俺の高校生活は、彼女によって変化が訪れる   作:”アイゼロ”

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はい、どうも、アイゼロです。

それではご覧ください。


8日目

喫茶店での食事を済ませ、時刻はまだ14時という、かなり余裕がある。

 

「次はどこに行くんだ?」

 

「イオンに行こうか♪」

 

 

太宰の提案により、駅の近くにあるイオンモールにやってきた。

 

「本屋に行くけど、いいかな?」

 

「いいぞ。俺も本屋行きたいし」

 

確か、ラノベの最新刊があったはずだ。まだ買っていないからちょうどいい。

 

ラノベの最新刊と気になった本を手に持ちながら、太宰の方をちらっと見た。太宰の手には、『人間失格』『女生徒』という、太宰治著の本があった。ややこしいなぁ・・・。

 

「それ、読むのか?」

 

「うん、なんか気になっちゃって。比企谷君も好きって言ってたし」

 

「でも、現国苦手なやつとか、本読まない人にとってはそれ、きついと思うぞ」

 

「やっぱりそう思う?」

 

「最初は手ごろな短編小説から手を出した方がいいぞ」

 

「そっかぁ。じゃあそうしてみようかな。ありがとう」

 

その後も、太宰におすすめを聞かれ、中学の時に読んでいた本を薦めた。

 

 

 

 

 

「あ、そこの服屋寄っていい?」

 

「わざわざ俺に確認しなくてもいいんじゃないか?そんじゃ、外で待ってるわ」

 

「一緒に行くの!折角だから見てもらう!」

 

いや、俺に人の服を選ぶなんて、そんな高尚なことできるわけがない。

 

「こっちとこっち、どっちがいいかな?」

 

太宰は並んでいる服を2着俺に見せてきた。・・う~ん、さっぱり分からない。どれも一緒に見えてしまう。

 

2着の服を見極めていると、ふと横を見ると別の服が目に入り、何故かこの服がピンときた。

 

「この服とかどうだ?」

 

その服を薦めたら、太宰は驚いたように口をポカーンと開けた。え、そ、そんなに変だったかい?

 

「あー、悪い。気に入らなかったな」

 

「え!違うよ!ちょっと驚いただけだから!それ着てみるよ」

 

「いや、無理に着なくてもいいんだが」

 

「いいから!」

 

俺が手に取った服を取られ、試着室に入っていった。本当にあれでよかったのだろうか?決めた俺が言うのも何なんだが。

 

「どうかな?」

 

カーテンが開き、着替えを終えた太宰の姿を見た瞬間、自然と目が吸い込まれてしまった。

 

俺が選んだ服は、白い生地に花が描かれたワンピースなんだが、「今の太宰の体形といい感じに合っていて、ポニーテールとも相性がいい。そして、何より可愛い。」

 

「そ、そっか・・。可愛い、か。・・ありがとう♪」

 

太宰は照れた様子で頬を朱色に染めながら、俺に笑みを向けた。え?どうしてだ?俺まだ何にも言ってないのに・・・。

 

「声に出てたよ」

 

「え、マジか・・・」

 

うわあああ!恥ずい!思いっきり可愛いとか言っちまったよ!でも太宰は引くことなく、純粋な笑顔を向けてくれている。内心どう思っているか怖いが、これが唯一の救いだ。

 

「折角薦めてくれたし、可愛いって言ってくれたから、これ買おうかな♪」

 

太宰は上機嫌な様子で、くるりと一回転した

 

「・・・あ、でも結構高いな」

 

「それなら、俺が払うからいいぞ」

 

「え?そんな、悪いからいいよ」

 

「いや、遠慮する必要ない。それに、俺も太宰にお礼がしたかったしな」

 

「私、お礼されるようなことしてないよ」

 

太宰には心当たりがないらしい。・・当たり前だ、これは普通の事なんだろうけど、俺にとっては大事なことなんだ。

 

「俺と、友達になってくれただろ」

 

「・・・でも、それって普通なんじゃないの?」

 

「いや、俺にとっちゃ友達関係なんて無縁な人生を送ってきたからな。太宰が友達になろうって言ってくれた時は、驚きこそしたが結構嬉しかったんだぜ。人生で初めての友達だからな」

 

「そうだったんだ・・・。なら、お言葉に甘えようかな♪」

 

太宰からワンピースを受け取り、俺は会計に行った。

 

「ほい」

 

「ありがとね。比企谷君」

 

「どういたしまして。もう夕方だな」

 

「そうだね。それじゃあ帰ろっか」

 

 

 

 

 

 

 

「あ、ここでいいよ。わざわざ送らなくてもいいのに・・・」

 

「またナンパにでもあったら嫌だろ?」

 

「ありがとう。じゃあ、またね」

 

「じゃあな」

 

 

 

 




最後まで読んでいただきありがとうございます。

結構進展したんじゃないかな。

また明日。

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