FAIRYTAIL SEVEN KNIGHTS   作:マーベルチョコ

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ちょっとオリジナル戦闘にしてみました。


第47話 錬金のカルバート

ナツはカルバートと対峙するが、シモンがナツの手を取って引き返した。

 

「うおっ!なにすんだ!?」

 

「あいつの実力は未知数だ!逃げるのが得策だ!!闇刹那!!!」

 

シモンは自身の魔法で辺りを暗くした。

 

「ぬああ!!真っ暗だ!!」

 

「今のうちだ!!!」

 

シモンはその闇を利用して逃げようとナツを掴むが肩に何かが当たる。

前を向くと目を緑色に光らせたカルバートが立っていた。

 

「見えてるぞ。バーカ」

 

「………!!」

 

カルバートはシモンの体に手のひらを添えると凄まじい光線がシモンの体に突き刺さり、吹き飛んだ。

 

「が……がはっ!!」

 

「ふぅ」

 

吹き飛ばされた瞬間、辺りは元の明るさを取り戻した。

シモンの体はひどい火傷を負っており、ナツは一瞬でシモンが倒されたことに戦慄した。

 

「こ……これほどの実力を持っていたのか……カルバート!」

 

「今回の計画は俺の計画の一部なんだ。エルザ・スカーレットには犠牲になってもらわないと困るんだよ」

 

カルバートの言葉にナツの肩がピクリと動く。

 

「過去に何があったが知らないが、どうでもいいことで暴れずにエルザ・スカーレットには大人しく捕まって欲しかったんだがな」

 

「おい……」

 

「なんだ?」

 

「テメーが誰だが知らねぇけど、オレの仲間を傷つけるのは許さねえぞ」

 

カルバートの言葉はナツの体から炎を巻き起こさせ、火竜の逆鱗に触れてしまった。

 

「面倒くさいガキだ」

 

 

そのころハルト、ルーシィ、ジュビアはナツを探していた。

 

「ナツー!!どこにいるのー!!?」

 

「ナツさーん!!どこにいるんですかー!!」

 

大声を出しても返事が返ってこない。

 

「ナツなら耳がいいから遠くにいても聞こえていると思うんだけど………」

 

「しかし、なぜ私はルーシィさんとナツさんを探しているのかしら?

恋敵と二人っきりにしておくなんて」

 

グレイはエルザが心配になり、ショウを追いかけて行ったシモンを追いかけた。

 

「だからアタシは恋敵じゃないって、アタシが好きなのは……んんっ!仕方ないでしょ。ハルトの熱を下げるために水の魔法を使えるアンタがいないとダメなんだから」

 

ルーシィはそう言って、心配そうな表情でハルトを見る。

顔色はさっきより悪く、汗は大量に出ていた。

 

「わかっていますけど、具合は良くなっているように見えませんよ?」

 

「熱も下がっていないみたいだし、やっぱりシモンさんが言ってたカルバートって奴が持ってる血清がいるのかしら?」

 

ジュビアは項垂れているハルトの頭に水を少しずつかけながらそう言い、ルーシィはハルトの額に手を当て、体温を測るが熱が下がった様子はない。

 

「お…おれのことは……いい……から、ナツを……」

 

「そんなことできるわけないでしょ!ハルトだって大切な仲間なんだから」

 

ルーシィにそんなことを言われ、熱で弱ってるハルトにとってはとても嬉しいことだった。

 

「ありがとうな、ルーシィ……もう死んでも悔いはない」

 

「ちょっと!何言ってんの!?あっ、目閉じちゃダメ!!死んじゃうわよ!!」

 

「ルーシィさん。そんなに揺さぶったら余計につらいだけです」

 

そんなコントじみたことをしているとどこからかギターを荒く弾く音がだんだんと大きくなって聞こえてくる。

 

「何の音?」

 

「近づいて来ますね」

 

「ルーシィうるさいぞ……」

 

「アタシじゃないわよ!」

 

音がはすぐそこまで来ており、ハルトたちの前にある男が姿を現した。

 

「ヒャッハー!!!こんなところにいやがったのかメスブタども!!!お前らに地獄のメロディを聞かせてやるぜ!!!」

 

