バイト中、客足が少ないときは基本、暇な時がある。その間にネタとかを考えてるんだけど、いざ自宅に帰って書こうとすると、忘れてる時があるんだよ。はい、無意味。
それではご覧ください。
太宰の部屋で少し喋った後、太宰の母から晩飯ができたとの報告があり、俺はリビングに案内された。
「いっぱい食べてね」
「はい。いただきます」
うむ、凄く美味い。さすがは母親だ。
そういや、もう数ヶ月くらい母ちゃんの料理食ってないな。お願いとかしたら作ってくれるんかな?いや、ガラじゃねぇし、いっか。
「あ、ご飯粒ついてるよ」
おっと、考え事してたから気付かなかった。自分で取ろうとしたら、それよりも先に太宰がとって食べてしまった。だが、太宰を見ると、表情一つ変えずに、平然としている。太宰って、たまに無自覚にドキッとさせられるんだよなぁ。
「あらあら♪」
一方、太宰の母は、俺達をニコニコしながら観察している。この状況をかなり楽しんでいる。
風呂まで貸してもらった俺は、太宰の部屋で漫画を読んでいる。今は、太宰が風呂の番だ。ラッキースケベなど起こしていないから安心してくれ。あんなものを現実世界で起こしたら、即悲鳴即ビンタ即通報だ。
「ふぅ、さっぱりした♪」
バスタオルを首に巻き、パジャマ姿で現れた太宰。人間初めて目にするものには、つい釘付けになってしまうものだ。そして同時に、見惚れてしまう。
普段一つに結んでいる髪は解かれ、ポニーテールからセミロングになっている黒髪、風呂あがり特有の少し上気して火照っている顔。艶やかな唇。思わず息を飲んでしまった。
「ど、どうしたの?そんなに見られると恥ずかしい・・・」
そう言って首に巻いてるバスタオルを上げ、口元を隠した。しかし、その仕草こそが余計にグッときた。
「綺麗だぞ」
「え!・・い、いきなりはずるいよ!比企谷君の方こそ私を誘ってるの!?」
「本心だけど」
「きゅ、急に素直にならないでよ!・・・いや、まぁ、嬉しいけど」
太宰は落ち着こうと、深呼吸をし、火照った頬をスーッと戻した。そして、俺の隣にピッタリくっつき、腕に抱き着いてきた。
「太宰?」
「お返し。比企谷君にも恥ずかしい思いをさせてやるんだから」
「それくらいで恥ずかしがってたら、これから先恋人やってけねぇっての」
「う~、悔しい・・・」
嘘です。かなり心臓が動いています。四六時中無表情だったから、自然と身に着けたポーカーフェイス力がここで役に立った。
そろそろ寝る時間のため、寝ることに。
「そういや、俺ってどこで寝ればいいんだ?」
「あ、ちょっと待ってて。お母さんから布団もらってくるから」
数分後・・・。
「はい、比企谷君」
「おう。悪いな」
「こういう時は、ありがとうだよ」
「・・・そうだな。サンキュー」
「うん。お休み」
「お休み」
予定外で突然の泊まりだったけど、案外楽しめた。さ、明日も学校だし、寝よう。
「(本当に何もしてこないんだなぁ。男の子なのに。されたらされたで戸惑うけど、う~ん、なんか自分でもよくわからない)」
最後まで読んでいただきありがとうございます。
俺がバイトしてるところは、基本生モノ以外揃ってるから、ある意味ネタの宝庫ではあるんだよね。
また明日。