太宰春歌は、八幡と付き合ってから、ちょっとだけ少女漫画に影響されている設定です。
それではご覧ください。
「海だー!」
総武高も夏休みに入り、俺と春歌は約束していた旅行をしている。旅館は海沿いなため、海で遊ぶことになった。そこら中に海の家がたくさんあり、しかもバーベキューできる場所もあるのだ。
春歌は海だー!と大きい声で叫んだが、実際は今旅館の中にいる。これから海に遊びに行くのだ。
「行こう八幡!」
「その前に日焼け止め塗っとけ」
「はーい」
水着に着替え、海にやってきた。潮風が気持ちよく、波の音で涼しさを感じさせられる。まぶしい太陽に入道雲が、目に焼き付いている。
「八幡」
俺の名前を呼び、目の前に立った。去年と同様、ビキニタイプの水着だ。・・・しかし、一年経つと色々成長するんだな。・・あー、いかんいかん。つい目がいってしまう。
「それにしても、やっぱり筋肉凄いね八幡。さすが」
「おい、くすぐったい」
ペタペタと俺の腹筋や腕を触ってくる彼女。日ごろから鍛えてるから割れている。
「ありがとう。お礼に私のも触っていいよ♪」
「からかうなよ。本気にするだろ」
「本気なんだけどなぁ。・・・まぁいいや、遊ぼう!」
「おりゃー!」
「どわっ!」
いきなり春歌にドンッ!と勢いよく押され、全身くまなく海に飲み込まれた。それを見て笑う春歌。
「倍返しだ」
「え!ちょっと八幡!」
春歌の背中と太もも裏に腕を回し、持ち上げてそのまま海に放り投げた。体重が軽かったため楽勝に持ち上がった。
「うえぇ、しょっぱい・・・」
「やられたらやり返す」
半沢になった気分だ。
つーか、つい衝動的に姫抱きしてしまった。春歌の顔を窺うが、特に意識していない様子だ。知らぬが仏。
(今の、お姫様抱っこだよね!?ていうか八幡平然としてるし。何でこんな時だけ無意識にできるの!?)←思いっきり意識してる。
「どうした?顔赤いぞ」
「う、うるさい!八幡のバカ!」
「え?何で俺罵倒されたの?」
「自分の胸に聞いてみろ」
お?中々聞けないセリフをありがとう。早速聞いてみよう。
・・・・・うむ、今日も正常に働いてくれている。
「血液の発送、お疲れ様です」
「・・・私、心臓に労いの言葉を送る人初めて見たよ」
おそらく人類初じゃないのかな?と密かに優越感に浸った俺であった。
気付けば夕方になっていたため、旅館に戻る俺達。途中美味そうなアイスが売っていたから、食べ歩きをしている。俺がMAXコーヒー味。春歌がチョコ。
驚いた。まさかマッカン味があったなんてね。即決だったよ。甘いアイスにマッカンの甘みが足されたらとんでもないんじゃないかって、期待半分不安半分だったが、味はしっかりマッカン、甘さは普通のアイスより甘いが別に気にするレベルじゃない。要するに美味い。
しばらく歩いていると、アイスを持っている俺の手が脳の命令も受けていないのに、動いた。それは春歌の顔まで持ってかれ、持っていたアイスをパクリと食べてしまった。
「うん。美味しい。けど普通より甘い」
「お前なぁ・・・」
「はい。あげる」
と、チョコのアイスを突き出してきたので、一口。・・・・っ、苦い。まさかこれ、ビターかよ。嘘だろ、春歌こんな苦いの食えるのか・・・。
「あはは!八幡舌が子供~♪」
「うるせぇ!お前も十分子供だぞ。見た目が」
「なんですとぉ!遠回しなセクハラだよ!」
最後まで読んでいただきありがとうございます。
明日で最終日です。
また明日。