三羽鴉の1人、ヴィダルダスが現れた。

 

「ジェラールが言ってた4人の戦士の1人!?」

 

「メスブタ!?」

 

するとルーシィたちの背後から声が聞こえる。

 

「まさかヴィダルダスと同じ獲物と出会うとは……しかしこれも正義のため!!悪を討つ!!ホーホホゥ!!」

 

さらに三羽鴉の1人、梟さえも現れた。

 

「2人も!!?」

 

「挟まれた!」

 

「不味いな………俺も戦うぞ」

 

ハルトは立ち上がり、梟と対峙する。

 

「ダメよ!ハルト、まだ熱も下がっていないのに戦うなんて!」

 

「私たち2人で1人ずつ相手をします。ハルトさんは休んでいてください」

 

ルーシィはハルトの前に立ち、代わりに梟と対峙し、ジュビアはヴィダルダスと対峙する。

 

「話は終わりか!行くぞ!!ジェットホーホホゥ!!」

 

梟は背中のロケットを点火し、一気に距離を詰める。

ルーシィも鞭で応戦しようとするが、梟はルーシィを通り過ぎ、ハルトを捕まえ、床に叩きつけた。

 

「えっ!?」

 

「がはっ!!」

 

「ホーホホゥ!!」

 

突然のことにルーシィは呆然としてしまうが、すぐに梟に鞭を振り、ハルトから引き離す。

 

「ちょっと!アタシと戦いなさいよ!!」

 

「弱っている敵から倒し、徐々に弱らせていく。正義のためならどんな卑怯も正当化される!!」

 

「この……」

 

ルーシィは悔しそうにするが、梟は構わず、またジェットの構えをとる。

 

「いくぞ!ジェットホーホホゥ!!」

 

「させません!!水流切断(ウォータースライサー)!!」

 

ジュビアも応戦し、ハルトを助けようとするが、

 

「させるかよぉ!!」

 

ヴィダルダスは自身の髪を伸ばし、ジュビアの攻撃を髪で吸い取った。

 

「!!」

 

「ジュビアの水が!!」

 

「オレの髪は液体を吸収する。油やアルコールはゴメンだぜ?髪が傷んじまう」

 

「“水”が効かない?」

 

「そんな……」

 

片方は明らかにパワー系、ハルトは弱って太刀打ちができない。

そしてもう片方は水に対して絶対の耐性を持つ。

まさにピンチだ。

 

「それにしてもいい女だな2人とも。へへっ」

 

「でたよ!いつもの!!ハルト守って!」

 

「おおう……?」

 

「どういうことかしら?」

 

「かわいいってのもトラブルの元って事!」

 

ヴィダルダスはいやらしい目でルーシィとジュビアを見比べ、ルーシィは肩を抱き、ハルトの後ろに隠れる。

 

「ヴィダルダス。遊んでいないで真面目にやったらどうだ!」

 

「へっ!真面目に殺しなんかできるかよ!!楽しまなきゃ損だろーが!!」

 

ヴィダルダスはルーシィとジュビアを指差しながらどちらにするか決め、ジュビアを指した。

 

「決めたぜ!!おまえが今日のサキュバスだ!!」

 

「サキュバス?」

 

「ロックオブサキュバス!!!ヘイヤー!!!!」

 

ヴィダルダスがギターを弾くと、ジュビアは苦しみ始める。

 

「ああ…!あ…!な…なにこの音!?」

 

「ジュビア!!どうしたの!!?」

 

「イヤ!!やめて!!入ってこないで!!!ああああああっ!!!」

 

辺りが煙に包まれ、煙が晴れるとそこには……。

 

「地獄地獄地獄ゥ!!!!最高で最低の地獄を見せてやるよメスブタがァ!!!!!」

 

ヴィダルダスと同じようなパンクな格好をし、豹変したジュビアが立っていた。

 

「ジュビア……?え……どうなってんの?」

 

「洗脳か……!」

 

「洗脳!?そんなもんじゃねぇよ!!ジュビアちゃんはオレの音色で生まれ変わったんだよ!!オレが好きなのは女同士のキャットファイトよ!!!『服が破れてポロリもあるよ』ってやつさ!!!!」

 

「最低ね……」

 

