俺の高校生活は、彼女によって変化が訪れる   作:”アイゼロ”

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はい、どうも、アイゼロです。

太宰、ついに告白。そして、ごめんなさい。2000文字超えちゃった。

それではご覧ください。


22日目

「凄かったね!劇」

 

「ワイヤーアクションとか、いくら何でも力入れすぎだろ演劇部。おかげで、他の有志団体全然盛り上がってなかったし」

 

本当に、有志団体のバンドの人たちが可哀想だと思ってしまった。盛り上がってはいたが、まさかの劇より劣っている。

 

窓から外を見ると、既に日没寸前。時計の短針はすでに5の数字を超えていた。常に時間を気にする俺が時間を忘れるなんて珍しい。明日はロンギヌスの槍でも振るのかな?

 

「この学校も、なんか炎を囲って踊るらしいよ」

 

炎を囲う?・・・あー、あれか。あの薪を四角形に組み立てて、その中に文化祭で使った看板やら色々燃やすアレか。確かに外を見ると、それをやっている人がちらほら。ドラマだけかと思ってた。

 

「比企谷君、私たちも踊ろうよ」

 

「いや、何でだよ・・・」

 

こういうのって仲のいい男女かカップルが踊る行事だろ。逆に女同士もおかしいとは思わないが、男同士だと、笑われる。男にとって理不尽な世界だ。なんかスケール大きくなった。

 

「大事な話があるんだ♪」

 

とても大事とは思えないほどの笑顔で言われても。

 

「いいけど、俺踊りなんてできないぞ」

 

「適当に合わせてればいいんじゃない?他の人たちも多分踊れないでしょ」

 

随分と適当だなぁ。

 

 

はぁ・・・。断れるわけがない。笑顔でも、本当に大事な話があるのだろう。あんな真剣な目で訴えられたら、断るほうが逆に失礼だ。

 

 

「なんか、結構熱いね」

 

「だな」

 

テレビとかでは結構平気で踊ってるが、実際にやってみると、結構熱気が凄い。10分くらい経ったら、汗かきそう。

 

「それで、大事な話ってなんだ?」

 

「・・・私ね、比企谷君の事好きなんだ」

 

その声は、燃え盛る炎の音、周りの騒がしい声をもすり抜け、俺の耳に、鮮明に響いた。そして、愛の告白とは思えない、軽快な口調。しかし、そんな口調等気にも留めず、比企谷君が好きという言葉が、何度も頭でリピートされた。

 

「え?・・・え」

 

当然困惑するに決まっている。突然きた告白に、今すぐ答えられるほどの対応力なんて持ち合わせていないんだから。

 

「私、比企谷君の彼女になりたい」

 

思わず太宰の方へ振り向く。その瞳は、しっかりと俺の眼を射抜いていて、微動だにしていない。

 

「い、一旦ここ離れようぜ。踊りながらじゃなんだろ?」

 

「そうだね。じゃあ、あそこ行こうか」

 

列から離れ、やってきたのは、いつも俺が昼に飯を食っているベストプレイス。いつものように2人で座る。俺ら数分しか踊ってないな。

 

「返事の前に聞きたい。どうして俺を好きに?」

 

「最初は恋なんて知らなかったけど、比企谷君に抱いてるものが恋心と知ってから意識したかな?」

 

「・・・・すまない太宰。お前は真剣だったのに、俺は失礼なことをした。・・・太宰の言葉の裏を読もうとしてしまった」

 

 

※太宰視点

 

 

今の比企谷君の言葉に、ショックがないと言えば嘘になる。けど、彼が今まで過ごしてきたことを知っていたら、仕方がない事だと思う。

 

「太宰は、こんな裏を探る奴と、付き合ったって、嫌だろ?」

 

・・・え?

 

「太宰には、まだまだ先がある。そこには、絶対俺なんかよりも、いい男と出会えるはずだ。だから、こんな捻くれたボッチといたって」

 

・・・そんな震えた声で、たった今用意した文章を読まれたって、ちっとも痛くないよ。彼は、誰よりも優しい。見知らぬ人を体を張って助けるほど、強く、優しい人間。だからこそ、私の幸せを願って、自分から離れさせようとしてる。

 

けど、その自分を二の次にするいき過ぎた優しさはまちがってる。私は今、爪が刺さるほど、拳を握って、怒りを内に秘めている。

 

「悪いが、俺と太宰じゃ、釣り合わない。だから・・ッ!」

 

これ以上言わせない!私は彼の胸倉をつかみ、引っ張って、その嘘を並べて喋る口を、無理矢理私の口で塞いだ。所謂キスというやつ。なんでしたかって?比企谷君を止めるため!

 

「だ、太宰・・・」

 

「もう、これ以上、自分を傷つけるのはやめて。そんな心にもない事言って、また一人になろうとするのはやめて!

捻くれてるから何なの!?裏を探る?そんなの普通の人だってやってるよ!何で人には優しいのに自分には優しくできないの!?」

 

堪忍袋の緒が切れた私は、比企谷君の胸倉をつかんだまま、自分の秘めた思いを、そのまま叫んだ。

 

「ッ!?」

 

比企谷君は、驚いたように目を見開いている。取り敢えず、言いたいことを言えた私は、比企谷君を離し、静かに話を続ける。

 

「私の幸せは、比企谷君といることだよ」

 

そう言って私は、震えていた彼の手を優しく握った。

 

「・・・ありがとう、太宰。俺の事、そんな風に思ってくれて」

 

涙をこらえてるのか、彼の眉間に少ししわが寄っている。そして、私は見逃さない。涙を流してたまるかと、空いてる片手で、太ももをつねっているところを。おそらく赤く腫れてる。

 

「俺、太宰の事好きだわ」

 

「・・・え!?ええぇ!ちょっと、いきなりどうしたの!?」

 

比企谷君が突然こっちを見たと思ったら、まさかの告白をされてしまった。あまりに唐突過ぎて、動揺している。私も唐突だったから、人の事言えないけど。

 

「少し、自分に素直になってみたんだ。さっきお前が言ってただろ?心にもない事を言うなって」

 

「だとしてもいきなり過ぎない!?」

 

「おいおい・・。突然俺にキスしてきた奴が言うか?それ」

 

「うっ・・・」

 

それに関しては返す言葉もありません。ていうか恥ずかしくなるから、今は思い出させないで。

 

 

※八幡視点

 

 

数十秒の沈黙が続き、ついにその沈黙が破られた。

 

「太宰、もう一度言う。ありがとうな、こんな俺を好きになってくれて。そんで、俺と恋人になってくれ」

 

「うん。喜んで♪」

 

まさか、文化祭の日に恋人ができるなんて、いや、そもそも俺にできるなんて、全然思わなかった。明日はロンギヌスの槍のち雷神トールの大落雷かな。

 

もう俺は太宰に対して、絶対の信頼を寄せている。裏切られたら即自殺レベルで。・・重い?重いですね。

 

「捻くれてて、ネガティブなところも好きだけど、もう少し優しさを抑えてね。私結構怒ってるんだから」

 

「・・・・善処するよ。それか、無理矢理にでも太宰が止めてくれ」

 

「任せて!・・じゃあ、これからよろしく♪」

 

 

 




最後まで読んでいただきありがとうございます。

明日の分の話が完成していない。これに結構時間かけたからなぁ。

また明日。

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