俺の高校生活は、彼女によって変化が訪れる   作:”アイゼロ”

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はい、どうも、アイゼロです。

予告した通り、ほんのちょっと糖分を増やしました。

それではご覧ください。


30日目

太宰とのクリスマスデートから一日が経った。現在は25日の夕方。

 

『家族旅行に行ってきます!アデュー!』

 

再度、メモを頭の中で朗読した。家族旅行・・・ねぇ。

 

ついには俺を家族から外されたのか?何それ一番傷つくんだけど。冗談だろうけど。いいんだけどね、元々行かなくなったのは俺から何だし。

 

飯も用意されていないし。作れるからいいけど。なにこのやるせない感じ。自分の今の状況に心が痛む。

 

こうなったらアレだ。家族旅行したことを後悔させてやるくらい、いつも以上に豪華で美味い飯を作ってやる。俺の家事スキルをフルで活用してな。

 

そうと決まれば早速材料を買おう。

 

 

というわけでスーパーにやってきた。

 

「あ、八幡」

 

肉と野菜を見繕っていると、隣から聞き慣れた声が聞こえた。

 

「あれ?春歌?」

 

「もしかして、八幡も買い出し?」

 

「ああ。そんなところだ。春歌もか」

 

「そうなんだ。買い忘れがあったらしくてね。八幡の家は今から作るの?」

 

「ああ。家に誰もいなかったからな。俺が作るしかないんだ」

 

「ええ!どうして?」

 

「家族旅行に行っててな。俺を置いて・・・はぁ」

 

聞いてはいけないことを聞いたのかもしれないと、春歌が気まずそうにしている。なんか誤解してるみたいだから補足させとくか。

 

「別に気にしてないぞ。今まで誘いを断ったから自然になっただけだ」

 

「そうなんだ・・・」

 

俺がそう言うと、しばし考える姿勢をとった春歌。何か思いついたのか俺の袖をつまんだ。

 

「八幡。うちにおいで」

 

「え?・・いや、でも悪いだろ。家族水入らずなのに。かえって邪魔だ」

 

「そんなことないよ!お父さんもお母さんも喜ぶよ!私の八幡を一人にさせるもんですか!」

 

不覚にもこの言葉で泣きそうになってしまった。俺は袖をつまんでいる春歌の手を握った。

 

「抱き着いてもよかですか?」

 

「で、できれば人気のないところでお願いします・・・」

 

 

 

太宰家到着。家が見事にイルミネーションが装飾されていた。ここ通ったら絶対写真撮りたくなるよ。

 

「ただいまー」

 

「お、お邪魔します」

 

なんか親がいるとわかってると緊張する。一度深呼吸をし、落ち着いてリビングに入った。

 

「お?おかえり春歌。隣にいる人は?」

 

「あら、比企谷君じゃないの?どうしたの?」

 

「あ、ああ。どうも」

 

春歌が俺がいる説明をしている中、俺はただただポカーンと立ち尽くすことしかできなかった。目の前に広がっている光景に。サンタのコスプレをした春歌の母、トナカイの角をつけている、かなりカッコいい父親。ここまではしゃげる大人を見たのは初めてだから、どう反応すればいいのか分からなかった。

 

「どうかしたのかい?ぼ~っとして」

 

春歌の父親は、さっきから微動だにしない俺を心配してるのか、トナカイの恰好のまま近づいてきた。

 

「いや、お父さんたちの格好に驚いてるだけだよ」

 

「あ、そうかそうか。何、気を抜いてくれてもいいよ」

 

「ああ、はい」

 

「さあ、春歌が恋人を自慢してきたことだし、比企谷君を加えてパーティーを始めよう」

 

「何その始まり方!わざと?わざとなの!?」

 

こうして、何をしていいのか分からない、人生初、人の家でのクリスマスが始まった。

 

 

1時間後・・・・。そう、この一時間の間に、すっかり酒を飲んで酔ってしまった太宰両親は、俺と春歌に、質問という名の、罰ゲームをさせた。そして、途中から自分たちが語り始めたよ。酔った勢いで普通に禁句とか言っちゃったし。春歌と気まずくなっちまったよ。

 

俺達はそんな両親から逃げるように、部屋に入った。

 

「なんか、騒がしくてごめんね」

 

「折角のクリスマスだし。はしゃいだ方が楽しいだろ」

 

「そう。・・じゃあ、私たちもはしゃごうか!」

 

「おおっと・・ちょっとぉ?」

 

どうしたんだ?急に抱き着いてきて。この前の泊待った時も感じたが、やはり子供のような甘えん坊が出る時があるのか。

 

「お前、急に甘えん坊になるときあるな。なんだそれ?」

 

「わかんないけど、衝動的にそうなるんだ。八幡がいる時だけね。やっぱり安心できるのかな」

 

そう言って顔を近づけてきた。一瞬何かわからず動揺したが、すぐに理解したため、俺もそれに応えようと、同じことをする。

 

「あらあら~」

 

「成長したな。春歌」

 

「なっ!お父さんお母さん!何してるの!?」

 

あー、思いっきり見られちまったな。

 

「八幡、また今度ね」

 

春歌は両親に見られた事で一気に羞恥心が込みあがってきたのか、俺にそう言って顔を離そうとした。・・・・・・・そうはさせないぞ?

 

「は、八幡!?」

 

「俺は毎回恥ずかしい思いをさせられるからな。たまにはお返しさせろ」

 

「で、でも親の前で・・!」

 

その親の方を見ると、ニヤニヤしながらどこかへ行ってしまった。

 

 




最後まで読んでいただきありがとうございます。

ちょっと積極的になっちゃったかな?

また明日。

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