ヴィダルダスの性癖にイヤな顔をするルーシィだがそれに構わず、ジュビアはルーシィとハルトに襲いかかる。

水となり、大波を起こしたジュビアはルーシィたちを飲み込んだ。

 

「うわっ!せっかく着替えたのに!!」

 

「ルーシィ!」

 

「貴様の相手は私だ!!ジャスティスホーホホゥ!!」

 

「ぐわっ!!」

 

ハルトは飲み込まれそうなルーシィに手を伸ばすが、梟がそれを許さずハルトに攻撃をし、引き離す。

 

「ハルト!!」

 

「お前の相手はアタシだよ!!」

 

ジュビアは波の中からルーシィの服を掴み、引き裂いた。

 

「キャーー!!何すんのよ!!」

 

「ヒャーッホウ!!!コレだよコレー!!!!」

 

「ぐっ……ルーシィ大丈夫……うおっ!?」

 

「キャーー!!!!こっちを見ないで!!!」

 

ルーシィはハルトに胸を見られそうになり、慌てて胸を隠すが、ジュビアはその隙に攻撃を仕掛ける。

 

「なに乳繰り合ってんだぁ!?」

 

「誰がそんなことしたのよ!」

 

「ルーシィ!」

 

ジュビアがルーシィに攻撃を当てる前にハルトはルーシィを抱き寄せ、飛び退き、そのまま波に飲まれて通路の傍に隠れた。

 

「どこに行った!?」

 

「おいおい!隠れてんじゃねーよ!!!」

 

「けほっ!かはっ!」

 

「大丈夫か?」

 

「う、うん……あっ」

 

ハルトがルーシィと攻撃を避けたときはジュビアに服を引き裂かれ、胸がさらけ出していた状態だった。

つまりハルトはダイレクトでルーシィの胸の柔らかさを感じたということだ。

そのことがわかったルーシィは顔を赤くし、頭から煙が出そうなほど恥ずかしくなった。

ハルトは敵のほうを向いてそのことに気づいていない。

 

「さて、これからどうするか……」

 

「こっち見ないで!!エッチ!!」

 

「ぶへっ!?」

 

ルーシィは慌てて、ハルトの頬を叩いてしまい、ハルトは何故叩かれたかわからなかった。

 

「そこか!」

 

梟がその音に勘づき通路傍を見るが誰もいなかった。

ハルトは頬を赤く腫らしながらもルーシィを連れてさらに奥に隠れた。

 

「ご、ごめん、ハルト。突然のことだったから……」

 

ルーシィは頭の飾り布で胸を隠しながらハルトに謝る。

 

「いいって気にすんな。………俺もちょっといい思いしたし」

 

「何か言った?」

 

「いや、なんでもない。それよりルーシィ、こっから反撃するぞ」

 

「反撃って、どうするの?」

 

ハルトは不敵な笑みを浮かべ、ルーシィのほうを見る。

 

「俺に考えがある」

 

 

そのころナツとカルバートは戦いを繰り広げていた。

 

「火竜の鉄拳!!」

 

ナツは炎を纏った拳を打ち出すが、カルバートの足元から現れたはしらがナツの拳を防ぐ。

 

「魔力弾錬成。8」

 

カルバートがそう呟くとカルバートの背後の空中から魔力が篭った弾丸が作られ、ナツに打ち出す。

 

「ぐうぅっ!!!」

 

ナツは耐え、ほぼ無傷なように見える。

 

「そんな弾じゃ効かねーぞ!!」

 

さらにナツは追撃を仕掛ける。

 

「脚力ブースター。錬成」

 

カルバートがそう言うとカルバートの足は機械の足に変わり、ブースターを点火し、大きくナツと距離を取った。

 

「足が変わった?」

 

「錬金魔法だ!色んなものを作れる魔法だよ!!」

 

「しかも自分の体も錬金しているでごじゃる!」

 

カルバートの魔法は制限はあれど、万物を創り出す上位魔法『錬金』だ。

 

「へっ!だけどあんな攻撃だけなら押し切れるぜ!!」

 

「………魔力弾30mm錬成。10」

 

そう言うと新たに錬成されるがさっきよりも大きい。

 

「効くかよ!!」

 

