿に戻した。

そしてみんながいつも通り過ごしているなか、1人だけ気合を入れている者がいた。

 

「何よみんな〜いつも通り呑んで騒いでるじゃない!」

 

ルーシィはいつもより少し露出多めの服を着て、髪もいつもなら自分でセットをするのだがわざわざキャンサーを呼び出してセットしてもらい、しっかりとおめかしをしてきたのだ。

ルーシィはフィオーレ王国で一番人気がある週刊誌『週刊ソーサラー』の記事に載り、有名になってお金が欲しかったのだ。

ギルドの仕事をしてもいいがナツやグレイが暴れ回り、色々と壊してしまうので報酬金も少なくなってしまい、貧乏なルーシィは今回の取材で一攫千金を狙っていた。

 

「まあ、いいではないか。記者もいつも通りの私たちを取材したいだろう」

 

「そうだけど……そういえばエルザ、鎧のデザイン変えたの?」

 

エルザの鎧は前の質素な者ではなく、羽のデザインがあった。

 

「ふふ、気づいたか?ハートクロイツの新作だ」

 

「そ、そうなんだ」

 

ルーシィは得意気なエルザに苦笑いで返す。

ルーシィが苦笑いなのは、元々ハートクロイツは服関係の大手の会社だがエルザが無理矢理鎧を作らせたからのをハルトから教えてもらい知っているからだ。

 

「それにしてもエルザ変わったね!」

 

「そうか?」

 

「だって前は『ちゃんとしろー』とか『片付けろー』って言ってたのに今はあんまり言わないもん」

 

「そんなに言っていたか?」

 

ルーシィとエルザがそんな会話をしているとルーシィはふとあることに気づいた。

 

「そういえば……ハルトとカミナさん今日は来てないね」

 

「まあ昨日があれだったからな。恐らく今日は来ないだろう」

 

「ハハッ……そうだね」

 

エルザは珍しく疲れた顔をした。

昨日の喧嘩で2人を止めるためにエルザとマカロフは先頭に立って止めていた。

その時マカロフは泣きながら止めており、どこか哀愁が出ていた。

 

「ハルトは恐らく自宅で待機しているが、カミナはミラと一緒にいるはずだ」

 

「そうなんだ……(あとでハルトの家に行ってみようかな?今日はせっかくバッチリ決めてきたし、もしかしたらそのまま遊びに行けるかも!!)」

 

ルーシィが内心そんなことを考えていると後ろから妙にテンションが高い声が聞こえてきた。

 

「Ohーー!!!ティターニアー!!!」

 

「週ソラの記者か?こんな散らかっている時に申し訳ない」

 

「ノープロブレム!!こんな自然体の姿が欲しかったので!!!」

 

やけにテンションが高い男、週刊ソーサラーの取材記者ジェイソンのがエルザが近くにやってくる。

 

「あたしルーシィって言いまーす♡エルザちゃんとはお友達でぇー」

 

ルーシィはここぞとばかり、いつもより可愛いをアピールするがジェイソンはエルザの取材に夢中でルーシィを無視している。

さらにはハッピーにも興味の差で負け、一瞬こっちを見たかと思い、

ニッコリと笑顔を浮かべるがその後ろのグレイに突撃し、またルーシィを無視した。

 

「もう!なんなのよ!!こうなったら………!」

 

怒ったルーシィは舞台裏へと消えていった。

 

 

「うーん……あとはハルトとカミナに取材したいんだけど……」

 

ジェイソンはあらかたの魔導士に取材を終え、あとしていない有名魔導士はハルトとカミナなのだが今日はギルドに来ていないようだった。

するとそこに……

 

「らあっーー!!!!記者って奴はどいつだー!!!!!」

 

机をひっくり返して、怒りまくったナツが現れた。

 

「ナツだー!!!COOL!!!!君も取材したかったんだよ!!!あ、あの握手してください!!!」

 

「っ!てめぇかぁ!!!」

 

「COOOOOOOL!!!!!?」

 

手を差し出して握手を求めるジェイソンにナツは鉄拳で返事し、ジェイソンは吹っ飛んでいった。

それでもメモを取りながら嬉しそうにしているジェイソンは記者の鏡か変人なのだろう。

その瞬間、

 

「はーい!みんな注目ーー!!!」

 

そのあと見向きもされなかったルーシィがバニーの姿になって現れた。

ジェイソンの興味を引こうと着替えてきたのだ。

周りのみんなは驚いたり、顔を赤くしている。

 

(フフッ!みんなこっちを見てるわね!)

 

ルーシィは成功したと思ったがすぐ隣に白スーツを着てギターを持ったガジルが現れ、突然弾き語りを始めてしまった。

 

「おい。お前踊れ」

 

「えっ!?あたし!?」

 

ガジルが突然ルーシィに命令し、ルーシィは断ろうとしたがガジルに睨まれ泣きながら、即興のダンスを踊るが色んな意味で辛そうだ。

しかしガジルの弾き語りがとてつもなく下手で、周りが暴動を起こして取材は終わってしまい、その悪名がまたフィオーレ全土に広がってしまった。

 

 

妖精の尻尾に取材が来ているころ、ハルトは自宅で横になりながら不貞腐れていた。

 

「ハルト〜取材が来てるからギルドに行こうでごじゃる〜」

 

マタムネはハルトの袖を引っ張って連れて行こうとするがハルトは全く動こうとはしない。

 

「行きたきゃマタムネだけ行けばいいだろうが。俺は今日は動きたくねえ」

 

「ハルトにせっしゃの魅力を伝えて欲しいでごじゃる!せっしゃが女の子からモテモテになるために!!」

 

「お前は普段の行動がマイナスだから望み薄だな」

 

「ひ、ひどいでごじゃる……そんなことないでごじゃる!せっしゃは普段はちゃんとしているでごじゃる!!」

 

マタムネが必死になってハルトを引っ張っていると、ハルトはため息を吐いた。

 

「はぁ…わかったよ。今から行ってみるか……準備するからマタムネはポストに何か入ってないか見てきてくれ」

 

「ぎょい!!」

 

マタムネは意気揚々と外のポストを見ると大量に手紙が入っており、その手紙を見ると、

 

『御宅のネコがパンツを盗んでませんか?』

 

『御宅のネコに着替えを覗かれています』

 

『ネコがスケべ顔で胸に突っ込んでくるのが鬱陶しいんですけど』

 

『女性から苦情が殺到しております。即刻対処してください』

 

『ネコマジブッコロス』

 

などなど……

それを見たマタムネは無言で手紙を見て、固まる。

こんなことハルトにバレてしまったら、ただでさえ不機嫌なのにまたストレスが溜まりシメられてしまう、と速攻で頭の中で予想ができ、冷汗が大量に流れる。

 

「おーい!どうしたー!」

 

遅いマタムネにハルトが窓から顔を出してマタムネを呼んで、マタムネは咄嗟に手紙を近くの茂みに隠した。

 

「い、いやっ!!なんでもないでございます!!!」

 

「“ございます”?」

 

「なんでもないでごじゃる!!」

 

マタムネは慌てて中に入った。

そして、その時マタムネは最後まで手紙を見なかった。

その手紙の中に一通、仕事の依頼があり、その手紙の宛先は『カルバート・マキナ』と書かれてあった。


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