俺の高校生活は、彼女によって変化が訪れる   作:”アイゼロ”

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はい、どうも、アイゼロです。

八幡誕生日おめでとう。

それではご覧ください。


19日目

約束の夏祭り当日。私、太宰春歌は、気合のいれた浴衣を纏い、駅で比企谷君を待っています。お母さんからは、彼氏なの?ねぇ彼氏?このこの~、なんて中学生みたいなからかい方されたけど。

 

あ、来た。

 

「悪い。待ったか?」

 

「全然」

 

楽しみにし過ぎて、時間の流れを全然感じなかったからね。

 

「どうかな?この浴衣」

 

「・・・いいと思うぞ」

 

彼は顔を逸らしながらも、ちゃんと答えてくれた。比企谷君にとって、これは照れ隠しのようなものなのです。

 

「早く乗ろうぜ」

 

さっさと改札を抜け、電車で夏祭りの場所まで移動。

 

 

外はほぼ夜のため、仕事帰りの人や、私たちと同じ祭りに行く人で結構混んでいた。でも車内はクーラーが効いてるおかげで、汗をかくことがない。

 

ガタンゴトン

 

「うわっ」

 

電車特有の激しい揺れに耐えきれず、比企谷君の方に体を寄せてしまった。ナイス電車。

 

「大丈夫か?」

 

「うん。ありがとう」

 

たまにでいいから、こういう一時の幸せを味わいたい。

 

「ほら」

 

「え?」

 

「さっきにみたいに倒れそうになったら危ないだろ?掴んでろ」

 

何と、まさかの比企谷君の方から腕を出してきました。それじゃあ、遠慮なく。

 

こういう場合、言われた通り掴むんじゃなく、あえて腕を絡ませるというのを漫画で読んだことがある。だけどそんなことできるはずもなく、私は言われた通りにした。今はこれくらいがちょうどいい。

 

ちょっぴり幸せなひと時を噛みしめながら、電車が揺れる事15分。目的地に到着した。

 

 

 

祭りはかなりの賑わいを見せています。老夫婦、カップル、高校生グループや中学生、老若男女共々目に映ります。

 

しかし、やはり人が多いから進むのに一苦労。はぐれないようにしなきゃ。

 

「はぁ、凄い人混みだ。・・・太宰」

 

「え?・・・」

 

比企谷君が何故か私に手を出してきた。私はそれに気づかず、首を傾げると、比企谷君はハッと何かに気づいたように、手を引いた。もしかして、はぐれないように手を繋ごうとしてたのかな?

 

「あ、悪い。つい兄スキルが出ちまった」

 

あ、成程。さっきの電車といい、今といい、妹がいるから無意識にリードしようとしたんだ。いい兄をお持ちですね、小町ちゃん。

 

「進もう!」

 

私は比企谷君の手を取り、そのまま屋台を見回りながら、進んだ。

 

取り敢えず、祭り気分を出そうと言い、比企谷君はわたあめ、私はリンゴ飴を食べています。

 

「そういや、もうすぐ花火が上がると思うぞ」

 

「へぇ、ここ花火もやるんだ」

 

「毎年同じ時間に打ち上げられるんだ。見るんだったら前に行った方がいい」

 

「じゃあ前に行こっか」

 

私、祭りで花火見るの、実は初めてなんだよね。今まで友達と、ただ遊んでて、花火の前に帰っちゃったし。

 

 

 

人をかき分け、前の方に出ると、ちょうどいいタイミングで花火が打ちあがった。

 

とても綺麗。やっぱり生だと迫力が違うなぁ・・・。

 

・・・・・あれ?花火に見惚れて、気が付かなかったけど、いつの間にか比企谷君と手が離れていた。

 

ん?と不思議に思った私は、比企谷君の方を見ると、何故か両手で耳を塞いでいた。でもしっかり、花火は見ている。

 

取り敢えず、話しかけないで、花火が終わったら聞こう。

 

 

 

 

「何で耳塞いでたの?」

 

「ああ。俺、昔から花火の音がどうしてもダメなんだ。ほら、あの花火が破裂するときの爆音。アレがどうしても耐えられなくてな」

 

「へぇ、珍しいね」

 

「調べたところ、こういう奴は聴覚が過敏なんだとよ。・・・今まで人間観察や必要以上に他人の陰口を聞いてたおかげかな」

 

そ、そんなことしてたんだ。一体どういう中学校生活を送ってきたのだろう。違う意味で知りたくなってきた。

 

「もう花火も終わったし、帰るか?」

 

「ん~、ちょっと名残惜しいけど・・。もう遅いし、帰った方がいいかな」

 

「おう、そうか。そうと決まれば帰ろう!」

 

「何でそんなノリノリなの?」

 

比企谷君の性格をよく知ってないと、今の言動は結構心にチクッとするよ・・・。気を付けようね。

 

 




最後まで読んでいただきありがとうございます。

八幡誕生日記念SSを投稿するので、そちらもよろしくお願いします。

また明日。

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