俺の高校生活は、彼女によって変化が訪れる   作:”アイゼロ”

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はい、どうも、アイゼロです。

ちょっと進展する。

それではご覧ください。


6日目

先週で中間テストが終わり、今の授業はテスト返却となっている。一日で全教科返ってくるのは、正直嬉しい。文系は2位になり、理系も40点台に抑えて見せた。そんな俺は今日も外でパンを食べています。

 

「比企谷君比企谷君!」

 

今までだったら驚いてむせていたが、さすがにもう慣れてしまった。俺は声のした方へ顔を向ける。

 

「どうした?」

 

「見て見て!」

 

何やら上機嫌な太宰は、手に持っていた紙を俺の目の前で開いた。現国の解答用紙で、右下端には80という高得点が書かれていた。

 

「やったよ!」

 

「おおー、すげぇじゃん。頑張ったな」

 

「うん!比企谷君のおかげだよ、ありがとう♪」

 

「いや、俺はアドバイスをしただけに過ぎん。これは太宰の実力だ」

 

「そう言ってくれるのは嬉しいけど、比企谷君が教えてくれたから、私は頑張れたの。ありがとね」

 

「それは、どういたしまして」

 

何だろう、このむず痒さは・・。普段人にお礼なんて言われるようなことしてないから、慣れないな。でも、いい気分にはなる。

 

「それでさ、もしよかったらなんだけど、お礼も兼ねて、日曜日に2人でお出かけしない?」

 

「え?」

 

こいつ今なんて言った?お出かけ?2人で?日曜日か・・・。

 

「え、いや、それは・・・」

 

「あ、もしかして、予定入ってた?」

 

突然の誘いに戸惑ってしまい、それを見た彼女は俺に予定があると思ったのか、シュンと肩を下げ、悲しげな表情をした。う~、ここで断ると俺の良心が傷つきそうだ。

 

「い、いや、予定はないけど」

 

「じゃあ、どうかな?お出かけ」

 

でも、太宰と2人で出掛けるという事は、その、所謂デートってことになるのか?本人はそんな気ではないのだろうけど、男子からしたら、こんなん意識しまくってしまうよ。

 

かと言ってボッチの俺には予定なんてあるはずもなく、断る理由も見つからないため、太宰と出掛けることになった。

 

「じゃあ、集合場所と時間はメールするね!」

 

彼女は上機嫌で、この場を去った。

 

 

 

 

その日の夜、太宰から『11時に駅前の時計下にきて。楽しみにしてるよ』とメールが届き、今は自分の財布と服を顧みている。

 

う~ん、何とも言えない。服は普段家から出ていないから、あまりおしゃれなのはもっていないし、財布の中は樋口さんが一枚。・・・・親に相談でもするかな。それらしい理由はあるから、多少はくれるだろう。

 

 

「どうしたのお兄ちゃん?そんな思い詰めた顔して」

 

「ん?小町か」

 

妹の小町が、開いていたドアから、入ってきた。

 

「どうしたの?財布と服とにらめっこなんかして」

 

「ああ、実は日曜に出かけることになってな。その準備だ」

 

「・・・へ?1人で?」

 

「いや、2人だけど」

 

俺がそう言うと、小町は俺を憐れんだ目で近づき、俺の肩をポンと置いた。

 

「お兄ちゃん、病院行こう」

 

「いやいやいや、病気でも妄想でもないから!失礼だぞ」

 

「小町は真剣だよ!」

 

ひ、ひでぇ・・・。冗談だと思っていたのに、ガチだったとは・・・。お兄ちゃん悲しい。

 

「ほら。こいつと行くんだ」

 

証拠を見せるため、太宰から先程送られたメールを小町に見せた。

 

「太宰春歌・・・。凄い名字だね。ていうか、女子!」

 

「そうだが・・・」

 

俺が妄想ではないと知った途端、小町はわなわなと震えだし、何かブツブツ言った後、勢いよく俺の部屋を飛び出した。途中階段から転げ落ちる凄い音が聞こえたんだが・・・。ちょっとは落ち着こうよ。

 

数分後、頭に包帯を巻いた小町が戻ってきた。そして手に握られていたのは、諭吉さんが5枚という夢のような光景だ。

 

「お兄ちゃん!はい!」

 

「お、おう」

 

その諭吉さん5枚を俺の胸板に押し付けてきた。この5万は、おそらく親父からねだってもらったのだろう。ご愁傷さま、親父。

 

「お兄ちゃん!デート頑張ってね!それと、服は小町が見繕ってあげる!」

 

おい、デートっていうなよ。折角意識しないよう、頭から離れさせていたのに・・。でも、服を見繕ってくれるのは正直嬉しいので、快くお願いした。

 

気合入りすぎて気持ち悪いと思われるかもしれないが、考えてもみろ。これを見ている女子の諸君、隣にいる男子が地味な服装だったら嫌でしょ?それこそ太宰の面目が危うくなってしまうかもしれないからな。

 

 




最後まで読んでいただきありがとうございます。

また明日。

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