早いなぁ。夏休みも残すところあと、2週間と数日だよ。
それではご覧ください。
俺は今、とても重大な問題を抱えている。問題と共に頭も抱えそうなほど、大変な事態だ。
家の鍵がない。
本来、小町が先に帰っているため、家の鍵は持つ事等ないのだ。けど、今日だけは違う。小町は学校帰りにそのまま、友人の家に泊まるため、小町は帰らない。もう、お分かりいただけただろうか?
いつもの癖で、鍵を持ってくるのを忘れました。
両親も夜遅くまで仕事だから、俺が家に入るためには、その時間まで親を待ってなきゃいけない。・・・どうしよう。半引きこもりの俺にとって、家に帰れないというのは、悲劇だ。
片手で頭を抱え、パンを頬張りながら、打開策を練ろうと、脳をフル回転させていると、不意に頭に何かが乗っかった。
「どうしたの?頭痛いの?・・・・痛いの痛いの飛んでけーー!」
その正体は太宰だ。まさかこの年で、その呪文を受けるとは思ってもいなかった。
「お前それ自分でやって恥ずかしくないのか?」
「言わないで!自分でも後悔してるから!」
そう言うなり、太宰は俺の背中に顔をピトッと当てた。
「どうしたの?何かあった?」
「家に帰れないんだ」
「・・・・ええ!?」
冒頭で言った俺の危機的状況をそのまま太宰に伝えた。
「じゃあうちに来なよ」
「・・・は?いや、そんな遅くまでいるわけにはいかないだろ?」
「じゃあ泊まってって!私の部屋結構広いから」
「なんだお前誘ってんのか?!そんなに彼氏を弄びやがって?!襲っちまうぞ!」
「そんなつもりで言ったんじゃないから!ただ純粋に彼氏の心配してるだけだよ!・・・・そ、それに、比企谷君なら、襲っても、いいけど・・・」
「おいやめろ。そう思わせぶりなことは言うんじゃない。・・でもありがとうな。じゃあ、泊まらせてもらう」
「うん。おいでおいで」
そんなわけで、太宰家にやってきました。着替えの問題は大丈夫。ジャージがあるし、下着は帰りに買った。準備バッチリだ。
「ただいまー」
「お邪魔します」
いざ、彼女の家に訪問。
「おかえり。ん?誰?」
「比企谷君。ほら、よく話してるでしょ」
「あー、この子が・・・。春歌の母です。よろしくね」
「ああ、どうも。比企谷八幡です」
「そんなにかしこまらなくてもいいよ。娘の初恋の相手なんだし♪」
こういう気兼ねなく話してくる人はありがたいな。あと初恋って、改めて意識させられると、なんか気恥ずかしい。しかも彼女の親に・・・。
「こ、こっち私の部屋だから、案内するね」
太宰も俺と同じ気持ちだったのか、俺の手を引いて、部屋へ招かれた。
「ごめんね。お母さん、結構舞い上がっちゃってるから」
「いや、逆にああいう人当たりいい人で良かったわ。厳格な人より断然いい」
きょろきょろと太宰の部屋を見渡すと、綺麗に片付いており、思ったほどピンクが少ない。女子高生って、部屋真っピンクという偏見をもってたが、少し改めよう。・・・・・・バシン!俺は、目の周りが痛くなるほど、強く目を手でふさいだ。
「ど、どうしたの!?」
「おい、あれ」
「え?・・・・・あ!」
その原因の方を指さした。すると、目隠しでも分かるくらい太宰は慌てて、そこに向かい、片付けた。その正体は、・・・太宰の下着類だった。見事にタンスの前に転がっていたのだ。
「ごめんごめん」
「次からは気を付けてくれ」
目を解放させ、太宰を見ると、顔を赤くし、チラチラと俺を横目にしている。
「・・・変な事考えないでよ」
「おい、それを言うなって。余計邪念が生まれるだろ」
最後まで読んでいただきありがとうございます。
原作に入るか?という質問を受けたので答えます。
2年には進級します。ただ奉仕部にはいれない。今のところ答えられるのはこれくらいかな。
また明日。