俺の高校生活は、彼女によって変化が訪れる   作:”アイゼロ”

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はい、どうも、アイゼロです。

部活があるため、深夜投稿。

それではご覧ください。


12日目

「落ち着いたか?」

 

「うん・・・」

 

映画が終わり、自我を取り戻した太宰は己が何をしているのかを理解し、顔を赤くしながら、そっと離れてくれた。

 

「いや、悪かったな。ホラー選んじまって」

 

「ううん。言わなかった私が悪いの。変に意地張っちゃって」

 

いや、俺こそ、なんて言おうとしたけど、このままだと謝罪の嵐になってしまうため、俺は口を閉じた。

 

「そういや、昼は食って来たのか?もうすぐ12時だけど」

 

「ううん。実は食べてきてないんだ。言われたらお腹空いてきちゃった」ぐぅぅぅ

 

太宰がそう言った途端、腹の虫も反応した。恥ずかしそうにお腹を押さえている。

 

「ふっ、んじゃ、今ある材料で何か作るな」

 

「うぅ、触れないところはありがたいけど・・・。ていうか、比企谷君料理できるんだ」

 

「まあな。親が帰り遅いから、俺が作ってたんだ」

 

て言っても、小町が中学上がる時にはすでに、あまりやっていないんだけどね。変に意地を張ってしまった俺がいる。

 

「何かリクエストがあるなら聞くが・・・」

 

「・・・じゃあ、その、できればオムライスをお願いします」

 

「オムライスね・・・。よし、材料揃ってるから待ってろ」

 

「はーい」

 

 

 

 

 

 

 

 

「できたぞ」

 

「いただきます。・・・・美味しい!」

 

「そうか。それは良かった」

 

「私も料理できるようになりたいなぁ」

 

当然俺は自分から話題を振ることができないため、数分おきに太宰が口を開いている。

 

「なんかさ、こうして今の状況を顧みるとさ」

 

「ん?なんだ?」

 

「私達、付き合ってるみたいだね」

 

「ぶっ!な、何言ってんだいきなり」

 

なんだこいつ?何故突然そんなことを言ってきたんだ・・・。クソっ、なんか弄ばれてるように感じてしまう。

 

「あはは、比企谷君顔赤いよ」

 

「うるせー。そう言うお前こそ顔真っ赤だぞ」

 

「・・へ?」

 

どうやら気付いていなかったらしく、きょとんと首を傾げながら、自分の顔に手を当てている。

 

「あ、あれ?何でだろう・・。あははは」

 

顔の熱を引かせながら、空笑いをする太宰。

 

 

 

 

 

 

昼飯を食い終わった後、本当に何をしようか迷う。今は俺と太宰ともにボーっとしている。すると、太宰はハッとして目を見開き、こちらを向いた。

 

「比企谷君の部屋ってどこにあるの?」

 

「は?2階だが、まさか入る気か?」

 

「え?入れてくれないの?」

 

「・・・何にもないし。入れる気はねぇよ」

 

「ええー!お願い、入れて入れて!」

 

ちょっとぉ、腕引っ張らないで。顔近い近い!なんかすっげぇいい匂いするから。

 

「おい、離せ。あと近い」

 

「入れてよー。気になるじゃん」

 

・・・・・・・・・

 

 

 

 

「へえ、意外と片付いてるねー」

 

結局入れてしまった・・・。

 

「本当に本ばっかりだ。やっぱり色々な文豪の小説持ってるんだね。あ、ラノベもある」

 

そう言って太宰は俺のデカい本棚を物珍しそうに見て、漁ったりしている。そして、とうとう本を読みだしてしまった。うん、このままでいい気がする。静かだし。・・・・でも君、普通に何の前触れもなく俺のベッドに座って読み始めたね。

 

太宰が読んでいるのは、太宰治著の『人間失格』。どうやら、本格的に興味を持ったらしいな。一度は止めたが、やはり気になっていたんだろう。

 

俺も適当に本を手に取り、読み始めた。俺が読むのはリゼロだ。ラノベですよ。

 

 

 

 

静寂に包まれながら1時間が経った。少し背筋を伸ばし、太宰を横目にやると、目を疑う光景が広がっていた。

 

座っていたはずなのに、いつの間にか寝ていて、しかも仰向けにベッドで寝てしまっている。

 

額に手を当てしばしうなだれながらも、特に気に留めないふりをし、再びリゼロの世界に入りこんだ。ああ、太宰が寝る前の時間に死に戻りたい。いや死にたくはないな。

 

 

 

更に2時間後、時刻は17時という、そろそろ家に帰らなければいけない時間だ。・・・太宰はまだ寝ています。起こそう。

 

「おい、起きろ太宰」

 

「・・・え?あれ?寝てた?・・」

 

「思いっきり寝てたぞ」

 

「ご、ごめん。ついうっかり」

 

「いや、別にいい。それより、もう日没だ。送ってやるから帰った方がいい」

 

「うん、そうする。・・・それよりさ、私の寝顔、見た?」

 

「え?見たけど」

 

「やっぱり。・・うぅ」

 

女子って、寝顔見られることがそんなに嫌だったのか。だとしたら悪いことしたな。

 

「ああ、悪いな。見ちまって」

 

「ううん。私も寝ちゃったからいいよ」

 

「そう言ってくれるとありがたい。もう帰った方がいいぞ。送ってくから」

 

「う、うん!じゃあ、お願い」

 




最後まで読んでいただきありがとうございます。

そろそろストックが尽きそうです。頑張りますん。

また明日。

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