「ファイア」

 

「……っ!ぐあぁあああっ!!!」

 

さっきとは違い弾丸はナツにダメージを与えた。

 

「くそっ!なんで!」

 

「お前に合う弾丸がわかったよ。ここからはこれ以上の弾丸で戦おうか」

 

カルバートはさらに弾丸を打ち出す。

しかしナツもやられてばかりじゃない。

ナツの炎は感情で威力が変わる。

ピンチに陥れば陥るほどナツは燃える男だ。

さらに燃え上がった炎はさらに大きくなった弾丸を焼き尽くし、その炎を纏って突進してくる。

 

「火竜の……!!」

 

「錬成」

 

その瞬間、地面から針山が突出し、ナツを串刺しにする。

 

「がはっ!」

 

「ナツ!」

 

「プラズマ弾。10錬成」

 

今度はカルバートは電気の魔力弾が錬成されナツを襲う。

激しい電撃と爆発が起こり、辺りに煙が立ち込める。

煙が晴れるとそこにはあおむけにナツが倒れていた。

 

(ドラグニルがこうも一方的にやられるのか……!ここまで強かったのか、カルバート・マキナ!!)

 

シモンはカルバートの強さに戦慄してしまう。

ナツは傷だらけになりながらも立ち上がる。

 

「くそ!ヒョロいくせにやりにくいな……」

 

「ナツ殿が苦手な、頭がいい敵でごじゃる!正面から戦わないほうがいいでごじゃる!」

 

「おい!マタムネ!!オレが頭が悪いって言いたいのか!!?」

 

「事実そうだよ!」

 

カルバートはそんなコントじみた光景を見て、ため息を吐く。

 

「敵の前だって言うのに随分と余裕だな。よほど図太いのかただのバカなのか……まぁどっちでもいいか。こっちもいろいろと忙しいんだ。終わりにしてやるよ」

 

そう言ったカルバートの気迫が大きくなる。

 

「荷電粒子砲4門、炸裂弾4発装填、錬成」

 

カルバートのそばに長いU字型の砲門が4つ錬成され、一気に打ち出す。

今までの比じゃないほどスピードで打ち出された弾丸はナツに全弾命中し、爆発を起こす。

 

「食ったら力が湧いてきたぞ!!」

 

爆炎からナツが姿を現し、カルバートに近づく。

 

「ナツは火の滅竜魔導士なんだ!!」

 

「炎を食べたから回復したでごじゃる!!」

 

「紅蓮火竜拳!!!!!」

 

ナツの拳の乱打がカルバートを襲い、最後に壁際に殴り飛ばし、壁にぶつけ破壊し、土煙が起こった。

 

「ハァ…ハァ…」

 

「やった!」

 

「いや、まだだ……」

 

「え?」

 

煙が晴れるとそこには中心に三角形の装置が浮かび、透明なシールドに包まれたカルバートが立っていた。

 

「トライデントシールド」

 

「ちっ、やっぱり手応えがなかったか……」

 

「年上ぶる気は無いが……あまり大人を舐めるなよ?荷電粒子砲4門、徹甲弾4発装填、錬成」

 

カルバートはナツに向かって放つが、その弾丸はナツの後ろに突き刺さり、爆発が起こりナツをカルバートのところまで飛ばした。

 

「ぐっ!」

 

「錬成」

 

「ガハッ!」

 

今度はあらゆる壁から針山を出し、ナツを針山に挟みこむ。

 

「パワードアーム。錬成」

 

カルバートの腕が機械に変わり、ナツの顔を掴み、壁に叩きつける。

 

「フォースレーザー発射」

 

レーザーは壁を突き破り、ナツを塔の中に押し入れた。

塔は空洞になってナツは下に落ちて行き、途中の床に落ちた。

 

「ぐぅう……」

 

「まだ息があったのか……さすが滅竜魔導士。しぶとさはゴキブリ並だな。これで終わりにしてやるよ。バリスタ4発装填、錬成」

 

巨大な鉄の矢が荷電粒子砲に装填され、発射される。

ナツ当たりそうになった瞬間、ナツの前に氷の盾が広がる。

 

「何やってんだよ。ナツ、情けねーぞ」

 

「グレイ!」

 


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