一話先の話を投稿してしまうという失態を犯してしまいました。
というわけで再投稿です。
それではご覧ください。
「お兄ちゃん、いいよー」
「はいよ」
太宰との話が終わったのか、本の世界に入っていた俺を現実へと呼び戻した。
リビングに入ると、テーブルに突っ伏している太宰がいた。俺はその太宰の向かい側の席に座る。
「おーい」
「比企谷君!?」
「うお、悪い。驚かせたな。・・・顔赤いがどうした?小町が何かしたか?」
「ううん!何でもないし、されてもないよ。あはは・・・・」
「そうか」
うん、絶対に何かあったなこれは。
「それで、何でまたうちに来たんだ?」
「遊びに来た!」
「・・・もう忘れたのか?うちに遊び道具なんてそんな無いって・・・」
「いいのいいの。こうしてるだけで楽しいから!」
「はぁ、お前友達とかと遊びに行けばいいだろ?」
俺がそう言うと、うっ、と顔を固くし、視線を横に移した。
「み、皆それぞれ用事があるっていうから・・・」
「・・・・・暇人かよ」
「ちょっと!小声で言ったつもりだったんだろうけど、聞こえてるからね!それと比企谷君にだけは言われたくない」
「悪かった。そんなに怒るなよ。・・・んじゃ、そんな太宰にあるものを渡そう」
「ん?プールのチケット?」
「親父が友人からもらってな。そんで俺の手に渡ってきたんだ。でも俺、行く相手いねえし。友達連れて行ったらどうだ?この一枚だけで5人も入れる万能チケットだぞ」
最初は親父が、母ちゃんと小町で行こうと言っていたが、その2人に行かないと言われてしまったのだ。そして、傷心中の親父は、最初から俺をハブらせてたくせに、俺にあげてきたからな。ボッチにグループ専用のプールチケット渡すとか、どんな嫌がらせだよ。全く新しいぞ。
「もらって大丈夫なの?」
「ああ。俺が持っててもしょうがないしな」
「じゃあ、もらうね。ありがとう♪それじゃあ行こっか。比企谷君」
・・・・は?この子、今俺が言った事わかっているのだろうか。俺は友達と行けばいいと言ったんだが・・。あー、俺も友達だったか。でも、俺が言ったのは、太宰が普段から仲良くしてる女友達と行くといいって意味だ。
「いや、行かねえよ」
「えー!どうして!行こうよ。ていうか行って」
「命令形かよ。とにかく俺は行かない」
「こうなったら、恥ずかしいけど・・・・・。お願い?」
太宰は口元に手を添え、上目遣いでお願いをしてきた。
「あざとっ」
「くぅ!・・・・折角羞恥心を抑えたのに・・・。」
太宰、意外と粘り強いぞ。そこまでして俺を連れて行って何があるというのだ・・・。
「・・・・・小町ちゃんに言いつけるよ?」
「暴挙に出やがったなこの女郎が・・・。わーったよ!行きゃいいんだろ」
「よしっ!」
太宰は小さくガッツポーズをした。なんだろう、一瞬だけ子供のような可愛さを垣間見た気がする。
最後まで読んでいただきありがとうございます。
とある感想をいただきました。
『がはまさんが息してない!』
アイゼロ氏「させねぇよ!」
また明日。